『病室』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
最後を君と迎えたくて
無理をして延命治療を施していたけど
もう疲れたかな
最後の心音が止む瞬間
君の泣きながらの愛してるを聞けて
少しまだ少しでいいからと後悔をしてしまった
狭い病室で私は掴めない君を抱きしめた
病室
ここの病室から
桜が見える。
いつも春の匂いがするの。
でも、来年の春まで
私は居られるだろうか
桜を見られるだろうか
桜ノ雨
とても怖い場所だった。
一昨年、母が一年弱入院していたあの病室。
漂う薬品のにおい。
薬品投与の影響だろうか、普通のそれとは違った独特な体臭。
何より、本人の痩せこけた腕や足。
思わず口をつくのは、未来を約束するような話ばかり。
引き留めようと必死だったのだ。
外とは異なる空気に、本能的に直感せずにはいられなかった。
...これほど身近に「死」を感じる場所は、かつて無かった。
元気な者でも、気付かぬうちに彼岸へ連れていかれてしまいそうな
恐怖感。
願わくば、二度とあの場所に足を踏み入れることがないように。
最後のお見舞いは、
あんなに自由で楽しかったのに。
院内感染かぁ。
インフル?
仕方ないって思ってたのに。
コロナのせいで
1年以上逢ってない。
早く逢いたい。
そこには記憶の破片が床に散らばっている。
病室の隅で背中を丸めてしかめっ面をしているじいさんに僕は言った。
「じいさん、死ぬの怖い?」
じいさんは、こっちを静かに見つめてかすれた声で「さあな」と呟いた。じいさんが怖いと言わなくてほっとした。何故だかは、わからないけれど。
僕はじいさんが好きだ。
病室。
何もしなくても苦しい。
ここに居たくない。
君のもとへ行きたい。
窓の外を見て届かない声で言う。
生きたくて
でも、明日が怖くて
この牢獄で閉じこまれる
病室から見える〝君〟が、
どうしようもなく醜かった。
隣のベットの君に、
喧嘩して骨折したって嘘ついた。
転けたなんて言えないだろ……。
“病室”
真っ白な天井
真っ白なシーツ
真っ白な肌
真っ黒な未来
忘れもしないあの日、
五月の爽やかな風、
差し込む日差し。
病室。
そんな午後の面会時間に、
君は来た。
二人きりで会ったのは、
あれが初めてだったんだ。
#病室
病室。
私にとっては大事な場所。
それは、好きな人と会えるからだ。
でも、それと同時に悲しい場所でもある。
病室で会うんじゃなくて、外で、色んな場所で会いたかったな。
病室
早く出てぇな~
「病室」
病室にいるとものすごく暇。
誰か来てくれないかなってそんなことばかり考えてしまう。
あなたを待っています。
初めて僕が入院した日、何にもなくて殺風景だった。
でも、ぼくはそこが好きだった。
だって星と君がお見舞いに来てくれるから。
〈病室〉
鼻を刺すような消毒の匂い
明るくない照明
簡素なベット
全てが嫌いだった
そして何より苦しそうな貴方を見るのが
なによりもいやだった
病室の窓から見る
キラキラな世界が好き
病室
ぼくが人生を共にした場所
ぼくをここまで生かしてくれた場所
たくさんの人と出会った場所
たくさんたくさん苦しんだ場所
何度ももっと生きたいと願った場所
何度もいっそはやく死にたいと思った場所
こんなぼくのそばに居てくれた場所
こんな人生のぼくを産んだ場所
ぼくが最期に目にした場所
僕の人生の場所
初めはみんなお見舞いに来てくれたのに
もう誰も来てくれないね
みんな泣いてばっかりで。
僕のこと忘れてないなら
病室に来てよ。
一緒に
向こうへ行こう?