『向かい合わせ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
向かい合わせ
僕の正面に座る君
普段は混み合っている通勤通学時間の車内も
この時期は空いていて
毎日見かける君がよく見える
どこの誰かも知らない君
でも僕は君のこと気になっていて
毎日同じ時間同じ車両
君も僕の顔くらい覚えていてくれたらいいな
電車の窓際と窓際
距離は離れていても
向かい合わせの君と僕
君のことを凝視するのが照れくさくて
僕はなかなかスマホから顔を上げられない
君は電車の中で
あんまりスマホを見る方じゃなくて
文庫本を開いているけど
たまに顔を少しだけ上げるの
知ってる
僕のことを見てくれてたらいいな
僕と同じように気にしてくれてたらいいな
そんなことを思うけれど
気恥ずかしくてただ思うだけ
そんな僕達を電車は無常にも
会社の最寄りへ運んでいく
向かい合わせ
あ、ヤベッ。
体育の時間。その日は創作ダンスのテスト。クラス内で各々にチームを組み、皆の前で発表をしていく。
仲の良い五人で組んだ我チームの番。意気揚々とスタンバイした最初の立ち位置の向きを一人間違える。皆が左を向き立つところ、一人右を向く。一対四の並びが出来上がり少しだけ騒つく。
向かい合った四人が笑いを堪える。
いや、雰囲気にのまれるな。定評のある無表情に力を込め、俺間違ってませんけど?感を存分に発揮する。
見事ノーミスで踊りきり高評価を獲得。
「おまッ ふざけんなよ、何でお前の方がいい評価なんだよ」
ツボに入って終始グダグダになってしまった四人。結果、周りは最初の入りも間違っていたのは四人の方だと認識する。
「精神の分厚さが違うんだよ」
「いや、面の皮な」
向かい合わせに座ったのは前に会ったことのある人だった。
夢に見たい人だった。
「向かい合わせ」
手を付けていない課題と向かい合わせ
タイムリミットは日が昇るまで
課題VS自分
課題が勝つか自分が勝つか
「絶対、勝つ!!」
課題と向かい合わせ
課題に手を付ける
向かい合わせ
向かい合わせってなんだか緊張する
だから席も対角線で座ってしまう
人と面と向かって向かい合わせになる時なんて名刺交換か押し相撲の時くらい
その時すら目が合ってるか怪しい
好きな人なら尚更である
向かい合わせ
初めてのデートの日…お昼に入ったカフェで、向かい合って座った…
待ち合わせした公園で、少しだけ向かい合った後は、ずっと並んで歩いていたから…何か、気恥ずかしい様な、ちょっと…
何回目かの恋をして、初めて告白して、想いが通じて…だから、本当は、嬉しくて、抱き締めたい位なのに…改めて、私の向こうにいる、あなた…
テーブルを挟んで、微笑む姿が眩しすぎて、直視出来ない…
向かい合わせ
AM 6時半
気だるさとともに電車へと乗り込む。
眠い目をこすりながら、
いつものように好きなアーティストの曲を
イヤホンで聴いていた。
いつの日か、忘れもしない。
あれは、雨が降っていて、
いつもよりも重いからだでなんとか電車に乗り込んだ日だ。
仕事で失敗して、一日中動き回り、心も体も疲れた次の日だった。
だからだ。
だからこそ。
いつも決まった席に座っている僕。
その目の前に向かい合わせで座ってきた君。
あの時落としたタオルを拾ってくれた君。
あの時からずっと、
君に惚れていたんだなあ。
柔らかな声も、笑うとなくなる細い目も、
綺麗で小さな手も、全て。
向かい合わせ
向かい合わせより、隣り合わせがいい。
向かい合わせで、人と話すると、面と向かうので、目のやり場を考えてしまったりと、何だかそわそわして、キンチョーする。
隣り合わせだと、距離は近いけど、顔を合わすのが、はずかしかったら、顔を反らしてもそんなに違和感ないからいい。
向かい合わせに座る異形に、僕は恐怖心を抱かずには居られなかった。異形、正にそんな男(そもそも性別という概念があるのか…?)と先程から真っ白な部屋で二人きり、見つめ合っている。ここはどこなんだ。僕は確か、逃げて、逃げて、逃げた先で……何が、あったのだろうか、思い出せない。まるで何者かに記憶をさっぱり消されてしまったみたいだ。
「お前は、死んだ」
「は?」
僕は焦って口を抑えた。いくらなんでも「は?」は言い過ぎだったと思う。いや、だが考えてみろ。いきなり変な部屋に拉致されたかと思えば如何にも人ならざる者とにらめっこ、挙句の果てには「お前は死んだ」??これは夢なのか…?
「夢では無い。お前は死んだ」
「本当に、僕は死んだんですか…??」
「死んだ」
何の躊躇いも無く発せられる死亡宣告に、僕は驚きを通り越して引いた。というか誰?ここ何処?
「我は死神、貴様ら人間が死んだ時、魂を無事に黄泉へと導く仕事をしている」
「あ、心読んで答えてくれるんですね…」
「ちなみにここが黄泉に行く前に語り合うルームだ。貴様は生前、人との会話を避けていたようなので連れて来た」
確かに僕は生きている間、人間関係のトラウマが原因で何もかもから逃げてしまうようになった。僕が人と会話だなんて、所詮ビジネス会話ぐらいだった。だから此奴は僕を此処に連れて来て…もしかして僕が言えなかった事を聞く為に?僕を人と会話させる為に?もしそうなら、意外と良い奴なのかもしれない。
「貴様、精神状態もあって常に死と隣り合わせだったが……今や死と向かい合わせだな。ははは、あ、死ってのは死神である我の事な?」
前言撤回、此奴うぜぇわ。
向かい合わせの席で貴方と話してた。
流石ね。私の着いた嘘を直ぐに見破っちゃう。
私、あの時の言葉が今でも頭に残ってるの。「見破られる嘘は美しくない。だけれどね、それでもね、君があまりにも美しい嘘を吐くから、僕はどうしても信じたくなる。」
正直私あの時焦ってた。どう取り繕うか考えてたの。貴方の前ではどんな嘘もついようしないでしょう。
その後貴方なんて言ったか覚えてる?
「嘘をつくことは許されないことでも、美しさに勝てるものは無い。」
驚いた。貴方のことだもの、責めてくると思っていたのよ。私その言葉を聞いた瞬間に貴方が好きになったの。けれどね、これは本当よ。私今他の誰よりも貴方を恨んでる。
好きな人なんていない方が幸せね。
月
を
背
に
さ
あ
踊
り
ま
し
ょ
夜
明
け
ま
で
向かい合わせ_67
君と向かいの席に座って
君の顔をみて
君だけに向けた笑顔で話す。
でも君は
私と向かいの席に座って
少し遠くのあの子を見つけ
遠い目をして話す。
おねがい。
何かの手違いで
あの子に向けるはずだった笑顔を
見せてくれない、?
ここは所謂天国で
白い翼のある彼らは天使。
僕には優しくないけれど。
彼らは心優しくて
地上の人々の心に寄り添って
そして天国へ導く。
僕を異物感を見るような目は変わらないけれど。
彼らは
だーれも差別しない。
ある日僕は背中をおされて
落っことされて
天国より下の
地上よりもっと下の
下の下の
てんごくに。
#むかいあわせ
合掌手中に仏は鎮座する
我と向き合う閑かな盂蘭盆
感じる父母の魂は暖色系
向かい合わせで微笑んでいる
♯向かい合わせ
向かい合わせで座ってるはずなのに、私たちの距離は離れていく。まともに話し合うことすら出来ないまま、心だけ。ごめんね、あぁ、ごめんね。
それしか言えない私は、また下を向いた、
人と向い合せで座ると、どこを見たらいいのかわからない。
テートのとき、一人だけ向かい合わせじゃなく隣に並んで座ってくれる人がいた。
その人とはそれ以上、発展しなかったけど、リラックスして食事と会話を楽しめたのを覚えている。
電車でも向かい合わせだから目線に困る。
窓の外の景色をみるのが好きだけど、正面の人は自分を見ているのではないかと訝しげな目でこちらを見る。
仕方なく結局、目を閉じて寝たふりをしている。
向かい合わせで話すのは大好き
その人と仲良くなれるチャンス
逃げ場はない
ならば前向きに楽しくこの時間を過ごそうとするからね
向かい合わせで終わりを告げるのは嫌い
告げられるのも嫌い
逃げ場がない
二人の間には悲しみと虚しさだけが有る
[向かい合わせ]
向かい合わせ
そんなふうにずっとずっと
食卓を囲みたい
SNSで知り合った人と、勇気を出して会ってみた。
実際はどんな人かわからないまま会うのは怖かった。
何度も通話したり、他の人とのやりとりもチェックしたりしたから、大変なことにはならないとは思うが、待ち合わせは家から離れていて、人通りが多いところを提案した。
実際のその人はイメージしていた以上に和やかな人で安堵する。近くなカフェに入り、ぎこちなく話し始める。チャットではお喋りだった自分に恥ずかしくなった。知り合ったきっかけであるSNSで、最近呟いたことの近況についてや、そもそもお互いのアカウントのどこに惹かれたのかチャット欄を開きながら記憶を辿るように話し出せば、だんだんと言葉が出てきた。
この人の年齢や職業や住んでるところは気になるが、今更聞くのも悪い気がするし、知らせなくとも話せるのがこの関係の良いところでもあるから気が引けた。
しかし別れ際、電車に乗る際に近所に住んでいることがわかり、それを皮切りに趣味以外で、色んなことをお互い聞いた。
駅についたときには「今度はわざわざカフェじゃなくて、近くで話そう」と手を振って別れた。友達みたいだ。
こんなのは、大学前でじゃあここで、駅で寄りたいところあるからここで、とすぐにそそくさ別れて帰る生活をし始めて以来だ。
近くの公民館では安く部屋が借りられるらしく、あの子と向き合うように机を移動させる。
「小学校の班みたい」と君が言っていた。
確かにそうだ。でもあの頃みたいに言われてやったわけでもない。もう大人だから、自分から動かなきゃ誰とも向かい合わせで食事したり、何かを作ったりすることはないのだ。
あの時勇気を出してよかった。そう思いながら私は、隙間を綺麗に埋めるように机を押し出した。
【向かい合わせ】
物事とかは結構向き合わないといけない時が来るよね。
なにかが解決しても、必ず前に立ちはだかる。
それは同じ物事が返ってくるかも知れないし、全く別の物事が突然現れたりするかもしれない。
これは、やめようと思ってもやめられない。やめること自体物事だから。
だから、私は向き合っていたい。できるだけ長く。
目をそらすこともあると思うけど、それでも向き合っていたい。
前を向いていたい。