『君からのLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「お前らの任務は、命が燃え尽きるまで地底人共を殺す事!
全員分かったな?
では死んでこい」
上官は、頭の痛くなるような訓示を俺たちに浴びせてくる。
文字通り前時代的な発言であり、とても現代に生きる者の発言とは思えない。
しかし上官の無慈悲な命令に、異を唱える者はここにはいない。
別に諦めの境地に至っているわけではない
そのくらいの気概が無ければ、人類に未来は無いと思っているからだ。
一年前の事だ。
突如、地底人が現れて人類に猛攻撃を仕掛けてきた。
人類は抵抗したものの、地底人の持つ圧倒的な科学力に為す術なく敗北した。
豊かな土地から追い出され、人類は住むには適さない土地でほそぼそ暮らしていた。
だがそこで諦める人類ではない。
地底人に対抗するため、人類は新兵器を開発。
地底人たちに攻撃を仕掛けることになったのだ。
だが地底人との技術差は歴然。
新兵器をもってしても、命の保証はなかった。
誰だって死ぬのは怖い。
ほとんどの人間が、戦場に行く事にしり込みした。
死ぬことが分かっていても決死隊に志願した愚か者たちがいた
それが俺たちである。
俺たちは地底人たちを殺すため、新兵器の訓練を行うことになった
厳しい訓練にもかかわらず、脱落するものはいなかった。
そして運命の日。
地底人たちがたむろする都市部に突入することになったのだが……
「司令部、こちらアルファ。
地底人共が見当たらない」
「こちら司令部。
他の突入組も遭遇してない
何か妙だぞ」
地底人がいると思わしき建物に入った俺たち。
慎重に建物を探索するものの、一匹も地底人に遭遇することは無かった。
拍子抜けするほど何も無いがは、油断しないよう気を引き締める
「ここまでなにも無いとは……
罠か?」
「その可能性はあるな。
でなければ逃げ帰ったかだ」
「あれは!」
「どうしたアルファ?」
「少し待て」
俺は、遠くの方に倒れている地底人を発見した。
ここから見る限り微動だにしない。
「地底人がいた。
いまから近づく」
「なんだと。
罠かもしれん。
無茶をするなよ」
「了解」
なぜ倒れているかは分からないが、罠の可能性も考慮して慎重に近づく。
だが不気味なほどに何も起こらなかった。
死角からの不意打ちも警戒しつつ、動かない地底人を観察する。
「こちらアルファ、見つけた地底人だが、すでに死んでいる」
「なんだと!?
仲間割れか?」
「おそらく餓死だ。
前見た時より、かなりやせ細っている」
「地上の食いものが合わなかったか?」
「それも考えれれるが……
近くに部屋がある。
覗いてみよう」
「気をつけろよ」
俺はゆっくりと、部屋の扉を開ける。
気づかれないように慎重に、気づかれても即反撃できるように……
だが、その心配は杞憂だった。
部屋の中は、さっき見つけた地底人と同じように全員死んでいたからだ。
「こちらアルファ。
部屋の中のやつらは全て死んでいる」
「なんだと!?
アルファ、周辺を調べてくれ」
「了解……
これは!?」
死んでいる地底人が手に持っている物……
それはゲーム機のコントローラーだった。
他の地底人にの手には、漫画や小説、果てはスマホが握られている。
どれも、人類の生み出した娯楽の品ばかり
状況から導き出される答えに、俺は唖然とする。
認めたくないが、こいつらは……
「こいつら、寝食を忘れて遊んでいたと言うのか……
餓死するまで……」
確かに俺も、飲まず食わずでゲームをしたことがある。
子供の頃、ではなく大人になってから。
子供時代に禁止されていた反動で、大人になってのめり込んでしまったのだ。
俺は途中で気づけたが、地底人たちは死ぬまで気づけなかったらしい。
目の前の面白い事に夢中で、食べるのも忘れ、そして死んだ
もしかしたら死んだことにも気づいていないのかもしれない
これは有り得たかもしれない、俺の姿だ。
命燃え尽きるまで、快楽を貪った地底人たち。
彼らはきっと、今まで本当に面白いものに出逢えたなかったのだろう。
他の仲間たちも地底人に遭遇しないと言うから、他も同じような状況かも知れない
それを思えば地底人も同情すべき存在なのかもしれない。
もし地底人たちが武力ではなく、言葉を持って人類に接すれば……
あるいは、途中で和解の申し出をすれば……
きっと違う結末があっただろう
「バカなことをしたもんだ」
最初から最後まで道を違えてしまった地底人に、俺は冥福を祈るのだった
「今から帰る〜」だけのLINE
それだけで母は充分なんですよ
君からのLINEは距離を感じる。
実際に話す時はそんなことないのに。
私と君の心はどのくらい離れているのかな。
さぁーて、LINEの確認でもすっか。
「通知:0」
さ、さぁーて、仕方ね、もう寝るとすっかな゙…
(ささ、寂しくなんてねぇぞ…最近始めたばっがりだから、まんだ友だちがすくねぇだげだがんな…)
♯君からのLINE
君からのLINE
ピロン、とLINEの通知オンが鳴った。
LINEの返信なんてめんどくさいから、通知音なんて、数ヶ月前はつけなかったんだけどな。
今は君からのLINEを心待ちにしている僕がいる。
てか、明日の宿題やった?
俺まだなんだけど
さっき終わった
マジ?
教えて
数学まじわからん
ブー、と間髪入れずに通話がかかってきた。
真っ暗な画面には、ニヤけた僕の顔が映っていた。
別に、君にとって僕はただの友達だと、君が僕を好きになることはないと知っている。それでも、君からくるLINEや通話に一喜一憂せずにはいられない。
今日も夜遅くまで通話できますように、なんて女々しいことを考えて、通話ボタンをタップした。
君からのLINE
好きだったときは嬉しかった
でも、もうあのときには戻れないし、戻らない
前を向いて歩こう。次の春が来るまでは
あまりスマホを触らない、と話してた君が少し不器用な文章で返事をくれることにさえ、私は喜んでしまう。
友達で、しかも同性なのに、こんなの変かな?
君からのLINE
突然届いたLINE…何年振りだろう…アカウントは、其の儘残していたから…
逢いたい…
自分勝手だって判ってる…でも、あなたに逢いたい…
そうメッセージが届いていた…
あの日、突然君から、呼び出されて、さよならを告げられた…明瞭、理由も聞けない儘、君は、去って行った…私は、呆然と後ろ姿を見送っていた…
あの日から、ずっと君を想い続けていたから…勿論、君への好意と、君への遣る瀬無い思いを、織り交ぜ乍ら…
メッセージを見て、迷わず…
「また来年も行こうね。ばいばーい☆」
スタンプと共に送られてきた、君からのLINE。
何ヶ月も前から計画を立てていたデートは、アトラクションを五つ制覇したところで突然の雨に見舞われた。フードコートに避難して、びしょ濡れのままパンケーキを食べて、その時笑いながら撮った写真はまだスマホに残っている。
結局雨は止まず、駅まで走ってその後は濡れた服のままの君を家まで送った。
お母さんに何度も頭を下げられた覚えがある。
その日の夜、送られてきたLINE。
写真には濡れた服がハンガーに掛けられていた。
「来年は俺が行きたいところにしてよ」
そう送ったのに、既読は一向につかなかった。
君からの、最後のLINE。
スマホを見るたび、もう使わないアイコンが目に入る。タップして出てくる文章に、涙が滲んだ。
文章が残るアプリは正直キツい。
それでも俺はアンインストール出来ないでいる。
END
「君からのLINE」
君からのLINE
自分のことを好きでいてくれる人からのLINEは、
どんな内容でも不思議となんか愛が伝わってうれしい
楽しい
君からのライン
君の言葉の影響力を君は知らない。
作品No.168【2024/09/15 テーマ:君からのLINE】
きみにLINEを送って——十年くらい経つのかな。未だに返事がない。
LINEだけじゃない。メールにも返信はないし、かけた電話にも出ない。
もしかして、もうきみは——そんなことを考えてしまう。
ねえ。私は今も待ってるよ。きみからの、何かしらの連絡を。
「君からのLINE」
スマホが一瞬、震える。まるで喜びに打ち震えるようなその振動に、私の心も震わされた。君以外のLINEの通知は切ってあるため、その束の間の振動は君からのメッセージを受信したことを表すことが多い。期待に心を躍らせながらスカートのポケットからスマホを取り出し、画面を確認すると、
「もうすぐ雨が降りそうです」
ご丁寧にお天気アプリがしばらくの降雨を教えてくれたようだ。理不尽な恨みをお天気アプリに抱きつつため息をつく。そのままスマホのロックを解除し、最も開きやすい場所に設置されたラインのアプリを開く。ほんの少しスクロールしないと出てこない君のアイコン。その現状にまたため息をひとつ。少し前に交わしたやりとりは、君からの一言で始まり、私からのスタンプで終わっている。「この後雨が降るらしいよ」打ち込んだメッセージを紙飛行機に乗せて飛ばせないまま、初めから無かったことのように削除する。どうでもいいことをどうでもいい気持ちで君に送る勇気は、私にはまだない。
「いくじなし」
#君からのLINE
お祖母ちゃんがLINEを練習中だ。
何しろ高齢なので、毎晩家族のグループLINEに暗号のような文章が届く。
『夜になるとさむくなり、るね。?』
とかは上出来な方で
『わたし 肩 旦那さん まえのままと?かな』
など、全く意味不明の時もある。
でも本人は一生懸命だから、家族みんな気づくとすぐに返信するようにしている。
頑張ってるね、とか応援のスタンプとか。
ところが今夜こんなLINEが届いた。
『何故 私は何時も寂しいですか~分からないので苦いです』
あれれ…どうしたの、お祖母ちゃん。
心配になって、返事に悩む。
何て書こうか、それとも電話した方が良い?
既読マークが次々付くけれど、家族の誰も返信しない。
みんなの困った焦り顔が目に浮かぶ。
とりあえず電話をかけてみたら、話し中だったのでホッとした。
君からのLINE
前は君から連絡くれたのに
どうでもいい事ばっか話したのに
恋バナもしたし、デートの約束もしたのに
今は私から連絡するだけ
業務連絡だけで返事はそっけなくて
今も好きで、連絡したいのはわたしだけで
もう好きじゃないならそう返信して欲しい
おもわせぶりなんてしないで欲しかった
君からのLINEはもう来ない
君からのLINE
お馴染みの通知音がなり、流れるようにスマホを手に取り、画面を開く。
一番上のアイコンの横には
『ありがとう!!!!...
今日は友達の誕生日で、学校帰りにプレゼントを渡した。喜んでくれたみたいでなにより!
文面に溢れる!が喜んでくれたことを表している
キーボードを表示させ、返信を作成する。
[喜んでくれてよかった!(*>∀<*)
誕生日おめで|
【君からのLINE】
今となっては
すっかり生活の一部だ
ちょっとした事を報告し合ったり
ささやかなトピックを共有したり
元気にやってる様子が伺えて何よりだ
たまにちょっと自粛した方がいいのかなぁ
なんて思って控えてみたりする事もあるけど
程なくお知らせを届けてくれるから
ありがたい事だ
しかし今
またも強風に煽られている
諸々を考えると
前のよりも厄介だ
こちらでさえ色々な感情が渦巻いてしまうから
本人の心中たるや察するに余りある
その現状に出来る事の少なさがもどかしく
その環境を作ってしまった年寄りの1人としては
申し訳なく情けない話だ
しかし成長も著しく
また持ち前の強みもあり
すでに自分の力で解決の糸口を見つけつつあるのだから
ほとほと感心させられる事ばかりだ
さてLINE
その中にどれほどの事を
俺は乗せれるれるだろうか
君からのLINE
あなたから来ることは無い。でも、返事はきちんと返してくれる。
そんなあなたは奥底に埋もれてしまっている。
既読の二文字が付くまで付きまとう恐怖と後悔の念は、いつまで経っても手放せはしない。
大切だったあなたの元を離れ、あなたのいない世界に順応すること一年。
今更、何を送ろう。
君からのLINEは
いつも何テンポも遅れてやってくる
通知音が鳴るのをこんなに待ち遠しく思う
LINEの続きみたいにして
会ったときに自然と会話が生まれていくのも嬉しい
慣れてきた頃につい敬語を忘れてしまうくらい
……なんて、こんなこと起こらない
連絡先も聞けてないんだから
“君からのLINE”でぐるぐると
悶々と頭を悩ませることですら
それらすべては幸せな悩みだと知った
お題:君からのLINE
好きな人からLINEが来ると嬉しい。
でもそれが公式LINEとかだと萎える笑