『柔らかい雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
──雨の日の買い物。
ふいに湿った風が前髪を揺らして、少しだけ開けておいた窓の外に視線をやる。ついさっきまで薄い雲が広がっていた空から、細い雨が降り始めていた。
「強くなるかなあ」
この後、午後から友人と街に買い物をする予定がある。水を操る友人からしたら調子のいい天気なのかもしれないけど、自分からすると本が濡れてしまうのが難点だ。
でも一方で、雨の日の独特の土の匂いや青々とした緑は気に入っていたりする。最近晴れ続きだったから、久しぶりの雨は乾いた植物たちを蘇らせるかもしれない。
植物を使う自分の魔法にしても、かんかん照りの日より少し湿度が高い方がやりやすい。
「あめ、あめ、ふれ、ふれ……」
懐かしい童謡を口ずさみつつ、眼を閉じて耳を澄ませば、小さな水滴が地面や屋根や植物の葉を打つ音がする。学園の庭にある池では、蛙が元気に跳ねているだろうか。
「まあ、雨の日に出かけるのも良いかも」
こんな優しい雨なら、友人との外出を楽しませる一つの要素になるかもしれない。
椅子から立って出かける準備をしながら、細く開いていた窓を少し広げた。
(柔らかい雨)
舞踏会の賑やかな雰囲気とは裏腹に、裏方のキッチンシェフやソムリエやメイド達は大忙しだ。
シェフはいくつものフライパンや鍋を行ったり来たり。
ソムリエは、ワイン貯蔵庫と会場の往復で持久走のように止まらない。
メイド達はクッキー、マシュマロ、イチゴジャムをカートにたっぷり乗せてパーティー会場のケータリングコーナーに運び入れる。
カップケーキ、ババロア、プリン。次のカートも急いで運ぶ。
あまりに多く積み上げた使い終えた食器類は洗われもせず、次の料理が載って運ばれて行く。
行ったり来たり走り回ればあちらこちらで衝突事故も起きるもので、ゼリーに赤ワインに焼きたてのハンバーグが空を舞って、柔らかい雨のように降り注いだ。
だがみんな止まらない。後で片付ければいいんだと、次の品を手に持って任された仕事へ散っていく。
(柔らかい雨)
童話によくある舞踏会の裏方達の物語。
「柔らかい雨」
人前で、泣きたくない。
でも、我慢出来ずに涙が溢れてくる。
どうして?
どうすれば良かった?
何が悪かった?
自分を責める事ばかり考えて。
考えても仕方ないのに、悪い事ばかり浮かんで、後から後から涙が溢れてくる。
でも、外は雨。
傘を忘れたフリをして、雨に濡れながら歩けば、泣いてい事も気づかれない?
今だけは、この優しい、柔らかい雨に守られて。
思う存分泣かせてください。
「柔らかい雨」
小雨。
午後まだ明るい時間帯
季節は暑すぎず寒すぎない
学校からの帰り道
1人で帰っている
そんな時。
雨が柔らかいのか、硬いのか
そんなふうに気づけるのは
私の人生のなかでその頃くらいだったかも。
柔らかい雨
この空から落ちてくる水滴に
雨と名付けたあなたは
どんなイントネーションで言ったの?
なめる飴と
ふる雨と
本気で違いが覚えられないのです
無アクセントの地域で生きてきたからか
他人のイントネーションや
アクセントの付け方に
意識がいかない
こだわりが持てない
たまに違和感があっても
正直どうでもいいじゃんって思うのでした
「やわらかいあめ」
声に出して言ったら
ソフトキャンディのことかもね
私は柔らかい雨と聞くと「甘雨」を思い浮かべます。
「甘雨」とは、草木を潤し生長を促す春の雨。
恵みの雨、「慈雨」とも呼ばれる。
私はこの言葉の意味を聞くとこう思ってしまいます。
私の心も成長させてくれたらいいのに。
実際に私の心も成長してくれればいいのですが、16年以上生きてて16回以上甘雨を経験しているはずなのに私の心は一向に成長しません。
どうか来年の春は私の心をも成長させてくれるような
柔らかい雨が
降り注ぎますように。
今日私は失恋した。大好きな先輩が私の親友に告白しているところを見てしまったのだ。私は憂鬱な気持ちになりながら下駄箱を出た。そうしてとぼとぼと家路に向かっているときだった。
ぽつ、ぽつと何かが降ってきた。雨だと気づいた時にはもう遅かった。慌てて傘を探すが、見当たらない。仕方ないと私は走り出した。雫が背中を伝ってくる。それは優しい、優しい雨だった。雫を通じて雨粒の柔らかさが伝わってくる。慰めようとしてくれてるのかな。そう思うと心がふっと暖かくなったように感じた。今日は思いっきり遠回りをしよう。たくさん濡れてから帰ろう。そう私は心に決めた。
zene
霧のような小雨だ。
傘を差す労力>雨を身体で受ける、の。
方程式が成り立った。
閉じた傘を持ったまま軒下を抜ける。
雨の感触はまるで、夏に嬉しい道端のミストのようだ。
生憎今は夏ではないのだが。
歩行者用信号が点滅したのが見えたため、足を止める。
道ゆく人々は傘を差しているので、
横着をしているのは俺だけらしい。
丁寧な暮らしをしている人が随分多いようだ。
「今帰り?」
振り返ると丁寧な暮らしがいた。間違えた。同期がいた。
部署は違うが、丁度帰りの時間が一緒だったようだ。
俺の隣に並んだ彼女は、よいしょ、と傘を閉じた。あ。
「悪い、まだ雨降ってる」
俺が閉じてたから勘違いしたんだろう。雨が柔らか過ぎて、傘にぶつかる音が聞こえないせいもあるだろうけど。それにしたって戦犯は俺でしかない。
「知ってるよ」
ばさばさ、と無遠慮に傘の水滴を飛ばしながら彼女はなんて事ないように呟く。おい、スラックスに飛んでんだけど。俺一応スーツなんだけど。まぁ元から濡れてるしいいのか……じゃなくて。知ってるって言ったか?こいつ。
「駅までいっしょに濡れて帰ろうよ」
にこ、と。一瞬目が合った彼女はあまりの衝撃に動けなくなっている俺を置いてまた傘を見ている。仕上げとばかりにとんとん、と傘の先端で地面で叩いて水を落とす。俺が呆けているうちについにマジックテープがくっつけられ、傘は完全に役目を終えてしまった。俺の脳と同じように。
青になったよ、なんて微笑まないでほしい。いっそのこと俺が傘を差そうか。しかし彼女が差さなければそれはただの相合傘でしかなく、つまるところ詰んでいる。チェックメイトだ。今まで気にならなかったはずの雨が、揶揄うように俺の頬に当たった。
『柔らかい雨』 白米おこめ
雨が降っている。
オノマトペで表すと、しとしと。
そんな感じの柔らかい雨。
空は灰色。明るい灰色。
もうすぐ雲の切れ目が見えるかな。太陽出るかな。
そうしたら虹、見えるかな。
たまには童心に返って空を見上げてわくわくするのもいいよね。
「柔らかい雨」
あなた方が
煙になって空に昇る時
晴れているのに
必ず雨が一時降りましたね。
何人目かの時
不思議に思って聞いてみた。
「泣いているのかもしれないね」。
それを聞いて
あなた方がながした涙の意味を
今でも時折考えてる。
柔らかい雨。中学校から家まではきつーーい坂をのぼって2分、柔らかい雨に振られながらゆっくりゆっくり登って帰る。家に着く頃には意外と濡れてて寒かった記憶
お題「柔らかい雨」(雑記・途中投稿)
……何だそりゃ。
柔らかい雨があるなら硬い雨があるのかって思うし、硬い雨っていうと豪雨かなって考えたから小雨の事か。
柔らかい雨
薄曇り、うっすら陽も射してる中、優しい柔らかい雨が降りだす。霧雨のようなそれに傘を差すほどでもないとそのまま歩き続ける。
しかしどんなに優しかろうが雨は雨、水である。目的地に辿り着く頃には存外しっとりと濡れそぼっていた。
優しい雨はその柔らかい感触に見合わず質悪ぃ…
明日は立冬
2024/11/06㈬日記
先月、紹介したい人がいるからと
Aさんから「Bさんと一緒に」と
食事に誘われたんだけど、
僕はオマケだなと直感した。
Bさんは体調が良くないから
乗り気じゃないらしく
僕に「どうしよう」と。
僕も胃が悪いので「無理はしない方が良いよ」と唆す。
元気ならオマケでも行ったかも知れない。
Bさんは「断る」と決めた(上手くいった)
今日、またAさんに誘われた。
今度は「紹介したい人」はいない。
これはオマケじゃないよね。
Bさんは元気になって「行こう」って。
僕も胃は良くなってきているから
了承した。
で、どこに行くのかなあと思ったら
バイキングだった。
一瞬、厳しいなと思ったけど
自分で量を調整出来るから
良かったかも。
厳選して食べよ。
トランプさん、本当に勝つのかな。
ブッフェ派?
リヤカーはリアカーでも良いみたい。
おやすみね。
いっそのこと、突き刺すように鋭い雨にしてくれれば。
柔い雨は遠くから静かな音を連れてくる。
冷たい雨粒が髪を伝う。雨の冷たい感覚すら、なくなってきてしまいそうだ。
ははっと嘲笑が漏れる。
ああ、わかってたのにな。
どうせこうなるなら、雨がふるなら、突き刺すように鋭い雨にしてくれればよかった。
───ねえ、知ってる?
「ゆう...! こんなとこにいた...!」
雨で汚れることを厭わないような雨を弾く足音。
勢いあまって腕に絡み付いてきた暖かい体温。
果てしなく続いていた空を遮断した淡い色の傘。
「冷たっ、風邪引くって...。...なにがあったの?...なんて聞かないけど、聞けないけど、俺はゆうの味方ってことだけ覚えといて、ほしい」
真っ直ぐに見つめてくるきみの視線が怖くて、また目を逸らす。
───その優しさがいちばんつらいんだよ。
無邪気な太陽を向けられる、醜い感情にまみれた人間の気持ちなんか、...知らないね。
いっそのこと、突き刺すように鋭い雨にしてくれれば。
─柔らかい雨─ #111
#柔らかい雨
もしも江戸時代の人が現世にタイムスリップしてきたら
雨は心の拠り所になるかもしれない
人々は昔と変わらず傘をさし
晴れの日の耳障りな喧騒も、聞き慣れた柔らかい雨音が覆ってくれる
雨宿りをする小鳥たちの姿も変わっていない
同じ様にもし僕が今
300年後の未来にタイムスリップ出来るとしたら、
凄まじく技術進歩した世界を想像し胸踊らせることだろう。
でも一方でもし雨が降っていたならば、
聞き慣れた雨音と、そして相変わらず傘をさして行き交う人々の姿を
やっぱり見たいと思うのかもしれない
静かな雨が降っていた
細やかな雨粒は優しく肌を撫で
午後のぬるんだ空気に触れて
むしろ温かくすらあった
涙を隠すように
激情を鎮めるように
灰雲が薄闇を抱き
喉震わす言葉は
風が巻いて逝った
やわらかなやさしさが降り頻る
花を枯らし根を腐らせる
実を落とし種子を沈める
心地良いだけの毒物を
そうと知れど尚手放せず
‹柔らかい雨›
柔らかい雨
3ヶ月ぶりに見る
君の笑顔
せっかくの日にこんな五月雨
それが気にならないほど
君のことしか見えなかった
今日はじめてみた!1日に1つのお題について書くらしい。
さっそく書いてみよっと!
柔らかい雨…
柔らかい飴…
ソフトキャンディ…
ハイチューだ。