『梅雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
TVで梅雨入りのニュースが流れると、リビングにいる者全員で誕生日の歌を合唱するのが、毎年この時期だけの家族のしきたりだ。
(ずっとそれで育ってきたもんで、よその家ではニュースを見ながら急に歌い出さないのが一般的らしいと気付いたときはちょっとビックリした)
Happy birthday to you,
Happy birthday dear こうめちゃん
Happy birthday to you!
うちの小梅ちゃんはもう随分なおばあちゃん犬ながら元気いっぱいにご飯も散歩も毎日満喫してる。ただ、天気の悪い日だけは絶対に散歩拒否で、リビングのクッションに丸まって一歩も動かない。
そんなとき、父はわしわしと小梅を撫でながらいつも「小梅のおうちはここだよ」と優しく話しかける。
昔々。長雨で増水した河川敷からびしょ濡れの子犬を拾ってきたのは母で、「梅雨にやって来たから小梅だ」ってざっくりと命名したのが父。
翌年に、正確な誕生日は分からないから梅雨が来たら祝うことと決めて以来、今、20回目のファミリーミュージカルを小梅ちゃんは尻尾ふりふり鑑賞中というわけだ。
わりと上手な三声合唱をBGMに、我が家の茶色い天使は眠そうな目をしている。最後は露骨に欠伸もしたが、つまりアルファ波が出るほど癒されてくれていると好意的に解釈したい。
今年はあっという間に猛暑が来そうって予報も出てたから、晴れたらまたいっぱいお散歩しようね。
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梅雨
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所感:
♪はっぴばーすでー つーゆー
梅雨
ジメジメ…
やだなー。。
それでなくても気分がさえないのに…
梅雨が終わったら大嫌いな夏……
まったくもってテンションあがらんな。。
なんかテンション上がることしないと!
滅入ってしまう。。。
窓の外は、
外に出るにはあまりにも恐ろしい色をしていた。
しかし一体私はこれがどんな色だったら、
外に出るのを許しただろうか。
果てない青が広がっていたとしても、
日差しが私を見透かしていたとしても、
私はすっかり負けてしまって、
きっとこの世界から出なかっただろう。
この雨で、
全て流れて、
全て壊れて、
気付かぬ間に、
私も流れてしまえばいいのに。
気がついたらこんな思いが巡り、
そしてまた私をここに引き止める。
「梅雨」
『梅雨』
ママに買ってもらった
お気に入りの
傘と長靴
雨が降るのを
楽しみにしてたのに
まさか
あんたの
薄汚い血で
汚されるなんてね
でも まあいいわ
天気予報は
梅雨入りだって
運良く 雨も降ってきたし
だいたい あんたみたいな
幸薄そうな女
彼には不似合いなのよ
少し優しくしただけで
親友面して バカじゃない
ようやく彼は私のもの
あんたが着るはずだった
ウェディングドレスは
私が代わりに着てあげる
大丈夫よ バレやしないわ
だって私達
親も見分けがつかないくらい
そっくりな双子でしょ
それじゃ バイバイ
お姉ちゃん
『梅雨』
しとしと降る雨、その色は何色だろうか。
雨って不思議だね。その時の気持ちによって
様々な音に聞こえる。
雨の日は嫌いだけど、
雨の音は好き。
雨は、まるで自然が奏でるオーケストラだ。
そして、地球の涙でもある。
ねぇ。君は何色の雨が好き?
もうすぐ梅雨がやってくる。
「梅雨」
どっかのバンドマンが言ってた。
止まない雨は確かにないけど、
曇らない空もないじゃん。と。
からっとしない、
どんよりした日々が続くこの季節は、
大声で笑うことが減った、
たくさんのモヤモヤで溢れる私の心みたい。
しとしと、しとしと。
強がってばかりの私の代わりに
泣いてくれてありがとう。
#7
バトン
降り続く雨が止んだら
そこは夏だ
もうそれだけで。
※梅雨
お題『梅雨』
書庫で一冊読み終えて気がついた。窓を雨粒がノックしている。時計を見れば午後3時を回ろうとしていた。
アフタヌーンティーの用意をするために階段を降り、庭に目を向ければ庭師のアモンが摘んだばかりらしい紫陽花を片手にして小走りに駆けてくるのが見える。
「あ、フェネスさん」
俺に気づいたアモンはヘラっと笑ってみせた。彼はいつも、どの季節でも最高の花を育ててはこの古びた屋敷を彩ってくれる。
「お疲れ様。その紫陽花はもしかしなくても」
「ええ、主様の部屋に飾るっすよ。もちろんシッティングルームと玄関ホールにも」
よく気が利くなぁ。……それに比べて、俺なんて本を読むことぐらいしか取り柄がなくて……。
いつものマイナス思考に陥っていると、玄関の向こうにパカラパカラと馬の蹄の歩む音が聞こえてきた。どうやら主様が街からお戻りになられたらしい。
いけない。俺がしょげていたら主様に心配される——そう思うよりも早く扉が開いた。
「ただいまー!」
軽やかなソプラノが雨空に差し込む光のようにホールに響いた。
「おかえりなさいませ、主様」
タタタっと俺に駆け寄るなり両手を伸ばしてくる。ねだられるがままに腕に抱え上げれば幼い主様はくふくふと笑った。
「フェネス、またへこんでたでしょ?」
「え! いや、そんなこ」
俺の言葉を遮るかのように、唇にふわりと柔らかな感触。
「元気になれるおまじないなんだって。カタツムリを探していたら公園にいたおにいさんとおねえさんが教えてくれたの」
えー、と。俺、今、主様と……!?
「い、いけません! 主様、このおまじないは他の人にはしないでください!」
背後から「ふーん」と何か言いたそうな声がして、そういえばアモンもいたことを思い出した。
「フェネスさんって独占欲が強いタイプだったんっすね」
「えっ? いや、これはそういう意味じゃなくて」
言葉を続けようとすれば、
「それってどういういみ?」
と首を捻る主様。
「主様をひとりじめしたいって意味っすよ」
持っていた紫陽花をひと枝、主様の耳元に挿したついでにその白い頬にキスをする。
「俺はこれで我慢するっす。フェネスさん、これは貸しっすからね」
それじゃ、と言って屋敷の奥に引っ込むアモンに手を振ると主様はまたくふくふ笑う。
「フェネスは私をひとりじめしたいのね。でもね」
口元を手で覆うと俺の耳に寄せてきた。
「私もフェネスをひとりじめしたいから、りょーおもい、なの」
そしてまたくふくふ笑う。それは梅雨空に差し込んだ日差しのように俺の頬を赤くさせた。
『梅雨』
こちらの地域は、明日、梅雨入りの予報らしい。
南の方は、もう梅雨入りしてますね。
雨は嫌いだけど、雨音は好き。
他に何も浮かばないので、詩を作ります。
『あまおと』
真っ暗どんより どこまでも
今にも落ちそな 黒い空
しとしと続くよ いつまでも
静かな雨音 初夏の音
悲しみ纏う雨音は
波紋残して消えてゆく
泣けないあの子のなみだの音を
代わりに奏でる雨の音
悲しむあの子の心に落ちて
笑顔が戻るその日まで
しとしと続くよ いつまでも
静かな雨音 優しい歌よ
少年は泣いた。そうすると、空も泣いた。
この時期になると少年は泣いてばかりいた。
少年の家族が亡くなったのもこの時期だった。
今日も少年は遥か遠い、雲の上で涙を零すのだ。
───そんな少年の雨は、とても悲しい味がした。
お題【 梅雨 】
梅雨
梅雨になると傘がよく使われる。傘にまつわる思い出も多いと思う。お母さんが雨が降ると傘をもって向かえに来てくれた。嬉しくて嬉しくて、その時に感じた音と香りも覚えている。私もお母さんみたいな優しい人になりたいと思った。人は受けた優しさは忘れないようだ。それだけ優しさには人を変える力がある。応援は力があるほうが良い。力のある応援とは愛のある優しさ。こころに愛がなければどんな言葉も相手の胸にとどかない。
[梅雨]
梅雨は嫌なことしか無い。
雨も降るし、頭痛いし、前髪うねるし。
でも、嫌なことだけじゃないよ。
嫌なことでも楽しい予定を立てれば大丈夫!
お経が木魚のリズムに乗ってするすると体を通り抜ける。遠くで雨が降っている音がした。そういえば、外に見事な紫陽花が咲いていた。
「知ってる?雨が止まないですねってもう少しあなたといたいっていう意味なんだって!月が綺麗ですねみたいなやつだよ!」
そうきらきらした笑顔で言っていた親友は、今棺に横たえられている。
私は恋愛とか興味なかったけど、あの子はずっと「彼氏がほしい!!!」と言い続けていた。それだけじゃなくて、小さなことでもころころ表情を変えたりするところとか、どんな時でも明るいところとか。
ああ、この子は何だかきらきらしてて見てて飽きないなあと思っていた。
別に私は、あの子みたいに人を明るくできる元気はないし、寧ろ根暗だから呆れる部分もあったけど。
雨が、止まないですね。
つい、呟いてしまった。
梅雨はずっと嫌いだった
でも君が雨が好きだと言うから
僕も梅雨を好きになれた
君と一緒にかえる道が
一緒に指す傘が
大好きだった
だから僕は今も梅雨が好きだ
一緒に帰る人はもういない
君が梅雨に亡くなってから
梅雨が君になった
梅雨だけが僕の泣ける季節になった
《梅雨》
#44
梅雨はね
日本や東アジアの一部の地域で見られる
湿気の高い空気が季節上陸
そして長雨や晴れ間のある
じめじめした気候が続くことを言うの
日本の梅雨はね
六月から七月にかけて
一ヶ月から二ヶ月の間に降る
首都圏や西日本ではとくに
長雨が多いのよ
だから繁殖するカビやダニなどの生物
が繁殖しやすくなってるから
健康面で気をつけようね
さあまだまだ梅雨は永く続くよ☂
『梅雨』6/1
雨が落ちて、波がたつ水溜まり
騒がしい雨音なのに、静けさを感じる。
服が貼りつくようで嫌だけど、
扇風機を回せば、気にならない。
風と雨音が日常を侵食する。
それで、平和だなぁ~、と思った訳です
梅雨
これだけ雨が降り続けるとお外に出るのも億劫になるから、家の中で過ごす時間が増えるよね。ホント梅雨のせいでお外に出る気が無くなった。梅雨のせいで会社で使うプレゼンの資料が間に合わなかった。梅雨のせいで久々にドライブしようとしたらタイヤの空気が抜けててドライブ出来なかった。あぁ梅雨のせいで梅雨のせいでって言ってる間に飼ってたニワトリのコケ子が今日卵を産みました。
梅雨大好き
《梅雨》
湿った空気を運び込み
終わりには夏の始まりを告げる
そんな季節
隣の家のあじさいの木が、今年も紫の花をつける頃になった。
ああ、もうこんな季節になったんだなぁ、早いな。
僕はため息を付いて、窓越しに雨が滴る無数のあじさいの花を眺めた。
あまり手入れされないその木は、僕の住んでいるアパートの二階の窓まで届いている。
わりと大きな葉っぱとあじさいの花に遮られて、日当たりの良いはずの南側の部屋は陰ってしまった。引っ越してくる前は大好きな花だったのに。以前はわざわざ見に行くほどだったのに。
おととしまでのスマホには、あちこちの名所のあじさいの花の画像が大量に入っている。いろんな色の手入れされたあじさいたちが、雨を受けながら遊歩道に沿って植えられている、お気に入りの画像たち。でも、もうしばらくは見返すことはないだろう。
あれから2年。
二階の窓の前で茂るあじさいの木と、この時期に咲く大量のあじさいの花を、雨とかたつむりと共に今年も梅雨を迎える。
お題:梅雨
あじさいは木だそうですよ
梅雨の季節になってきましたね。
ザアザア、シトシト、いろんな雨が降ります。
湿度も高くなり、過ごすのが億劫な季節です。
今、スリープサウンドとか言うアプリを入れていて
その中に雨音があるんですが、この時期は
聴かなくても大丈夫かなと思っています。
自然の雨音で眠るのも良いですね。
降っているのに、逆に静かに感じる、
雨はそんな存在です。
「梅雨」