『窓から見える景色』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
窓から見える景色
時刻は午後9時半。外からは虫の鳴き声が聞こえる。
母の趣味で育てている花たちも、すでに夢の中である。優しい月明かりに照らされてぐっすりと眠っている。
日常で辛いことがあっても、嬉しいことがあっても夜は誰にでも訪れる。
その事実にほんの少し安堵する自分がいた。
ほぅと息を吐き月を見上げた。柔らかな光は心の影を消していった。
#窓から見える景色
窓から見える景色…
いつもと同じだけれど…
いつもと同じじゃないんだょ
一つとして同じにはならないの
その一瞬一瞬が
たった一つの風景…
空の色も
雲の形も
風の流れも
そしてそれを眺める私も…
青い空、陽炎ように揺らめく山々とレゴブロックのような高層マンションの群れ。
閉じ込められたこの部屋に窓は1つしかない。
この窓から見える風景はいつも動かず、じりじりと照りつける太陽だけが動いている。
脱走を図ったこともある。
次の日からドアが撤去された。
ラプンツェルのように何かを綱にして窓から降りようと思ったこともある。
見下ろした地面があまりにも遠すぎてやめたけど……。
待てど暮らせど絵本のような白馬の王子様なんて来ない。
そもそも私は絵本の中のお姫様にもなれない。
寮の窓から見える景色は駐車場と木々
緑が減りつつある今、緑を毎日感じながらの生活はどれほどの価値があるだろうか…。
移ろいゆく季節の変わり目、秋めいていく日を楽しみにまた明日も窓から見える景色を楽しもう。
#窓から見える景色
ぼんやり
流れる雲を眺め
時々、走り行く車を目で追い
無意味な時の流れにふと気づく
#窓から見える景色
この景色はもう飽きたわ
君は窓の方を向いてそう言う
ベットから見る景色は相変わらずに決まっている
もう何ヶ月もこの場所にいるからだ
そしてこの場所から離れる事ができない事実を薄々感じているようだ
貴方はいいわね
何処へでも行けて
いいの
もういいの
貴方は好きな処に行って
ここに来る必要などないと言わんばかりに冷たい態度だ
だけど僕は気づいてる
君の声が震えている事を
僕は気づかぬふりをして言った
じゃあね
また明日も来るよ
「窓から見える景色」
私はずっとこの教室から見る大山が大好き。
これは私が中学二年生の時の話。
ある日 教室に入ると見覚えのある後ろ姿。それは私が小学校の時に大好きだった先生の後ろ姿だった。
私はずっと会いたかった先生に再会した。
思わず「先生」そう声をかけた。
先生も、私のことを覚えていた。「よっ!」そういう先生に私は涙がこぼれそうなくらい嬉しかった。
「今日からこのクラスの社会担当するからよろしくな」
「うん。よろしく」 私は嬉しかった。また先生の授業が受けれる。
「なぁ、ここから大山見てみろよ。綺麗だぞ」
先生がそう言うから私は先生に近ずき窓の外を見た。
「うわぁ。綺麗!!」私の言葉に、先生はクスッと笑った。「だろ!」先生が笑うから私も笑ってしまった。
再開したことに嬉しかった。
まさかいなくなるなんて思わなかった。中学三年生になる頃先生の移動の発表があった。”〇〇先生 〇〇先生 〇〇先生……” 「嘘……」私は思わず声が出た。手が震えて涙が溢れる。 聞き間違え?嘘だよね……
思わず体育館を飛び出し先生のいる場所に行った。
(ガラガラ)教室の扉を開けると先生がいた。
先生は振り向き私に「ごめん……」そう一言言った。
「本当は来年もお前のクラスを持ちたかった。ごめんな。」彼が必死に謝る。「ううん。仕方ないよ。」
私はこの言葉しか先生にいえなかった。
ここで見る景色も今日で最後なのに……
先生とみた最後の大山。夕日が悲しく私と先生を照らす。 「また会えるといいな」先生から聞こえた……
「うん……」聞こえるか聞こえないかぐらいの声で言った。 涙が止まらない。今横にいることがこんなにも幸せで、切ない。
先生に会える確率ってすごくすごく小さい。
私たちが会えたことは奇跡なんだ。
「先生。絶対また会おうね。」
「……。 おう!絶対会おう」
“〇〇先生職員室におもどりください”
「あっ!行かないと。」
「そうだね。呼ばれちゃったね。先生」
「じゃぁな。元気でいろよ。迎えに来てやる。絶対」
「先生こそ。元気でね。」
私は先生に手を振り、歩いていく後ろ姿を見つめた。
“迎えに来てやる” どういう意味なんだろう。
不思議だけど、なぜがドキドキして、卒業が楽しみ。
先生の後ろ姿が見えなくなった。私は、鞄を持って、靴を履いて学校を後にした。
門を出た時、私は思わず先生とすごした教室を見る。
”ありがとう”心の中でそうつぶやき1歩1歩足を踏み出した。 また会える日が楽しみ。
私と先生はここで一旦お別れ。でも必ず会うんだよ。そういう運命だもん。2人は離れ離れだけど……
END
かじかむ手で窓を開けると、ゴウッと冷たい風と共に一面の銀世界が私の視界を瞬かせた。
窓から見える景色
わたしの携帯に、以前住んでいたマンションの窓から撮った一枚の写真が保存されている。
三階からの写真、夕焼けの赤い空、住宅街の屋根、右側には鉄塔が映り込んでいる。日付は、2014年9月。
そんな何でもない写真、どうして消さなかったのか‥。
その風景を毎日見ながら、悪戦苦闘して過ごした、思い出の風景だから。
この先も、残しておくと思う。
何でもない風景が、わたしには心に残る風景だから。
「窓から見える景色」
薄暗い部屋
仄かに明るくする光
今の僕には眩しいから
時々目を逸したくなる
窓から見える景色の
正体は知ってる
自信がないから
窓から漏れる光を遠目から眺め
或いは時々 景色を眺めるだけ
それじゃ、いけないって
答えはもう出てるのに
今日は少し窓に近づいてみようか
今日は少し窓を開けてみようか
そして
手を伸ばしてみようか
窓から見える景色
それは 僕の憧れ 僕の願望
窓から見える景色が
美ししすぎて
目に焼き付ける
お題「窓から見える景色」
「この枯れ葉が落ちたら私の命も」なんて
そんなヒロインを気取るつもりはない。
「死ぬときは死ぬ」と思い始めたのはいつからだろう
そう思った途端、諦めがついたようでいて
「生きたい」と願う自分もいる。
チュンチュンと鳴く鳥が羨ましくて胸がざわつく。
小さな病室の窓の外は、もったいないほど青く、晴れていた。
台風の風と一緒に 私のこの気持ちも飛ばしてくれたらいいのに
窓から見える景色の中に、
貴方がいたあの頃を、
最近ふと、思い出す。
題 窓から見える景色
電車の外は一面、田んぼの海だった
その上で、トンボたちが同じ動きをする
飛んで、立ち止まって、向きを変え、また飛ぶ
それを何度も繰り返す
RPGみたいだなとクスリと笑う
目的の駅で下車する。バスの行列に並び
歩いて、止まって、また歩いて。一歩踏み出す毎に、
期待、緊張、不安が何度も廻る
座席に座って外を見ると、トンボがいた
気づいた瞬間、一度も止まらず、飛び去った
景色が目に入らず、ずっと後ろ姿を眺める
緊張と不安を取り除けてくれたと信じて
覚めながら悪夢を見ている、とはこのことだろう。
窓から見える景色は地獄としか言いようがない。
ある日突然、魑魅魍魎と呼ぶに相応しい化物が現れた。そしてその化物どもは、最悪なことに人間を捕食する、という特性を備えている。
化物どもが次々と人間を食い殺す──窓の向こう側はそんな地獄絵図が繰り広げられていた。
幸運なことにこの家は、化物どもが忌避する何かがあるのか、はたまた化物どもの襲撃から守ってくれる加護があるのか──よくわからないが、とにかく安全地帯の役割を果たしてくれている。
幸運なこと──? いや、決してそうは言い切れないことに気づく。
今は備蓄していた食料があるから平気だが、それらが尽きた後は……。
食い殺されるのと餓死するのでは、どちらが辛いのだろうか──窓の向こうに広がる地獄を呆然と眺めながら、まるで救いのない二択が残酷に浮かんだ。
テーマ【窓から見える景色】
秋は窓をふたいで戸を開ける茅葺きへ這うあまずらの切先
どんな景色でも宝物だ
その日の天気によって見るものが違う。
でも何故か、見たことがあるような景色に出会う。
それはあなたが今何かに物足りなさを感じている時。
新しい景色を見たい時。あたまでは無理とわかっていても体が求めてしまう。
見える世界が変わっても
隣ににいてくれるのが君なら
どうでもいいやって思えた
今どきこんな教師がいるのかっていうほど、その教師の威圧感は半端ない。
授業はいつもピリピリしていて、まるで刑務所の中みたい。刑務所の中に入ったことはないけれど。
何か問題を起こしてクビになってしまえばいいのにと誰もが思っているはず。というか、こんな緊張感にさせてるのがもはや問題なんだけど。
あー、さて。
窓の外には小人がいるけれど、それに気付いているのはわたしだけだと思う。
さっきから小人はニコニコしながら、ゆらゆらと揺れている。
教室の空気が変わったのは、そのときだ。
黒板に文字を書く教師が、ゆらゆらと揺れだした。
その様子にみんなが引いている。何か恐ろしいことがおこるんじゃないか、そんな空気が漂う。
わたしは小人と教師を交互に見る。
どうやら小人に気付いているのはわたしだけではないみたいだ。
たぶん黒板の向こうで教師は、ニコニコとしている。振り向くわけにはいかないんだろう。
素直になればいいのに。
ね? とわたしは小人に目配せをした。
小人はニコニコと頷いた。