『欲望』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
欲しいと望むことは罪じゃない。
でも、そのために傷つけたり、壊したりするのは違う。人であれ、モノであれ、自分自身でさえ。
欲望が言動を引き起こす。
でも、人間には思考が存在する。
せっかく人間に生まれたのなら、欲望に思考というスパイスを加えてみよう。
思いもしなかった結果が得られるかも知れないよ。
離れたい顔をそむけて耳ふさぐ
だけど何処にもいかないで
欲望
誰だって美しく輝くものに目を引かれる。
星を集めよう。東から西へ突き進んで。
時には雨が降ることもあるだろう。
大きな川が大地を別けることもあるだろう。
海風が帆を裏返すこともあるだろう。
それでも止まらず進むんだ。あいつに取られる前に。
日本が51番目の星にならないといいな。
『欲望』
どうも私は心の底の方で欲を悪いもののように信じてしまっている。
欲望に支配されて身を滅ぼしてしまうのを恐れているんだ。
でも欲自体に良いも悪いもなくて、エネルギー(モチベーション)の一つという気がする。
欲を認めないから、やりたい事が見つからないのかもしれない。
とすれば、欲望を開放すればやりたい事のヒントが見つかるかも?
しかし、欲望をエネルギーとして使うためには、欲望に支配されない精神力も必要だ。
片方だけでは暴走するか、止まったまま動かない不具合が発生する。
欲望はアクセル、精神力はブレーキ。
ハンドルを握るのは魂。肉体が車体。
全部揃ってはじめて快適に人生という道を走れるのかもしれない。
どれだけ他のことで満たそうとしても、あなたを前にするとふつふつと湧くこの感情に流されてしまいそうになる。
満たされないと感じて欲するのが欲望ならば
腹八分からのデザートは欲望なんだろうかね
たしかに欲望デザートは
脂肪になって余分だな
動きづらくなるってわかってても
頭では理解出来ていても
欲するから欲望なのかも
[欲望]
見て見ぬふりをする気はないよ
好きにさせる気もないけど
何度も何℃も熱して打って
綺麗ごとじゃない光に変われ
「欲望」
「君って好きな人いる?」
人が少しずつ捌けていく放課後の教室、彼女の隣の席に勝手に座って、そう声を掛けてみた。
俺を怪訝そうに見ていた彼女が、途端に顔を薄い紅色に染める。
「あなたには関係ないでしょう?」
「誰か当ててみようか」
彼女のそんな返答など気にせず、笑ってその名を言ってやる。
「五組の坂崎君」
彼女は焦って俺を見る。
その顔はいよいよ真っ赤になって、声を荒らげた。
「ど、どうして……!!」
「あー、マジで当たっちゃった?」
「――~……っ!」
からかう俺が嫌なのか、無言でひたすら鞄に荷物を詰めている。
「でもさー趣味悪いよねぇ。坂崎君ってさ、噂によると何股もしてるっていうじゃない? 君もそのうちの一人になりたいわけ?」
刺激するように続ける。
彼女がこちらを向いた。
「変なこと言わないでよ! あなたがあの人の何を知っているっていうの!?」
「君よりは知っているつもりだけどな。男の間では有名だけど? 女の間ではどう王子様に映ってるか知らないけどさ」
「もういい! 私、もう帰るんだから!」
鞄を持ち上げ教室の扉へと向かおうとする彼女の腕を、掴んだ。
「何……!?」
怒った様子で振り向く彼女の唇を、出し抜けに塞ぐ。
――間。
「……なっ、何するの!?」
「君は、そいつと付き合いたいの? 付き合って何をしたいの? こういうことがしたいの?」
いつの間にか二人きりの教室で、静かに彼女を抱き寄せた。
「――…………っ!!!! ……っ!!」
彼女の抗議の声も耳の奥まで届かない。
ただ、俺の呪縛を必死に振り解こうとする、その表情から伝わってくる。
そう、それでいい。
――あぁ、その君の嫌そうな瞳。
もっとずっと近くで見ていたいんだ。
『欲望』
『欲望』
それは人が人たる所以
誰かを騙し、時には守るべき者すら蹴落とし、己の糧とする
全てはただ「誰かよりも優れていたい」という果て無き欲望のため
下らない姑息な願いは何処までも人を残酷に変えてしまう
いつしか人は欲望に飲み込まれ、それが己の意志かも分からぬまま
欲にまみれた願いとも呼べぬ傲慢なる望みを叶えるべく
深く深く、外道へと堕ちてゆく
誰だって持っていると思うもの
持っているから
前向きになれる
積極的になれる
自信を持っていられる
素敵な願望だよね!
【欲望】#61
例えば、朝日を浴びてキラキラと光るビー玉が希望であるならば、真っ黒な蛇のような生き物をたくさん中に閉じ込めたガラス玉は欲望である。
この二つの玉を持つのが人間であって。
だから僕たちはなんとか生きていけるのかもしれない。
他人よりも自分を優先し、命ある限りその欲望を完全に満たす事はでき無い。
それを知っているからこそ、僕たちは希望を失わずに少しでも近づきたくて、朝日に向かって手をのばす事を決してあきらめたりはしない。
【欲望】
欲望は必要だ。
人の欲が、世の中を発展させてきた。
しかし、欲望はしばしば暴走し、歯止めがきかなくなる。
そこで人々は、そのような経験から法という知恵を生み出して、世の中を何とか安定させてきた。
しかし、ここにきて自ら法を生み出し、運用を決定する役割の者たちが、自ら生み出した法を守らないと来た。
そのくせ、他の者には法を守れという。
欲望の暴走がはじまった。
そして、これは自らの権威を自ら否定する行為であることに気づいていない愚かな行為だ。
法は機能しなくなるだろう。
世の中が混乱し始める。
歴史は繰り返す。
裏金はそのきっかけに過ぎない。
欲望…
私には奏でられない本当の
心を春鳥たちはこんなに
私は欲望がある
あれも欲しいこれもほしい
でも貰えない
なんで……
欲望には
ふさわしい器が必要だ
満たすことができなければ
際限なく湧いて出る
溢れたら溺れてしまう
欲望
欲望をノンアルコールビールで流し込む日々だ。
体重計を見ると、久し振りに見る数字だった。喜びに胸が打ち震える。
酒を飲みすぎると太る。そんな当たり前の、分かり切った事実。それにすら向き合えないほどストレスへの対処が難しかった。
新しくできた恋人が小柄で細身だから、一緒に並ぶのが恥ずかしい。そう思ったらやる気になれた。
ゆるいダイエット。禁酒と毎日ですらないフラフープ。それでも少しずつ体重は減っていった。
次第に飲酒欲求はわかなくなってきた。
大好きだった元彼と付き合っていたとき、私は痛飲と過食を繰り返していた。別れなきゃよかったと何度も何度も泣くほど大好きな人だった。
でも、きっとこれでよかったのだ。たぶん、禁酒できているうちは。
薄く平べったい形だったり三角錐のように尖ったり
欲望にも形がある気がする
欲望は人間を中から蝕む害虫だ。欲望は人間を騙し、現実から目を背かせ、退屈な塊へと変えてしまう。
「オオカミ、尻尾を出す」
特技は、本当の自分を隠すことです。
その結果が、コレだ。
安心安全。人畜無害。
そう思われるように行動してきた。
気を許してくれてるのは、嬉しいけど、嬉しくない。
幼馴染だからって、きょうだいみたいに育ったからって、いくらなんでもこれはないんじゃね?
何の拷問だ、これ。
好きな子が自分のベッドの上でうたた寝してるなんて。
頭を撫でてみても、起きないお前が悪い。
どうなってもしらねーから。
顔を覗き込む。
「……いいかげん、起きろよ」
そして、この状況に慌ててしまえばいい。
────欲望
心を自由にしたら
真実が見えてくる
どんな色が好き?
地球の美しい青に
優しい世界の中に
調和した色を探す
光りのある場所は
キミなら分かるよ
『欲望』