『夢と現実』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『夢と現実』
そろそろと訪れる夜明けは夢のその身を端からくずおれさせていく。夢は夜明けに食われることを当たり前のように受け入れて、いやむしろうれしそうでさえある。
「終わりの見えぬ私など、この世にあっていいはずはない」
一夜のまぼろしは一夜であるからこそなのだ。
夢と現実の境が曖昧になる。
私は誰なのだろう。その現実の私を表明するものが何も無くなった時、私は何になれるのだろうか。
私はわたしだし、それ以外の何者でもないが、それを表明できるような何か秀でているものも無い。
私という個は、何をもって認識して、他に認識されているのだろうか。
気高き理想も今は在りし日の夢の中。
時代に取り残されたこの身は、何も成すことなく等しく大地へ還る。
本当に?何故、私は剣を握り続ける?
答えは未だ見つからず。
「夢と現実」2023/12/05
「ここは、夢と現実の間の世界。」
鏡は言った。
「え?」
「あなたがこうなりたい、と思った方向に、私は導く。例えそれが、マイナスのことでも。」
「どういうことだ!?」
「こうなりたくない!と願えば、なりたくないというその思いを、強く受け取ってしまう。だから、こうなるといいなという、イメージを大切にしなさい。」
「なるほど、イメージか……」
明須海は、手にした鏡をもう一度見た。
【夢と現実】
夢と現実
ジリジリと照りつける
太陽を 頭上に浴びて
俺は、目を眇める。
ぐっしょりと濡れて汗染みを
作るYシャツを ボタンを外して
首元に風を入れる。
「はぁ~」俺は、公園のベンチに
座り ため息を吐く
肩を交互に ぐるぐる回し
凝り固まった 疲れを 解す。
営業課に 三六年勤める俺は、
この 営業回りの 仕事も
自分で 言うのは 何だが
板に付いてきたと思う。
新人の頃は、仕事を覚えるので
手一杯で 仕事のミスも多く
よく 上司に怒られ
そのたびに落ち込み
何度 辞めようか 思ったか知れ無い
それでも 入りたての頃は、
それなりに 夢や期待を持ち
仕事の意欲も 早く皆の役に立ちたいと
一生懸命に取り組んでいた。
それが 今は、どうだろう
仕事には、慣れた ミスも減った。
上司に 怒られる事は、減らないが
あの頃よりは、打たれ強くなったと思う。
けどあの頃の気持ちのままかと
いうと そうでも無い。
仕事も意欲や やる気と言うより
しなければならないと言う 抑圧に
変わっている。
嫌というわけではない。
生活が あるのだし
給料を貰っているのだから
働くのは 当たり前だし
年も取ったのだから
あの頃の気持ちのままというのも
おかしな話しだ。
だけど...
「先輩~」
俺が悶々と考えていると
元気な 後輩の声が俺の耳に
飛び込んで来た。
「先輩やりましたよ!契約
一個取れました!」
拳を握って 元気良く言う後輩に
俺は、苦笑した。
「先輩 どうしたんですか?
疲れたんですか
俺飲み物買ってきましょうか?」
「いや...大丈夫だ... ちょっと
お前が羨ましいなぁと思っただけだ...」
「何ですか それ?」
「いや...すまない...忘れてくれ
ちょっと嫌みっぽくなってしまったな...」
「しっかりして下さいよ!」
バシンと後輩が俺の背中を叩いた。
「弱音を吐くのは、良いですけど...
先輩には、いつも前を向いてて
貰わないと...
俺...先輩に憧れて この会社に入ったんですから... だから 先輩が前を向いてないと俺が 困ります。」
後輩の その言葉に 俺は、目を
見開いた。
後輩は、照れくさそうに
頬を掻きながら
「ほら 行きますよ先輩!」
俺に背を向けて走って行った。
「ああ...」俺は、返事をし
後輩の背中を眩しく見つめながら
その後を追い
二人揃って 会社に戻った。
私の親は今で言う毒親だった。
もし親になれるのなら優しいお母さんになりたい。
反面教師にしてみせる。
現在。その意思に反して、子供を叱りつけ罵っては言わなくていい事まで口にしてしまい、後悔する毎日を送っている。
ごめんね、こんなお母さんで。
寝付いた後の顔は天使のよう。丸い頬に小さいお口。
寝起きの伸びをするお顔は赤ちゃんのときのまんま。
だっこをせがまれて抱き上げるといい匂いがするんだ。
現実は昔思い描いた以上に過酷で色鮮やかだった。なんて可愛いんだろう。
お題 夢と現実
どうして夢と現実はこうもかけ離れているのだろう?夢は甘美で現実は残酷だ。夢を叶えようともがくも現実はままならない。
そんなあくせくとした日々を過ごすうちに、夢をみる事を忘れてしまった。変わらない現実に飽き飽きした。
「現実が変わらないなんて事はないよ。昨日と全く同じ出来事なんて、今日起きなかったじゃない?だから昨日と少しづつ変わった事が今日起きたわけ。明日も昨日や今日と全く同じ出来事が起きたりしないのよ。だから少しづつ変わっていっているのよ」
そんな事を言って不敵な笑みを浮かべた彼女がいたな。
そうだな。後少しだけ夢を叶えようともがいてみるか。不敵な笑みを浮かべた彼女を信じてみよう。
夢を夢で終わらせないために……
【夢と現実】
「これが現実だったらいいのに」
と思う夢を見ることはあまりないが、
「これが夢ならどんなにいいことか…」
という現実の出来事ならめちゃくちゃある
とりあえず、過去に起こってしまった
思い出したくないような出来事は
「あれは全部夢の中のことだった」
ということにして自分を納得させている
だから今、僕は生きている
はっきり言って夢も現実も大差はない。
ただそこにあり、体感する物なのだ。
人は良い事があると夢なら覚めなければ良いのにと言い、その一方悪い事があると夢なら早く覚めてくれと願う。
この習性は夢に対して都合が良すぎるのでは無いか、などと考えたりもする。
まあ人間は自分の都合のいいように願うのが常だし仕方の無いことなのだが。
喧騒の中
本を開く。
遮断された世界の中で
ぬくぬくと守られているわけでない。
少年は
にじり寄る現実と夢と自我と
適当に選んだ物語の主人公と
闘い続けているのだ。
そうして
ふうっと息を吐き出した時
少年は何かを手に入れた。
喧騒の中
少年は少年のまま
深いシワを緩ませ
そのまま微笑んでいた。
「夢と現実」
「あのね、あたし、海に行きたい。崖のところで誓いの言葉を聞かせてくれない?病める時も健やかなる時もってやつがいいな。
…え、嫌?仕方ないなあ、じゃあハイって答えてね。それだけでいい。しっかり抱きしめて欲しい。抱きしめて、私を絶対に離さないで欲しい。
いいの!?やったあ!!強盗さん大好き!!」
そうして、海に着いた。
「ここ、本当に立派な崖だね。綺麗。ここなら誰も気付かなさそう」
「ああ」
「強盗さん、なんで私の家に来たの?」
「たまたま」
「運命的だね」
目を閉じれば、夢のように綺麗なドレスを纏って、タキシードを着た強盗さんが私を待っている。
誓いのキスは無いけれど、ウエディングドレスを着て一人で歩く私。
「生まれ変わっても、私と死んでくれる?」
「仕方ねぇな」
私達は、一瞬だけ冷たい風に触れて、海の中へ落ちる。
「愛してる」なんてちんけな言葉は、泡に包まれて消えた。
────次のニュースです。✕✕海の中から、二人の男女の水死体が発見されました。警察は心中と判断して捜査を続けており────
夢と現実
見る夢はいつも急かされて怖い。
見る夢はだいたい苦しくて悲しい。
目覚めて現実に戻ったときホッとするのは
現実が穏やかだということ。
この現実が壊れることを、ただ恐れている。
ようするに、現実は幸せな方だということ。
#121 夢と現実
胡蝶の夢。
夢の中で蝶になって、それこそ夢中になって飛んでいたが、目が覚めたら人間だった。
さて、人間の自分が蝶の夢を見ていたのか、実は蝶が本体で、人間の夢を見ていたのか。
どっちが正しいかは知らん。
人間と蝶の形が違うことを区別という。
言い出しっぺは荘子。
あ、そうそうとでも言った風に最後に書かれた区別という言葉が、なんとも心を惑わせる。
この話の意味するところは、ネットで検索してもページによって微妙に違っていて、
夢か現実かはっきりしない様子や人生や人の世の儚さを例えた言葉とされていたり、
その区別にとらわれず本質を見る考えを言うものであったり。
どっちが正しいのかを考えるより、それぞれの前にある道を生きればいいとも。
原文を読むには頭が足りず、解釈をそのまま鵜呑みにするには素直さが足りず。
ただ、この話は荘子の斉物論の最後の方に書かれているそうなので。ここだけ読んだのでは分からない深い意味があるんだろう。
目に見える言葉が全てで
その奥にある意味は
疑い始めればキリの無い夢か
言葉は仮面で
その奥にあるものを見なければ
現実を生きられないのか
どちらが本当か、なんて。
荘子を孔子と何度も書きそうになる、
私の小手先の言葉では表しようがない。
夢と現実
橘 月子
夢 争いの無い世の中
現実 無くならない戦争
国家が仕掛ける戦争だけでも始めないでほしい。
狭い地球にぎゅうぎゅうに住んでいるのだから。
今日はちゃんと正しい時間に目覚ましが鳴った。
だからといって、眠くないわけではないし、しっかりと起きられるわけでもない。
眠い。とても眠い。
頭はまだ寝ていて、さっきまで見ていた夢の断片が、もうどうにも制御できず、また襲いかかってくる。
今目の前に広がる光景は夢なのか現実なのか。
もう何もわからないまま、再び夢の中へ。
『夢と現実』
夢で起こった出来事が現実で起きたときに、
デジャブを感じるんだよね。
#夢と現実
移りゆく景色の中に残される
夢も現も どこにも行けずに
【夢と現実】
一人で空を飛んでどこまでも行けるのが楽しい
雲の上をすいすい
風もすごく気持ちがいい……
あぁ 遠くから音が聞こえる
目を開けた私
さぁ 今日は飛行機で旅行だ
楽しまなくちゃ
雲の上に乗ってのんびりと過ごせる夢と
魔法が使えるようになった夢とか
現実ではありえないけど
そんなファンタジーな世界をいつまでも夢見てる
「もう現実を見なさい」
なんて言われるけど
私だって現実を見てるし現実を過ごしてる
私に妄想,想像,夢くらい自由に見させてよ
─────『夢と現実』
夢と現実
どちらも自分が変わらないと
何も変わらない