『秋晴れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『秋晴れ』
秋晴れの日にはやけに空が高く見えて。
そんなときに隣で空が綺麗、なんて笑うあなたの姿がないことに少し切なさを感じました。
この空の青さを言い表す言葉を教えてくれたあなたはもういないのに、私はこの空をどうやって慈しめばいいんでしょうか。
秋の空はよく、高いと表現される。所謂、「高く澄んだ空」というのは、秋晴れであることが多いように思う。そういや鰯雲だとか、いやぁ、秋晴れはいいねぇ。
秋は夕暮れ、、、昔は暗記していたんだけど……。なんだっけ?枕草子、清少納言。暗記はしていないけれど読むたびに美しいなぁと思う。貴族の日記みたいな、気楽な視点から読んでみたら、日本語の美しさを感じられる。春は夜明けがいいよ、夏は夜がいいよ、秋は夕暮れがいいよ、冬は早朝がいいよって書いているだけなのに、その理由付けが美しい。三大随筆たる所以であると思う。
秋晴れは、夏晴れにはない魅力がある。それは、言葉では表すことのできない。だからこそ、美しい。みんなも秋は本を読むのもいいし、絵を描くのもいいけど、たまには空を見上げて、目を休ませよう。
秋晴れ
しっとり優しく…
切ない…
でも…
あたたかい
【秋晴れ】
空を仰いで
大きく息を吸う
こんな秋晴れの日は
何をしても幸せ
秋晴れ
雲ひとつなく
澄みわたる青
あんなふうに
なれたらいいのに…
好きだよと言う割には
その他は体目当ての
発言ばかり
本当に私を愛しているなら
そんなこと言わないよね
もうあなたとは
話しません
げんなりします
空を仰いで
大きく息を吸う
こんな秋晴れの日は
悲しいくらい
何をしてもしあわせ
………秋晴れ
【秋晴れ】
冬も春も夏も
いつも隣にはきみがいた。
秋、晴れ、誰もいない僕の隣に風だけが吹いていた。
秋晴れで西には雲もなく彗星が見頃だった。近くの高校の屋上には生徒が集まっているようだった。ここら辺は都会だからマンションやアパートの明かりが目立つ。私も自宅の屋上に上がるがやはり都会の空だった。私は田舎出身で高校に進学するまで星空を贅沢だと思ったことはなかった。八万年に一度の彗星とやらを見れないことも悔しいとまでは思わないが、自ずと馴染みのある空との序列をつけてしまうようだった。
秋晴れ
空高く澄みわたるこの青の下
今日は夕日もきれいだ
心地よく肌をなでる風
こんな日は
どうしょうもなく
あなたに会いたい
秋晴れ」
「秋晴れんしゅうでてこいよー!おまえがこないだプリン一個多く食ってそのまま学校のトイレ入って出てこなかったとかそんなクソどうでもいいこと気にしてるのおまえだけじゃん来週の試合には必ずでてこいよー!おまえどうせベンチだとか思ってんだろうけどベンチはいざという時のエースなんだからぜったいでてこいよー
なんか言うやつはおれが片っ端からたたきのめしてやるから絶対こいよれんしゅうこいよわかってるよな秋晴ー!」
「秋晴れ」
紅葉の散る頃に、
私は貴方を思い出す。
今は記憶が無いだけ。
あなたはだれ?
【#101】
秋。
夏に比べると、日差しが徐々に弱くなり始めて、昼間で太陽が出ていても過ごしやすい。
空気もだんだん涼しくなって、外全体が柔らかくなる気がする。
まだ温かさの残ってるこの時期が一番好きだ。
家事をひと通り済ませ、縁側にゆっくり腰を下ろす。
今日は晴れていて雲も少なく、少し青みの強い空が広がっている。
やるべき事を終えて、ここで空を見ながら休憩するのが、主婦である私のルーティン。
ちなみに外に出て心地がいい、春や秋にしかしない。
夏は暑すぎるし、冬では寒すぎるので基本家に引きこもってしまうのだ。
その代わり、この時期にめいっぱい日光浴をしておく。
風がそよそよと流れ、落ち葉を集めてくる。
葉っぱの色が茶色い。
そういえば、近くの公園のイチョウや紅葉が綺麗に色づいていた気がする。
植物の移り変わりも秋の醍醐味の一つだなぁと、見るのが楽しみになる。
コロッ
『ん?』
目の端に何かが転がるのが見えた。
転がってきたものの方を見ると、そこにはどんぐりがひとつ。
なぜこんなところに?と首を傾げる。
ふと当たりを見渡すと、茂みの方からガサガサ音がする。
ガサンッと音の主が茂みから頭を出す。
そこには、顔をキョトンとさせた狸がこちらを見ていた。
驚きつつも、どんぐりを拾い、たぬきに語り掛ける。
『あなたがくれたの?』
人の言葉が通じるタイプの狸ではなかったようで、そのままじーっと見つめられる。
しばらく無言の時間が続いたあと、狸はまた茂みに隠れてしまった。
改めて手の中のどんぐりを見つめる。
ツヤツヤとしていて、不思議と綺麗に思えた。
何か狸を助けた訳でもないのに貰ってもいいのだろうか、そもそもあの狸の仕業なのだろうか、とぐるぐる考えたが答えは出ない。
そのまま縁側に置いたまま何は気が引けて、少しの間玄関に飾ることにした。
かわいい狸さんからの小さなプレゼント。
せっかく頂いたのなら、少しでも大事にしたかったのだ。
こんなこともあるんだなぁと、少し心踊った10月の秋晴れの日でした。
#秋晴れ
秋晴れ
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.10.19 藍
澄んだ空気は触れるに少し肌寒く
呼吸を繰り返せば自ずと気道が冷える
苦しくなったら深く息を吸い
体内を巡りぬるくなった息を吐く
そうする事で冷静になれる
雲一つ無いような抜ける程晴天の今日
青く淡く広がる空は自分より背の高い建物で窮屈そうだ
天に居る両親も窮屈な想いはしていないだろうか
『鞠姉、お供え物ってチョコでも良いの?』
『パパもママも好きだったし良いんじゃない?』
姉と妹が選ぶ両親への贈り物は洋風なものばかりだ
和菓子が好きな自分とは対で両親は洋菓子を好んでいたなと
2人の会話で薄く思い出す
「じゃあちょっとお高いの買おうよ」
『幸くん無理しないで良いんだよ?』
「大丈夫、お金はあるから」
両親が亡くなって姉兄妹の3人で施設に行く
それを拒む為に学業を蹴り仕事に就いた
胸を張れるような仕事では無いが
お世話になった人も居るし、仲のいい人も居る
姉の夢を、妹の学業を応援出来る程の財もある
『じゃあゴヂバチョコにしよう!母の日に買ったらめっちゃ喜んでたから!』
「懐かし〜3人でお金出し合ったやつだ」
『皆でお茶会みたいになったよね、家族で食べよってさ』
幼い手で3人並んで
母の日だと店員に伝えて選んでた
今じゃ遠い思い出だ
「コレ好きじゃなかったっけ?」
『好きだったけど新商品も食べさせたいよね』
『分かる〜コレお酒入ってるって、おっとな〜』
「それは琴ちゃんが食べれないよ」
『法律的にはチョコに入ってるお酒はお酒の分類から外れるから行けるよ』
「そ、そういうものなの?」
『さっすが琴ちゃん!3姉兄妹で一番の秀才!』
「でも酔う子もいるよ?」
『いーいの!!』
両親の好きだったもの
新しく作られたもの
あの頃は買わなかった酒入りのもの
3人で選び言葉を重ねて受け取ったもの
線香と花を男の己が全て持つ
前を歩く2人の小さな背中を眺めながら
冷えた空気を含んでは吐く
上から見守る両親は
姉妹の為に手を汚す自分を見て泣いてるだろうか
口が裂けても白と言えない道を歩く自分を見て
呆れるだろうか
寺院墓地に足を踏み込み
本堂のお参りと住職の人に軽く挨拶を終えて
“夜桜家”と書かれたお墓に向かい
3人で並んで合掌を送る
『パパ、ママ。久しぶり』
『ウチらめっちゃ元気にしてるよ!』
「水持ってくるね」
『任せたお兄ちゃん!』
『荷物は持ってるよ』
「ありがとう」
レンタル出来るバケツを持って水を汲む
バケツの色と空の色が相まって透明な水が青く染まる
揺れる水面に映る自分と目が合い
少しばかり深く呼吸して
少しばかり強くなった風に背を押されるように2人と合流した
水をかけるのは姉である鞠がやり
柔い布で擦るのは自分がやる
その近くで両親に語るのは妹である琴
学校であった事、今習ってる事、友達の事…
それらを話終わる頃には掃除も終わり
手桶に綺麗な水を張って
打ち水をする役目を担う
花立には桃色の美女桜
水鉢には綺麗な水を
終わり次第買ってきたお供え物を並べていく
『そう!パパにね、コレをね…』
『鞠姉わざわざCDにしたの?』
「え!良いなぁー俺が欲しい」
『そりゃね!今じゃスマホでちょちょいのちょいだけどさ!天国にスマホって無さそうじゃん?2人にも家に帰ったらあげるよ!』
『音楽プレーヤーはあるの?』
「無さそうだけど…」
『細かい事は気にしない!』
姉は今こそ有名になってきたが
元は伸び悩んでいたバンドのギターボーカルだ
ギターを教えてくれたり
自分の歌声を褒めてくれたり
両親の優しい支えがあったからこそ
今も走り続けられるような夢を持てたのだろう
『どうかCDプレーヤーがありますようにー!』
『天国で和風ロックバンドガンガンに鳴らしてるパパとママ…んー…』
『次からはギター持ってくるか…』
「やめようね、周りの人が困っちゃうから…」
わちゃわちゃとした雑談も立てた線香に火をつければ収まる
手を合わせ、感謝と近況報告を心音で伝える
父さん、母さん
2人は俺が守るから
2人が幸せに生きられるように
安心して見守っていてください
『…さて、帰るかー!』
『ちゃんとお菓子忘れないようにね』
「帰ったらお茶会だね」
『うっまいお紅茶を淹れたりますわ!』
『鞠姉は料理下手だからやめときなよ』
「俺が淹れるから大丈夫だよ」
『幸くんの料理で舌が肥えてるだけだって!私は平均だよ!普通に出来るよ!』
『幸くんのが美味しいんだもん!』
『素直じゃないなぁ、愛しいお姉ちゃんお兄ちゃんの美味しい紅茶が飲みたいって言いなさいよ〜』
『言わない!』
雲一つ無い抜ける程の晴天に響く家族の声
少しばかり強かった風は今じゃ優しく3人の背を押す
世知辛くとも寒くとも
幸せは傍にある
いつもありがとう
無理しないでね
風に混ざる届かない声
題名:秋晴れ
作者:M氏
出演:夜桜家
【あとがき】
秋晴れ繋がりでとある創作と繋がってるものを
別れと言うのは突然やってきます
夏が終わって急に肌寒くなる秋のように
遺された人は辛く悲しく思う時もあるでしょう
ですがそれを支え合える人が居れば
視線は自ずと前を向くと思います
お盆でも無いこの時期に墓参り描写を書くと言う奇行をお見せしましたが
沈み過ぎずに、だからと言って浮かれ過ぎずに
出演してくれた3人の今を伝えられればと
そう思っています
補足ですがM氏は姉妹は居れどこんなに仲良くないですし墓参りもした事ありません
こんな姉兄妹居ない、墓の礼儀が成って無い、などと言ったものは暖かな目で見てください
雨や雪が
その一粒一粒が
色んな色だったら
街は
どんな景色に
なるだろう
太陽は
焼け死なない程度に
上手い具合に
暖かくしてくれる
風に運ばれる
タンポポの種は
まるでパラシュート
翼が有るもの
無いもの
デザインしたのは
だあれ?
始まりは
いつなんだろう
何故
始まりを
知りたがるのだろう
見上げれば
時が止まっているような
秋晴れの空の下
知る事など
一生無い事を考える
私は誰
私は何者
私は
何処から来たの
「秋晴れ」
なんというこだ
こんなに清々しい秋晴れの日に
夜勤明けで
昼間に眠りにつくとは
こんな日は
お天道様の下で
過ごしたいものだ
こんな日は
薬草を育てていた
あの頃を思い出す 心奏
私にハンカチを渡してくれた方へ
ありがとうございます。
感謝しかできません。急なことで貴方も戸惑ったと思います、迷惑かけてごめんなさい。
今日は何故か涙が止まらなかったのです。
なぜか、もう何にストレスを感じているのか、
何が不安なのか分からず頭が混乱していました。
貴方のような優しく美しい方に私は出会えてよかったです。貴方がかけてくれた【応援してるよ】という言葉。何も知らない私にかけてくれた言葉はすごく力になりました。
本当に本当に毎日を過ごす中で大切で幸せな瞬間になりました。
ありがとうございました。
風乾き 角なく触れて流れゆく
あの空ほどには 冷たくはなく
#短歌 #書く習慣 20231018「秋晴れ」
秋晴れ。
風が冷たくて心地いい。
そんななか、家から出た彼は嬉しそうだった。
良いことがあるなんて思ってない。
彼は何かに期待しない。
その瞬間が全てで。
彼はただ風が心地良くて満ち足りていた。