ぺんぎん

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君のピンクに等しいうなじの色をなぞるラムネアイスが、脈うった首もとを融ける
喉元をくすぐるさらさらした生温さは、結露越しの夜みたいにモザイクがかって見える
たしかに形崩れ、ほどける泡如きが、君の肌を汚してしまうのが、ひどく愛らしい
頬骨あたりの濡れそぼった皮膚は、まろくてべたべたするのに、いつにもまして奇麗だ
君は冷たい、と泣いた、季節の終わりに寂しさからか、足元から攫われそうで怖かった
いまにも凍りつきそうな床に膝を落とし、そういえばもうすぐ冬だな、と浅いことを思う

10/27/2022, 7:14:32 AM