病室の隅で背中を丸めてしかめっ面をしているじいさんに僕は言った。「じいさん、死ぬの怖い?」じいさんは、こっちを静かに見つめてかすれた声で「さあな」と呟いた。じいさんが怖いと言わなくてほっとした。何故だかは、わからないけれど。僕はじいさんが好きだ。
8/2/2021, 4:15:51 PM