『花咲いて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
花咲いて
落ちて
誰かの肥やしになって
わたしのかけらが花になる
そうやって生きたい
あなたと会うと、私の心に花が咲く。
華やかで綺麗な、優しい気持ちになる。
もっと可憐になりたい。綺麗だと言ってほしい。
いつでも、花のような笑顔でいた。
でも、でも、
花は散ってしまった。
「花咲いて」
「ねぇ、蓮見て!」
先程まで僕と並んで歩いていた幼なじみの岩崎透が突然しゃがみこむ。このような突飛な行動は透にしてはよくあることで、僕──七雲蓮──は眉一つも動かさなかった。透はふわふわした奴で、昔からあっちに行っては怪我をしてこっちに来ては怪我を怪我を増やしてと危なっかしい。僕は降っている雨も気にせずに足元の何かに夢中な透にさしている傘を傾けた。
「何、透。どうしたの。」
「みて、ここ!ちっちゃいけど綺麗な花が咲いてる!」
「ふふ、ほんとだね。青い花びらが雨に映えてる。」
透の視線が釘付けにされているのは青色の小さな花だった。特に野草に明るくない僕には名前は分からなかったが、その花を見てキラキラと目を輝かせている透がとても可愛らしくていつまでも見つめていられた。
「ねぇ、蓮は何色の花が好きー?」
「んー、あまり拘りはないけど、この青い花は今まで見てきた中でもすごく綺麗だって思うよ。」
「わかる!俺もこの花すげー好き。」
そう言ってふわりと笑う透。ついその可憐さに心を揺さぶられて抱きしめてしまいそうになる。でも僕は透とのこの距離を保つために絶対にそれを理性で押さえつける。青色の花は本当に美しくて、花の名前が分からないのが悲しくなるほどだった。それでも僕の目には透の花が咲いたような笑顔の方が、道端に咲いていた青の花よりもずっと美しくうつって見えたから。
リトープスっていう多肉植物を知ってる?
一見、丸味をおびた石ころみたいなんだけど、ちゃんと育てるときれいな花が咲くんだってさ
僕も、今は道端の石ころみたいに地味で目立たない存在だけど、いつか大きな花を咲かせたいな、なんて思ったりするんだ
花はいつか開花する。
それは他より遅いかもしれない
それは他より早いかもしれない
だが、努力を絶やさなければ
花は開花する。
誰かが言っていた
「才能は開花させるものセンスは磨くもの」
信じて、進み続けた先には希望の山だった。
【花咲いて】
#花咲いて
赤白、黄色にピンク橙色。
店先に並んだ花々たちは、いわゆるトップスター。
私はお店先にある花壇に生えている、名もない草。
普通なら邪魔な雑草として引っこ抜かれて、ポイと捨てられるだけの私を、この花屋の店長さんであるあなたは可愛らしいといって大事に大事に育ててくれていた。
そして今日も、綺麗なニンゲンの女性に買われていく、大きくて綺麗な百合の姉様を見送りつつ、あなたがジョウロから降らせてくれる雨を体いっぱいに浴びている。
ジョウロから最後の一雫がぽとりと葉っぱに落ちたとき、私はあなたに見てみて、と無言でアピールをしたわ。
それに気がついたあなたは身をかがめて、そっとそれに触れてきたの。
頑張って咲かせた花はとてもとても小さな花だけど、こうして花咲いて見せることが出来たのは、きっとあなたの愛情のおかげよ。そういうように、一生懸命葉を揺らしたわ。気持ちの上だけ、の話だけど。
そうして咲いた花が、実は世界にたった一つしかない新種の花で、それを知ったあなたが二重の意味で喜ぶことになるのを、店長であるあなたも、そして花咲かせた私自身もまだ知らない。
枯れる直前がクライマックス
私もそんなふうに生きたいものです
「花が咲く」
花が咲くって言ったら人の心と考えます。
理由は、花にも心というものがあると思うので花がしおれてしまうとぐったりした様子が現れたり、元気に満開に花が咲いていると、元気な様子が出てきたりするから、人の心と同じだなと思いました。
人の心も同様に、『疲れ』や『今日は気分が乗らない』という様な感じが出るとマイナスな考えになったり、『今日は調子が良い』や『いい事が増えた』等という様な感じが出るとポジティブな考えになるから、花の表現の仕方がすごく似てると思いました。
もし、花がしおれていたら水をかけてあげれば、少しずつ元気になり、綺麗な花が咲くと考えます。
その為、花に水をかける感じで人が悩みを抱えて居たら声を掛け、寄り添い助けてあげる事が大事だと考えました。
花が綺麗に咲くように、人の心は大事なんだと考えさせられました。
終わり。
特別クラスの男の子。
たったひとりぼっちのクラスに通う子。
何かの病気で、普通のクラスには通えない子。
誰かと話をしているところを見た事ない。
先生とか送り迎えのお母さんとも話をしてるの見た事ない
でも、見た目は普通の子。
普段、どんな授業うけてるかもわからない子。
先生たちは私達には何も言わない。
でもみんな知ってる子。
私達より少し早く帰る子。
一階の窓際の席になった私は、その子と先生がお母さんの迎えを待っているのを見た事がある。
夏の暑い日に、太陽に向かって伸びたひまわりを見てその子はニッコリ笑った。
私以外誰も見てないと思う。多分。
迎えに来たお母さんは凄く美人でびっくりした。
先生もにっこりして、男の子の手は先生からお母さんへ。
瞬間、男の子の眉に皺が寄った。
さっきまでひまわりみて笑ってたのに。
お母さんは優しい笑顔で何か話しかけてから男の子の手を引いて歩き出す。
それからなんだか、男の子が帰る時間は観察した。
綺麗なお母さんはいつも違う服で、キラキラ。
男の子は、お母さんが来ると眉に皺を寄せる。
帰りたくないのかな?
ある日、私のクラスのサボテンが花を咲かせた。
男の子が、サボテンの花を見て笑った気がした。
だから少し手を振ってみた。
男の子も手を振りかえしてくれた。
日の加減で笑顔かどうかわからない。
男の子をじっと見つめたけれど、男の子はぐんっと強い力で校門の方へ引っ張られて行った。
それから男の子は学校に来ていないみたいだった。
いつもの時間にいないから。校庭に。
夏休み前なのに席替えがあったから、また通い出したのかもしれないし。来ていないかもしれない。
二学期になったら特別クラスに遊びに行ってみようかな。って思っていたら、夏休みの間に男の子死んじゃったっぽい。
学校が写し出されたニュース。同じ学年の男の子。
その子が死んだってニュースだけ。あの子かな?あの子しかいないよね?名前知らない同級生は。
ニュースではお友達と川に遊びに行って溺れちゃったって。
私達もよく行く近所の小川。
あの子が来ているのは見たことないけどなぁ
お母さんはフィルムを貼られたような映像で「なんであの子だけがこんな目に…」と泣き喚くテレビ映像。
私の親からも危ないからあの川に行くなと言われた。
ひまわりが咲いているのを見るとあの子の笑顔が見える。何年経っても。
私しか知らないあの子の笑顔だったら悲しいな。
才能は花が咲く様に一瞬で、すぐに枯れてしまう。
どんなに綺麗な花でも、新しい事に価値がある様に、代替え品を世の中はずっと求めている。
だから、画面越しに輝く貴方が早く朽ちてまたあの日の様に話せる事を私はずっと願っている。
貴方は花なんて言う程綺麗じゃない。
それでも私は、花より美しいと思っているんだ。
「花咲いて」
花を咲かせることは
自分が人から見られたり
攻撃されても大丈夫な準備ができた合図
他の花の花粉を受け入れて
自分は花弁を落とし
実を結び種を残す覚悟だの
哀れで可憐で気高い花嫁。
そういうわけで
わたしの花は
咲く準備は当分整わない
「花咲いて」
小学生の卒業式に、
校長先生が贈ってくれた言葉。
念ずれば、花開く
当時は古臭い響きだな、なんて
ありがたく受け取ることができなかったけど、
可能性ある子供達にとって、
とても意味のある言葉だったんだと、今は思う。
#花咲いて
『花咲いて』
今日、1つ決めた。
気持ちが、穏やかで
ホッとした。
良かった…。
花咲いて
水がなくなり
枯れてゆく
まるで儚く散って行く花火のようですね。
俺は好きな人お祭りに誘えなかったな。
【花咲いて】
花咲いて あなたの声も 微笑みも
薄れぬ香りに かき消されゆく
【お題:花咲いて】
花が咲くと書き花咲(かえ)。それが私の名前。
「花咲~?いる~?」
大声で私を呼ぶ声。いつも言ってるがチャイムをならしてくれ。近所迷惑だ。
「いるよ~。ちょっと待っててー」
「分かった!」
「さ~て、フラワーパークに行くよ!レッツゴー!」
「オー」
「テンション低いね~花咲は」
「はぁ。咲希がテンション高いだけだから」
「あっ、電車きた。」
「話をそらさないの」
「まあまあ、フラワーパーク行くんだから。そんなカッカしなぁいの」
「咲希のせいなんだけど」
「ははは、ご冗談を」
「冗談じゃないよ。」
「...すんません。」
「はぁ。しょうがないな。許す」
「ありがと~花咲~」
「暑い」
「もう、つれないなー」
「はぁ。」
私はまた一つ溜め息をこぼした。
「そういえばさ、私たちって名前似てるよね」
「え?咲希と花咲って似てないと思うけど」
「いやいや、私の名字って花里じゃん?ふたリとも花と咲って入ってるなーって」
「そうだね。」
「花咲ってどうしてその名前になったの?」
「お父さんがお母さんにプロポーズしたのがフラワーパークで、私が生まれたときお母さんが好きな花がちょうど
咲く季節で、じゃあ、花が咲くって書いて花咲にしようってなったんだって。」
「ひゃー、花咲のお父さんここでプロポーズしたんだ!ステキじゃぁ~ん」
「なんかウザい」
「でも、なんか花が咲いて、花咲が生まれたって感じしていいんじゃない?」
「よく分からん」
「ええー!なんでよ!!!!!!!!!!!」
...花咲いて花咲。ちょっといいかもな。
【私の花壇】
ヤマモモの実…食べたいなと思い種を花壇に一ヶ月前に植えたのだが…
なんの反応もないので掘り返したら…
花壇の中で行方不明になりました…。
なのでその花壇にタンポポでも植えて
沢山はえたらタンポポコーヒーでもしようかな?
どんな味するのか興味がある。
なんて思ってますがタンポポが咲いた頃に何故かヤマモモの芽がひょっこり出てきたりしないかな?
とりあえず…タンポポ植えるところから始めなければ…。
私のガーデニングもどきは花がうんぬんではなく好奇心と食に傾いてる気がする(´▽`*)アハハ
テーマ【花咲いて】
花咲いて
ある所に死にたがりな少女が居ました。
彼女は報われたくて
長年の夢だった。
『死』を決行することにしました。
彼女は毒の花の種を飲み込みました。
その種が腹の中で発芽し蕾になり花が咲いた暁には
きっと彼女は死ぬ事ができるのだろうと
考えました。
それから彼女は赤子を身ごもった母親の様に
自分の体を丁重に扱い
朝昼晩ご飯を食べて
日を浴びました。
彼女は異常ながらも日々に幸せを感じる事が
出来るようになりました。
彼女はそれからいつか「死ねる」と
余裕がつき
彼女は「死ぬ」前にしたい事を始めました。
彼女は美味しい物を食べ
彼女は友達を作り
彼女は好きな人に告白をしました。
そんな彼女の顔には花が咲きました。
彼女は報われました。
__________________________________________
彼女の顔に花が咲いた。
=笑顔になった。
=顔に花が咲いて亡くなってしまった。
2パターンで読み取れます。
お題 「花咲いて」
花は咲いては必ず枯れて亡くなってしまう生き物です
人間だってそうです
人間は産まれてきては必ず歳老いて亡くなってしまう生き物
花も手入れしないと成長しないで枯れてしまう
人間も世話をしないと成長しないで亡くなってしまう
人間も花も同じなんですよ。
『花咲いて』2023.07.23
きらびやかな舞台上に、大輪の花が咲いている。
ひときわ大きな花は、頂点の証。両脇の花も見事なものである。
そのうちの片方、二番手の証を背負った花がこちらに気付いた。
パチン、と音がしそうなウインクを飛ばしてくる。やめてほしい。
ファンなら卒倒ものだが、残念なことに自分は彼女の義兄にあたる。彼女らの特技を見せつけられても、キュンとはしない。
トップは皆に平等に視線を送っている。相方は両親でも見つけたのか、パッと華が咲くような笑顔を見せた。
二番手は観客に微笑みかけながら、銀の橋を渡る。そして、またこちらにウインクを一つ。
その度に自分の周りに座っている観客が、手拍子をしながら声にならない悲鳴をあげている。確か隣の女性は、今日が初観劇だと話していた。これで二番手のファンが一人増えた。
そうやって、いわゆる一本釣りを得意とする者が、いた気がする。すごく身近に。
それはともかく、我が義妹ながら罪作りな女性だと思う。
闇の深い、俗な言い方をすればヤンデレな役を得意とし、愛する人に熱心に愛を向ける様に、ファンは自己投影する。
私もあんなふうに想われたい。こんなぐあいに。
それをさらりとやってのけるのだから、たいしたものだ。
花園で花咲く彼女は、義妹であり、尊敬に値する役者である。