『繊細な花』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
自分を守るために
毒を持って
触れる者を拒む度に
脆く散っていく。
繊細な花
繊細な花。
とても美しいのにすぐに儚く散ってしまう。
まるで人間の心のようだなと感じる。
人間の心も、繊細な花のように美しいが、ちょっとしたことですぐに壊れてしまう。
あぁ、繊細なものってどうしてこうもすぐに無くなってしまうのだろう。
繊細と聞いて思い浮かべるのはすずらん
下を向いた釣鐘型の花が葉の陰に隠れるように
ひっそりと咲いてる姿が何とも愛らしい
細長い筋が特徴的な葉っぱも好き
単体でじゅうぶんメインをはれるのに
他の花々を引き立たせるために調和を図る
周りをよく見ていて、
場に応じた振る舞いができる人のよう。
すずらんやカスミソウは万能選手だね
もっともっと我が儘に生きてくれてもいいのに。
84:繊細な花
【繊細な花】
そうだと思っていた
誰かが大事に育てるものだと
しかし見誤っていた
野に咲いた花は強かった
しっかりと根を張って
強風に耐え
それでいて
見る者を和ませる
繊細な花を咲かせて
繊細な花
女に生まれたらみんなこれ
どれだけ歳を重ねたって半分以上?はこれ
ご本人が女を捨ててない限りはね
だから男達よ
毎日水をあげて下さいな
毎日愛でて下さいな
だって
そうする事であなた達も大事にされるのよ?
案外わかってないそこらの男達
多分明日からでも間に合うぞ!
高級な美容クリームのひとつでも買って帰れ?
つってなw
「繊細な花」の氷の花びらに透きとおる闇、掴み潰して、
❁短歌
繊細な花はきれいだけど風に吹かれると散ってしまう。
でもそんな散ってしまう風景もすごくきれいだ。
繊細な花のごとき君の背を見つけて駆け寄る春の夕暮れ
繊細な花をご所望とな…さて、何があっただろうか。
花というのはどれも繊細なものばかりだが、あなたが求めているのは植物のそれとは違うようだ。
ならば、六花など如何だろうか。
優美な形状にして、どんな花よりも短命で繊細。その繊細さは折り紙付きで、どんな人物が触れようと瞬く間に儚く散ってしまう。
高潔さと儚さを兼ね備えた自然の麗しさを物語る花。
如何かな?
丁寧に育てたつもり
優しく愛でたつもり
ひとつの線が並んで美しく
咲いていると思っている
願望の眼差しは期待を産み
苦しめたことすら気付かず
散るのをまっている
繊細な花
人の手が必要な花は繊細なんだろう
決まった場所・時間・季節にしか咲かない花も繊細なんだろう
それに対して道端に咲く野花は逞しさを感じる
勝手に育つし、踏まれても立ち上がる
雑草魂なんて比喩もある
名前もあるのに呼ばれることはほとんどない
繊細な花は逞しい野花を見て何を思うだろう
逞しい野花は繊細な花を見て何を思うだろう
繊細な花
少し水をあげすぎた
やっぱりダメなのね
人も一緒
たとえ愛情があったって叱りすぎてもダメなのよ
受け皿がないもの
育てている植物があるのだが
上手く育たない
植物は正直で繊細なのだ
植物は人の体調を整える
調整能力が備わっている
いわば人間の鏡である
つまり人が体調が悪くなると
植物は枯れる
自分が植物を枯らすのは
そういうことなのかもしれない
自分が元気になると
植物も元気になるんだ
1
『人魚の肉を食べると不死身になれる』
人魚にはそんな伝説が日本各地に残っている。
俺は伝説に聞く人魚を捕まえるため、とある海岸にやって来た。
この海岸では、人魚の目撃情報が多数あるのだ。
捕まえる目的はもちろん、食べて不死身になるため。
俺には不死身になりたい理由がある。
俺はこれまで会社に人生を捧げた。
入社から定年まで45年。
何も疑いもせず、会社のために身を粉にして働いた。
だが定年の身になって、初めて思ったのだ。
『仕事だけの俺の人生、一体何だったのか』と……
俺は怖くなった。
若い頃、年相応にやりたいことがたくさんあった。
けれど『今はまだ我慢の時』と仕事に没頭して、いつのまにかやりたい事が合った事すら忘れてしまった。
だが、実行に移そうにも、そんな体力はどこにもない。
だから、俺は人生をやり直すため、人魚を食べることにした。
不死身になれば、体力が無くとも時間をかけることが出来る。
俺は、人魚を食べて不死身となり、やりたかったことに挑戦すると決めた。
だが相手は伝説の人魚だ。
捕まえるのには長丁場となるだろう。
入念な準備と食料を用意し、海岸へ張り込んだ。
俺が死ぬのが先か、人魚を捕まえるのが先か……
と思っていたのだが、一日目であっさり捕まえることが出来た。
あまりの簡単さに、伝説は嘘ではないかと思い始めた。
こんなに簡単に不死身になれるわけがない。
だが食べた途端、体が見る見る若返った。
また久しく感じていなかった、とてつもない気力が、自分の中に生まれたことを感じる。
正直眉唾だったのだが、伝説は本当だったらしい。
「よし、これで不死身だ。
やりたいことやりまくるぜ」
仕事に夢中で出来なかったあれやこれや……
不死身になった今、俺には時間が無限にある。
俺の人生は、ここから始まるのだ。
2
一年後。
飽きた。
飽きてしまった。
不死身に飽きてしまった。
不死身になった後、『やりたい事』がたくさんあった。
だがいざ不死身になって、有り余る時間を手に入れた瞬間、『やりたい事』に魅力を感じなくなってしまったのだ。
とはいえ、時間がある。
しかたなく幾つかをやってみたものの、『こんなもんか……』以外の感想が出てこず、何も面白くなかった。
こんなものかとゲンナリして、それっきり何もせず怠惰に過ごした。
そうしてほとんど『やりたい事』をやらず一年が過ぎてしまった。
こんなはずではなかった。
俺は不死身になって、バラ色の人生を送るはずだったのに、なぜこんなことになってしまったのか。
俺にもう『やりたい事』はない。
これからの人生、一体どうすれば……
「はあ、不死身もういらねえな。
返品出来ねえかな……」
「飽きるの早くありません?」
俺の飽き性に苦言を呈するものがいた。
食べた人魚の幽霊である。
もちろん俺を食べた恨みを持つ悪霊なのだが、別に害は無いので放置している。
だが今俺は暇でしょうがなかったので、話に乗ることにした。
「はっ、魚風情が分かってないな。
こういうのは、いつでも出来ないから面白いんだよ」
「そういう物ですかね?」
「そういう物だ」
会話が途切れる。
お互いに会話を続ける意思が無いのだから仕方がない。
このままふて寝しようとしたとき、人魚のやつが爆弾発言をした。
「そうだ、あなたに伝えたいことがあったんです」
「伝えたい事……?」
「あなたの様に、人魚の肉を食べて不死身になった人間たちのデスゲームが始まります」
「デスゲーム!?
聞いてないぞ。
なんで言わなかった」
「会話をしようとしなかったじゃないですか」
「確かにそうだが……」
痛いところを突かれ、少しバツが悪くなる。
もうちょっと会話すればよかったな。
「それで?
なんでデスゲームしようとするんだ?」
「暇つぶしらしいです」
人魚の他人事のような発言に、俺は首を傾げる。
「暇つぶし『らしい』?
『らしい』ってなんだ?」
「あなた方の様に不死身になった方が、『何か面白い事をやる』といってデスゲームを始めるようです」
「どこで聞いたんだ?」
「悪霊ネットワークです。
我々がここに集まり、情報交換しているんです」
「なんだそれ……
だが興味あるな」
「悪霊ネットワークに入りたいなら、非業の死を遂げる必要があります」
「そっちじゃねえ、デスゲームの方だ」
面白い事=デスゲームというのは、少々意見したいところがある。
だがデスゲームというのは、とても興味を惹かれる。
「あんたを食ってからというもの、多少の傷はすぐ直るようになった。
普通だったら死ぬような傷も、一日で治る……
そんな奴らが集まって殺し合いっていうのは、なかなか面白そうだ」
「血の気が多いですね」
「若くなったからか、気持ちも若い時のまんまだな」
「まあ、気に入ったのなら何より。
私も、貴方が無残に殺されるところを見るのが楽しみです。
ああ、私は何もしませんし、出来ませんのでそのつもりで」
「はっ、頼まれても手出しさせねえよ。
ククッ、不死身同士の殺し合い。
楽しみだぜ」
3
一年後。
「おい、デスゲームとやらはまだか」
俺は人魚の幽霊に向かって怒鳴り散らす。
「いったいいつまで待たせる気だ」
「その内、始まるそうです」
「『その内』っていつだよ?」
俺が怒り心頭で、幽霊を睨みつけるも、奴はどこ吹く風だった。
「私には何とも。
主催者の方が、その内やるって言ってただけなので」
「ふざけんな、暇で死にそうだ。
どうなっている?」
「そう言われましても……
主催者がその内としか言わないので」
「そいつ、やる気なくなったとかじゃないよな」
「分かりません。
まあ、気長に待ちましょうや。
我々には時間がいくらでもあるんですから」
繊細な花
花は繊細だ
切り花は毎日水をかえないと
腐ってしまう
繊細なお花から私はいつも元気をもらう
朝つらくて仕事に行きたくない時
お花が綺麗に咲いていると
お花が無理しないでやってきな
と言ってくれてるそんな気になり
行ってくるね
と挨拶する
繊細な人は人の心を読める気がする
きっとお花は私の心を読み
優しく話かけて側で見守ってくれてるのだ
そんな優しい人になりたいなぁ
そう思う
繊細な花はしっかり世話をしないと綺麗には咲かない
それは、人も一緒。繊細な人ほど真剣に向き合って対話をし、相手の傷つかない言葉を選んで発言しないと、『悲しい』だけが顔に出る。綺麗な笑顔を出すには常に気を使って接していかないといけない。
思春期になると人は皆、花を咲かせる。
そしてその花は、自分を象徴する花となり、それは咲かせた人にとってひとつの誇れる魅力となる。花は人の一部でそれは私たちと呼応する。
小さな小鉢のようなもので持ち歩く人もいれば、咲かせた花で大きな花冠を作る人もいる。花の魅せ方は人それぞれだ。
花と言うが、それは現実の野に咲く名前の着いた花ではなく、それぞれ名前のつかぬ唯一無二のものを咲かす。
であるが故に、初々しい思春期の真っ只中の人々は自分の花が咲くのはいつかいつかと心待ちにして日々を過ごすようになるのだった。
空っぽになった小さな小鉢が押し入れの奥底から出てきた時、私は不意に昔のことを思い出した。
――思春期には、例にも漏れず私にも花が咲いた。
硝子のように透き通る花弁は、見せた人、 皆を惹き付けた。
私はその花を小鉢に植えて、あまり人目につかぬように大切に持ち歩いていた。
けれど、ある日、クラスの中で何の話からか花を見せ合う話になって、半強制的に、クラスメイトたちはそれぞれ自分が咲かせたばかりの花を見せ合うことになった。そしてそれに準じて、私も、あまり人目につかずに大切にしてきた花をクラスの人達に見せることになった。
隠していたつもりではなかったが、あけっぴろげに持ち歩くのもなんだか恥ずかしくて人の目に晒すのはその日が初めてだった。
各々が花を見せあって言って、私の番になった。
小鉢にふわりと被せてあった布をはずしてみると、ちょうど陽の光が花にあたり、光を乱反射させて煌々と花が輝いた。自分で言うのもなんだが、その様は酷く美しいものだったように思う。
クラスメイトみんなが私の花に惹き付けられ、そのうちの一人が花弁に触れようと手を伸ばした。その瞬間、花弁は硝子が割れるように砕け散り、破片は手を伸ばした人間に傷をつけた。
夢を見るようにして惚けていた私たちは途端に現実に引き戻され、教室はざわめいた。
「花を見せたくなかったのなら、最初から言えばいいじゃない!!」
怪我をした女の子を庇うようにその子の友達は私に抗議した。
しかし、そう言われても私だって、こんなことは初めてで、花がこんなことになったことは無かった。それに花が私の一部だと言っても私は花を自在に操ることは出来なかったし、ただただ大切にしていただけだった。
でも、私はその場では何も言い返すことは出来ず、ただただ怪我をさせてしまった罪悪感から切り傷を負った彼女に何度も謝ることしか出来なかった。
その出来事から私は、花を咲かすことはできなくなってしまった。
もう、20にもなるが、ここ数年、一度咲いた私の花がもう一度芽吹く様子はなかった。
忘れようとしてたことを思い出した反動か、なんだか寂しい気持ちになって空になった小鉢に思いつきでもう一度土を入れることを私は思い立った。
今度は種を入れて野に咲く花の種を埋めようと変なことを考えたのだ。
そして週末、私は小鉢に埋めた種が少しでも早く芽吹くように願って公園の陽の当たるベンチで小鉢を膝の上に乗せて日向ぼっこをしていた。
「お隣、いいかい」
柔らかな声の顔を上げるとそこには声の雰囲気と変わらぬ優しい笑顔を浮かべたおばあさんが立っていた。彼女の耳には淡い色のしなやかな花弁を揃えた可愛らしい花が挟まれている。
「どうぞどうぞ、」
断る理由もなかったので相席を快く引き受けると彼女の目線は私の膝上の小鉢へと移った。
「あ、これ気になりますよね。この歳になっても空の小鉢なんて。」
別に聞かれた訳でもないのにいつの間にか私の口はペラペラと話を始めていた。
「そうねぇ、言われてみればねぇ。生え変わりの時期かい?」
「いや、私、咲かせられなくなっちゃったんですよね。自分の花。」
人を傷つけてしまったあの日から、私の花は咲かなくなってしまったのだと、私は何も聞いていないはずのおばあさんに、洗いざらい話してしまった。通りすがりの縁で出会った彼女には触れにくいような話題であるはずなのに。
全て話し終えた頃に、私は正気を取り戻し、途端に恥ずかしくなった。身のうち話を、打ち明けるにはそぐわない相手だと気づいたからだ。
「あぁ、ごめんなさい。私ったらおしゃべりで。」
「いいのよ。にしてもあなた、花を咲かせられないなんて言うけれど、あなたはきっと人を傷つけたかったんじゃなくって、自分を守りたかったんじゃない?」
「え?」
思わぬ返事に私は思わず驚いた。
「だって、誰だって大切なものに迂闊に手を伸ばされちゃあ守りたくなるものじゃない。それと同じよ。それにあなたが見せたくて見せたんじゃなかったら尚更。」
確かに、手を伸ばされた時私は咄嗟に嫌に感じたような気がする。私は今まで思い出せなかったあの時の感情が、おばあさんの言葉で蘇るような心地がした。
「そう、なんですかね。」
「そうよ、きっとトラウマが蓋になってるだけで、あなたはまだ花を咲かせられると思うわよ。現に今も、なんだか不思議な芽が出ている訳だし。」
おばあさんの目線を追うように、小鉢に目を移すと確かにそこにはさっきまでなかったはずの、小さな芽がいつの間にか芽吹いている。
「あれ、いつの間に、、」
「ほらね?少し話をしただけでここまで芽吹かせるなんて大した物ねぇあなた。」
物事を解決してくれたのはおばあさんでしかないと言うのに、当の本人は自分は関係ないよというようにいたずらっ子のように笑っていた。
「この調子なら、今日の夜には咲きそうね。あなたの花。満開になったら気が向いたらでいいから、見せて欲しいわ。」
「咲かせてくれた方に見せないなんて、失礼なことできません。ありがとうございます、あなたのおかげでまた、咲かせそうです。」
何処までも優しい彼女に私は心から感謝を述べた。最後までおばあさんは私だけの力だと言い張っていたが、明日また、私たちは会う予定を取り付けて私は帰り道に着いた。
その日の夜、おばあさんが言ってたように窓辺に置いた小鉢には美しい花が咲き誇った。
月の光に照らされて輝く花は、繊細で、何処までも透き通り美しく、あの頃と変わらぬ姿であるのであった。
―――咲かなくなった花
お題【繊細な花】
「繊細な花」
花はいつまでも咲いている訳では無い。
時がこれば必ず枯れる。
それでもまた花を咲かせる。
どんなに醜く枯れ果てても
負けじと新しい花を咲かす。
花は強い。
その身が細く虚弱だからといって
どんなに強い嵐にも
どんなに大きな雨粒にも
負けずに花を咲かせている。
美しいとは見た目だけに
言って上げるものではありませんね。
その生き様全てが繊細に美しい。
No.40『繊細な花』
花弁が多い花も少ない花も。
花弁が大きい花も小さい花も。
花はどれも繊細だと思う。
だからこそ私は道端にポツンと咲いている花でも大切にしたい。
繊細な花
繊細な花にはどこかで出会えていると
思うのだがなかなか思い出せない
イメージとしては優しく、デリケートな
花が想像できる
人間の心も繊細な花のようであれば
きっと世の中の犯罪なども増え続ける
ことはないんじゃないかなぁ
と思っている