『春爛漫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『春爛漫』
高校生生活が始まった。下駄箱前の中庭で、入学式のころから目の端に写ってはいた部活勧誘が盛んに行われている。
どこにも入る気はなくて、断りきれないチラシだけ受けとっては、右に左に避けていく。
もう少しで下駄箱、と思ったそのとき。
桜がひらりひらりと揺れていた。
自然と作られた観客の輪の中で、彼女たちは浴衣を着て踊っていた。近づいてみれば同じピンクでもそれぞれ刺繍や花の種類、紐などがそれぞれ違う。
中庭にある桜の花が春特有の強い風に吹かれて、踊る彼女たちと一緒にくるくると舞う。
浴衣の柄と本物の桜が共演してまさに春爛漫な風景を作り出していた。
曲が終わり、拍手を受けながら一人の女子が前に出る。
「私たちは日本舞踊部です!文化棟で活動しています」
大輪の桜の花とウグイスの柄。
長い髪を頭の上で一つのお団子にまとめている。
その人は、小さいころ同じダンススクールに通っていた近所のお姉さんだった。
離れようと思うのに、ばちりと合った彼女の目が僕の足をその場に縫いつけているかのようで。
結局、彼女たちの紹介が終わるまで動くことができなかった。
春爛漫
いいですねー
1日でも長くこの時期を感じられたらいいなぁ
なんで、?
なんでなんも言わずにどっか行っちゃうのさ
僕、君が友達で嬉しかった
君に!マスク無しのが可愛いよ
って、言われたのすっごい嬉しかったよ
見てるかな、みてないよね
一言言って欲しかったな、
バレンタインも
ホワイトデーも
誕プレも
これじゃ、
なんも渡せないじゃないか
【春爛漫】にはなれなかった
“春爛漫”
花びらのように
君と日々を重ね。
星の数ある花のように
君と色んな思い出をつくる。
鮮やかな花の色のような君色に私を染めて、
私と君で、二人きりの世界に花を咲かせよう。
窓の外の山桜は、早くも盛りを過ぎていて、あっという間に葉桜になってしまうのだろう
地面に散った花びらは、白に近いものから濃いめのピンクまで様々で、枝に咲いているときよりも色がよくわかる
咲き始めの頃、しきりに花の蜜を吸いに来ていたヒヨドリは、ここ数日は見かけない
新しい花を求めて行ってしまったのか
春爛漫
授業中、教室のカーテンの隙間から見える桜が、とても春を彩らせてくれる。
四季を感じる。
あぁ、今日から新学年だな、と染み染み思う今日この頃だ。
春爛漫
眩い光を浴びて咲き誇る花々に魅入られたのか、君は花びらが散る中でくるくると回る。それに合わせるように揺れるスカートに君は笑った。
――春が来た。
その姿を見た瞬間、そう思った。
君と共に、僕のもとに春が来たのだ。
日々家
春は生き物全てが
待ちどうしい季節
灰色の風景から
緑豊かな草原や野原
花も咲き、色鮮やかな
季節
春にはやっぱり桜が
咲きほころび
人々はそんな
春の訪れに心ときめく
動物達も活発になり
これから始まる
季節の前祝い。
春爛漫は
人々の心を豊かになり
優しさに満ち溢れる。
人生に置いても
春爛漫になる季節は
あります。
わたしにはまだまだ遠い先かも
知れませんが、
その日が来るのを
心待ちにしてます。
貴方の春爛漫は
もう来ましたか?
めぐみより
春爛漫
満開に咲き誇る桜
それを見あげて
今年は何を思うんだろう
毎年変わらず咲く花を見て
人は変わってしまうこともあるけれど
綺麗だなって思うのは
きっと桜と同じでずっと変わらない
桜吹雪が、舞い吹く季節。
出会いと別れが、ある季節。
笑顔と涙で、溢れる季節。
誰もが先に、光を求める季節。
---二作目---
新学期、苦しい日々を乗り越えて。
気分が落ち込んでいる時。
そんな中でも、いつも笑顔で迎えてくれる、そんな彼等。
それに私は癒されて、笑顔になれて
「主様!」
...それと同時に、触れられない寂しさを、痛感させられる。
嗚呼、今宵は少しだけ、春風が冷たいな。
#春爛漫
267作目
「あ、」
麗らかな昼下がり、日課の愛犬の散歩をしていたらふとこちらを振り向いた愛犬の鼻に桜の花びらが付いているのに気づいた。一体いつ付けたんだろう。ご機嫌にこちらを見る愛犬のちょっと間抜けた姿に思わず笑みがこぼれる。
「もうすっかり春だねぇ」
先日満開になった桜はいつもの散歩道を華やかに彩る。時折強い風が吹いてその花びらが散るのも風情があって好きだった。
わん、と愛犬が鳴く。この仔は春の散歩が特にお気に入りだ。道端に咲いた植物だったり色々なものに興味が湧くから春の散歩はほかの季節より時間が少しだけ長い。
動物の寿命は人間のそれよりもうんと短いけれど穏やかなこの時間が少しでも長く続けばいいなと思った。愛犬の名前を呼ぶ。
振り向いたその仔の鼻についた桜の花びらがもう一枚増えているのに気づいて私は今度は吹き出すように笑った。
春爛漫
「春爛漫、まさに桜が満開のいい季節だね〜」自宅周辺を一緒に散歩しながら妹が言った。「そうだね、暖かい季節になったね」「ねぇ春といえば何?」並んで歩きなから妹が聞いた。「春といえば?そうだな〜卒業シーズンとか?」と言うと、「私はね恋愛の季節だと思う」と妹が言った。「えっ?恋愛って冬のイメージじゃない?」春に恋愛ってあまり聞いたことないなと思いながら私は言った。「でもね、私は春に恋したいな〜って思うよ」「ふーんそうなんだ」「お姉ちゃんって好きな人いるの?」「えっ?好きな人?うーん、内緒」私はいたずらっぽく言った。「え〜ずるいっ教えてよー私も教えるからさ〜」「内緒〜」私達が恋愛の話で盛り上がっていると、「やあ、二人でお散歩?仲いいね」と言う声がして後ろを見ると中学校の先生が買い物袋を提げて歩いていた。「あっ先生こんにちは」「買い物の帰りに桜を見たいなと思ってね」「そうなんですね、桜綺麗ですよね〜私こう言う景色大好きなんです」「たしかに綺麗だよね」そして先生と別れた後妹が小さな声で「ねぇさっきの先生イケメンじゃない?」と、私の耳元で囁いた。「え〜?そうかなあー」私と妹のタイプの人はちょっと違うみたい。
わたしは春といえば卒業シーズンですがみなさんは春といえばどんなイメージですか?
春爛漫な午後のこと。
桜の木の下で、君はしゃがんでいた。
何をしているのかと不思議に思い、
近寄ってみると足音に気付いた君は顔を上げ、ぱぁっと笑みを浮かべる。
それを見て何故か顔が熱くなった。
「な、何やってんだよ」
誤魔化す様に早口でそう聞くと、
君はほらと傍に置いてあった布袋を
俺に見せる。
中には桜の花びらが沢山入っていた。
「塩漬けにして桜湯にするんだよ」
先生に教えてもらったのと嬉しそうに
言う君に、なんだか俺まで楽しい気分になって口元が緩んだ。
その時、風が流れ桜が舞い散る。
まるで俺達を包み込む様に。
詩彩音
春爛漫
春の吹雪は空を暗くも明るくもする
日々変わる春は散り散る櫻を
↳さくら
讃える
「春爛漫」
「桜、綺麗!」
桜を見ながら君が言う。
「綺麗な桜を君と見れて良かった」
「私もそう思うよ」
「なんかさ、桜を見ると春がきた!って思う」
「それはよく分かる。春爛漫だね」
桜を見ていた君が、私を真っ直ぐに見て言った。
「来年も君と綺麗な桜を見たいな!」
「うん。来年も一緒に見よう!」
桜の木の下で、君と私、二人共、笑顔で話していた。
晴れた日曜は愛用のNikonに70-300mmをつけて出かけた。足元は短い靴下にスニーカー。スカートは長いけど裏地が素肌に当たる感じがなんだか久しぶり。そろそろ帽子も忘れずに。
車を降りるとちょうど見頃を迎えた桜並木。すごいね綺麗だねと言いながらシャッターを切っているとあっという間に小一時間。持参したお茶とおやつでひと休み。
麗らかな春の陽射しと満開の桜。耳に届くウグイスやセキレイの声。小川のせせらぎと微風にこぼれ落ちる花びら。いまこの場面だけを切りとってもこの世は美しい。
#春爛漫
春爛漫。
咲き誇る桜。
舞う花びら。
「地面に落ちた花びら汚いね」
水を差すな。落ちてても綺麗だ。
桜が舞い踊り、真っ青な空に薄ピンク色が綺麗に映える。
春爛漫のぽかぽかと心地よい日に、私はそっと目を閉じた。
心の中では「まだ終わらないで」と泣いているのに、気持ちいい景色がそれを許してくれない。
はやくはやく、誰か私を見つけて。そうしたら、春爛漫に相応しい笑顔をつくるから。
それはそれで苦しいけれど。
七分咲きの桜の木、母に手を引かれて
歩いた日。
あっという間に時は流れ……
満開の桜の下を娘の手を引き
歩いた日を振り返る。
時と共に桜もずいぶんと咲き方を変え、
今…葉桜のトンネルに並ぶ娘たち親子の
後姿を眺めながら、時間の流れの速さに
戸惑いつつも、何とかここまで生きてこられた事に感謝しながら、春爛漫の空を見上げ小さな幸せをかみしめている。
春爛漫
お別れがあるから出会いがある。
春に桜が咲く頃、出会いの季節だなぁっていつも思う。
その前にはお別れはあっても、新しい出会いに助けられて、仕事も学校も進むんだな。
大丈夫、仕事もしてない、学校も行ってない人も春は過ぎるから。