『秋晴れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
秋晴れの今日も
秋晴れの昨日も
秋晴れの明日も
多分僕は生きてるけど、いつ死んでもいいと思ってる
僕は社会不適合者だから
感情にコントロールされていたいから
感情がコントロールしてくれるなら生きていたって死んでいたってかまわない
けど忘れられたくないから
ここに文を遺す
僕を忘れないで
秋晴れの空、冷たい風
刺すような鋭さに変わるのも、もう間もなく
早くも暖かさが恋しくなる
あのひとの温もりが欲しくなる
寂しいからじゃなくて、風がそうさせるだけ
(秋晴れ)
秋晴れの空。
心地よい気温。
美味しい食べ物。
年々短くなっていくような、
大好きなこの季節を楽しみたい。
今年はもう寒くなって冬みたい
秋ほしいな
でも冬の晴れも好き
『秋晴れ』
夏とは違う、柔らかい青。
身体を通り抜けていく風。
1年前の自分を思い返す。
この世界が、怖くて、怖くて。
「消えたい」と願っていた。
あの時の感情を忘れたくない。
でも少しずつ、忘れていくのが分かる。
だから必死に書き留める。
あの時の自分が、いなかったことにならないように。
消えないように。
頭上には、高い青空が広がっている。
『 秋晴れ』
秋晴れの寒さは心地良い。
風が吹くと、自分の周辺一帯が澄み渡るように、空気が広がっていく。
朝の肌寒い時が日中になるとかなりの暑さになる
その気温の変化が他の季節とは違い
差がある
そこがきれいな紅葉を映し出している
山から里へと木が色づき始めた
【秋晴れ】
秋晴れって珍しいのかな
秋って晴れてるイメージあるけど違うのかな
どうなんだろう。
そういえば今日ってすごい晴れてたな
近所にめっちゃ急な坂があって
その坂頑張って登って1番上に行くと
山とか見えてめっちゃいい景色なんだ。
雨の日とか霧で見えないかなって思ったけど
逆に霧でいい感じな景色だった
写真撮りたかったな。
今日寄れば良かったな、めっちゃ晴れてるのに
――――――明日はどうだろうか
新調したイチョウ色のカーテンを開けて、淡い日差しを浴びる。
ベランダに繋がる掃き出し窓を開ければ、麻で出来たレースカーテンが大きく膨らみ、ひんやりとした肌寒い風が入り込む。
たちまち部屋が秋でいっぱいになった。
頂きもののカモミールハニーティーが蒸れるのをゆっくりと待つこの時間が、私は好きだ。
秋のこんなに爽やかな日は、お気に入りのブランケットに包まれながら、秋いっぱいの部屋で本を読むに限る。
【秋晴れ】
秋晴れの澄み渡った空の下
銀杏並木を2人で歩く
また来年も一緒に
この風景の中を歩けたら
#秋晴れ
観葉植物の植え替え時期。
大物になった子を植え替えるのは結構な重労働で、「よっこいせっ」ではないけども、気合を入れないと出来ない。
あっという間に冬になってしまうから、さっさと終わらせて室内に入れてやりたい。
赤玉土、腐葉土、川砂をせっせと混ぜ合わせて、休憩を挟みつつポトスやらゴムやらを植え替えていく。
親株から引き離した赤いBB弾みたいな実生シクラメンを優しく植え付けてやって、流石に疲れたので今日はもうお終い。
ぐいーっと伸ばした背中がバキバキと鳴った。
テーマ「秋晴れ」
「『秋』はねぇ、先月2回遭遇してるのよ。22日付近の『秋恋』と、26日あたりの『秋🍁』と」
3度目の秋ネタである。前回と前々回はどのような物語を書いていただろうと、某所在住物書きは己の過去投稿分を辿った。
「秋」は「秋なのに翌日が猛暑予報」、「秋恋」は恋愛の恋して振って恋してのガチャを書いたらしい。
「他に『秋』は?さすがに『サツマイモ』はお題じゃ出てこないよな?」
秋雨、秋風、秋明菊はそもそも花ネタ動物ネタの少ないこのアプリだから無いか。
物書きは次の「秋」にそなえて、ひとまず可能性の高そうな単語を並べた。
――――――
10月も残り2週間を切った都内某所、某職場。
昼休憩の休憩室で、同部署内の先輩後輩コンビが、
片や弁当箱を広げ、片やスープジャーを開けて、アイスコーヒーを飲みながら談笑している。
「秋だよね?」
「その質問は今日の気温についてか?」
BGMは他者の雑踏と、誰が観ているとも分からぬニュース番組の音声。
隣の隣部署の主査が舌を火傷したらしい。男性の大きな悲鳴が、休憩室に驚きと苦笑を届けた。
後輩のスマホによれば、今日の最高気温は25℃。
夏日である。じき、11月である。
例年の「秋」はどのような暑さ涼しさであったか。
飲み物は?服装は?もうオータムコートを羽織っていただろうか?
「なんか、季節感分かんなくなっちゃった」
後輩が弁当のミートボールをフォークでさした。
「今、10月後半だから、秋だよね。今日は晴れてるから、秋晴れ、だよね。
……秋晴れの日に夏日って何だろうって」
「安心しろ。あと1ヶ月2ヶ月もすれば、ちゃんと冬になってこの暖かさが恋しくなる」
まぁ、向こうのゴマスリさんは、もう色々「寒さ」が厳しいようだが。
チラリ別のテーブルを見遣って呟く先輩は、スープジャーのリゾット風オートミールをひとすくい。
「ちゃんと、恋しくなるかなぁ……」
先輩の視線の先を確認した後輩は、すぐ意味を理解して、数度頷いた。
上司へのゴマスリが得意科目の後増利係長が、ひとりポツンと、コンビニ弁当を突っついていたのだ。
先々週、自分の仕事を部下に丸投げしまくって、その成果だけ横取りしていたのがトップにバレた。
直々に厳重な口頭注意を受けたことが、多くの人の知るところとなり、
結果、肩身が狭くなって、今やぼっち飯である。
別に「かわいそう」とも感じないのは、この先輩後輩コンビが、仕事丸投げと横取りの、そもそもの被害
者であったから。
後輩からすれば、ざまーみろ以外の何物でもない。
気温はさておき、まさしく澄み渡る秋晴れの心地であった。
「なんか急にゴマみそ担々麺食べたくなってきた」
「確かに急だな。私に作れと?」
「いっぱいゴマ入れて。ゴマスリして」
「低糖質パスタと糸こんで良ければ」
「担々パスタは新鮮初遭遇……」
ところで後増利係長の更迭は云々、そういう話は届いていない云々。
話題は夏日の秋晴れから、後日の夕食昼食、それから既に秋風北風で凍えていそうな上司へ。
今週の仕事も、残り1〜2日。日曜は最低11℃の予想だ。
秋晴れ
夏よりも涼しさをまとった、
秋の昼下り。
秋晴れ
十月の半ばの晴れの日、
黄色くなった銀杏の下を歩きながら、これ以上ないくらいに秋を感じてる。
時折出てくる記憶の断片。
広い池の水面に、突然浮かぶ泡のよう。
大気に触れて泡は割れ、水紋になって広がってく。
今そこで、何処かで誰かの出した泡が割れた。
また別の泡が割れた。パチン。
パチン、パチンパチンパチン…
広がっては交わり、さらに広がる水の波紋。
泡は破れ、中の思いは解き放たれ、
ひとつ残らず上っていく。
少し前までそれらは上がらず、
いつまでも下に留まり続けてた。
大人の胸くらいの高さで。
なので小さい人は皆、必ず一度は溺れてた。
そうしてちゃんと馴れてった。
それなりに。
でも今はちがう。
弾けた泡は上がってく。
次々上がってひとつ残らず消えて行く
秋晴れの空へ。
今日は雲ひとつない秋晴れだ
僕の心の天気とは真逆だね
秋晴れ
猛暑が終わり、秋晴れの日は空気が美味しく感じられ、どこか出掛けたくなる。玄関を開けた途端に、金木犀の強い香りがする。
猛暑で散歩に行っても全く歩かなかった愛犬も、真っ直ぐな川沿いの歩道をどこまでも軽やかに歩く。当然の如く、焼き芋が食べたくなり、ケーキ屋にはモンブランの数が増える。
秋晴れの日は洗濯の乾きもいいが、パーカーのフードの部分だけは乾きが悪い。
ぶた草アレルギーで鼻水が止まらず、耳鼻科に通う。
寒い冬に向かう秋は少し寂しく、春の方が好きだったが、夏の暑さが酷かったせいか、今年の秋はとても気持ちいい。
そして秋晴れの日は、私の足も軽やかに進んでいく。
今日はどこに行こう!?
行ってきまーす!
秋晴れの爽やかな空気が髪を撫でる。
もうすぐ木々が枯れ色に染まり、落ちる頃だ。
ふわり、と冷たさを運ぶ風が吹きつけて
じきに冬を運んでくるのだろう。
秋晴れ
台風が過ぎ去ったあとの、澄んだ空の青。
そういうのを、「秋晴れ」っていうらしいよ。
まるで、キミのようだよね。
なにがって?
だってキミ、一度怒るとしばらくは手がつけられないことになる。まるで台風のようだ。
で。
その後に、ね。
ものすっごいスッキリした顔つきで、こっちに眼を向けてくる。
その、怒りからのスッキリした感じの笑みは、天気予報と同じくらいに、予測不能なんだよね。いつそのスイッチが切り替わるのか。それが一番予想できない。
……え、なにその顔。
自覚が全くないって?
まあそりゃ、そういうのは本人に自覚はないってのが、よくある話だよね。
ボクは、いいと思うよ?
キミの、台風からの唐突な秋晴れの顔。
天高く 青く澄みたる 秋晴れの
下に響くは 頬を打つ音
思わず一句詠んでしまったが、そんな和やかな状況じゃない。なんと今、駐輪場のフェンスを挟んで、幼馴染みの想い人である彼女持ちの先輩と向き合っている。
テスト期間ということで通常よりも早く帰れるのが仇になった。幼馴染みに自習室での居残り勉強に付き合ってほしいと言われたけど、今日は弟と妹の面倒を見なくてはならないので断った。
足早に駐輪場に向かい、今日に限って奥の方に停めてしまった自転車を見つけ出す。カシャンとロックを解除して車体を動かした瞬間、ぱんっという拍手のような乾いた音が聞こえた。ついでにヒステリックな女子の甲高い声も聞こえてくる。
やめとけばいいのに、野次馬根性は止められない。
そろそろと自転車を押しながら、声のする方へ歩いていく。フェンスを挟んで数メートル前方に喧嘩中のカップルがいた。背中を向けている彼女が誰かは分からない。が、向かい合っている男子生徒には見覚えがあった。冒頭で述べた例の先輩だ。
頬が赤くなっているのが遠目にも分かる。なのに、先輩は困ったように微笑んでいるだけだ。聞き取れた部分を切り取って意訳すると、どうやら『私以外の女の子にも手を出すなんて最低』という言われているらしい。一方的に責め立てた彼女は、耐えきれなくなったのか走り出してしまった。
かなりの修羅場だ。見なかった、聞かなかった、知らなかったことにして退散しよう。
そう思ってゆっくりハンドルを切ろうとしたら、フェンスの網目に引っかかってしまった。ガシャンと大きい音がすれば、誰だって視線を向ける。顔を上げた先輩と目が合ってしまった。
──というのが、事の顛末だ。
「あちゃ~……もしかして見てた?」
困ったように笑いながら歩み寄ってきた先輩の片頬は赤い。よほど強く叩かれたんだと思う。
「見てたことは謝ります、ごめんなさい。でも、早く手当てした方がいいですよ。私、保健室から氷嚢借りてきますから」
「いいよ、別に」
「は……?」
「気をつけて帰ってね。あ、できれば見たことは忘れてほしいな。平手打ちされたなんてカッコ悪いからさ」
「え、ちょっと」
「じゃあね」
ひらひらと手を振って歩いていってしまう。
──いや、放置するのはよくないでしょ!
自転車のスタンドを立ててフェンスをよじ登る。ガシャガシャとした音に驚いて振り向いた先輩の目の前に飛び降りる。やんちゃ盛りの弟を追いかけ回している経験が役に立った。
「言いふらしたりしませんから、ちゃんと手当てしてください。いいですね、ここで待っててくださいね」
短く言いつけて保健室へと走り出す。
先生には「なんかぶつけたーとか騒いでるんで氷嚢貸してください」とか適当なことを言った。返さなくてもいいように氷と水を袋に入れてくれたので、持っていたハンドタオルで包む。
駆け足で戻ってくると、先輩はフェンスに背中を預けて座り込んでいた。ちゃんと待っていたことにほっとして、努めて普通の顔で差し出す。
「どうぞ。先生には上手く言っておきましたのでご安心を」
驚いたというか呆気にとられているような顔で氷嚢を受け取ると、ふふっとおかしそうに吹き出した。
「なんですか?」
「いや、ごめんごめん。面倒見が良いんだなーって」
「……これくらい普通です。では」
「あ、ちょっと待って」
緊急でもないのにフェンスを登るわけにはいかないので、ぐるりと回ろうとしたら呼び止められた。
「どうもありがとう。お礼したいから名前教えてくれる?」
「大したことではないので気にしないでください。お大事に」
ついさっき頬を叩かれたというのに、全然懲りてないんだろうか。それとも、この間見た光景は幻だったのだろうか。
どちらにしても、私が踏み込むことじゃない。
ひんやりと凉しい木陰から足早に抜け出して、秋晴れの空の下で待っている自転車に飛び乗った。
秋晴れ
見上げれば秋晴れの澄んだ空。
爽やかな風が金木犀の香りを運んできて、部屋の中まで甘い香りが漂っている。
隣町の秋祭りのお囃子の音も聞こえてきた。
何よりも新米の季節だ。ご飯を炊くのが楽しみになる。
お茶碗に盛られた熱々の炊き立てご飯を見れば、家族の歓声も上がる。つやつやピカピカのご飯は、どんなご馳走にも負けないくらいだもの。
こんな美味しいご飯が食べられるなんて、日本人で本当に良かったなあ。
そう思うのは私だけじゃないですよね?
(明太子で食べたいな。)
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