『微熱』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
こどものころは微熱って嬉しかった。
学校休んで見るテレビ、パジャマの上から羽織るモコモコのカーディガン、いつもよりも優しい家族、そして手のひら。
今は非接触型の体温計で1秒足らずで熱がはかれるけど、昔は数分かかった。だから、何かおかしいなと思ったら、まずは家族が手のひらを額にあててくれる。
母、姉、父、弟。
順番に触れる、あたたかかったり冷たかったりする手。誰かが「これやっぱり熱あるよ」と言えば、やっと出てくる体温計。
あのドキドキするような、その手のひらに甘えたくなるような一瞬は、紛れもない幸福の記憶だ。
微熱
熱砂で、吹き荒れる砂漠。
生きていかなきゃいけない。
過酷な環境でも、人は、存在する。
例え、砂漠でも、山の上でも、氷河があっても。
微熱。
少しの熱と言わず、体を休めて、明日に備えような。
明日には、明日が来るからな。
今日君と目が合って、
今もまだ少し
微熱が残っているようで
お題〈微熱〉
朝からセミが騒がしくないている。
その音が自然のアラーム音として、目が覚めてしまった。
(あぢぃ……)
セミのなき声の次に感じたのは暑さ。
本日、8月30日。
最早9月になろうというのに、この暑さはなんだ。
クーラーのおはようタイマーは早朝6時にセットしていたにも関わらず、それより先に起きてしまったようだ。
エアコンの機械音はまだしていない。
まずはエアコンのスイッチを次にテレビのスイッチをつける。
『本日の関東の最高気温は42度となるでしょう』
テレビからそんな声が聞こえた。一昔前ならば、驚きの気温だろうが、今はこれがふつうである。
中々夜にも気温は下がらず、そのまま翌朝へとうつるパターン。
エアコンの現在の温度を見ると、37度。
「微熱かよ、体温じゃん……」
寝起きのがらがら声で、本日の第一声を自分は出した。
それよりセミのこえの方が、何倍も元気であった。
【微熱】
微熱
このところ、夜が近づくと、「微熱」が出るような気がする。
そう、同居人に伝えたら、じゃあ確認してあげると言って、顔を近づけてきたから、私の熱を分けてあげた。
今日は心が熱くなった。熱とかじゃない。熱くなったと言っても少しだけ。イラついた時に少しだけ...。
【微熱】
今ちょうど微熱
微熱がでると 出社は禁止
外出も禁止 家族との接触も禁止
彼との接触も禁止
だけど だけど
彼からの優しい言葉は
何もない
本当に好き?
私のこと好き?
私はあなたが好き?
今日もすれ違う彼は
高嶺の花
ねぇ、気づいてる?
頬を染めて
道端に咲く花たちには
目もくれない
彼は高嶺の花
嗚呼、気づかない
顔が熱い
これは微熱
気づかなくていい
朝起きると体が重かった
熱があると思って体温を測ってみたら
37.2度
微熱だ
休もうと思った
でも母に反対されるだろう
頭も痛くなってきた
どうしようと考えていた時、
ふと頭をよぎったものがあった
あの時の記憶だ
あの日、友人はものもらいがあったが、すぐ治るからと病院に行かず学校に来ていた
私も大丈夫だろうと思っていた
だが、その日友人は片目から出血した
どうやらかなり進行していたらしい
その時友人は顔が青ざめていた
私ももしそうだったら…
−微熱−
「あー。微熱だね。学校休もうか。」
「やだ!絶対行くの!」
「ダーメ。キツイでしょ?寝ときな。」
「だから学校行くの。」
「ダメって言ってるでしょ。」
こんなに思ってくれてるあなたが大大大好きです。
✂︎-----------------第1-------------------✂︎
今日もいつもの一日が始まり
緊張しながら登校し今日も君に会う
おはよ~
君はいつも眠そうに登校してきて
私に笑いかけてくれる
私は少し熱くなる
毎日器が幸せで満たされていく
【slight fever】
微熱
あなたのことを想うと…
ドキドキして…
鼓動が早くなるの
あなたのことを想うと…
ドキドキして…
体が熱くなるの…
微熱のよう…
でも…
いいの
あなたを感じたいから…
お題「微熱」
熱になって数日、やっと熱が引いて学校に来ることが出来た。
けほ、と乾いた咳が口から零れる。
自分の席に座った時、彼女が僕に近寄ってきた。
「体調、大丈夫?」
僕が風邪を引いている間、ずっとLINEで体調を心配してくれていた彼女。
会いたかったのか、心做しかそわそわしているように見える。
しかし、それは僕も同じなのだった。
「平気、心配してくれてありがとう。」
久しぶりに彼女に触れれば、びっくりしたのか肩が少し上がる。
その愛しさに、つい口角が上がってしまうのだった。
それにむっとした彼女が、僕の頬にキスをした。
「え…。」
驚きのあまり、言葉が溢れてしまう。
また熱が上がって、微熱になってしまったかもしれない。
やけに顔が熱いのだった…。
微熱
運動会に出たくなくて
色々なことを試した。
てるてる坊主を逆さまにつるしたり。
明日の天気予報に雨マークがないか
目を皿のようにして探したり。
ふと思った。
「熱を出せばいいんじゃないか…?」
そのために、
お風呂上がりにわざと靴下をはかなかった。
冷えたジュースに氷を山ほど入れて飲んだ。
布団をかけずに寝た。
結果…
微熱さえ出なかった。
よくあんなに
大胆なことができたなぁ…。
あなたの事を考えるとほんのり頬が暖かくなる。
体も火照ってきて、、鼓動も早くなる。
これは、、微熱のせいだとでも思っておこう…。
太陽の下で
菜の花畑の
通りみち
小犬と
あの子が
かけっこしてる
優しい
優しい
昼さがり
********
微熱
ばれないように
なんでも
ないふり
しようね
微熱って
何度から何度までが
微熱というのだろう
調べてみると
平熱は36~37℃
発熱が37.5℃以上なので
微熱は37~37.4℃らしい
今の時期は
微熱が出ただけでも
ドキドキしてしまう
色々と気をつけよう
貴方を見つめているだけで、なにだか顔がほんのり熱くなって、頭がクラクラ真っ白になる。
目と目があおうものならば、もう茹で上がってしまったかのように顔どころか全身が熱くなって。
ああ、これは今出てしまっている微熱のせい。断じて恋なんかじゃないんだからね
「微熱」
コロナワクチン接種で微熱が出ると途端に気持ちが萎えてしまう。
何でか分からない。けど体調不良や頭痛が熱のせいだと思うとやりたかった予定が出来なくなってそれをすごく後悔してしまう自分がいるから。
次にやれば良いと思えたらいいのに、微熱のせいでそんなポジティブになれないのだ。
頑張ってるのに休めないから、「休んでいいよ」の代名詞がほしかった。「君は病気だね」って。そしたら、ほら、副音声。『落ち着くまで少し休もうか』。ふふ、ね、聞こえてくるでしょう。ごめんなさい、不謹慎だよね。ほんっとうに、最低なこと。でも、私にとってはとても、甘美な響きなんだよなあ。
働ける歳だけど、働かない。赤点ばっかとるから働けない。
勉強しなきゃいけないけど、勉強はやっぱり身が入らない。
健康じゃないけど、病気でもない。
こころがいたいのにびょーきになれない。
それは所謂健常者。
つまるところはなにも背負ってないってことだから、冗談でも休むなんて言っちゃいけない。
やすめない。だって今休めば怠けてるだけ。
やってるのは無駄な呼吸だけ、金食い虫だけ 。
…からだは辛いんだけどなあ、やっぱり、もっと頑張らないといけないのかなあ。
__破れた服を縫って、父の帰りを待ってたんです。
勝手に服を買ってプレゼントしたら怒られるから、せめて今ある服の手入れをしてあげたいと思って。父は、たった一人の私の「かぞく」なんです。私はそう思ったことないけど、父は「かぞく」ってこだわります。あのひと、自分からわざわざ人が離れるようなことをするのに、馬鹿ですよね。でも、私は逃げ損なった。だから、娘になった。それで、娘ってたぶん、こういう健気なことをするんですよ、たぶん。だから、喜んでくれるかなあって。私だって「かぞく」って憧れるし、たった一人の肉親だから、機嫌がいいときの父は、どうも、やっぱり嫌いになりきれないんですよ。だから服を縫いました。あわよくば、これに気づいた日は機嫌がよくなればいいなって。あわよくば、これに気づかれた日は私も普通の人間になって過ごせるといいなって。これを発端とした何か…具体的には何かわかんないけど、普通の家族にも起こり得る何か…が、起きたら、「かぞく」を知ってるって、優越感に浸れるかもしれないと思ったんです。
父の帰りを待ちました。そういや、父はもう一ヶ月休みをとっていません。学歴がなくて、組織に就くと、必然的に高卒だとか大卒だとか、"親のお陰で努力できる環境にいた人"と比べると、酷い労働環境で働かされるんだとか言ってました。私はもう16です。働ける歳です。だけど学歴のために、若さと時間を浪費して、中身も理解できない授業を聞き流すために学校に通っています。ありがたいことに、父がそうさせてくれたんです。学歴がないと、女は何も出来ないらしいですよ、社会って言うのは、大人って言うのは、全く怖いものですね。私は学歴のために今は働けないので、働いている父の所有物として、養われている身として、ありがたくそれらしい態度で成人までの時間を潰させてもらいます。あまり勉強へはのめり込まないように。あまり学生になりきらないように。あくまでも学歴のため。どうせ大学にはいけないんだから、父を、家事を優先して生活をしています。勉強についていくために勉強をすると、父は人間とは思えない形相で私をなじりました。何いっちょまえに勉強なんてしてやがる、家事が甘い、掃除が甘い、髪が落ちてる、家でまで俺に仕事させる気か、お前は他のガキとは違えんだ、甘えるんじゃねえ。かつて母を自殺未遂にまで追い込んだ手法です。しかし勉強より家事を優先すると、今度は勉強をしろと父は私に諭しました。何のために学校に通っている、中以上でありなさい。零か一かにしかなれない、私の不器用さを私は恨みました。父の気まぐれさが、私の極端さが、私が普通になることを諦めさせました。クラスメートに不恰好さを笑われながら、父の存在に怯えながら、私は下の上にしがみつき続けています。たとえ理解しきれずとも、知を得ることは大事です。世間の人はそれができるこの状況を、私の境遇を、「優しいお父さんのもとに生まれてよかった」と捉えます。ほんと、この家に生まれてよかったと、私も思います。働かされたらたぶん、私のダメさがまた目立って、父に何をされたかわかりません。はは、父は偉大ですね。そんな偉大な父が、帰って来たときには既にとても不機嫌だったんだから、ふふ、仕事って言うのはやっぱり、こわいなあと、ははは、もう笑うしかないや、はは。父は私が畳んだ服を血走った目で見ると、吐き捨てるように言いました。「クソガキが、まともに家事も出来ねえのか」。
うん、うん。…はい、すみません。畳み方が甘かったですか。はあ、不器用ですみません。無駄な呼吸をしてすみません。生まれてきてすみません。あなたの人生を駄目にしてすみません。……わかっていました。機嫌が悪いときはなにもかも、父の目には羽虫の死骸のように映るんです。「かぞく」がやった「かぞく」になるための「かぞく」の仕事も、それを終わらせた「かぞく」すら。羽虫の死骸です、死んだ虫です。自分のテリトリー、綺麗な我が家におちていたら、余すこと無く腹立たしいゴミ同然のそれが、一五○センチもの大きさをともなって目の前をちらつくっていうんだから、うん。怒って当然のはずですよね、あなたも怒りますよね。そんなことをされたら、例外なく全人類……私すらも、いらいらしてくるはず。たぶん、きっと、メイビー。捨てられた私と服は、そっと別室に避難しました。
驚きです。どうやら、私の本心は、父に喜んでほしかったようなんですよ。父を思って縫って畳んだ服を受け取ってもらえなかったこと、無下にされたこと、少し残念に思った私がいました。どうせ父のことだから、機嫌がよくても「きたねえな」、ぐらいは言ってくるだろうと、もともと覚悟はしていました。いや、"する"ような仰々しい覚悟なんてのはなくて、日常の一部として何気なく思っただけのような、どちらかと言うと予測に近い覚悟でした。だけど実際、あの今にも殴りかかってきそうな顔を見ると、あぁ、あの人を普通の人には戻せなかったな、と、すこし悲しくなりました。私にとって優しい感情を少しでも持ってくれていたら、不機嫌に埋もれてしまった優しい部分が、私と関わることで引っ張られてまた戻ってくるかもしれなかった。浅ましくも、そう自惚れていました。でも、結果は惨敗だった。たぶん、私は唯一父にとって血が繋がっている人間だから、他の人間より「かぞく」に近くて、家族ごっこに都合がいいと、父は考えたんでしょう。それでなるほど、嘗て私のことを、「かぞく」と呼んだんだろうなと思い至りました。ゴミみたいな気分です。羽虫。羽虫の死骸のような気分ですよ。だって、理解が出来たんです。あぁなんだ、「かぞく」に縛られていたのは私の方だったんだ、と。今回、あなたに私が吐き出したかったのは、それだけです。ははは、はは、はははははは。…う、うぅ。ひぃ、いたいよぉ。こころがいたい。うぅ、うごけない。くるしい。いきをすうだけで、むねが、ほねが、はいが、きしんでいたい。いたい、いたい。いたい、『いたい』! こんなんじゃ、勉強なんてとてもじゃないけど、「怠けてんじゃねえよ」。はい、ごめんなさい、頑張ります。
ああ、休む許可がほしくて、あなたに喋りすぎてしまった。
…………………………こころのいたみで、微熱さえ出ればなあ。
《微熱》