『自転車に乗って』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
自転車に乗って
自転車を漕いでいた
信号が赤だ、止まろう。
青になるまでぼーっとしていた
それが悪かったのかもしれない
気づいたら体中が痛かった
高齢の方が運転していた車に轢かれたらしい
普通の生活に戻れるかもしれないと言われた
少しホッとした
でも、もう外には出たくない
お見舞いに来てくれる人もいたけど、
1番仲良いはずの好きな人は来てくれなかった
期待したのが悪かった
早く復活してみんなと遊びたいなー
「今日の買い出し、コレで行くよ」
どこから見つけてきたのか、古びた自転車を出して来たのは良い。
しかし、その後が良くない。
「なんでぇしょーこセンパイが漕ぐ方で、ぼくがうしろに乗る方なのぉ!?」
「私が先輩だから?」
「でもこーゆーのはぁ、男の子が女の子をうしろに乗せて、『しっかり掴まっててね』とかなんとか言ってぇ、心も体も距離が縮まるシチュエーションが少女漫画のお決まりなんだよぉ!?」
椋が大袈裟に地団駄を踏む姿を、停めた自転車のハンドルを肘置きにして硝子は鼻で笑う。
「でもそれ私たちじゃ実現不可能じゃん。相手、私だよ?」
薄笑いのまま、持っていた煙草を口元に運ぶ。
……たしかに、彼女がテンプレな少女漫画のヒロインに成り代わっても、ドキッ、キュン、等の効果音は1mmたりとも出ないだろう。
「たしかにぃしょーこセンパイにテンプレヒロインは似合わないけどぉ」
「第一、」
ずい、と短い白棒で指を差される。
「来曲、チャリ乗れるの?」
「ゔ……のっ…たことはないです…」
「そうじゃないかと思った。いいとこの坊っちゃんアイツも乗ったことないって言ってたから、来曲んちもそうかと」
「で、でもぉちょっと練習すれば多分、乗れるもん!きっと!」
「ハイハイ、後で練習付き合ってあげるから。買い出しが先」
硝子は食い下がる椋の肩を押し、本来乗る場所ではない自転車の荷台に座らせた。
「あぁ、それに」
スタンドを外しながら椋を見下ろし、煙草を持っていない方の指で顎を掬い、ニヤリと笑う。
「最近の少女漫画は、女の子がかっこいいってやつも流行りらしいよ?」
紫煙を燻らせながら平然と自転車を漕ぐ少女と、先輩の格好良さにやられて赤面する少年の姿も、ちょっと変わっているが、まさしく青い春だ。
【自転車に乗って】
きみの街までどれくらいだろう。
そこまで遠くないことは知っているけれど、地図でしかわからない。
検索した経路はどんな道を通るのだろう。
景色を楽しむことを許してほしい。
寄り道してしまうかもしれない。
穏やかな陽と風が気持ちいいだろうから。
どこかに誘われてしまうかもしれない。
けれど、きっときみがいないとつまらない。
今から会いに行くよ。
少しだけ、待っていてね。
近所のスーパーに自転車で買い物に行って
帰りにロックを外そうとしたらね
鍵がないの、どこにも
パニックになって辺りをキョロキョロしてたら
パトカーに乗った警察官と目が合って
ていうか、すごい見られてて…
いや、おい、自転車泥棒じゃねーからな?
※鍵はポッケにありました、ごめんなさい
#自転車に乗って
自転車に乗って
高校の時は、自転車通学だった…片道6kmを、行きは下り坂、帰りは登り坂…毎日、汗だくになりながら、通って…
幼稚園の頃から、便利な移動手段で、少しずつ、大きな自転車に変わってきた…その度に、何となく、大人になった気がして、嬉しいと、感じていた…
自転車に乗って
わたしは自転車に乗ることはない。
家に自転車がないし、
歩くことがとても好きだ。
自転車に乗って、いる人は
どんな気持ちなのだろうか。
【自転車に乗って】*68*
大きな公園デート♪
この時期は無理だな笑
春か秋の涼しい夕方とかいいなぁ
途中でアイスとか買って…ん、楽しい、絶対!!笑
2人で漕ぐのやりたい
2人乗りもちょっとだけ見逃してっ♪
自転車で過ぎてく君
窓を開けて花壇に水やりする頃
君は通り過ぎてく
陽射しは厳しくなっていき
君は通り過ぎてく
朝顔は今日も3つ並んで言う
今日も言わないのかい?
おはようございます
それが僕にはせーいっぱいの言葉
君は通り過ぎてく
淡い桃色の君が通り過ぎてく
朝顔が3つ並んで僕に言う
明日こそ明日こそは
君が通り過ぎてく
遠くの方に丘の向こうに
君の背中が消えていく
自転車に乗って
どこまで行こうかどこに行こうか
君の好きな芝生の公園に行こうか
それともメタセコイアの森まで行こうか
君の好きなところに
いつまでも君と一緒に
「自転車に乗って」
自転車に乗って、あなたが私の横を通り過ぎる。
小さくなっていく君の背中を見ていた。
なんとなく寂しくなった。
言葉の自転車に乗って、書物を旅する。
旅はいつも、潮騒の様な音を立てる森から始まる。
吹き抜ける風に煽られた葉は、荒波のような音を立てている。それに呼応するかのようにチラチラと光が乱舞する。
荒波の中に隠れた声を聞いただろうか?
乱舞する光は、何を照らしていた?
ここにおいては、全て必然。
物語の主の作意は、もうすでにある。
取りこぼさず進む為には、一旦言葉の自転車を降りて歩くこと。その際、言葉の自転車を押すのも忘れずに。
言葉の自転車を押しながらのんびり歩いていると、見落としがちなものを見つけられる。
例えば、ほら。
あそこの樹の下にある花なんて、実に意味深だ。
描写が殊更な時は、そこに伝えたい意味が隠れていたりする。
愛でるついでに言葉を頂戴しよう。
街の入口が見えたなら、言葉の自転車はここに置いて、主人公を訪ねよう。
主人公は、物語のガイドだ。
例外はいくつかあるが、大抵出ずっぱりなので、すぐ見つかる。
無事見つけられたら、ガイドに続く旅行者になっても良いし、主人公と一体化するのもまた良い。
主人公との旅を通して、物語の概要や沢山の経験、感情を得られたら、次はサブキャラクター達に目を向ける。
彼らは彼らで、主人公にはない魅力を持っている。含蓄ある言葉も彼らから得やすい。
彼らの言葉を拾い上げ、いくつかを自分のお土産にしよう。
それが終わったら、街の入口へ戻る。
言葉の自転車の前籠に、手に入れた言葉達を入れる。
何故入れるかって?
言葉は言葉を呼ぶものだからさ。
さあ、準備が整ったならば、言葉の自転車に乗って旅といこう。行き先は、物語の裏側。
主人公達が通った道の脇。さり気なく通り過ぎた景色。賑わう街の裏路地。何気ない言葉。
主人公との経験やサブキャラクター達の言葉を携えた自転車でいくと、物語の中にあるいくつかの言葉達が光を帯び始める。
その言葉を拾い集め、繋げていくと──ほら。
「見ーつけた」
物語の裏側に隠れていた──素敵な秘密。
今日も私は、言葉の自転車に乗って書物の中を旅している。
物語の言葉の裏に隠れた、素敵な物を見つける為に。
自転車に乗って旅に出よう
下り坂も上り坂も、平坦な道でさえも
きっと新鮮に感じるよ
風を感じて、キラキラした世界へ迎えるから
『自転車に乗って』
自転車に乗って 夏の空気を吸い込んで 大切なものは置いてきた 思案すること放棄した 誰のせいでもない 誰のせいでもない 自転車に乗って 自転車に乗って
そういえば、自転車に乗って遠くまで行ったことってないなあ。
最後に乗ったのは確か大学1年生の頃。
次乗るのはいつになるのかな。
「自転車に乗って」
自転車に乗って、森を走り抜ける。
森があけたら花畑を走り抜ける。
天気のいい日だったから、君に会いたくて来た。
なんてドラマチックな歯痒いセリフを考えながら、自転車を漕ぐ。
風が気持ちよかった。優しく包み込むような風。
海が近いからか、潮の匂いが少し香ってくる。
彼の家は海の近く。彼が言うには、
「俺の先祖は海賊だったから、ひいひい爺様がここに家を建てた。」らしい。
海賊と聞けば、ここの土地には古くからの言い伝えがあった。
ある海賊船の船長と、この土地で一番勇敢だった警官が四度渡り合ったらしい。三度目までは、警官と海賊の対談で済んだのだが、四度目に渡り合ったときそれは起こった、警官が海賊の額に銃を突きつけた。これ以上、この島に滞在するのなら撃つと、けれど引き金は引けなかった。警官はこの海賊船の船長を知っていたのだ。
なんでもその海賊と警官は幼馴染であり、昔は兄弟とも言えるような仲だったと言う。
警官が迷っていると、その海賊はこう言った。
『引き金を引け。海賊の、それも船長に情けをかけるのか。おまえは、』
警官が未だ迷っていると、海賊は踵を返す。
警官は慌てて声を張り上げる。
『待て!!そこで止まれ、貴様のような悪党を見過ごせはできない。』
海賊は心底愉快そうに微笑み、船へ飛び乗った。
警官と海賊が渡り合った場所は島の海が一望できる崖で、船と崖の距離は十メートル近く離れていた。
それを海賊はいとも容易く軽やかに飛んだ。
綺麗な淡い色をした長い金髪が風に吹かれているのを呆気に取られながら見ていた。
…というのがこの土地の伝説だった。
なんともまぁ御伽話のようなものだと思う。
でも、あいつが海賊の子孫だと言うのは少しだけ納得してしまうかもしれない。
あいつはこの村の中で一人の金髪で、それもただの金色ではなく、淡く、角度を変えれば銀色のようにも見えるのだ。
海賊と警官の伝説。あいつが海賊ならば、おれは警官だろうか。そんなことを考えながら自転車を漕ぐ。
そよ風が吹き、自分の髪がなびく。短く切り揃えた茶色というか赤毛の髪が目にかかって少しチクリとした。
〜〜〜〜〜〜〜.
《海賊と警官の伝説》
(中略)曰く、この伝説を書き記したとされる者の日記には、海賊の髪が月のようだとしたら、警官は赤く燃えるような、優しい太陽のような髪色だったと記されていたと言う。
からから、からから。
くるくる、くるくる。
車輪がまわってる。
みーん、みーん。
しゃわ、しゃわ。
遠くで虫がないてる。
ゆさゆさ、ゆさゆさ。
だらだら、だらだら。
冷たい汗がながれてる。
もし、もし。もし、もし。
ぴい、ぽお。ぴい、ぽお。
双眸は固くとじている。
ぴいぃ。
ふるふる、ふるふる。
しろいぬのが、あなたを隠す。
ねえ、ねえ。
おいていかないでよ。
【自転車に乗って】
どこまでも、どこまでも
遠くに行きたいとペダルをこいだ
5分と経たず、もも肉に痛みが走る
どんだけ弱っているんだ我が足は
嫌いなあいつから逃げるように
これ程までにないチカラでペダルを回す
風よ
俺の涙を飛ばしてくれ
飛ばした涙で道に跡を残してくれ
好きなあいつが俺を探せるように
自転車に乗って
自然の風景を見ながら、
サイクリングしたいな
爽やかな風を感じながら
川のせせらぎに癒されて…
─── 自転車に乗って ───
子供の頃に練習はしたよ
別に途中で投げ出したわけじゃないけど
結局乗れないまま今に至ってる
そんな私を後ろに乗せて走りたいなんて
君は相当変わってると思う
乗せられる私は結構怖いんだけど
安全運転で走るから大丈夫だと言いながら
なんだか楽しげに私を後ろに乗せ走り出した
走り出すと怖かったのは最初だけで
風を感じたり景色が変わる事に何故か感動した
私のトラウマをこんなにも簡単に拭い去るなんて
当たり前だけど歩くのとは全然違うね
君の背をつかんでぼんやり考えてたら
だいぶ遠くまで走ってきている事に気付く
帰りがあるの忘れてないかな
私を乗せたいと言ったのは君だからね
家に帰るまで責任はちゃんと果たしてよ
私は練習していたあの日の事故で
両足が不自由なんだからね