『束の間の休息』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
束の間の休息 (10.9)
「♪〜〜」
あと少し、あと少し、、っ
息が細く震えて緊張が首を絞める。
ブレスはまだなのに、腹から息が届かない。
「「フっ……‼︎」」
束の間、清い流れが濁り狂った。5人しかいない合唱部。2人消えれば致命傷なのは明白で。
「ほんっとにごめん。オレが我慢しきれなかったばかりに…」
「お前のせいだけじゃないさ。合唱は団体戦だろ?」
そう言いつつ声に悔しさが滲んでいる。当たり前だ。最後のコンクールだったんだから。
「でもさ、私は嬉しかったよ?」
穏やかにまぶたを閉じた部長が歌うように言う。
「私たち2人して消えて、一緒に吸って。なんだか、ちゃんと合唱してるんだぁって思えたから」
ゆったりと視線を上げた彼女は、幸せそうに微笑んだ。
頬を撫でる微風
鼻腔をくすぐる香り
喧騒に揉まれた瞳を外らし
緩やかな時を感じる
―「束の間の休息」―
穏やかな昼下がり。
ココアを淹れて、
久しぶりにクッキーなんて出してみたりして。
窓辺でゆったりなんて優雅な感じではないし、
クッキーをお皿に出して、ソーサーも使わないけれど。
忙しい時間に心奪われた日々に休息を。
じぶんをたいせつに。
/10/8『束の間の間の休息』
憂鬱で始まって欲しくない時間に君の何度か見覚えのある仕草を見てやる気を出す、これが僕の束の間の休息だ
今日の約束の時間だけど
1時間ほど遅らせようと
思っているんだ
君はいつも時間に追われて
忙しすぎるから
束の間だけど
休息の時間を
プレゼントするよ
たまには
なにも予定がない
空白の時間を
過ごしてみてよ
僕は多分
秋の風に吹かれて
君のことを想いながら
その辺を散歩しているかな
じゃあ後でね
# 束の間の休息 (299)
都会の喧騒から抜け出して
わたしはこの街の湖にやってきた
遊覧船を見つけたので、1人で乗ってみることにした
わたしは前後誰もいない席に座った
窓からの暖かい日差しが前髪にかかって
秋のお昼の暖かさを額に感じた
束の間の休息
明日の夜には、1人の家に帰るんだって想うと
なんだか泣けてきた…
学校が終わって家に帰る。
その間にカフェに立ち寄った。
期間限定の新作を飲みながら、幼なじみのことを考える。
中学を卒業して、高校は別々になって、しばらく会っていない。
隣の家だと言うのに何故か緊張する。
そんなことを思うのは私が大きくなったからかな。
そんなことを考える束の間の休息。
束の間の休息でした。私は、人が嫌いです。勿論、人類を憎んでいるとかではなく、純粋に人という動物を受け容れるのに、私が適していないだけなのです。私も、同じ人だと言うのに感受性の違いと言うのでしょうか、誰も私の考えに理解できないと首を傾けたり、横に振ったり、終いには溜息を疲れる方もいます。
だから、私は1人の時間を望みます。本を読む時間が好き、音楽を聴く時間が好き、空を眺めるだけの時間が好き。けれど、これらはあくまで自分がテレビの画面を通してアニメやドラマを観るような感覚に近いのです。
ですから、やはり私が1番好ましいと思う時間は眠っていられる時間です。その間は、自分をテレビ画面のように眺める必要も、誰かを受け容れる必要もないからです。
束の間の休息、いつか永遠に。
お終い
束の間の休息
昼間はあんなに騒いでいた子ども達もスヤスヤと寝息をたてる時間。夕飯の洗い物を終え、夫の明日のお弁当の下ごしらえをして、エプロンをしたままソファーに座る。目を閉じると眠ってしまいそうになるほど、身体は疲れきっていた。
まだ、ベッドで眠れない。夫が帰ってないのだ。
駅に着いたという連絡もない。今日は、日付が変わってしまうだろうか。夫からの連絡があれば、すぐに夕飯とお風呂の支度をする。私がベッドで眠れるのは、その後だ。
まだ、連絡がない。いつもならとっくに帰っている時間なのに。遅くなるなら、遅くなると連絡くらいくれてもいいのに。
まっ、いいか。
今は束の間の休息を楽しもう。
こんなこともあろうかと、今日、駅前のケーキ店で
ショートケーキを1つ買ってきたんだ。
明日から仕事だ。もうちょっとしたら夕食の支度を始めなければいけない。これを始めたら、終わった頃には寝る準備。だから、今が仕事前のつかの間の休息である。今日はチキン南蛮を作る予定。今は休みを堪能しよう。
モゾモゾと腕の中で君が動く気配がして、反射的に腕に力を込めた。
「ぐふぅ」と何やら苦しげに息を吐きながら起きた君に、気づかれないように笑う。
腕の中から出ようとモゾモゾモゾモゾ、しばらく動いていたが諦めたのか動かなくなった君。
すぴすぴ、と寝息をたてる君の幸せそうな寝顔に癒やされながら、私もまた目蓋を閉じるのだった。
テーマ「束の間の休息」
【読書】
「夜中に飲むコーヒー」と
「静かな空間で読む本」、気付けばもう、、、
夕陽が昇っている。
――ちょっと、疲れちゃったね。一休みしてから、また食材探し頑張ろう!今度はきっと、たくさんの人からお恵みが貰えるよ!!
……え?もう動けない?お腹いっぱい減っちゃった?
……分かった。僕の分を分けてあげるよ。それから、おんぶしてあげる!
だって、僕はお兄ちゃんだもん。これくらい、平気だよ!
……そんな悲しそうな顔しないでよ。僕はへっちゃらだって!!ほら、こんなに手足が動くんだよ!だから大丈夫。安心してよ。
僕は絶対死なない。弟を置いていかない。
僕は違う。……アイツらなんかと違う。
だから今は、弟のためにも頑張らなきゃ。そして、僕たちふたりで幸せに――
〜束の間の休息〜
束の間で一息付く。
特に意味は無い。
【束の間の休息】
束の間の休息
「あ〜〜外はあんなに穏やかな天気だってのに俺たちはこんな狭いアパートで何やってんだろう…。」
「溜めたレポートでしょ?」
「ま〜じでこの実験の考察何もわからん。」
「ははは…グループLINEに返信来るまでお茶にする?実は昨日焼いたパンプキンパイあるよ。」
「えっやば、最高の秋、最高の恋人!」
「はは…喜んでくれて嬉しいよ…。」
怜はデスクトップをぱたりと閉じてソファに倒れ込んだ晶の言葉に苦笑しながら立ち上がった。
晶の現実逃避に付き合うため、キッチンで電気ポットを水で満たしてスイッチを入れ、冷蔵庫からパンプキンパイを取り出す。ティーポットにはスパイスたっぷりのチャイのティーバッグを二つ放り込み、パンプキンパイは二切れ切って紙皿に乗せる。ふと思い立って冷凍庫の中のバニラアイスを取り出し、パイに添えてシナモンとナツメグを振りかけた。
「あ〜〜良い匂い…家の中も秋だ…最高〜…。」
「うんうん、風に曝されずに楽しむ秋もいいでしょ。」
沸いたお湯をティーポットに流し込み、スマホのタイマーを起動させる。休日のレポートも、こんな緩やかな時が流れるなら悪くない。怜はスパイスの香りを吸い込んでそう思った。
きっと絶え間なく頑張ってる人には
束の間の休息。
だらだら休み休み生きてる私には
束の間の人生。
息抜きの合間に人生やってるってセリフ
上手いこと言うなって思った。
誰か言ってたな。誰だっけ?
時計の針を回すだけの一日がまた終わる。
「束の間の休息」
「新しいヤツですか?前のより自然ですね」
あれは一体どういう意味だ?
ようやく取れた休憩時間、私はトイレに籠もって考え込んでいる
ものすごく自然に出たセリフに思えた
あいつは入社2年目だぞ、あんな鋭いナイフで攻撃してくるか?
「髪切ったんですね」と変わらない熱量でカツラを変えたことを指摘された…
10年ローンの最高級品だぞ?
周知の事実だったのか?
…いつから?
ネクタイを緩めるハゲ
フランス映画を語るハゲ
ワイングラスを回すハゲ…
視界がグルグルと回り出す………ハゲ
ハゲ!
はははっ…馬鹿馬鹿しい…バレていないと思っていたのは私だけだったのか
私は窓からカツラを投げ捨てた
ハゲに悩む若者を励ますベテランハゲ
そうだ、これからはこれで行こう
カツラは次の主を捜し求めるように新橋方面に飛んで行った
大丈夫。
ちょっと疲れただけ。
心配しないで。
ちょっと休んだらまた頑張れるから。
だから少し横になるけど気にしないでね。
またすぐ元気に笑うから、待っててね。
少し…疲れてしまった。
ずっと疲れていた、のほうが正しいのかな。
こんな時もあって良いよね。
少し休んでまた進めばいい。
それだけのこと…
テーマ「束の間の休息」
広い海にぽつんと浮かぶ島。
そこにたくさんの鳥が集まっていた。
しかし彼らはそこに住んでいる鳥ではない。
彼らは遠い地から飛んできた渡り鳥である。
そんな彼らもずっと飛び続けることはできない。
休息と食事も必要だ。
そのため、あるものは羽を休め、あるものは海の魚を取って食べていた。
この旅は過酷である。
気の遠くなるような距離を飛ばなければいけない。
途中で脱落する仲間たちもいる。
それでも、かれらは旅を辞めない。
なぜそんな事をするのかと問われれば、彼らはこう答えるだろう。
そこには素晴らしい物が溢れているから、と。
そして目的地の方へ見つめるのだ。
もちろん見える距離ではない。
しかし彼らには、はっきりとその光景が見えているのだ。
でなければ、こうも迷いなく旅を進めることはできないだろう。
彼らの様子を見るに、ここを発つのは明日の朝だろう。
また過酷な旅が持っている。
だがまだ旅立ちの時間ではない。
明日に備え、彼らは英気を養う。
これは過酷な旅の束の間の休息なのだ。