『胸が高鳴る』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
チチチチチ・・
ジジ ジジ
鳥の鳴き声が聞こえる
シジュウカラかな
気配を消してあたりを見回す
ヤマガラがいる!
風がとても強くて、春の温かさを感じる日
庭の雑草を抜いていた
思いがけず、胸が高鳴る瞬間が訪れた
まさか家の庭で出会えるとは
幸せな一瞬をありがとう
テーマ「胸が高鳴る」
ちょっと高い桃缶を買った。
いわゆる黄桃缶のケミカルなカラシ色ではなく、自然な桃の色をしたイイやつだ。
牛乳を小鍋に注ぎ、火にかける。裏山のコジュケイが、ピーホッホ、ピーホッホと鳴きはじめた。コジュケイの鳴き声は爽やかだが、少々ひつこい。もう終いか、と思うとまたピーホッホ、もう終わっただろう、あピーホッホ。思わずふっと笑った時、鍋に細かな泡が立つ。三温糖を入れる。
寒天を溶かす。ゴンベラで溶かせばよいものを、味噌汁を作るときの癖で、つい菜箸を手に取ってしまう。間違えたと気付いたが、むきになって菜箸で溶かしてみる。コジュケイと私は、どちらがひつこいか。まだ鳴き続けているコジュケイと、すぐに諦めかけている私を比べたら明らかだ。
ゴンベラで混ぜると泡の具合が変わってくる。桃缶を開ける。ジャッと溢れてくるシロップは、鍋に入れてしまえば良い。甘くなりすぎてはならないと、庭の小ぶりなレモンをカットして、果汁を搾って加える。もうひと煮立ちしたら、火を止める。窓から差し込んだ陽の光を帯びて、鍋の中が艶めいている。あとはプリンカップに流し込んで冷蔵庫で冷やし固め、上に桃の果肉を乗せるだけ。
フィリップ・K・ディックの『ユービック』を読みながら、完成を待つ。胸が高鳴る。コールドスリープから覚めた先に待つのは荒廃した未来だが、私に待つのは気持ちよく冷えた桃のブラン・マンジェである。
__あなただけが、私の気分を上げてくれる。
初任給がもらえたら買おうと思っていた流行りのワンピースが売り切れていたとき。
湯船の栓を閉め忘れてお湯を無駄にしてしまったとき。
仕事で取引先の相手にお茶をぶっかけてしまったとき。
先週のデートで彼氏に褒めてもらえたお気に入りのピアスをなくしてしまったとき。
「はあ……私ってなんでこんなにダメダメなの?なにをやっても上手くいかないよ……」
自分の不器用さに思わず愚痴をこぼした、その時___足の指をふわっとなぞられる。
「ニャー」
「……慰めてくれてるの?」
「ニャー」ペットのミミちゃんが鳴く。
「…………うう、私に優しくしてくれるのはミミちゃんだけだよー!!」
ミミちゃんのお腹に埋もれながら叫ぶと呆れたような目をされて手からくぐり抜けられてしまう。
そうだ。
悲しいことだって、ミミちゃんとなら乗り越えられる。私はひとりじゃない。
「待ってよミミちゃ〜ん」
四つん這いになりながらみっともなくミミちゃんを追いかけていると、手のひらにでこぼことした感触。「イタッ」
そっと手をどけて見てみるとなくしたとばかり思っていたお気に入りのピアス。
「こ、これ……!ずっと探してたのに!……もしかしてミミちゃんが見つけてくれたの!?」
私の言うことなど気にせずに我が家の姫はフイっと顔を向けて別の部屋へ向かってしまった。
__んふふ、と間抜けな声が出る。
やはりミミちゃんといると全て上手くいくのではなかろうか。
明日は良いことが起きるような予感がした。
『胸が高鳴る』
くしゃくしゃの1万円札。煙草くさい待合室。握る番号札。誰かの呼ぶ声。胸が高鳴る。
胸が高鳴るのって、死にゲーのボス戦やってるときぐらいかな。
それでいいし、それ以外も結局は虚構で、そのうち味気なく醒めていくんだし。
声が聞こえるだけで嬉しくて。
授業のない日もたまに話しかけてくれたり、
貴方に少しでも近付きたくて始めたゲームの話で盛り上がったり。
頑張った分沢山褒めてもらえると、その度に胸が高鳴る。
その分他の子とも楽しそうに話してるのが聞こえてくるとモヤモヤしたり。
ダメなことはわかってるけど
私、先生に恋してるんだ
『胸が高鳴る』
勝手に期待して
勝手に裏切られて。
その繰り返しは大嫌いだ。
でも
どうしても
期待して胸が高鳴る。
このループはもう
どうにもできない。
胸が高鳴る。とは言ったものの今の私の顔はそんな可愛らしいものではないと断言できた。
一言で言えば高揚感。
自分がレーシングカーであれば大きなエンジン音がしているくらいに興奮を隠せないのだ。
胸が高鳴る
私とあなたのかけがえのない宝を産んでから1年。
私は出産、育児という大仕事で体型が大きく変わってしまった。
努力ではどうしようもない、崩れるのは仕方の無いこと。
わかっていたけど女性としては少々ショック。
「ごめんね、スタイル崩れちゃった」
私のスタイルが大好きと言ってくれていたあなた。
嫌われないか不安で、報告することで予防線を張ろうとする私。
「君は君でしょ、昔も今もずっとかわいいよ」
この胸の高鳴りはあなたが私の告白の返事をくれた日と何も変わらない。
出会って10年。
もう恋する乙女なんて言葉は似合わないけれど、
おばあさんになってもあなたに恋していたいのです。
“胸の高鳴り”
「母さん、私の眼鏡知らないか?」リビングでオロオロとメガネを探す私を見て家内はクスッと笑う。
「あらあら、またですか。」そう言いながら君は自分の頭を指す。その通りに頭に手を置けばそこには探していた眼鏡だった。眼鏡を手に取り君の顔を見ればあの頃と変わらない笑顔で「見つかって良かったですね」と微笑んだ。私もつられて笑ってしまう。
あの頃と変わらない君とのたわいもない会話に胸が高鳴る。今年で結婚して40年。
胸 が 高 鳴 る
君 か ら の 「 好 き 」 に 胸 が 高 鳴 っ て 、
で も 君 の 「 好 き 」 は 「 友 達 」 の 関 係
だ か ら で 、 恋 愛 の 意 味 で は 無 い ん だ ね
は ぁ ,,,,,,
そ ん な 事 軽 々 し く 言 わ ん で や
14 作 目
今日はついに推しの誕生日。自分の誕生日ではないのに、自分まで嬉しくなって《胸が高鳴る。》今まで集めてきた推しのグッズを机に綺麗に並べて、写真を撮る。こうして眺めていると、推し初めてから色々あったなぁ、と思って、呟いてしまう。親には何も思われていないが、思わず推しに反応してしまうと、つい声に出てしまうのだ。そのせいでたまに変な目で見られる。色々考えてたら、涙が出てきた。すぐ涙を拭いて、写真を加工してSNSに投稿する。すぐにいいねがついて、とても嬉しい。ふと時間をみると、もう2時間もたっている。今日は凄くいい1日だった。来年はどんな推しの誕生日にしよう。𝐇𝐀𝐏𝐏𝐘𝐁𝐈𝐑𝐓𝐇𝐃𝐀𝐘。
【胸が高鳴る】
君を一目見て胸が高鳴った事を今でも覚えている。
ふわっと風に舞う髪。花が咲き誇るような愛らしい笑顔。外見だけじゃない…
君を知れば知るほど愛おしく想える。小柄だけれど、責任感が強くしっかり者。困っている人を放っておけない優しさ。誰とも仲良くなれる太陽のような明るい人柄。
君と過ごしてなにげないことでも胸が高鳴る瞬間を積み重ねてきたから恋が生まれたのだろうか?
いつからかは分からないけれど、この気持ちは確かに君への愛おしい恋心。
君に伝える瞬間まで 後…何秒。
【胸が高鳴る】
それは色んなシーンで起こること。
例えば…楽しみにしていたこと
夢中になり興奮し始めること
何だかわからないできごと
人間の本能で起きること
酔いにより起きること
妄想に没頭したこと
危険を感じたこと
何か知ったこと
癒されたこと
嬉しいこと…のように
我々は今日もココロを弾ませながら旅だって行った。
……可愛いお洋服、綺麗な宝石、美味しいプチガトー。私の心を彩る魔法のアイテム。今日もMILKBOYで買ったお気に入りのスカートを履いて外に出よう。お店のショーウィンドウで着飾った私を見ると胸が高鳴る。
今日も私が世界一可愛い
はぁ「胸が高鳴る」
新しい会社、良い職場だといいな
これ以上自分を嫌いになる前に
辞められてよかった
仕事ってやらなければいけないけれど
それで悩まされたくないもの
もういいんだ、やった、嬉しい
楽しみすぎる
胸が高鳴る
ついさっき、彼から一言だけ
「〇〇、ごめん」とLINEにメッセージがきていた
今日のお題は「胸が高鳴る」だけど
高鳴るどころじゃねんだわ
返信もねーから、怖いし、不安だし、焦ってるし
どーしていいか分かんない
なにがなんでも
あんたにだけは、うんざりするくらい
縋ってやるんだから
私の胸の中も、頭の中もこんなにあんただけに
しやがったのに
無責任に捨てるなんて、絶対させないから
この瞬間を待っていた
ずっと会いたかった人に会える瞬間
この瞬間だけはドキドキして心臓がうるさい
なぜか不思議に歩く速度は速くなり歩幅は大きい
街のノイズさえも今は音楽
会う前の不安は会ってしまえば楽しみと嬉しさに変わる
こんなに幸せな気持ちになるのであれば、会えない時間も苦ではない
こんな幸せな瞬間がずっと続けばいいのに
胸が高鳴る____
2024.03.19
胸が高鳴る。きみの香りがする。動けなくなる。きみの声が聞こえる。まばたきすら惜しくなる。きみのぬくもりがすぐそこにある。わたしの世界が色鮮やかになる。
「紛れもなく、それは恋だね。」
唯一の親友の言葉がぼんやりとした頭に響く。
「初恋おめでとー。」
かけがえのない親友の視線は未だ小さな画面に向けられている。
わたしが何も返さないことを一つも不思議に思わないらしく、その目は動かない。まるできみに恋をするわたしのように。
「いやー、あたしも早く恋したいなあ。」
その言葉に心臓が踏み潰されたように、呼吸が荒くなる。
「ねー、どんな奴?」
決して広くない世界で、けれどその世界を丁寧に愛することができるひと、と言おうとした。
いま、目の前にいるひと、と言おうとした。
けれど、なにも言えなかった。
だって、きみを前にするとどうしようもなく唇が震えてしまう。
胸が高鳴る
待ち合わせには余裕がある時間なのに
家を飛び出して走る
きちんと整えてきた髪が乱れても
構っている余裕なんてない
君が来るにはまだ早すぎる時間なのに
そわそわと辺りを見渡す
我ながら挙動不審と思うけど
気にしている場合じゃない
もう少しで君に会える
それだけなのに
どうしてこんなに
胸が高鳴るのだろう