『夫婦』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#109 夫婦
あ、いい夫婦の日か。
お題の理由に思い至ると同時に、この日に入籍したという年配のご夫婦を思い出した。当時に、この記念日が制定されていたかは怪しいが、仲睦まじい様子に憧れを抱いたのを覚えている。
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結婚して数年が経つ。
子どもが自力で歩けるようになってきたが、
まだまだ危なっかしい。
なので外では手を繋いで歩くようにしている。
子育てって、こんなに大変なんだな。
子どもはかわいい。かわいすぎて自分でも引くくらいメロメロになってる。
でも、それでも大変…知っているのと体験するのとでは、大きな差があることを身をもって知ったよ。
ちょっと疲れが、特に精神面で溜まってきている自覚があったから、休日は夫にお願いして、殊更のんびりさせてもらうことにした。こんなとき、快く引き受けてくれる夫のありがたさが沁みる。
天気が良かったから散歩に出かけた。
小さな手と高さを合わせるために、
少し窮屈そうに子どもと手を繋いで歩く夫。
いつもなら子どもを挟むように歩くけど。
今日は反対側に回って、えい、と手を繋いでみた。
子供と比べれば大きすぎる手に、
内心とても驚いてしまった。
いつもは包む方なのに、包まれてしまった。
「久しぶりに手つないだ」
「そうだったね」
夫がいかにも、確かにそうだと言う風に相槌を打ってきた。
嬉しく、楽しくなってきた。
この人たちはどうして一緒にいるのだろうと
ずっと思っていた
一緒にいることの意味とは
そんなものしか見てこなかったから
夢も希望も抱けないんだよ
「おとなになったらけっこんしよぉね!」
そう言って繋いでいた手は
とても小さかった。
今じゃお互いしわしわで。
けれど昔と変わらず、
君と一緒にいられて
とても幸せだよ。
夫婦
ふうふ……ね。
わかるけど、わかんないなぁ。
一番近い他人だね。
ふうふなのに、親子なのに
何故わかってくれないのかと
相手に不満をもつ。
同じ生き物で言葉が通じるから
自分の考えが普通で正解で
わかってくれると勘違いする。
誰かが言った。
同じ生き物だと思わなければ
伝えようとして相手を知ろうとする。
そして、自分と違ってもいいってなる。
ふうふとは、生きるために協力し合った
一番近い生き物だね。……知らんけど。
万国共通で恋に落ちるなんて表現するけどさ
重力の責任なんかじゃないよね。
それでも落ちるなんて言いたいのはやっぱり何かのせいにしたいからかな。
人は生涯かけて恋したいらしくて、両親も離婚して再婚してを繰り返してるよ。
離婚の度に何を思うんだろう。
「ああこの人は間違いだった」
もしそう思ってるならやっぱり、過去の自分を正当化するために他に「自分を落とした」原因が必要だもんね。
合理的だね、そういうの好きだよ。
でもさ、周りのことも考えて欲しいよね。
あなたと夫婦になったら
毎日楽しそうだなって
毎日思うの。
お題 夫婦
君と恋人になりたかった
春は花見
夏はお祭り
秋は美術館
冬はイルミネーション
季節ごとのイベントを
君とつ2人で恋人として楽しみたかった
そのままお互い大きくなって
将来君と夫婦になりたかったんだ
平和で幸せで自由で
土日は出かけたりなんかして
そんな日がいつか来ることを夢見て
君と僕は恋人同士
君は僕の彼女
僕は君の彼氏
だと思ってた
君は何も悪くない
いつものノリと勘違いしてもおかしくない
ずっとおもってたのは
私だけだった
ただ
それだけのこと
ごめんね困らせて
ごめんね1人勘違いして
ごめんね気持ち悪くて
ごめんね
貴女を好きになって
私は横浜にある、地元では有名な銀行の頭取の娘だ。銀行の規模はそこまで大きくないが、近隣で1番早くできたとあって、栄えている。
その後、18才のときに、東京の大手通信会社の御曹司に嫁ぐことになった。
最初は顔もそこそこよく、背の高い彼に好意を抱いていたが、次第に負の面に気付いてきた。
仕事から帰ってくれば、仕事の愚痴を聞かされ、イライラしていると殴られすらした。モラルは全くなく、時代遅れの亭主関白といったところだ。
秋口にさしかかる頃には夫が家を出てから、いつ帰って来るのかと恐ろしい気持ちであった。
さらに、姑は未来の社長夫人らしくしろと口酸っぱく言ってきた。私の作った料理に品がないだの何だの言って、貶してくる。これで私は、得意な料理が嫌いになった。
さらに冬になると、追い討ちをかけるように地元の父が病気との知らせがきた。退路を断たれた気分だった。
私は我慢の限界だった。一人シェルターへ逃げ込もうと寒い雪景色の中を走っている。
夫婦のしがらみから、会社のしがらみから、離れる時が来た。
ここはある夫婦が営む喫茶店、今日も奇妙な悩みを抱えたお客さんがわんさか来ます。夫婦は話を聴いたり歌ったり相談に乗ったりと今日も悩みを張らしていくそうです…
[夫婦]#1
夫婦とは、その人とその人との関係性を表す言葉である。結婚している間柄であり、お互いに尊重し、支え合っていく関係が望ましい。
何故結婚しなければならないのかと問われたら、特に理由などないので返事に困るなぁと男は思った。
何故結婚したくないのかという問いかけに、明確な理由はあるが言いたくないなぁと女は思った。
「……」
「……」
睨み合う恋人達。
先程までの甘い時間はどこへやら。
「お決まりですかー?」
空気を読まずに注文をとりにきた店員がにこやかに現れる。
「本日のおすすめは『シェフ特製新婚夫婦限定パスタ特製ケーキ付き』になりますー」
「「じゃあそれで」」
双方思いはそれぞれありはしたものの、結局二人はその後夫婦になった。
朱鷺宮時雨、リリィ=ピカソー、大天使ハニエル
占い師行ったら3人もダーリン◎(ソウルメイト◎)(運命の結婚相手◎)
一番の親友で
心から信頼し
生き方を尊敬できるひと
ともに子どもたちを愛し慈しみ
離れていても話さずいても
いつも気持ちは寄り添っている
この残酷な世界で
美しいものを見つけながら
強く穏やかに生きていける
あなたとふたりだから
「夫婦」
#254
痩けた指に冷たいシルバーがから回る
今度はネックレスにして
また合わせていこう
(夫婦)
お互いに譲り合い
お互いに慰め合い
お互いに高め合い
そんな関係になりたい
相手を貶し
馬鹿にするような者は
誰も愛すことはできない。
『夫婦』
【117,お題:夫婦】
互いを愛し合い、一生を捧げると誓ったもの。
夫婦、恋人、家族、名前があるから安心する。
そんな、名前のない関係なんて、そんなの
不安でしかない。
夫婦(めおと)
夫婦岩 伊勢二見ヶ浦
夫婦円満の神様
晴れた日には間に富士山が
見える。
夫婦橋 何処にある?
夫婦善哉(めおとぜんざい)
御盆に二つお椀で出て来る。
粒餡の善哉(ぜんざい)白玉入り
夫婦で一椀づつ別けて食べるから
夫婦善哉かなと思っていた。
それは縁起が悪いそうな。
一人で二椀いただくそうだ。
一人暮らしの夫婦茶碗(めおとじ
ゃわん)みたいなものかな?
両親のために買った東大寺の長寿の
夫婦箸(めおとばし)を、一人暮らしになっても壁に飾っている 徳博🥺
65作目
分かり合えていたと私だけが思っていた。
それは独りよがりだった。
夫婦ってなんだろう?仲良く話している夫婦もあればケンカばかりするのに円満な夫婦もある。
夫婦ってなんだろうな
『今日は11月22日「いい夫婦の日」ということで!斉藤さん!最近はご夫婦でどのような生活を送っていますか?』
『そうですねー。最近は夫と一緒に日帰り旅行に京都へ行きましたね。』
『おー!いいですね!はい!ということで本日はいい夫婦キャンペーンを…』
ピッ____
「いい夫婦……?馬鹿馬鹿しい。」
私と夫はもう少しで結婚30年目になる。
子供ももう成人済でこの家は私と夫二人で切り盛りしている。
「おい!何回言ったらわかるんだお前は!!飯はどうした!」
「すみません、今準備しますから。」
「今からだと!?お前な、一家の大黒柱に対してその態度はなんなんだ!!」
「…申し訳ないです。すぐ支度を始めます。」
「ならさっさと動けこのノロマ!!!」
見ればわかる通り私の夫はこのさま。
私はただの召使いのような扱い。
挨拶はもちろん、いただきますも言わないあの人は最初は凄く良い人だった。
沢山尽くしてくれて、子供が産まれてからも十数年は「いい夫婦」をしてくれた。
なのに1番上の子供が15歳になる頃、態度が急変した。
なんとなく想像はできてる。
浮気だ。
いい歳して若い女に騙されて最後までしたらしい。
私が夜暇をしても何も言ってこないのに。
正直、子供が成人してからはもうなんでもいい。
今は子供二人も相手を見つけて、もう少しで姉の方は入籍するらしい。
プルルルップルルルッ____
「…?はい、もしもし?」
「あーもしもしお母さん?ごめんねー急にかけちゃって笑」
「あら凪紗?しばらく話せてなかったから電話番号覚えてなかったわ。笑私ももう歳ねー。」
「だと思ったよー笑お母さんLINE全然見ないんだもんー。」
「お母さんああいうの疎いのよ。笑よく知ってるでしょ?」
「まあね笑」
「それで、どうしたの?急に電話かけきて。」
「いやー、まあ特にこれといった用はないんだけど…元気してるかなって」
「ほら、私もうすぐ入籍するし忙しくなるから今のうちに声聞きたくって笑」
「なるほどね。確かに私も声聞きたかったのよ。
改めて結婚おめでとう。凪紗。」
「え!?ちょっともうやだー笑まだ式も挙げてないっていうのに笑」
「それもそうね。笑それで、凪紗の方は元気してるの?」
「まあぼちぼちだねー。今ほんと一気に忙しくなっちゃって笑たまに体調崩しちゃうよ」
「あら大丈夫なの?また何かあったらいいなさいよ」
「…そうだね。言うようにするよ。」
少し間があった。
「…どうしたの。」
「えっ、?」
「何か含みのある言い方だったから。
それに、凪紗電話苦手でしょう?そんな凪紗から電話がくるなんて何かあったんじゃないかなって。」
「……笑さっすがお母さん。そうだよ」
「当たり前よ。何年母やってると思ってるの」
「単刀直入に言うけど、お母さん、まだ離婚してないの?」
「……えぇ。」
「…そっか。」
「凪紗と紗彩には申し訳ないけど、生涯離婚をするつもりはないわ。」
「…お母さん、昔からそれ言ってるけど一体どうしてなの?」
「あの人、冷めてるしあんなわかりやすい女に騙されて浮気もしたし今もお母さんに対しての扱い酷いんでしょ?なら離婚すればいいじゃん。」
「確かにそうかもしれないけど私があの人を選んだからには最後まで一緒にいるべきだと思う。」
「なんで、どうしてよ!」
「なんでって…それは」
『夫婦だからよ。』