『柔らかい雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
柔らかな雨
タンポポの綿毛のような雨が
ゆっくりと音もなく舞い降り
そっと地面に雨布団をかけた
楽しい時
雨が降ったら
ちょっと
残念。
せっかくの
予定
変更かな。
ちょっと行くの
面倒になってきたな。
悲しい時
雨が降ったら
ちょっと
心強い。
空だって
泣いちゃう時が
あるんだよ。
このまま
一緒に
泣いちゃお。
#柔らかい雨
お日様の照った日が続いている。地面はカラカラで、風が吹けば砂埃が舞い上がった。
細やかな雨が柔くさわさわと降り出した。力ない雨粒も後から後から重なれば、やがて乾いた地面を湿らせてゆく。
おお、やっときた。恵の雨っていうやつね。
結構喉も体もカラカラだったのよ。
のっそりと殻の中から身を出して、葉っぱの屋根から外へ出た。
うん、このくらいが丁度いい。
うっとりと久しぶりの雨に浸っていたら、ドシンドシンと地面が揺れた。
ワンと鳴く毛むくじゃらのイヌと、ぎゃーと泣くふにゃっとしたニンゲンが飛び跳ねている。
「ワン!ワン!」
「あめ!あめ!」
雨が嬉しいのは同じみたいだけど、跳ねるのは勘弁して欲しい。
しっとりと雨を愛でる情緒というものはないのかしら。まったく、踏み潰されそうで留まってもいられやしない。
仕方なくまた葉っぱの屋根へ戻っていく。
「でーんでん?」
「ワン!ワン!」
ニンゲンの指が殻を掴んで持ち上げた。
ああ、折角の雨だというのに。
ため息をついて、再び殻の中に閉じこもった。
#5 2023/11/6 『柔らかい雨』
ぼくは昨日きみにいちばんすきな映画をみせた、きみが何も言わずにただ泣いてくれて、ただよかった。あらゆるひかりに照らし出されて、きみのほおの雨が、朝をため込んだ川面のようにまたたき、きみを存在させる輪郭が危うくなる神秘的な瞬間が、またよかった。
柔らかい雨
いつからか、降り出したそれは止む気配もなく.
サアァッと静かに音をたてた。
小さく透明な粒が優しく弾けて消えていく。
…あぁ、このまま消えてしまいたい。
この身体ごと絵の具みたいに溶けてしまえたら。
そんなことを思うのは、虹になりぞこなった、僕たちだけかもしれないな。
春雨は、柔らかい雨だと思う。
秋雨は冷たい雨。
猫のひたいに
ひとしずく
小春日和の天気雨
#柔らかい雨
雨が降る中、今日も部活の練習に励む君。君を見ているだけでどんなに強い雨でも、柔らかい雨になるんだなぁ……
過去の私を
その雨で遥か未来へ運んでおくれ
いつかの私に会うその日へ
柔らかい雨じゃ力不足だ
君を引き止める理由になり得ない
僕はいつだって何かのせいにして
枕を濡らしてきた
水溜まりを避けたはずが泥はね
今じゃみっともないこんな様
やっぱり
やっぱり僕じゃ君の隣は役不足だ
触れたら、温かいのかな。
きっと、穏やかなんだろうな。
たぶん、困ってるかもしれない。
もしくは、嬉しいのかな?
”柔らかい雨”って、何となく浮かぶのは、
大好きな人の涙だったりするんだよね。
柔らかい雨
「柔らかい雨」
今日は暑かった
11月なのに 季節外れ
予想外 !
夕方から 雨降って
家の中から雨の音が聞こえてくる
風に乗って運ばれる雨は癒し
違う世界に繋がるから
最近 怖い夢ばかり見るようになって
それが何の意味なのかも分からない
誰かに相談しても笑われるだけ
そんな事ずっと考えてるだけでもおかしくなりそう
だけど
風が吹くと 自然と忘れる
今日は柔らかい雨が降っているから
気が紛れる
気分が晴れやかだった。
降り続く雨の中傘をさしてスキップをする。雨といってもざんざん降るものじゃなくて、どこか優しげで柔らかな雨だった。
世界が私を祝福している。
誰かを好きになるって、こんなに世界が変わって見えるのか。
優しい木漏れ日と一緒に降りそそぐ雨
その雨は静かで優しい
私もこの柔らかな雨のように優しい心を持ちたい
圧倒
終わりに近づく感じがして
なぜか雨に濡れても良いや、と思った
空にはそれまで見たこともない稲光り
それでも怖さはなく美しさがあった
全てを忘れて全身で感じる自然の中に
濡れているはずの体が
とても軽くなるのを感じた
※柔らかい雨
あの雨は、
きっと、泣けない濮のかわりに泣いてくれてるんだ
柔らかい雨
11月になっても、まだまだ夏日が続いて…そんな乾いた日々が、突然の雨…久々の雨は、霧雨の様な雨…柔らかな感じだが、春の様な温かさは無くて、冷たい無機質な雨…なのに、乾いた大地を潤す慈雨になっていく…ただの雨なのに、こんな顔を見せるなんて…
私にとって雨は
身体を濡らして冷やすもの、なので
「柔らかい雨」は
なにかとても残酷なものに思える。
[柔らかい雨]
【101,お題:柔らかな雨】
しっとりと頬を濡らす柔らかな雨
叩き付けるようなザァザァ降りじゃない
全てを包み込む 慈悲の雨
硬い石の床に ゴミのように棄てられた身体から
優しく体温を抜き取っていく
徐々に視界が狭まる
温かな布団で眠りにつく直前のように
彼女は静かに瞼を閉じた
柔らかな雨は 残酷なまでに美しく 溢れんほどの慈愛の雫
身体と魂の守護者
雨が降っていた。
細かい雨で触れると消えちゃうような。
顔をあげるとお日様が輝やいて。
キラキラしている雨だった。
その光が私の眼に映る。
その瞬間、『身体』は初めて魂を宿した。
――
私は歩く。
この身体を動かして。
せっかく神様がくれた身体。
使わなければ、もったいない気がした。
大丈夫。
何があっても。
だって、柔らかい雨が守ってくれるから。
柔らかい雨