『愛言葉』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
俺のどこが好き?
俺の金だけが目当てなんだろ
私のどこが好き?
若い女なら誰でもいいんでしょ
[愛言葉]
せっかくの休みだというのにいつまでも寝ているし
出先で直ぐに休もうとして全然楽しもうという気が伺えないし
3回に1回の割合で柔軟剤を入れ忘れるし
飲み会ばっか行ってるし
振り返ってみればどうしようもないことだけど、その時の自分にとってはとても大事なことに思えてついカッとなる。
言い合いして、喧嘩になって、二度と口も聞きたくないと、そう毎回思うのだけど、
「おはよ」
まだ寝ぼけたような顔付きに少しだけ気まずさを滲ませたあなたは、いつも必ず、喧嘩の後の朝にだってこの言葉を欠かさずに言ってくれる。
謝るのは違う気がして、でも無視してその言葉を受け流すのはもっと違う気がして、
「………おはよー」
素っ気なく返す私を、なんだそれって笑うあなたに結局いつも絆されてしまう。
(新たな日の始まりは何がなんでも「愛言葉」から)
2人の愛言葉
特に決めてはなかったけど
'ありがとう'と'ごめんなさい'
この2つだけ
君のピンクに等しいうなじの色をなぞるラムネアイスが、脈うった首もとを融ける
喉元をくすぐるさらさらした生温さは、結露越しの夜みたいにモザイクがかって見える
たしかに形崩れ、ほどける泡如きが、君の肌を汚してしまうのが、ひどく愛らしい
頬骨あたりの濡れそぼった皮膚は、まろくてべたべたするのに、いつにもまして奇麗だ
君は冷たい、と泣いた、季節の終わりに寂しさからか、足元から攫われそうで怖かった
いまにも凍りつきそうな床に膝を落とし、そういえばもうすぐ冬だな、と浅いことを思う
合言葉はないのが
お約束なのだ
何故なら私達
簡単には繋がらないから
合言葉って特に使ったことはありませ
んが
しいてあてはめるなら
「ありがとう」
怖かったよね────.
大丈夫だよ────.
君が僕に言ってくれる言葉。
僕らは友達で、恋愛感情は互いにない。
けど好き。
だからいつも励ましあったり勇気づける言葉は、僕らなりの愛言葉なのかもね。
いつもありがとう。大好きだよ。
どうせいつかは忘れてるのに
今は頭から離れない
好き”じゃないんだけどな
これは愛言葉に入りますか
私の世界が見えない
あなたしか浮かばない。
行ってらっしゃい
行ってきます
ただいま
おかえり
毎日繰り返されるけれど
決して当たり前じゃない
愛する人との愛言葉。
「また明日ね」
それが私と貴方の
明日会うための愛言葉
好きでいてくれてありがとう
好きでいさせてくれてありがとう
抱きしめてくれてありがとう
微笑みかけてくれてありがとう
元気でいてくれてありがとう
生きててくれてありがとう
そばに居てくれてありがとう
それが2人の愛言葉
虚しい時に
一瞬空見上げたら君の顔を思い出した
また会おう
そう誓った星は
今もなお
裏切ることなく輝いている
言葉には力がある
その力が自分の存在を左右する
「勉強できる君が好き」
「足が速い君が好き」
見た目が、能力が、表面上の愛言葉によって
私の存在価値になっていく
本来の自分の姿が歪み
言葉の一部が輪郭をなぞる
本来の自分を見てくれる人が
どれだけいるだろうか
言葉には力がある
その力が自分の存在を左右する
しかしその力に負けないものがある
それは
競争でビリになっても
折れそうになっても
「よく頑張った、そんな君が好きだ」
自分の存在を確信する最高の愛言葉だ
「すき」って言ったら「俺も」しか言わないのに
今日はちゃんと伝えてくれた
ちょっと赤くなってる耳が何だか嬉しかったの
合言葉…
愛する人の大丈夫と言う言葉に…
心が安らぐ…
きっとそこには、
究極な信頼と愛があるから…
少なくとも、この瞬間だけは、落ち着くことが出来るのである。
不思議だな…
夜にそぐわない日々と2時07分
華やぐ尾鰭に変わりたい
なんて呪い嚥下する厭世観の海
気つけばいつも
あなたを目で追っていた
今はお互い自然に視線が絡む
ただそれだけで
ただそれだけが
わたしたちのアイコトバ
愛ということばは
きらい
みんな とてもかるがるしく
それをくちにする
愛してる とか
愛のために とか
りょうしんのいない
わたしにとっては
それは
おかねをはらわないと
もらうことができなかった
愛してる
とわたしにいったひとは
ひさんな しにかたをした
だからわたしは
愛ということばが
きらい
それでも
みかえりもないのに
ひとに やさしくするとき
いきものを いたわるとき
じぶんいがいを おもうとき
これが 愛なのかもしれないとおもう
でもやはり
愛ということばは きらい
ゆいいつ
ことばにしなくてもいい
ことばだとおもうから
(愛言葉)
今日の朝はどうする?と問いかける声。
私はすかさず、目玉焼きとウィンナーと言った。
「了解、たまには違うのにすればいいのに。」
「いーの!それが最強なんだから!」
私のお気に入りは定番だけど、半熟の目玉焼きと、パリッパリのウィンナーだ。それをパンに乗っけて食べる。
ありがたいことに、彼は私のお気に入りを把握してくれている。
ほんと、よくできた彼氏だなぁ。かっこよくって、可愛くって家事もできて。まぁ多少、彼女としての贔屓目はあるだろうけど。
「んー?何笑ってんの。」
「えー、良い彼氏だなぁって思ってたの!」
「そう?やっぱり?」
彼はウキウキしながらキッチンへ向かった。ほんともう、こういうところが可愛いんだよなぁ。
さて、私は、朝食が出来るまでにカーテンを開けるのが仕事だ。まだ、重たい目を擦りながらカーテンへ向かう。
うーん。今日は、少し曇りみたい。寒いだろうから、上着を羽織っていこう、そう心の中で決めた。
それから数分後、もうできるから皿持ってきて、という声が聞こえた。
カチャカチャという食器の音に混じって、水道から水が流れる音や、遠くから雀の鳴き声も聞こえる。
私は、こんな平和な朝が大好きだった。
「これで最後かな。」
「あ、お箸がまだじゃない?」
「いいよ、今日僕もパンだし。」
「あ、ほんとだ。」
ガヤガヤと話しながら席に着いたら、目が合った。息を吸う。
「「いただきます。」」
それが私と彼の一日の始まり。
格好がつかないものも多いけど、柔らかくて扱いやすい。かといってぞんざいに扱うと簡単に傷が付く。
ぶつけてもあまり痛くないものだけど、あまり勢いを付けると少し痛いし、面食らう。
そんなものを、なるべく近い距離から優しく、気負わず受け取れるよう、細心の注意を払って、放つ。
そして届けば、相手も自分も嬉しくなるし、同じように返してくれたらより嬉しい。
子供に下手で投げるボールのようだ、と思った。