『君からのLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
君からのLINE
ピロン、とLINEの通知オンが鳴った。
LINEの返信なんてめんどくさいから、通知音なんて、数ヶ月前はつけなかったんだけどな。
今は君からのLINEを心待ちにしている僕がいる。
てか、明日の宿題やった?
俺まだなんだけど
さっき終わった
マジ?
教えて
数学まじわからん
ブー、と間髪入れずに通話がかかってきた。
真っ暗な画面には、ニヤけた僕の顔が映っていた。
別に、君にとって僕はただの友達だと、君が僕を好きになることはないと知っている。それでも、君からくるLINEや通話に一喜一憂せずにはいられない。
今日も夜遅くまで通話できますように、なんて女々しいことを考えて、通話ボタンをタップした。
君からのLINE
好きだったときは嬉しかった
でも、もうあのときには戻れないし、戻らない
前を向いて歩こう。次の春が来るまでは
あまりスマホを触らない、と話してた君が少し不器用な文章で返事をくれることにさえ、私は喜んでしまう。
友達で、しかも同性なのに、こんなの変かな?
君からのLINE
突然届いたLINE…何年振りだろう…アカウントは、其の儘残していたから…
逢いたい…
自分勝手だって判ってる…でも、あなたに逢いたい…
そうメッセージが届いていた…
あの日、突然君から、呼び出されて、さよならを告げられた…明瞭、理由も聞けない儘、君は、去って行った…私は、呆然と後ろ姿を見送っていた…
あの日から、ずっと君を想い続けていたから…勿論、君への好意と、君への遣る瀬無い思いを、織り交ぜ乍ら…
メッセージを見て、迷わず…
「また来年も行こうね。ばいばーい☆」
スタンプと共に送られてきた、君からのLINE。
何ヶ月も前から計画を立てていたデートは、アトラクションを五つ制覇したところで突然の雨に見舞われた。フードコートに避難して、びしょ濡れのままパンケーキを食べて、その時笑いながら撮った写真はまだスマホに残っている。
結局雨は止まず、駅まで走ってその後は濡れた服のままの君を家まで送った。
お母さんに何度も頭を下げられた覚えがある。
その日の夜、送られてきたLINE。
写真には濡れた服がハンガーに掛けられていた。
「来年は俺が行きたいところにしてよ」
そう送ったのに、既読は一向につかなかった。
君からの、最後のLINE。
スマホを見るたび、もう使わないアイコンが目に入る。タップして出てくる文章に、涙が滲んだ。
文章が残るアプリは正直キツい。
それでも俺はアンインストール出来ないでいる。
END
「君からのLINE」
君からのLINE
自分のことを好きでいてくれる人からのLINEは、
どんな内容でも不思議となんか愛が伝わってうれしい
楽しい
君からのライン
君の言葉の影響力を君は知らない。
作品No.168【2024/09/15 テーマ:君からのLINE】
きみにLINEを送って——十年くらい経つのかな。未だに返事がない。
LINEだけじゃない。メールにも返信はないし、かけた電話にも出ない。
もしかして、もうきみは——そんなことを考えてしまう。
ねえ。私は今も待ってるよ。きみからの、何かしらの連絡を。
「君からのLINE」
スマホが一瞬、震える。まるで喜びに打ち震えるようなその振動に、私の心も震わされた。君以外のLINEの通知は切ってあるため、その束の間の振動は君からのメッセージを受信したことを表すことが多い。期待に心を躍らせながらスカートのポケットからスマホを取り出し、画面を確認すると、
「もうすぐ雨が降りそうです」
ご丁寧にお天気アプリがしばらくの降雨を教えてくれたようだ。理不尽な恨みをお天気アプリに抱きつつため息をつく。そのままスマホのロックを解除し、最も開きやすい場所に設置されたラインのアプリを開く。ほんの少しスクロールしないと出てこない君のアイコン。その現状にまたため息をひとつ。少し前に交わしたやりとりは、君からの一言で始まり、私からのスタンプで終わっている。「この後雨が降るらしいよ」打ち込んだメッセージを紙飛行機に乗せて飛ばせないまま、初めから無かったことのように削除する。どうでもいいことをどうでもいい気持ちで君に送る勇気は、私にはまだない。
「いくじなし」
#君からのLINE
お祖母ちゃんがLINEを練習中だ。
何しろ高齢なので、毎晩家族のグループLINEに暗号のような文章が届く。
『夜になるとさむくなり、るね。?』
とかは上出来な方で
『わたし 肩 旦那さん まえのままと?かな』
など、全く意味不明の時もある。
でも本人は一生懸命だから、家族みんな気づくとすぐに返信するようにしている。
頑張ってるね、とか応援のスタンプとか。
ところが今夜こんなLINEが届いた。
『何故 私は何時も寂しいですか~分からないので苦いです』
あれれ…どうしたの、お祖母ちゃん。
心配になって、返事に悩む。
何て書こうか、それとも電話した方が良い?
既読マークが次々付くけれど、家族の誰も返信しない。
みんなの困った焦り顔が目に浮かぶ。
とりあえず電話をかけてみたら、話し中だったのでホッとした。
君からのLINE
前は君から連絡くれたのに
どうでもいい事ばっか話したのに
恋バナもしたし、デートの約束もしたのに
今は私から連絡するだけ
業務連絡だけで返事はそっけなくて
今も好きで、連絡したいのはわたしだけで
もう好きじゃないならそう返信して欲しい
おもわせぶりなんてしないで欲しかった
君からのLINEはもう来ない
君からのLINE
お馴染みの通知音がなり、流れるようにスマホを手に取り、画面を開く。
一番上のアイコンの横には
『ありがとう!!!!...
今日は友達の誕生日で、学校帰りにプレゼントを渡した。喜んでくれたみたいでなにより!
文面に溢れる!が喜んでくれたことを表している
キーボードを表示させ、返信を作成する。
[喜んでくれてよかった!(*>∀<*)
誕生日おめで|
【君からのLINE】
今となっては
すっかり生活の一部だ
ちょっとした事を報告し合ったり
ささやかなトピックを共有したり
元気にやってる様子が伺えて何よりだ
たまにちょっと自粛した方がいいのかなぁ
なんて思って控えてみたりする事もあるけど
程なくお知らせを届けてくれるから
ありがたい事だ
しかし今
またも強風に煽られている
諸々を考えると
前のよりも厄介だ
こちらでさえ色々な感情が渦巻いてしまうから
本人の心中たるや察するに余りある
その現状に出来る事の少なさがもどかしく
その環境を作ってしまった年寄りの1人としては
申し訳なく情けない話だ
しかし成長も著しく
また持ち前の強みもあり
すでに自分の力で解決の糸口を見つけつつあるのだから
ほとほと感心させられる事ばかりだ
さてLINE
その中にどれほどの事を
俺は乗せれるれるだろうか
君からのLINE
あなたから来ることは無い。でも、返事はきちんと返してくれる。
そんなあなたは奥底に埋もれてしまっている。
既読の二文字が付くまで付きまとう恐怖と後悔の念は、いつまで経っても手放せはしない。
大切だったあなたの元を離れ、あなたのいない世界に順応すること一年。
今更、何を送ろう。
君からのLINEは
いつも何テンポも遅れてやってくる
通知音が鳴るのをこんなに待ち遠しく思う
LINEの続きみたいにして
会ったときに自然と会話が生まれていくのも嬉しい
慣れてきた頃につい敬語を忘れてしまうくらい
……なんて、こんなこと起こらない
連絡先も聞けてないんだから
“君からのLINE”でぐるぐると
悶々と頭を悩ませることですら
それらすべては幸せな悩みだと知った
お題:君からのLINE
好きな人からLINEが来ると嬉しい。
でもそれが公式LINEとかだと萎える笑
君からのLINE
あの子がお出かけした。
珍しく、私も連れて行ってくれるらしい。
それにしても、今日のあの子はどこかおかしい。
部屋をとっても綺麗にして、部屋のぬいぐるみたちに1人1人抱きしめていた。
あの子はぬいぐるみを大事にする子だけど、なにかが引っかかる。
考えているうちに駅に着いた。
『切符を買うんだね、どこに行くの?』
「ひまわり、見に行ってみない?」
『いいね!今の季節ならすごく綺麗に咲いてると思う!』
2人で電車に揺られる。
かなり遠くに来たようで、お昼前に家を出たのに、目的地に着いた頃には夕焼け混じりの空になっていた。
『きれいだね。やっぱり私、ひまわり好き!』
私は目を輝かせてひまわりを眺めた。
あの子の一番好きなお花はひまわり。私はあの子が好きなものが好き。私たちは、一心同体だから。
だから、あの子の目も同じように輝いていると思ってた。
青空と赤空が消え、夜空の時間になった。夜とひまわりもいいものだと思っていると、あの子があっと声を上げる。
「終電終わってる。」
『なんで調べなかったのよ!私はソレ使えないから任せてたのに....。』
ごめんね、と謝るあの子からは焦りが見えず、違和感を感じた。
でも、今そんな事気にしてる場合じゃない。とりあえずママにごめんなさいLINEをあの子は送って、私たちは泊まれる場所を探した。
案外近くに漫画喫茶があり、私たちはお店に入った。
「いらっしゃいませ、1名様ですね。ただいまのお時間女性用ブースが空いておりますのでいかがですか?」
「それでお願いします。あと、飲み物。お酒ありますか?無ければ持ち込みしたいんですけど....。」
「持ち込み可能ですし、酒類も取り扱ってますよ。」
店員さんとあの子のやり取りを私は見守っていた。
私たちは2人でお酒を飲みながらパソコンで音楽を聴いたり、アニメや映画を見たりした。あの子は用意周到で、カバンから雪の宿とマシュマロを取り出した。
『雪の宿!マ、マシュニャロ!!』
私たちの一番好きなお菓子。2人でパクパクと頬張りながら、クピクピとお酒を飲んだ。
『そういえば....、なんでお菓子持ってきてたの?』
私たちはお菓子買いには言ってないし、今日泊まることにならなかったら鞄に入れておく必要はなかったはずだ。
「んー、とねぇ。」
お酒に弱いあの子はふにゃふにゃしていた。
「今日、帰るつもり無かったの。もともとねー。」
あの子は私をぎゅっと抱きしめて、胸元に顔を埋めた。
「明日の夜まででいいから、あともう少し一緒にいてよ。その後は、私いなくなったら、ママのとこ帰るんだよ。」
その言葉を最後に、あの子は眠りに落ちてしまった。
私はどうするのがいいのか分からなくて、あの子を抱きしめながら考えた。
ここ最近の寝不足が祟ったのか、起きたら既に夕方前だった。
『おはよ、おそいよぉ!』
私は起きたあの子の頬に猫パンチをお見舞いする。
「おはよ、寝てたの私だけじゃないじゃん!」
あの子はそう言いながら私の頬をぷにぷにする。
「もう1回、ひまわり畑に行こう。もっと奥に進んだら海とひまわりと空のコラボレーション見れるらしいの。」
ゆっくりと退店する用意をするあの子はいつも通りに見える。
『それ、昨日飲みながら言ってたじゃん。私は!そのつもりだったんだよ?誰かさんが寝てたけど。』
「あれ、そうだっけ?」
ごめんごめんと頭をなでるあの子の手が私は大好きだ。
利用料金の支払いも済ませた私たちは、昨日のひまわりを見に行った。
やっぱり夕方もすごくきれいだ。
「あっちの方らしいよ。」
マップを見てあの子は海辺のひまわりの居場所がわかったようだった。
『はやく!いこう!』
案外離れた海辺のひまわりを見つけた頃には星空になっていた。距離の問題もあってか、人一人いない。
きれいだね。と1時間ほど2人で眺めて、たわいのない話をしていた。
「さて、と。」
大きく深呼吸をしたあの子は、カバンを抱えて波打ち際へ近づいた。
『やっぱり、海に入るつもりだったんだ。』
足元にカバンを降ろし、裸足になろうとした。そんなあの子に掛けた言葉にビクッと反応した。
『私を騙せるとでも思ったの?』
「....。」
『私たち、生まれてからずっと一緒にいたんだよ?わならないわけないじゃん。』
私の前にぺたんと座り込んだあの子は、私をカバンから取り出した。
「そう、だよね。でもね、もう、私しんどくて....。」
だから。と言いかけたとき、誰かが砂浜を走る音が聞こえた。
2人で音の主を探して振り返るのと同時に、誰かに上から抱きしめられた。
「大丈夫だからね。」
上の誰かがそう言った。
「だから、家に帰ろ?」
「『ママ?!』」
ママが来てくれた。これで私が心配することはなくなった。
私はすごく安心してしまい、気づいた時には家の机に座ってた。
「ママ、なんで場所とかわかったの?終電逃したってしか言ってなかったじゃん。」
ママとあの子が話し合っている最中だった。
「LINE来たのよ。」
そう言って画面のメッセージをあの子は身を乗り出して見ると、驚いた顔をした。
ーーーー
まま
にゃーです
はやく いえにつれてつて
ひまわりのとこ
うみもあるよ
ーーーー
あの子とママは顔を見合わせて私を見た。
このLINEを信じられない。というように。
そう、私はにゃー。とらねこのぬいぐるみ。
私とあの子は生まれた時から一緒にいたパートナー。
ぬいぐるみがLINEできるなんて、初めて知ったなぁ。
そう思いながら、動けず話せない私はいつものニコリ顔で2人を見た。
君からのLINEを待つ時間は
凄く長く感じてしまうけど
その時間も凄く楽しいんだよ
「君からのLINE」
私は良く、送り間違えてないよね?ね?
とメッセージを何回も確認してます。
君からのLINE
今何しているの?忙しい?
いや、元気にしているならそれでいいんだ
連投しても迷惑になるよね
だから今は待つだけにするね
君からのLINE、いつだって待ってる
毎日が楽しそうで忙しい君は
なかなか既読も付けてくれないけれど
遅くなっても必ず返してくれる
あんまり遅いと心配だけど
ちゃんと信用しているよ、本当だよ
なかなか会えなくて寂しいけれど
君も頑張っているし、僕も応援している
だから今日も
必要以上に気にしないふりしながら
ずっとスマホをいじっているんだ
来ないと分かっているはずなんだ。
でもふとしたときに打ち込んでしまっている。
“会いたい”と。
あわてて消して、追憶に蓋をした。
ある日、スマホが鳴った。
君からのLINEだった。
もう切れたと思っていたから、正直驚いた。
“あいたい”
その四文字が目に飛び込んできた。
そのLINEはすぐに送信取り消しされた。
そして送られてくる、“間違えた”という素っ気ない文字列。
たぶん僕が間違えて送ってしまっても、そうする。
既読がつく前に消すか、ついてしまったら素っ気なく突き放すか。
でも────…、
そのすぐあとに“会いたい”と意識的に送った今日。
─君からのLINE─ #65