『微熱』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
微熱は何度
小さい頃は平熱が低い子供でした。平均体温は36度以下でした。なので37度台はきついだけど、「それくらいの微熱できつそうにして」とよく言われていました。
それがコロナ禍になると、体温で行動を制限するのが当たり前になってきました。こうなると私とは逆の人、平熱が高い人にとっては、生活しづらい社会になってきました。
平熱も微熱も、状況によって変わっていくようです。記憶は変わっていませんが、意味は変わってきました。
もしかしたら、思い出す度に記憶の意味変わっていくのかもと、最近は思ったりします。
微熱…
数字で熱を直視したら一気に迫り来るダルさよ…
【ハッピーブルー】
9月1日、始業式の日。
誰もが憂鬱を纏い、去った夏を想いながら校長先生の話に耳を傾けようとしても、話が長すぎて退屈する日のこと。
案外、なんてこと無いのかもしれない。
みんなにとっては。
中には「やっとあの先生に会える」と喜んでいる人もいたりするかもしれない。
何だかんだ、みんな楽しみにしていたりするのだ。
けれど、私は違った。
もう憂鬱で憂鬱で仕方ない。
不安過ぎて消え去りたい。
とか考えながら、仕方なくポロシャツを頭から被る。
―――――――――――――――――――――
私の不登校は、去年(高校一年生)の12月から始まった。
あの時は勉強についていけなくなったり、人間関係が上手くいかなくなって、精神が崩壊しかけていた。
ボロボロになりながら、なんとか糸一本だけ残っているみたいな状況だった。
何もかも上手くいかない、そんな時に私は聞いてしまったのだ。
ある日の放課後、教室に忘れ物をしたので取りに行こうとした時だった。
「なんか、橋本さんってさ」
私の苗字が聞こえて、びっくりした。
「なんか、橋本さんってさ、
人と喋るの下手だよね」
「あ、分かる。
なんか、友達少ないんだな〜って。」
「なんか、あのちょっとノリ悪い感じ?
気まずいときあるよね」
「いや、別に嫌いじゃないし、
別に悪口じゃないんだけどさ?
なんかねー、って思ってさ」
私は拳を握りしめた。
ああ、私ってそんなイメージだったんだ。
悔しい、悲しい。
教室で会話をしている4人組は実に楽しそうに会話していた。
……許せなかった。
「別に嫌いじゃないし」って、
嫌いなんでしょ?
私は分かっていた。
こういう空気感のときに出てくる「嫌いじゃない」も、「悪口じゃない」も、
全部嘘だ。
しかし、
友達少ないのも、人と喋るのが苦手なのも、集団行動が苦手なのも、
全部本当だ。
仕方ないじゃん、
友達との接し方なんてわかんないよ。
本当はここで面白いことを言えたら、
私の好感度は上がるのかもしれない。
気にしなければいいのに。
けれど、私にそんなことができる筈もなく、
忘れ物を置きっぱなしにして、逃げるように家に帰った。
家に帰ってから、自室に籠もって泣いた。
私、やっぱり無理だ。
もう辛い。
小学生の時にもっと友達を作っていれば。
私がもっと面白い人間なら。
もっとポジティブなら。
もっと有能なら。
あんなこと、言われなかったんだろうなあ。
高校生になって初めて宿題をサボって、
ひたすら泣いた。
翌日から、私は不登校になった。
もう限界だった。
中々リビングに来ない私を心配して、お母さんが自室の前まで来てくれた。
「大丈夫?どこか具合悪いの?」
「……もう、学校行きたくない。」
私は布団の中から言った。
その時のお母さんの「え……」という声を、未だに忘れられない。
ショックを受けたような、哀しい声。
その声を聴いて、私もショックを受けてしまった。
「上出来な娘じゃなくてごめんなさい」と思ってしまった。
―――――――――――――――――――――
夏休みに担任から「もうそろそろ、教室入ってみてもいいんじゃない?」と声を掛けられた。
正直、「はやく不登校脱却しろや」という脅迫としか感じられなかったけど、
確かにもう生温いことを言ってられないと思い、
2学期の始業式から普通登校を始めることに決めた。
とはいえ、まだまだハードルが高い。
保健室登校までは頑張れる。
でも教室には入れない。
入った瞬間「え、誰こいつ」という空気感になりそうで怖いのだ。
「あと10分したら車乗るよ―」
リビングからお母さんの声が聞こえる。
「……はーい」
憂鬱すぎる、今から取り消せないだろうか。
「なんだか微熱があるような……」と誤魔化せば、今日も休めるかもしれない。
いやいや、と私の中の私が首を振る。
ふと、東京での思い出が蘇った。
あ、そういえばおばあちゃんからお守り貰ったんだ。
こんなこと思い出してる暇なんて無いのに。
―――――――――――――――――――――
「海愛ちゃん、お守りあげるわ」
「え、お守り?」
「そう、これからも海愛ちゃんが楽しく暮らせるように」
そう言って、おばあちゃんは私に勾玉をくれた。
聡明な青い勾玉。
蛍光灯に照らされて、キラキラと光っていた。
「太陽の下なら、もっと綺麗に輝くんだよ」
―――――――――――――――――――――
あのお守りは机の引き出しにしまってある。
今日は、頼ってみてもいいかな。
私はお守りを机の中から探し出し、通学鞄に急いでつけた。
黒い鞄に青が輝いている。
同時に、私の心がすっと軽くなるのを感じた。
「太陽の下なら、もっと綺麗に輝くんだよ」
私はその言葉に惹かれ、やっと学校に行く決心をすることが出来た。
「まだ〜?」
いけない、時間が迫っている。
私は鞄を持って階段を降りた。
「おまたせ!」
外に出ると、太陽が嫌と言う程眩しく感じられた。
鞄につけた勾玉は太陽光が反射して、
それはまるで海のようにキラキラしていた。
私をちゃんと照らしていた。
(微熱。)🦜
あのね
僕達 すずめ、の
体温は普通で
42℃位なんだね。🦜
・人間、しゃん。
だったら
微熱、処では無いよね。🦜
(理由はね。)
「体温を、高く保つ事で
病原菌やウイルスから
身を守もれるし
冬でも、寄生虫を取る為に
雪浴び、が出来きるんだよ。」🦜
《ならば》
✢すずめ、は風邪を引か無いか
と言うと
やはり引くんだね。🦜
✢鼻水も出るし
クシャミもする。
✢雀が風邪を引くとね
肺炎になって
生命に関わるんだよ。🦜
【雀には、病院が無いから
危険なんだね。】
❞でも、僕が風邪を引いたら
優しい、叔父さんに。動物病院へ
連れて行ってもらうから安心なんだ。❝
「微熱」
熱があるともないとも言えない温度。
最近では微熱でも学校を休む。
友達からのLINEが来ると申し訳なくなる。
でも、嬉しくなる。
心配してくれる人がいるって幸せだから。
でも、最近は微熱でも学校に行きたい。
会いたい人がいるから。
微熱なら頑張ったら行けるから。
でも、行くとしんどくなる。
どっちをとるべきか。
なかなかに難しいところである
微熱…誰しも経験したことがあると思う。学校に行きたくなくて、熱よ上がれと願った学生時代。笑 微熱ぐらいじゃ休めないとちょっと無理して行ったあの日の仕事。「微熱」という単語ひとつでも様々なことが思い返される。学校と仕事、どちらにしてもそれぞれの悩みがあると思うが広い社会に出るということは同時に「責任」も乗っかってくる。私は社会人一年目になり「自分の言動や行動に責任を持つ」という難しさと重みを実感している。学校という守られた環境から自分の足で一歩を踏み出し、歩きはじめるのはとても大きな不安を感じることだろう。そんな時に心の重荷を分け合えるような友達や信頼できる人との繋がりを持っておくことが大切だと思う。日々自分の素性を知らないたくさんの人から理不尽な言葉や冷たい視線を浴び、心も疲弊していくだろう…でもこの仕事をしたい!と悩み選んだ道。だからこそ色んな壁を乗りこえていく強さと、揺るがない軸を持たなければいけない。
重い体
溶けるような目
ほのかに香る優しい匂い
これらを兼ね揃えた君は
きっと誰よりも妖艶
君の熱が僕に移って
微熱を纏って熱を上げていく。
垂れ流しのテレビが止まるまで
君に酔う事にしよう
『微熱』
思いがけない雨で、
あと3時間は降るんですって。
帰らなきゃいけないのに、
とうてい傘なんて持ってない。
鞄を抱えて、
ただひたすらに帰路を走る。
頭頂部に当たる冷たい水。
肌に纏う寒気。
寒さに固まり、動かしづらい足。
その足に染み込む大量の水。
そして翌日。
頭痛とともに倦怠感。
持ち上がらない腰。
回りにくい首。
微熱
そう連絡するとお見舞いに来てくれた。
少し寝てしまった後、目を開けると、
私が恋心を抱いている彼がいた。
やさしく声をかけてくれる。
なんだか、微熱も悪くないかも。
なんて、
今日だけは許して
「微熱」
頭がくらくらするな
顔がポーって熱いな
微熱がある時みたい
″顔が赤いよ。熱あるんじゃない?″
″違うよ。貴方にすっごく恋してるんだよ″
・微熱
主婦はね
少しの熱じゃ
寝込めない
やる事山盛り
誰もしやしない
あなたのことが気になる
でも好きとまではいかない
これこそ恋の病ならぬ、恋の微熱だろうか
微熱にうなされて
夢を見ていた。
広い砂浜にひとり、
太平洋の波が打ち寄せる。
誰もいない。
泣きながら誰かの名を叫ぶ。
走っても走っても
前に進まない、
汗びっしょりで目をさますと
夢…
よかった…。
熱も下がったようだ。
寒い冬の空
周りの電気は次々に消えていき
彼女は1人
夜の暗闇の中で息を潜める。
手足はかじかむけれど
心臓は熱くドクドクと脈打っている。
“早く会いたいな”
同棲中の彼を
寒さに耐えながら彼女は待っていた。
こんなところに
2時間以上待たせて
いつも平気な顔でやってくる彼を
彼女は疑いもなく愛していた。
いつからあんな男に熱を上げていたのか
彼女の心は朦朧としていた。
冷たい態度に怯え
小さな優しさに縋る。
上がりきるでも
下がりきるでもない
生殺しのような微熱の中で
彼女はいつ平常に戻れるのだろうか―――
#微熱
『微熱』
今日はやたらと寒いらしい。
けれど今日はむしろ日差しが暑いせいか秋風が涼しい。
カイロを体に貼ってしっかりと防寒対策が
できているからだろうか...
昨日はしっかりと布団に毛布を被ったはずなのに朝は
暑かったのか蹴り飛ばしていた。
寝相が悪いと風邪をひきかねないから気をつけないと...
しかし...今日は暖かいなあ...
天気予報のお兄さんは寒いと言ってたはず...
お母さんも上着がかかってるのを見てそんな薄着で大丈夫?
と心配していた。
そんな歳じゃないんだから...
そんなこんなで学校にたどり着き教室のドアを開けて
友達におはようと声かける。
友達は私の顔を見るやいなや心配そうな顔をする。
「ねえ...顔赤いよ?寒くない?」
友達の言葉に体が気がついたのか体からは
寒さと熱っぽさが額から感じ始めた。
語り部シルヴァ
微熱交じりの口付けを交わした
「これで下がるといいね」
本当は移したくないから拒みたかった
けれど近付く温度に抗えなくて
とても優しい口付けを
あなたの温度とわたしの温度が交差する
その一瞬で
わたしはあなたをもっと好きになる
高熱を出せれば恋と嘯くのに君への想いは七度四分
題-微熱
続く微熱。
あなたがくれた熱さまシート。
溶け合う冷たさ。
風邪でもないのに微熱があるときは
大体はストレスや緊張からだ
業務
面接
試験など
前日や終わった直後などに
微熱が出やすい
今日も気が張っていた1日だ
明日は微熱かもしれない
微熱
熱に侵されていた。今ならわかる。彼が世界一かっこよかった。誰かに取られてしまうのではないかと常に気を張っていた。彼の頼みはなんでも聞いた。予定も行きたい場所も合わせた。
「今日、俺んちこない?笑」
熱が引いた。なーんだただの男じゃん。
【微熱】
微熱というと、思い浮かぶのは学校のプール。
通っていた小学校では体温が37℃以上だと微熱があるとされてプールに入れなかった。
私は体温が高い子供だったから、どうしてもプールは休みがちになった。
今思えば、当時から自律神経が弱かったのだろう。中学に上がってすぐに自律神経失調症と言われて、けれど、当時はそれが病気だとは理解されていなかった。
私は学校のプールが嫌いだった。だから、中学時代はよくプールをサボっていた。方法は簡単だ。自律神経がおかしい私は、夏場はずっと微熱が続いていたから、体育の授業の前に保健室に行くだけで、ただ熱を測るだけで『休んでいいよ』という免罪符をもらえた。体温が37.5℃を超えることが珍しくなかった。
たぶん、サボり目的だということはバレていただろうなぁ。