『梅雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
バトン
降り続く雨が止んだら
そこは夏だ
もうそれだけで。
※梅雨
お題『梅雨』
書庫で一冊読み終えて気がついた。窓を雨粒がノックしている。時計を見れば午後3時を回ろうとしていた。
アフタヌーンティーの用意をするために階段を降り、庭に目を向ければ庭師のアモンが摘んだばかりらしい紫陽花を片手にして小走りに駆けてくるのが見える。
「あ、フェネスさん」
俺に気づいたアモンはヘラっと笑ってみせた。彼はいつも、どの季節でも最高の花を育ててはこの古びた屋敷を彩ってくれる。
「お疲れ様。その紫陽花はもしかしなくても」
「ええ、主様の部屋に飾るっすよ。もちろんシッティングルームと玄関ホールにも」
よく気が利くなぁ。……それに比べて、俺なんて本を読むことぐらいしか取り柄がなくて……。
いつものマイナス思考に陥っていると、玄関の向こうにパカラパカラと馬の蹄の歩む音が聞こえてきた。どうやら主様が街からお戻りになられたらしい。
いけない。俺がしょげていたら主様に心配される——そう思うよりも早く扉が開いた。
「ただいまー!」
軽やかなソプラノが雨空に差し込む光のようにホールに響いた。
「おかえりなさいませ、主様」
タタタっと俺に駆け寄るなり両手を伸ばしてくる。ねだられるがままに腕に抱え上げれば幼い主様はくふくふと笑った。
「フェネス、またへこんでたでしょ?」
「え! いや、そんなこ」
俺の言葉を遮るかのように、唇にふわりと柔らかな感触。
「元気になれるおまじないなんだって。カタツムリを探していたら公園にいたおにいさんとおねえさんが教えてくれたの」
えー、と。俺、今、主様と……!?
「い、いけません! 主様、このおまじないは他の人にはしないでください!」
背後から「ふーん」と何か言いたそうな声がして、そういえばアモンもいたことを思い出した。
「フェネスさんって独占欲が強いタイプだったんっすね」
「えっ? いや、これはそういう意味じゃなくて」
言葉を続けようとすれば、
「それってどういういみ?」
と首を捻る主様。
「主様をひとりじめしたいって意味っすよ」
持っていた紫陽花をひと枝、主様の耳元に挿したついでにその白い頬にキスをする。
「俺はこれで我慢するっす。フェネスさん、これは貸しっすからね」
それじゃ、と言って屋敷の奥に引っ込むアモンに手を振ると主様はまたくふくふ笑う。
「フェネスは私をひとりじめしたいのね。でもね」
口元を手で覆うと俺の耳に寄せてきた。
「私もフェネスをひとりじめしたいから、りょーおもい、なの」
そしてまたくふくふ笑う。それは梅雨空に差し込んだ日差しのように俺の頬を赤くさせた。
『梅雨』
こちらの地域は、明日、梅雨入りの予報らしい。
南の方は、もう梅雨入りしてますね。
雨は嫌いだけど、雨音は好き。
他に何も浮かばないので、詩を作ります。
『あまおと』
真っ暗どんより どこまでも
今にも落ちそな 黒い空
しとしと続くよ いつまでも
静かな雨音 初夏の音
悲しみ纏う雨音は
波紋残して消えてゆく
泣けないあの子のなみだの音を
代わりに奏でる雨の音
悲しむあの子の心に落ちて
笑顔が戻るその日まで
しとしと続くよ いつまでも
静かな雨音 優しい歌よ
少年は泣いた。そうすると、空も泣いた。
この時期になると少年は泣いてばかりいた。
少年の家族が亡くなったのもこの時期だった。
今日も少年は遥か遠い、雲の上で涙を零すのだ。
───そんな少年の雨は、とても悲しい味がした。
お題【 梅雨 】
梅雨
梅雨になると傘がよく使われる。傘にまつわる思い出も多いと思う。お母さんが雨が降ると傘をもって向かえに来てくれた。嬉しくて嬉しくて、その時に感じた音と香りも覚えている。私もお母さんみたいな優しい人になりたいと思った。人は受けた優しさは忘れないようだ。それだけ優しさには人を変える力がある。応援は力があるほうが良い。力のある応援とは愛のある優しさ。こころに愛がなければどんな言葉も相手の胸にとどかない。
[梅雨]
梅雨は嫌なことしか無い。
雨も降るし、頭痛いし、前髪うねるし。
でも、嫌なことだけじゃないよ。
嫌なことでも楽しい予定を立てれば大丈夫!
お経が木魚のリズムに乗ってするすると体を通り抜ける。遠くで雨が降っている音がした。そういえば、外に見事な紫陽花が咲いていた。
「知ってる?雨が止まないですねってもう少しあなたといたいっていう意味なんだって!月が綺麗ですねみたいなやつだよ!」
そうきらきらした笑顔で言っていた親友は、今棺に横たえられている。
私は恋愛とか興味なかったけど、あの子はずっと「彼氏がほしい!!!」と言い続けていた。それだけじゃなくて、小さなことでもころころ表情を変えたりするところとか、どんな時でも明るいところとか。
ああ、この子は何だかきらきらしてて見てて飽きないなあと思っていた。
別に私は、あの子みたいに人を明るくできる元気はないし、寧ろ根暗だから呆れる部分もあったけど。
雨が、止まないですね。
つい、呟いてしまった。
梅雨はずっと嫌いだった
でも君が雨が好きだと言うから
僕も梅雨を好きになれた
君と一緒にかえる道が
一緒に指す傘が
大好きだった
だから僕は今も梅雨が好きだ
一緒に帰る人はもういない
君が梅雨に亡くなってから
梅雨が君になった
梅雨だけが僕の泣ける季節になった
《梅雨》
#44
梅雨はね
日本や東アジアの一部の地域で見られる
湿気の高い空気が季節上陸
そして長雨や晴れ間のある
じめじめした気候が続くことを言うの
日本の梅雨はね
六月から七月にかけて
一ヶ月から二ヶ月の間に降る
首都圏や西日本ではとくに
長雨が多いのよ
だから繁殖するカビやダニなどの生物
が繁殖しやすくなってるから
健康面で気をつけようね
さあまだまだ梅雨は永く続くよ☂
『梅雨』6/1
雨が落ちて、波がたつ水溜まり
騒がしい雨音なのに、静けさを感じる。
服が貼りつくようで嫌だけど、
扇風機を回せば、気にならない。
風と雨音が日常を侵食する。
それで、平和だなぁ~、と思った訳です
梅雨
これだけ雨が降り続けるとお外に出るのも億劫になるから、家の中で過ごす時間が増えるよね。ホント梅雨のせいでお外に出る気が無くなった。梅雨のせいで会社で使うプレゼンの資料が間に合わなかった。梅雨のせいで久々にドライブしようとしたらタイヤの空気が抜けててドライブ出来なかった。あぁ梅雨のせいで梅雨のせいでって言ってる間に飼ってたニワトリのコケ子が今日卵を産みました。
梅雨大好き
《梅雨》
湿った空気を運び込み
終わりには夏の始まりを告げる
そんな季節
隣の家のあじさいの木が、今年も紫の花をつける頃になった。
ああ、もうこんな季節になったんだなぁ、早いな。
僕はため息を付いて、窓越しに雨が滴る無数のあじさいの花を眺めた。
あまり手入れされないその木は、僕の住んでいるアパートの二階の窓まで届いている。
わりと大きな葉っぱとあじさいの花に遮られて、日当たりの良いはずの南側の部屋は陰ってしまった。引っ越してくる前は大好きな花だったのに。以前はわざわざ見に行くほどだったのに。
おととしまでのスマホには、あちこちの名所のあじさいの花の画像が大量に入っている。いろんな色の手入れされたあじさいたちが、雨を受けながら遊歩道に沿って植えられている、お気に入りの画像たち。でも、もうしばらくは見返すことはないだろう。
あれから2年。
二階の窓の前で茂るあじさいの木と、この時期に咲く大量のあじさいの花を、雨とかたつむりと共に今年も梅雨を迎える。
お題:梅雨
あじさいは木だそうですよ
梅雨の季節になってきましたね。
ザアザア、シトシト、いろんな雨が降ります。
湿度も高くなり、過ごすのが億劫な季節です。
今、スリープサウンドとか言うアプリを入れていて
その中に雨音があるんですが、この時期は
聴かなくても大丈夫かなと思っています。
自然の雨音で眠るのも良いですね。
降っているのに、逆に静かに感じる、
雨はそんな存在です。
「梅雨」
駅を出て 次々に咲く傘の彩
飛沫飾れる 街角の白
#短歌 #書く習慣 20230601「梅雨」
【梅雨】
学校帰りの道端に紫陽花が咲いているのが見えた。
ああ、もうそんな季節か。
道理で最近じめじめていると思ったよ。
気付けばわたしもナメクジみたいに、足取りが重くなっていた。
テーマ : 梅雨
いや、マジで頭痛い
死にそう、大袈裟とかじゃなくてマジで
ホントに気圧痛ってなんだろ
なくていいよね、最近薬も効かない
病む マジで病む ネガティブが加速するもん
…梅雨に関する記憶…なんかあったかな…
ありそうなんだよな
んー…思い出してる間に、まぁ雑談でもしようか
梅雨ってさ
ジメジメしてるし、ナメクジいるし
メリットほぼなくね?って思わない?
朝顔、綺麗だぁ✨くらいじゃん
雨は嫌いじゃないんだけどジメジメしてるのが苦手
髪の毛言うこときかないのが気に入らない
…あれ?僕、雨嫌いじゃね?ww
とかなんとか言ってる間に思い出したさー
ちょっと年齢とかはね覚えてない
けど、ランドセル背負ってるから小学生!
短いんだけどね、この記憶
なんせあやふやだから( 'ω')
きっとこのテーマがなかったら思い出さなかったくらい
それくらいにあやふやな記憶
えーと…どこから書けばいいかな
あれは学校帰りだった
当時、大好きだったキャラクターものの傘さして
水溜まりで遊びながら歩いてた
今でこそ水溜まりなんて入れないけど
昔は水溜まりに足突っ込んで遊ぶの好きだったんだよね
なんでか、理由はわからないけど
濡れるの好きだったのかな?ww
それで、1人で帰ってたから
周りには誰もいない 当たり前だよね
気は楽だったよ
人に気使って帰るスピード落とさなくていいし
時間も遅くならないから
ホントに集団行動とか死ぬほど苦手だったんだよね
そしたら、横断歩道がねあるんだけど
横断歩道って言っても信号もない小さい横断歩道なんだけど、田舎でよく見るようなやつ
…伝われ!(っ ॑꒳ ॑c)
いつもなら誰もいない横断歩道なのね
朝はよく近所のおじいちゃんとか立ってるけど
午後は誰も立ってないのよ
その横断歩道に淡い紫色の傘を指した
30代くらいのおばさんが立ってたんだ
いや、別に普通に通行人だろ?って思うでしょ?
僕もそう思って、普通に
「こんにちは」って挨拶したわけだよ
まぁ、挨拶は返ってこなかったけど軽く微笑んで会釈してくれた
見た感じ怪しい人じゃなかった
優しそうなお母さんだなって思った
僕はそのまま帰ったんだけど
おばさんはずっと動かずにそこに立ってた
僕は
(自分の子供待ってるのかな?誰のお母さんだろ?)って
思いながら帰ったんだ
おばさんは次の日もそこに居たよ
不思議なのは、友達と帰る時だけ居なかったこと
1人で帰る時だけ出くわした
正直、その頃にはもう心霊類を見慣れていたから
(あ、あのおばさん人じゃないな、人だったんだな)って
冷静に感じた
それから、梅雨の日は何度も見かけたけど
そこに居るだけで微動だにしないし
僕も…今更遅いかもしれないけど見えないフリして通り過ぎた
梅雨が明けて、気がつくとおばさんは居なくなってて
どうしてここにいたんだろって不思議に思いながら
そのまま帰り道としてそこを使ってたんだけど
それから数ヶ月くらいしてさ、僕見たんだ
梅雨じゃない、雨でもない なんなら晴れてた
ふと、その横断歩道を渡ろうとして何かが横目に入った
横目に入ったものを認識しようとして
その方向を振り向いたら
淡い紫色の傘をさした30代くらいのおばさんが立ってた
…こっち見てた
僕は、何故か危機感を覚えてそのまま走って帰った
それからその道は使わないようにしてる
その人が、幽霊だろうと人間だろうと
なんか怖くてさw
さ、テーマにもどっろ〜☆
まぁ、というね
これが僕の【梅雨】に関する記憶
もっと細かく書けたら良かったんだけど
あやふやすぎるわw
わかりずらかったらごめんね
梅雨
愛車が自転車の私には、雨は大敵。
より安全運転を心がけ、風邪をひか
ないように、髪の毛が膨張しにくい
よう念入りにヘアクリームをつける。
雨の中、買い物にも寄りたくない。
ごめんよ。
雨続きの梅雨は好きになれないや。
でも、『梅雨』の漢字の雰囲気と
読みの響きは美しいな。
梅雨、時雨、五月雨、氷雨。
雨の表情が美しく、こんな表現の
ある日本人に生まれてきて良かった
とまで思える。
テーマ:梅雨 #200
「梅雨が今年は早いねぇ」
おばあちゃんが言った。
確かに早いかもしれない。
明日は警報級の大雨が降るらしい。
「神様が子供なのかしら」
「どういうこと?」
僕のおばあちゃんは時々、不思議なことを言う。
「神様が子供だから泣き虫なのかもね」
子供が泣き虫なのはわかる。
でもなぜ神様が子供だと?
「あら、ショウちゃんは知らない?
雨って神様の涙なのよ?」
僕のおばあちゃんは、まるで空想の世界の住人だ。
僕が知っている原理で動いている世界と、
おばあちゃんの思っている空想の世界の原理は違う。
「おばあちゃん、違うんだよ」
僕が決まってそう言うと、
おばあちゃんはフッと微笑んだ。
「ショウちゃんも大人になったのね」
遠くを見つめ、
そう言ったおばあちゃんは何処か寂しそうだった。
「現実ばかりはつまらないわ」
そう呟いたおばあちゃんを僕はじっと見つめた。
おばあちゃんは不思議な人だ。
梅雨が来ることよりも不思議な人だ。
梅雨が来るたびに思い出す
大雨とともにいなくなった君のことを
いつになったら、帰ってきてくれるの