『手ぶくろ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
手ぶくろ
「手套を脱す」
ヘラヘラ笑って場を過ごす
相槌うって話を聞いて、空気を読む
ギャグを振られたら滑るにしろ何にしろ何かしら応えて
何かのプロジェクトは積極的に
皆にレベルを合わせて皆と足並み揃えて
皆の好きな話を勉強する
自分の意思は殺してみなを応援する
自慢はしなくて他人を褒める
他人を上げて自分を下げる
息を殺して他人のサポート
もう飽き飽きだ
手袋をはずして
こんな鎖を投げ捨てて
自分自身をさらけ出す
きっとこれが正義
正しいとされるもの
きっと手套を脱したその先は自分自身と言うなの人間
………でもどうやらもう手袋の下は何も無かったらしい
冬に好きな人と
寒いねって言いながら
手を繋ぐのが幸せだから
手袋するのもったいないよね
24
「手袋の起源は古代ギリシャにまで遡る。美と愛の女神ヴィーナスがいばらの棘が刺さらぬよう手袋を嵌めたという記述がホメロスの作品で記されていた。また中世では騎士が相手に向かい手袋を投げる事で相手との断交の印として使用されていたのだという。
そこから現代に至るまで我々と手袋は常に共にあった。そう、時には防寒用として、時には滅菌用として、時には防具用として―――。
故に、我々の歴史は手袋無しでは語り得ないと言っても過言では無いだろう」
四ノ宮七星(しのみや ななせ)はそう言って持っていた本を閉じた。勿論、手には手袋が嵌められている。
「…お前、さすがに家でも手袋はやりすぎだろ。暖房つけてモコモコ靴下も履いて毛布もかぶってるじゃねーか」
東城翔(とうじょう かける)は少し呆れたようにそう言った。
それを聞いた七星はムッとした顔で翔を見る。
「何も分かっていないな。寒くて仕方が無い」
「お前…そんな寒がりだったか…?まあ、確かに今年はかなり寒いが…」
「常に体中が発火してそうなお前と比べて俺の熱伝導率はそう高くは無いんだ。何かでこうして温めていないと寒くて仕方が無い」
どこか不機嫌そうに七星はそう言うと頭まですっぽりと毛布に潜ってしまった。
それを見ていた翔の目がスッと細くなる。
彼はゆっくりと七星の毛布を両手で解くと、驚いて何か言いかけた七星の口を指で塞ぎ、意地の悪い笑みを浮かべて、言った。
「―――なら、俺が温めてやるよ」
そうして翔は、七星の手袋を己の指を絡め、じっくりと蕩けさせるように外していく。
テーブルに置かれていたグラスの中に入っていた氷が、溶けてカラリ、と高い音を立てた。
小説
おばみつ※転生if
かじかむ手に息をふきかけながら暖を取る。長時間寒さに晒された手は赤みを帯び、感覚を殆ど失っていた。
「やっぱり今時期は手袋ないと辛いな…」
彼女である甘露寺蜜璃とのデートを楽しみにしすぎて、手ぶくろという冬限定最強装備をすっかり忘れていた。しかも今日に限ってポケットの無い服。約束の30分前に着いて、今現在約束の時間約10分前。20分間寒さに耐えてきた俺の手は、今日のMVPを与えたいほど頑張っていた。
「伊黒さーん!ごめんなさい!待ったかしら?」
ぜぇぜぇ息を吐きながら走ってきた甘露寺の姿を見て俺は笑みを漏らす。
「まだ時間まで10分もある。そんなに急がなくても良かったのに」
「ううん、私が伊黒さんに早く会いたかったの」
どうしてこの子はこんなにも可愛らしいことを言ってくれるのだろう。彼女に触れようと手を出すが思いとどまる。今の俺の手はとても冷たいのだった。
その様子を見た甘露寺は慌ててカバンの中を探る。そこから出てきたのは、紺色の毛糸の手ぶくろだった。
「丁度良かった!あのね、私、手ぶくろを編んでみたの。サイズが合うかちょっと心配だけど…」
彼女の手から受け取りはめてみると、厚手の毛糸で編んである手ぶくろは俺の手にピッタリだった。じんわりと温かくなる手と心に、俺は世界一の幸せ者だと心の中で呟いた。
「世界一だなんて。伊黒さん、大袈裟よ!」
甘露寺が鈴を転がすように笑う。どうやら声に出ていたらしい。
「いいや、世界一だ。ありがとう。大切に使うよ」
「うん!」
どちらともなく手を繋ぎ、俺たちは薄く雪の積もった道を歩き出した。
柔肌を隔てる暖かさ
奥に触れると信ずるならば
僅かな布さえ己が限りと
その色さえも 汝の心と
🎵母さんが 夜なべをして 手ぶくろ編んでくれた🎵
これは、マミーが徹夜で手ぶくろを仕立ててくれた(一晩で手ぶくろ編めるってすごくないですか?!)とばかり思っていたが‥夜なべは、夜寝る前の空いた時間という意味だった。
ーいや、それでも十二分に凄いだろ!
仕事とか家事とか育児とか済ませた後で、そこから寝る間を惜しんで編んでるんだから!
手編みの手ぶくろ貰った人、自分を誇れ!!
手編みの手ぶくろ編んだ人、己を自慢して万人から崇め奉られろ!!
道の端 残る手ぶくろ ぽつねんと
12/27「手ぶくろ」
俳句001
雪国あるある
手袋
ついついポッケに手を入れる
でも寒い…
小さい時に
手袋付けたら無敵の気分だった
雪遊びとかしても
凄く手が冷たいのに楽しかった
手袋関係ないか
手袋してポッケに手を入れてら最強!
どんなに寒くても、君は手ぶくろをしないね
手ぶくろをすれば手が冷えないよ、と言っても、大丈夫と答えて、素手のまま
だけど、やっぱり手は寒そうにしている
どうして頑なに手ぶくろをつけないの?
私の疑問に対して君は、手で直接、色々なものの感触を確かめたいから、と言った
私にはそのこだわりはよくわからなかったけど、君の冷えきった手は放っておけない
手ぶくろと体質によって無駄に温度の高い私の手で温めてあげよう
君の手が、少しは温まるといいんだけど
自分の手ぶくろをとって君の手をつかむと、君はなんだかすごく嬉しそうな顔
喜んでもらえてよかった
君から、お姉ちゃんのあったかさも感じられたね、なんて言われて、少し恥ずかしくなったけど、私も嬉しいよ
でも、本当に冷えすぎると体に悪いから、今度から、こんな寒い日は手ぶくろをつけようね
お姉ちゃんとの約束だよ
手にはめるタイプの愛です君からは言葉のいらない愛をください
題-手ぶくろ
よく死にたいとか、やめてしまいたいとか思うし、言う。だけども、じゃあ今すぐ死んでしまうとしたら?と考えたときに、
「ヤッター!」
じゃなくて、
「まだApple Musicの契約期間終わってないから勿体ない」
とか、
「冷凍庫のちょっといいアイス食べてからがいい」
とか、
「買おう買おうと思ってかれこれ2年の手袋買っとけばよかったかもしれない(でも買わない)」
とか思う私はまだ大丈夫だなと思う。煩悩にまみれている。
「手ぶくろ」
手当(再投稿)
どれほどの時間が過ぎたのだろうか。この大陸に深く信仰されている聖光教会の教えに背く者たちの根城に踏み込んでから。
俺の足元には今し方斬り捨てた反逆者たちの死体が山のように折り重なっている。少し遠くで銃声が聞こえるから、彼方はまだ交戦中なのだろう。
「………」
本来なら救援に向かうべきなのだろうが、俺は足を運ぶことはしなかった。理由は気が向かない、それだけだ。
「ヴァシリー」
その声に振り返ると、俺と同じように敵の返り血で真っ赤に染まったミルの姿があった。娘には怪我一つ……いや、右腕から出血している。
「……怪我、してるな」
「少しだけね。大したものじゃないよ」
あっけらかんとした様子のミルに俺は息を吐く。彼女は不思議そうに首を傾げていたが、そんなことはいい。俺は娘の手を掴み、近くの部屋に入る。
そこは交戦した痕跡が無い客室の一つ。ミルを椅子に座らせ、衣服をずらす。腕には白い肌を切り裂く、痛々しい裂傷があった。絶えず血が溢れ、古い血は傷口で黒く変色しこびりついている。
「これの何処が少しだというのだ?何かの拍子で腕が動かなくなったら、どうするつもりだ?」
「……痛くはないもの」
似た言葉を繰り返すミルに俺はため息を吐き、近くの引き出しから処置に使えそうな白い布を取り出す。それから持っていた水をミルの傷口にかけた後、その白い布で傷口を拭う。すると、痛むのか娘は僅かに顔を顰めた。
「例え痛くなくても、処置は施せ。放っておけば細菌が入り、腕を切り落とすことになるぞ」
「……分かった。ごめんなさい」
素直に謝るミルの腕に処置を施し、最後に包帯できつく巻く。処置を終わらせた後、俺はミルを抱き上げ、ミルが座っていた椅子に腰掛ける。
「少し休む」
「でも、まだ皆が……」
「その状態で戦うか?今度こそ無事で済まんぞ」
「………」
大人しく俺にもたれかかったミルに軽く笑みを溢す。しばらくして娘から寝息が聞こえてきた。
(……俺らしくも無い)
今までは誰が傷つこうと気にしたことはなかった。だが、こいつは……出先で路頭に迷っていたこの娘だけは、どうにも俺の気を揉ませる。
俺はミルのこめかみにそっと口づけた。
「……俺はお前が勝手にいなくなることを許さない。いなくなるなら、その前に俺の手で殺してやる」
小声で呟いたは夢の中のミルには届かないだろう。この感情が一体何なのかは分からない。が、自然と悪い気はしなかった。
子供が幼い時に買ってあげたミトン型の手袋。
タンスを整理中に発見。
あまりの小ささに懐かしさと、
もうあの頃に戻れないという淋しさが込み上げてきた。
だけど、今を大切にしよう。
あの頃もそうだったように、今この瞬間を楽しもう。
#手ぶくろ
編みかけの手袋
糸がきれた
行き場を失くした手ぶくろ
思いが途切れた
ひと目ひと目心を込めて
編み続けていたけど…
繋がっていたはずの心の糸は
ほつれて切れてた
なんとなくわかってたの
指先が白く冷えてく
言葉さえ白く凍りついてしまった
ねぇ 私の悲しみを温める手ぶくろ
誰か…ください
手ぶくろで暖かくなった手で
今度はあなたを暖めてあげる
抱きしめて
暖めてあげたい
【手ぶくろ】
夏、アームカバーを付けていたら、貴方はそれを煩わしそうにしながら手を繋いだ。
冬、手ぶくろを付けていたら、貴方はその上から感触を確かめるように強く握った。
あったかかった。
題:手ぶくろ
私の手
君の手袋
包まれて
君が微笑む
そんな妄想
手術手ぶくろは命を救い
指の手ぶくろは指を救い
愛の手ぶくろはあなたを救う。
ブルーハーツが好き。B'zも好き。
かと思ったら、次はSUPER BEAVERなんて聞いてる
外をボケーと見て、サボってると思えば
あくせく働いてる誰にも見られていないと思ってるのかな
皆んなからの評判はいいらしい
丁寧で笑顔で何でも出来るとにかく愛想いいみたい。
けど、彼とは一度会社の飲み会で話したきり。
評判どうりの男だった。一つ発見といえば
ちゃらんぽらん。そのくらい。
7年…もう少し話せば良かったかな居ても居なくても
何も変わらない不思議な感情ただちらちら視界に入って気になってしまう。
お気に入りの手袋が濡れてしまって、まだ乾かない。しっくり馴染んだその手袋は、…100均。いつ無くしてしまっても悔いはないはずなのに。