『秋晴れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
秋の空
もうこんな季節
夕方の切ない空
そんな空が私は好き
うろこ雲がぽちぽち浮かんでいる。
空は青い。清々しいほど、青く、遠い。
握りこんだ手の中がちょっと汗ばむほど、空気にはまだ夏の名残が残っている。
一歩を踏み出す。
ここで止まってなどいられない。
ここまで来たのだから、最後までやり遂げないと。
そう思うから。
スマホで位置を確認して、歩き出す。
道を間違わないように。悟られないように。
貴方に見つからないように。
清々しいこんな秋晴れの日に、こんなことするなんて間違ってる。
みんな、そういうだろう。
でも、どうしても今日、行動したかった。
一日でも、惜しかった。
好きだと気づいたのはいつだっただろう。
最初は、守りたい、そんな気持ちから始まった。
貴方は危なっかしくて、向こう見ずで、真っ直ぐで。
人を疑うなんてことを知らないから。
貴方と一緒なら、私は許される気がした。
私のこの計算高さも、手段を問わない強引さも、貴方を守るためならば。
正統で、正義。
そう思った。
だから今、私はここにいる。
貴方を保護するために、ここにいる。
貴方を手放してはいけなかったんだ。
貴方は今、消耗しきっている。
他人の悪意に晒されて、組織の暗黒面に陥れられて、それでも、正しく自分を貫こうとする貴方は。
無茶だ、そう思う。
この世界は、そんな真っ直ぐに生きていけるところではない。
貴方が貴方じゃなくなる前に。
貴方が貴方じゃなくなる前に、私は。
貴方の持ち物にこっそり忍ばせたGPSは、私に貴方の場所を教えてくれる。
私の家には、貴方のための部屋がある。
私の手の中には、貴方を連れて帰る意思がある。
だから、私は貴方に会いに行く。
貴方にバレないように、不意が打てるように、ひっそりと。静かに。
だって貴方は強がるもの。
声を掛ければ、私に心配かけないように肩肘張って、強がって甘えてくれないだろうから。
うろこ雲がぽちぽち浮かんでいる。
日差しは穏やかだが、気温はまだちょっと高い。
握り込んだ手が汗ばむほどには、夏の名残が残っている。
秋晴れだ。
秋晴れの日。
私は貴方に向かってゆっくり、静かに歩く。
清々しい秋の日差しを、うろこ雲が今横切ろうとしていた。
小説
迅嵐
「おー、すっかり晴れたなー」
おれはカーテンを開けて雲一つない空を見上げる。
昨日の大雨が嘘のようだった。窓も開けると、冷たい空気と一緒に澄んだ空気も入ってきた。まさに秋晴れ。
「じーーーーーん!!!」
聞き馴染みのある声で呼ばれ、そちらを向くと飼い犬のコロと嵐山が立っていた。嵐山は大きく手を振るオプション付き。朝からテンション高いなぁ。
「はいはーいちょっとまっててー」
声を張り上げ返事を返すと、おれは一旦部屋に引っ込んだ。クローゼットを開けると、数少ない服の中から少し厚手のパーカーを引っ張り出す。
「…今日はロングコースかな」
未来視では結構遠くまで散歩している様子が視えた。
「おはよう、迅。今日はちゃんと起きてたんだな」
「ん。おはよ、嵐山。今日はスッキリ起きれたよ。コロもおはよう」
コロの頭をわしゃわしゃと撫でると、わふ!と元気な声で返事をしてくれた。
「今日は紅葉を見に行こう」
そう言うと嵐山はおれの返事も聞かずに歩き出す。おれが視えたの分かってるなこいつ。
しばらく歩くと赤や黄色に染まった木々が見えてくる。秋晴れの澄んだ空によく映えていた。昨日の大雨には負けず、まだまだ元気のようだった。
「お、やっぱ生で見ると綺麗だな」
「だろう?」
自信満々に頷く嵐山はなんだか可愛かった。自分で色をつけたわけじゃ無かろうに、何をそんなに自信満々になっているんだか。
ふと、嵐山の指先を見ると少しだけ赤くなっていた。
無理もない、もう季節は秋。肌寒さが際立ってくる時期だ。
なんでもないように手を繋ぐ。
「…!」
驚いたらしい嵐山がこちらを見る。その顔はほんのり赤くて、紅葉のようだとぼんやり思った。
わふ!
ハッと意識を戻すと、足元でキラキラ目を輝かせたコロがこちらを見ている。なんだか下心を見透かされているようで、少し恥ずかしくなった。
「よし、コロ。お前も見ような」
嵐山はおれと繋いでいた手を離すと、よいしょ、と声を出しながらコロを抱き上げる。
繋いでいた手を離され多少ショックを受けていると、まだほんのりと顔を赤くした嵐山がこちらを見据え呟く。
「…また、繋ごう?」
きっと今おれの顔は、紅葉の赤といい勝負をしているに違いない。
雲ひとつない青空
ちょっと肌寒いくらいの風
秋っぽくなってきた
前を歩くきみの足取りも
ゆっくりになって
のんびり散歩ができるようになった
今日は秋晴れ
これから一緒にどこにいこうか
[秋晴れ]
秋晴れに対して何も思入れがなくても
秋晴れの日に思い出が存在しなくても
私は秋晴れが好きです
秋晴れは美しい。
朝焼けに夕暮れ。少し小雨が降ると虹も見える。
雪景色も綺麗だけど、秋晴れも悪くない。
秋晴れは少し切なくなる。だって、秋が終わるのは
あまりにも早すぎて、一年の終わりをひしひしと
感じるようになるから。
他の季節は長いのにね。
お題「秋晴れ」
今日は肌寒い、秋晴れの日だった。秋は、季節の中で1番好きだ。暑すぎず寒すぎず、ちょうどいい気温だし、紅葉が綺麗だから。でも、秋は花粉の季節でもあるから、困るな。
今日はいい日
外はちょっと曇ってて雨上がりの感じ
大会前日でもう清々しくて
名前を知らない先輩と穏やかに話をして
久しぶりにウキウキと話せて
あの姿が私は一番好き
でも空が空気が寂しい臭いして
言葉にできない好きな気分
ー秋晴れ
まるで早送りのドラマのように過ぎていった、あの秋のからっとした澄んでいて冷たい空気の思い出に浸っていた。
─秋晴れ─ #98
書けない
秋晴れの日の出来事だった。
たしか道端に子供用の靴が片方だけ落ちていて、誰かが雨に濡れない場所へ避難させていたことを覚えている。
幾度となく見たことのある光景ではあったが、実際に落とし物を雨から避けられる場所へ移動させている人を見たことは無かったので印象に残っている。
*
僕は初めて付き合った女の子から別れを切り出される最中だった。ショックとも衝撃とも違うなにかだった。
今まで経験したことのない、少なくとも今まで生きてきた経験のなかには無い気持ちだった。
家に帰り辞書をめくっても、どこにも近い言葉は載っていなかった。
どうやって家に辿りついたのか、きちんと信号機を守ってここまで帰って来られたのか覚えていなかったことと、彼女が言うことを聞き逃さないように必死になっていたこと。とても同じ日に起きた出来事とは思えなかった。
彼女が別れ話を切り出すとき目にとまった、もみあげにある見知らぬ小さなほくろが、新しい季節を告げていた。
僕はそのほくろをただ見つめていた。
彼女は、身体の特徴を細胞から変えて新しい彼女になっていくのだ。
僕が目を瞑って眠っているあいだ、見えない場所でも月が浮かぶように、僕の知らない場所で確かな変化は起き続ける。
それはとても穏やかで静かな時間だった。
*
僕は自分の知らない場所で起きている確かな変化に怯えていた。
しかし残念ながら僕でさえ自分の知らない場所で、見えないながらも確実に変化しているのだ。
机の上に置いた辞書の表紙を意味もなく撫でた。
片方だけ落ちていた子供用の靴が持ち主の家族に拾われる場面を想像する。
気がつくと眠くなってきたのか、そのまま寝た。
深い眠りが僕の身体をあたため、夜の空気が落ちてくる音に全身を預けた。
まさに今日の事だろ!って思ったけどさすがに今日は夏日でしたね。秋晴れと言うともっとこう、肌寒い空気を吸い込みながら見上げる、色の薄い青空みたいなものを想像していたけれど、最近は温暖化のせいで肌寒いの部分がなかなか来ない。小さい頃は落ち葉を踏みしめながら秋の乾いた空気を吸って吐いて、羊雲を見ながら学校から帰ってきていたものだった。あの時に戻れるのなら、もっと秋晴れを堪能しておけばよかった。
涼しい風が吹いた
空は晴れ渡っていた
どこまでも広かった
あの日
一年前のあの日
ここで見た景色は
もっと暖かかった
希望があって
賑やかで
でも…
今は
少し肌寒い
何故か暗い
晴れてるんだよ?
どこまでも美しく
雲は一つも無いんだ
秋晴れ
オーバーサイズの半袖とパツパツのハーフパンツを着た君の前髪が風に揺れた。
「さむっ。」
そう言って両手に大きなソフトクリームを持って小走りで来た。
寒いんちゃうんけ笑
って感じなこと言いながら日向でソフトクリームを頬張った。
冷たくて寒いけどやっぱ君と食べるとなんでも美味しい。
食べてるとだんだん日陰が近づいてきた。
「はよあっち行こ!!凍死してまうで!」
1人でヒヨコみたいに走っていく。
ほんま可愛ええなぁ、
また風吹く。
ついに秋か。
ずっと君と食べていたいな。
まだ太陽の熱が残る
ただ、普通の1日。
なんてことない
木の葉色づく今日の空
【秋晴れ】
うろこ雲
無数の魚が跳ねてできた飛沫
青のもっと奥をぐんぐん泳いで 知らない国までいくんだろう
キラキラ光る背びれをつかんで
わたしもいつか、きっと行き着く。
…『秋晴れ』
【秋晴れ】
ジューンブライドって六月だけどさ。日本の気候的に秋に行われてるらしいよ結婚式。晴れが多いのと過ごしやすいからだって。小話だからぶっちゃけ真相は知らないけどね。縁ないし。クラスの男子にさー結婚したくなる男なんていないもん。早くね?今はそうかもねー。やはり、独身貴族が正義か。女でも貴族でいいでしょ。知らないけどさ。そんな事より近所で?落ち葉集めしてて?焼き芋焼こうとしてる?マジ?行く行く。結婚話より目先の美味しい話でしょ。大人じゃないもーん未来設計なんか知らないね。
蒼天を謳うには秋は澄みすぎて物悲しくなる前に話そう
題-秋晴れ
15両編成の電車が気持ちいいジョイント音を響かせ
ながら、 早川駅 〜 根府川駅 を 走行中だ。 海がとても
綺麗だ 鮮やかな青、太陽の光、 この景色が1番好きだ
そうだ、俺はグリーン車からこの景色をよく見ている
秋晴れの日 海を眺めながら グリーン車で食べる
駅弁は普段よりも美味しく感じて、つい食べ過ぎて
同行人に怒られてしまうが許して欲しい。不可抗力だ
そうだ、こんな穏やかな秋晴れの日は 海に行って
砂浜を走って、クタクタになった体にポカリスエットを
注入して、母親が握ってくれた鮭おにぎりを食べたい
そんな、何気無い日が意外と好きだ。
「秋晴れ」
私の好きな秋。金木犀のいい香りが漂ってくる。
私はこの匂いが何よりも好きだ 。
学校終わりの登下校中に金木犀の香りが漂ってくる
疲れが一気に吹き飛んだような感覚を覚える。
登校中も漂ってくる。落ち着いた空間に包まれながら
今日も1日頑張ろうと思えるんだ