桜蝶

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春爛漫な午後のこと。

桜の木の下で、君はしゃがんでいた。

何をしているのかと不思議に思い、
近寄ってみると足音に気付いた君は顔を上げ、ぱぁっと笑みを浮かべる。

それを見て何故か顔が熱くなった。

「な、何やってんだよ」

誤魔化す様に早口でそう聞くと、
君はほらと傍に置いてあった布袋を
俺に見せる。

中には桜の花びらが沢山入っていた。

「塩漬けにして桜湯にするんだよ」

先生に教えてもらったのと嬉しそうに
言う君に、なんだか俺まで楽しい気分になって口元が緩んだ。

その時、風が流れ桜が舞い散る。

まるで俺達を包み込む様に。

4/10/2024, 11:20:04 AM