『柔らかい雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
友だちが雨の中を遊びにきたある日。
傘も刺さずによく来たね、と僕が言うと、柔らかい雨だから濡れないよ、と友だちは答えた。柔らかい雨だと濡れないの? だからそうって言ってるじゃん。それってどういうこと? どういうことって言われても。確かに濡れてないけどさ。そうでしょ、それが答えだよ。
そんなことを話したなと思い出しながら、空を見上げている。雨が降っているのがわかるけれど、僕はまるで濡れていない。
これが柔らかい雨?
そうだよ。
空からそんな声が聞こえてくる。
きっとあのとき、友だちは大事な人を失くしたんだ。
僕が君を失くしたように。
柔らかい雨とは柔らかい人の心だと思う。
柔らかい雨はそう簡単には手に入れることができない
人の心は何を考えているのか分からない。
だからどうやって、手に入れるのかが分からないのだ。
一人一人同じ地球に生きているのに、、、
違う、柔らかい雨はもっとこうつかめるような
つかめないようなところにいる存在
優しさに包まれる。
誰かの涙。
泣いてくれる人
大切に。
抗うのは難しくても
突き通すことは
できたりしないかな
シャワーヘッドから出る
温かく柔らかい雨に打たれて
今日1日を終える
嫌な出来事はもちろん
良かったことも洗い流して
ゼロになる
頭も心も空っぽにして
明日を迎える準備をする
そう、瞑想のようなもの
さて、明日はどんな日に
なるだろうか
題「柔らかい雨」
柔らかい雨。
今日も柔らかい雨は
私を
包んでくれる。
今の時期の
柔らかい雨に
まみれたい。
2人の唄声は
柔らかい雨みたいに
癒される。
外を見たら、雨が降っていた。
夏みたいな刺々しい雨よりも今の時期にしか降らない柔らかい雨の方が一番好きだ
人は何かしら意味を見出す。
運命であり、必然であり、
そして無知でもあった。
眼前に広がる青の世界。
身体を濡らす「柔らかい雨」
私に何を訴えるのか。
香りと、変わっていく体温。
考える時間はある。
今だけは実感していたかった。
人として生きているという事を。
【柔らかい雨】
〘柔らかいってなんだ?〙
ベットの弾み。
赤ちゃんの手やほっぺ。
ペットの肉球。
パンの食感。
多分たくさんあるけど、
一番は「温かい」かな。
この言葉を聞いて、嫌な気持ちになる人がいたらごめん。
けど、大概は好きだと思う。
だってね、きっと幸せを過ごしているだろうから。
《雨ってなんだろ?》
ムカつく?
イラつく?
ブルーな気持ち?
私は、違うんだ。
雨女だからかな。
いつもここぞって時降る。
子供の頃から、親とかには何で?って言葉がよく飛び交った。
親の言う事、子供だから信じてた。
けど、今思うと別にっていいじゃんって何故か思う。
雨を見るとね、「守られてる」って思うんだ。
変かな?
雲より、降ってる方が断然いいよ。
だってね、今を生きてなきゃこの雨はきっと浴びれないから。
柔らかい雨、、、
温かくて守ってくれるなくてはならないもの。
体も心も洗ってくれる優しい。
喧嘩した君と私を
ひとつの傘へと誘う
柔らかい雨
ふと上を見上げると雨が降り始め、自分の顔にかかる。
いつもは冷たいはずの雨が今日は柔らかく心地がいい。手のひらに載せてみると自分の知ってる雨ではなくマシュマロの雨だった。
指で潰すと弾力があって気持ちがいい。
君の声が聞こえない
この柔らかい雨が温かくて、愛しいから
君の輪郭が霞んで見えない
私には、もう必要ないと気づいたから
さようなら
「またね!待ってるね!」
笑顔で見送られ会場をでる。
外は大雨。
傘はない。
「あーあ、駅まで走るか」
飛び出した私に降り注いだ雨は
不思議なほど柔らかい雨だった。
#柔らかい雨
『柔らかい雨』
明るい空に
雨が降る
たたたん、たたんと
狐の嫁入り
手のひらで受けて
[柔らかい雨]
どうしてこうも、思うようにいかないのだろう。
大きな失敗のあとの夜は、
土砂降りの雨に打たれるのが定番だろう?
なんで、こんなに柔らかくて、優しい雨なんだ。
なんで、僕を泣かせてくるんだ。
この雨じゃ、泣いていることがまわりにバレてしまうじゃないか。
ちくしょう、
ちくしょう、、
*柔らかい雨
娘が二人います。
子供を二人育てました。
子育て中はとにかく夢中で、自分のことにかまっている暇もありませんでした。
そして、どうにかこうにか、娘たちも手が離れ、今はようやく自分のために何かしようと、考える余裕も出て来ました。
でも、何も思いつかないのです。
過ぎ去った日々が柔らかい雨のように、お天気雨のように、光を弾きながら、私に降り注いで来ます。
094【柔らかい雨】2022.11.06
さっきフラれた。傷ついたこころを抱えたまま、寒い独りの部屋に帰るのは、かなりこたえる。
そのうえ、空模様も怪しい。傘なんか持っていなかった。そこのコンビニでビニ傘でも買えばいいんだろうけど、そんな気持ちにもなれなかった。濡れるしかない、というよりは、濡れてしまいたい、とおもっていたからそのまま素通りした。
とうとう降りだした。あーあ。もう、どうでもいいや。今日は冷えそうだったから、季節にフライングして、かなり厚手のコートを着ていた。家までなら、なんとか芯まで濡れずにすむだろう。それに、フードを深くかぶっていれば、眼鏡が濡れてまえが見えなくなることもなくてすむだろう。なんなら泣いてたって、バレはしない。
うつむいたまま、フードを頭のうえにひきあげた。その手の甲に、なにかが当たった。
「?」
いまのはなんだったんだろう、と手の甲をしげしげとながめまわしてみたが、なんの痕跡もなかった。
ていうか、なんで濡れてないんだ?
つい、顔をあげてしまった。雨粒を確認するために、手のひらをまえへ差し出したら、
「マシュマロ?」
突然の、真っ白なマシュマロだった。
へ?、と上を見た。と、高速で落下してきたマシュマロを眼鏡でまともに受けとめるハメになった。呆然とひらいた口にも、マシュマロがはいっていた。これはどうも、ストロベリー風味のようだった。
「は?……ははは、ふはははははは……はは、ははは……」
雨あられとふりそそぐ、柔らかい雨。まさかこんなことで失恋の傷心を癒やすことになるだなんて。
学校帰りに、ずっと顔をうえにむけて、雨粒を口で受けとめようと、馬鹿なチャレンジをしていたことをおもいだした。もとより傘なんていらなかったんだ。あといくつのマシュマロをキャッチできるだろう。家までずっと、うえをむいて歩こう。フードがぱたりと頭からはずれた。それでいい。それでいいんだ。きっと、家につくまでには、フードのなかにも、ふわふわのマシュマロがいっぱいたまっているにちがいない。
冬の雨ガラス越しにみる人の街並み
冷たくそしてきつく感じる
爽やかな季節に邪魔がはいるようで
春の雨は鬱陶しい
夏の雨は暑いなと思いながらも
心地よく柔らかい雨に感じる
少し切なさを覚える秋の雨
私の心を映し出すように
全て連動しているかのようだ
ただ一つ黒い雨にだけはならないで
おされると嬌声の漏れる性感帯のように
感じた温もりに呼応して嗚咽をもらすこの身が、
憐れで切なくて遣る瀬無い
諦めた日は雨の中を出かける。
傘を突く雨粒の音が柔らかく鼓膜を撫でる。
他にやり方はあっただろうか?
意味のない言葉が浮かぶ。
傘を捨てる、頭蓋に当たる雨がより聞こえる。
撫でるように水滴が頬をつたる。
考えばかりが巡る夜、
雨音だけが優しかった。
#柔らかい雨
「貴方が無事でよかった」
そう言った彼の顔は今にも泣きそうだった。
ベッドから起き上がると彼に強く抱きしめられる。
「本当に……よかった」
泣きながらそう言った彼の涙は、まるで柔らかい雨のように私に降り注ぐのだった。
柔らかい雨