『喪失感』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
喪失感
あまり強く感じたことはない気がする
失って、息が詰まるほどの
思い出すだけで苦しくなる経験はあるけれど
喪失感というよりは
ただただ寂しさの方が大きかった
今も、そう
なぜか強く感じなかった理由は
多分2パターンある
実はそれほど思い入れがなかったもの
そして
目の前からなくなっても、失ったとは思ってないもの
常時ある不安感に加えて
喪失感なんて感じたら
私は壊れるんじゃないかと思う
暗い暗い螺旋階段を歩いていた
喪失感を抱きながら
薄汚れた私は1人歩く
どこまでも歩く
喪われた夢、記憶….
永遠に取り戻せることはない
目的もなく彷徨い歩いていた時
壁に一つの花が咲いているのを見つけた
恐る恐る懐中電灯で
照らしてみると
鱗粉が光に反射して
眩しく瞬いた
いつの間にか溢れでる涙は
いつまでも続き
手のひらにあたたかく落ちた
「綺麗だね」
ふと振り返ると
いつの間にか君が 君たちが
そばに立っていた
1人で彷徨っていたつもりが
同じ世界に
誰かの息吹があったのか
そう気づくと
手元に持つ懐中電灯の光が
虹色に輝きだし
螺旋階段の通路を
笑い出しそうなくらい
優しく照らし未来へ射した
『喪失感、その向こうへ』
喪失感
(本稿を下書きとして保管)
2024.9.10 藍
喪失感
ある日、今までしていた業務から異動を言われた。
文句を言いながらも楽しくやっていたと思ったら。会社員なら当たり前なので仕方ない。嫌なら辞めろ、それは自分のルールとしている。
病気もしたし、危ういと思われたのか、たいした仕事してないと思われたのかもしれない。上層部に。
後任はしっかりやっている。給料も変わらない。
新しい業務は知らない事も多いが、以前より身体は楽だ。
入院した時に会社行かなくてもいい日が来たら?と考えた。いままで何の為に働いていたのか?
これがあったから大きなショックはなかったのかもしれない。割り切れないモヤモヤはある。くだらない虚栄心だ。まだ埋めきれないこの隙間のようなものは何か。
夢中になれるものに依存しているのかもしれない。
会社以外に何がある?
自己満足と化した書き物か?退屈しのぎのUFO番組か?夢中になれる何かが誰かの役に立てばいいのだが。
承認欲求か。ずるいな。
喪失感を
なくすためには
また大切なものを
作ればいい
『ドロップ』
セントラルタワーに憧憬 鳩の嗜みも遥か下 感熱紙がシャラリと飛んで 落下物のシンフォニー こんな瞬間はやはり白いワンピース 白いワンピースでなければ
月光の窓辺 逢えない寂しさも
忘れそうな私に気づいた
♯喪失感
喪失感
僕にコーラの美味しさを教えてくれて
一緒に時代劇を見て、一緒に犬の散歩をして
たくさん可愛がってくれた祖母が亡くなった
まだ実感はないけれど、綺麗で眠ったような顔をした祖母を見た時これまでのたくさんの思い出を走馬灯のように思い出してそれと同時に喪失感も生まれてしまった
最期は認知症になり誰のことも分からなくなっていた祖母だけど、これからは先に逝ってしまった祖父とまた仲良く過ごしてほしい
#50 喪失感
[さようなら、そして、こんにちは]
目を閉じて。
大好きな人と共に過ごしている場面を
夢想する。
そこでは、安心する目で安心する言葉を
話してくれる。
何の駆け引きも無い。
優しいから、どんどん絆される。
幸せなひととき。
目を開ける。
見える世界に大好きなあの人はいない。
さようなら。
そして、こんにちは。
見えない世界にいる貴方。
当たり前にあったものが
なくなった時に感じる気持ち
そんな時に変わらずあるものに救われる
僕は失って気づくことが多い
多いどころかほとんどがそう
卒業式の後、戻らないと知った日常
救われたのはよく聞いていたラジオだったな
喪失感
...思い出せないんだ、何か足りない
そんな感情を探し始めて何年も経つが、まだ私は
この感情をなんと呼ぶのか見つけられないでいる...
...あれも違うし...これも違う、
他のどの感情でもない...
特別だったはずなものが無くなってしまった感覚
思い出すように道筋を戻り、再現しても
いつも言葉にならないモヤモヤだけが残る...
「それ喪失感じゃね?」
今日、古い友人からそれは喪失感だと教えられたが
答えを出すより考えることが好きな私は
楽しみが減った、という意味で喪失感を味わった。
お題「喪失感」
大好きだった愛猫がお空にいってしまった日から
もう何年経ったのだろう。
私が落ち込んで泣いていたら
隣にくっついて離れなかったね。
家族の機嫌が悪いと、無理やり乗っかっていって
押し倒して笑わせてくれてたね。
君の存在は誰よりも大きかった。
何年経っても、他の猫が家族になっても、
心の中にぽっかり空いた穴は埋まらない。
【喪失感】
まだなくしていないのに、心に穴が空いた気がしたの。
あなたは、上手く付き合ってくうちのひとりじゃない。
この先で生きるなかで、あなたが居なくなることがあるかもしれないと考えたら、ふと心が暗くなってこわくなった。
目の前にいるのに、そう思っただけで涙が出て、あなたといたいのだと、漸く気づけました。
いつか心に本当に穴が空くのを覚悟して、あなたを心にすまわせて生きていくことにしました。
【喪失感】
詩を消したまぶたは食器をひといきに洗えてしまえる 青天は秋
【喪失感】
自分にとって喪失感とはどういうことだろうと考えてみた。
祖父が亡くなったこと。
一期一会の関係だけどもう会うことはないだろう人。
人生一度きりと言い訳をししなくてもいいことをしたこと。
親指の可能域が狭まったこと。
どれもいまいちしっくりこない。失ってはいるが自分の中でその事象に対して精算できていることは喪失感がなくなっている。
では自分が喪失したくないものとは?
たぶん秘密だと思う。自分の中だけで留めておきたいこと。他の人に知られたくないこと。自分の心のこと。
それを人に知られたくない。たぶん知られたら今の自分を失いそうで怖い。知られたくないから自分でも気付かない、見ないようにしている自分を見られるのは嫌だ。土足で車の上に登られるくらいに胃がきりきりする。
自分にとって喪失感とは今を失うかもしれない恐怖だ。
その喪失感のベクトルが未来に向かったとき、また新しい捉え方になっていると思う。
自分のことを理解することが恐怖が無くなる方法かもしれない。
自分を理解するって難しいが自分のことをざっと書いてみる。
何事にも即効性を求める。
積み重ねよりも目の前の結果ばかり求める。
日々コツコツ努力することが嫌い。
表面だけ取り繕ってるから周りから見る自分と自分から見る自分のギャップを感じる。でも周りからの自分の像をキープしたい。
それではダメって分かってるけど簡単に難しくない方法で解決しようと考えて何もしない。そもそも深く考えてない。
心の癖があるなと思った。
日々コツコツすること。ちょっとしたことでもいいから続けること。まずはそれをしてみよう。きっと喪失感を感じる事柄が変わっていく。
喪失感
俺も先生も友達も。
皆変わらず、ここに居るのに。
貴方だけが、ここに居なくて。
少し前迄は。
確かに貴方もここに居て、
俺や友達と一緒に、
下らない冗談を言ってたのに。
何時も通りのこの部屋に、
何時も通り皆が居るのに、
貴方だけが、居なくて。
俺は酷い喪失感に、苛まれる。
貴方が亡くなったなんて、
俺には未だ信じられなくて。
突然、この部屋のドアが開いて、
以前の様に、笑顔の貴方が、
入って来るんじゃないかなんて、
そんな事を考えてしまう。
拭い切れない、喪失感。
俺は未だ未だ、
貴方を失った悲しみの、
どん底に居るんだ。
あの夏の日、君は空に連れてかれた。
まるで神隠しに遭ったかのように、君は突然消えてった
君の知人にも聞きに言ったが、「最初からそんなやつ居ないぞ?」と全員に言われてしまった。
まるで最初から存在が無かったように、
それを聞いた瞬間心の穴がぽっかり空いたような感覚にあった。
9/11 「喪失感」
知らぬ間に身につけていた処世術
なのかもしれぬこの感情も
#喪失感
私、岡野煌時は、今とてつもない喪失感に見舞われている。
というのも先日、大好きな先生とおそろいで購入した大切なキーホルダーを失くしてしまったのである。
なす術なく週末を過ごし、今日は家庭教師の日。普段なら待ち遠しいはずの時間が、今回ばかりは憂鬱だった。
私はあのキーホルダーをいつも筆箱に付けていた。先生が指導する時必ず目にする場所だ。なくなったらすぐにバレるだろう。
先生は怒らないだろうが、内心がっかりはするはず。だからといって適当な嘘をつくのも気が引けるし……
そうこうしているうちに指導時間がやってきた。
先生は今日も今日とて美しい。なんて現実逃避していられるのも時間の問題。部屋に入って早速、先生の視線が私の筆箱に向かったのを感じた。
あれ、という顔をした。次いで私の顔を見る先生。どんな顔をしていただろう、私も先生も。私は先生の目を見る勇気がなくて、目を泳がせた。
「もしかして、お友達に揶揄われましたか?」
「いえ、その……」
ああ、なぜ私はLINEで、いや電話ですぐ謝らなかったんだ。
「じゃあ……失くしちゃった?」
先生があえて軽い調子で訊いてくる。その細かい気遣いが胸に刺さって痛い。
「すみません……気づいたらなくなってて、学校も通学路も探したけどなくて……」
「そうですか。気に病むことはありません。また買いに行きましょう」
「うぅ……」
予想通りの優しい言葉。自分が情けなくてしょうがない。
「本当にすみません……私ってばダメなやつです」
「そんなことはありませんよ。煌時くんは素敵な人です」
グスッと鼻をすすった。もうすぐ涙が出てきてしまいそうだ。
「信じられませんか?」
「だって、せっかくおそろいで、初めてで……」
なおもグズる私はまるで子どもだ。わかっていても如何ともしがたい。
「仕方ありませんね」
先生は本当に仕方なさそうに笑った。それから近づいてきて……
ふわっと、私を抱きしめた。
「せ、先生……!?」
「信じてください。君は世界一素敵で、特別な人です。私が選んだ相手ですから」
先生の声が、言葉が、体温が、私の中に入ってくる。いつの間にか涙は引っ込み、ぬくもりが私を満たした。
「せんせぇ、すき……」
先生の背中に手を回して呟く。
「知ってます」
先生はそう言って、右手で私の頭を覆った。
テーマ「喪失感」
家族の為、お金の為と、日々忙しなく働く。
年月が経てば、役職にもつくことができた。
お給料も増えたが、それ以上に責任感と仕事量だけが増えていく。
どれだけ働いても、働いても、責任感と仕事量が増るだけ。
責任感の重圧から、精神はすり減る。
チームがいつの間にか、敵の様に感じる。
誰にも胸の内を打ち明けることは、出来ない…。
気づけば「うちって、何のために働いてたんだっけ?」と悩む日々。
初めた当初は楽しく充実していた仕事も、苦行となる。
家族旅行も、ライブでさえも、楽しめなくなる自分。
「うちって、なんの為に生きてたんやっけなー?」
虚しく、自分に問いかける…。
20240911「喪失感」