『向かい合わせ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
個室のソファー
人が居ないベンチ
こっそりと
横並びでしか座ったことがなかった
賑やかなファミレスで
初めて向かい合わせで座った貴方は
何故か別人のように感じた
私と居ない時の貴方を
少しだけ知った気がした
「向かい合わせ」
自分の大嫌いなところ
目の前のあんたが全部見せてくれてるよ
楽々波(さざなみ)。連鶴の一種であるそれは、四羽の鶴がくちばし同士だけで繋がりあっている。連鶴の中では比較的簡単に作ることができるのに、出来上がってしまえば、何か難しいことをしていたように感じる。
わたしは今日も、親友たちと一生仲良くいれることを祈って、またひとつ楽々波を折った。
#向かい合わせ
向かい合わせ
鏡を見ていると後ろに女の子がいた。
振り返っちゃだめ、とつたないしゃべり方で私にいう。
そのこはわたしの双子の妹だった。
幼い頃にアレルギーの卵を保育士に食わされアナフィラキシーショックでなくなった。
その妹は私の鏡に入り込み、向かい合う、この時がいちばんたのしい。
本当に向かい合ってはなしたかった。
向かい合わせ
どうして私達は分かれてしまったのでしょうね。
額を合わせた片割れが痛みを堪えるように言葉を紡ぐ。
どこまでも、どこまでも同じ姿形であるのに。
心の持ちようも、肉に隠れて見えないものまでもが全て。寸分違わず同じであるのに。どうして分かれてしまったのでしょうね。
まるで、そのことが最大の過ちであるかのように。絡めた指を震わせて、罰に怯える罪人のような声で音を紡ぐ。
「──ほんとうに。なぜでしょうね」
同じように震わせた声に、閉ざされていた瞼がひらく。
真っ青な瞳。海を思わせるそれに映るもうひとりを見返して、私は憂いを乗せて囁いた。
「かみさまはいじわるだわ」
あなたといっしょなんてまっぴらよ。
「半月」
あなたはわたしを求め
わたしはあなたを求める
欠けた半月を探し
完全に満ちる
ほんとうは
ひとりで満月にならなくてはならない
とその本は言った
足りない部分は
自ら成長し
自ら補うほかない
完全に満ちたふたりで
あってこそ。
悲しいけれど
わたしもあなたも
今は半月
#向かい合わせ
『向かい合わせ』
私は二人暮らしをしている。
椅子も2つあるし、食器も二個づつある。
私はいつも通り朝ごはんを2人分用意して、向かい合わせに座っている彼の前に置いた。
向かい合わせに座っているのにいつも彼と目が合わない。
話しかけても返事はないし、私のこと嫌いになっちゃったのかな。
私は彼の前に花瓶に入ったワスレナグサを置いた。
ねぇ、私をおいてどこ行っちゃったの、帰ってきてよ。
私は、向かい合わせに座っている透明な彼に必死に話しかけた。
『向こう岸』
気持ちと気持ちが相向かい 対話に対話を重ねて 更に積み重ね ピコピコハンマーで殴り合い わからなくもないけれど それじゃあ何にも生まれないし産みたくないよ 向こう岸のテトラポッドで仲良く釣りでもしませんか?
向かい合わせ
ぼくら、向かいあわせのまま、すれ違って、とおりすぎて、背中合わせになって、はなれてった。
幸せと、不幸せと、向い合せ。
あなたが楽をする時、私はため息をつく。
あなたが泣いている時、私は晴れやかな気になる。
あなたが怒つているとき、私は思わずふふふとわらう。
あなたが喜んでいる時には、私は呆れて首をふつている。
ため息をつきながらも、愛おしいとあなたに尽くす。
涙からあなたの優しさを知り、晴れやかな気になれる。
普段怒らないあなたの、怒りなれない姿に笑ってしまう。
呆れながらも、あなたの無邪気な笑みに私の頬も上がる。
向い合せの言葉は、いつも喧嘩し合つている。
でも、時には惹かれ合い、人の繊細な愛を心を表してくれる。
幸せと、不幸せと、向い合せ。
私達も、きっと向い合せ。
「あ、あの……もしかして、僕の顔に何かついてる?」
立ち寄ったバーガーショップでバーガーを食べていると、夜空ちゃんはゆっくり食べながら僕の顔をじーっと見つめていた。
「ううん。美味しそうに食べてるから、衣舞紀君」
「そ、そう? でも、実際おいしいし……」
向かい合わせで食べると、相手の細かい仕草が目に入って気になっちゃうからあまり好きじゃないけど、観察して気づくこともある。
夜空ちゃんはいつでも同じ表情で食べるのだ。
別に味をあまり感じない、という訳でもないけど、いつもぼうっとして食べる。
今度、好きなものでも聞いてみようかな。
次遊びに行ったらそれを食べに行こう。
そしたら、笑ってるところ見れるかも。
脳筋が頭脳戦をしたところで、結局考えたこと全部空振りして、最終的に脳筋戦になるの、なんでなん。
お題『向かい合わせ』
主様が16歳になられた。
執事たちは皆口々にお祝いの言葉を述べていく。俺もその中のひとりだ。
「主様、お誕生日おめでとうございます。ひとりの人としてすっかり立派にお育ちになられて、俺も嬉しいです。
でもその一方で……もう育児が終わってしまったんだな、と思うと寂しく思う俺もいます。俺の名前を呼びながら一生懸命ハイハイをなさっていたのがつい先日のように……」
あ、だめだ、このままだと泣いてしまう。それを悟られたくなくてレンズを拭くふりをしてモノクルを外せば白いハンカチが差し出された。
「もう、フェネス、おおげさ。それじゃあまるで結婚式のスピーチじゃないの」
すみません、とハンカチを受け取り涙を拭えば、そこには前の主様に瓜二つのお顔がある。
結婚式、という言葉で思い出した。
「あの……よかったら前の主様——お母様のお写真をご覧になりますか?」
主様は目をぱちくりさせている。
「嘘……写真があるだなんて、聞いてない……」
「ええ、今までお話しませんでしたからね」
すぐにご用意します、と言い残して一旦2階の執事室に戻った。棚に眠らせている膨大な日記帳と主様からいただいた絵などの奥に、目的のアルバムが眠っている。
主様がこの屋敷にやってきてすぐの頃に撮った、エスポワールの写真館の宣伝用に撮影したウェディング姿の、前の主様と俺の写真。雰囲気作りのためとはいえ、愛の誓いを立てさせていただいたのも記憶に新しくて頬に血が集まってくる。
「今は感傷に浸ってる場合じゃない」
本来の目的を果たすべく、主様の部屋に向かった。
アルバムを広げた主様はしばらく無言で見入っていた。
「おかあさん……」
そう呟くと、堰を切ったように涙を流し始めた。俺がハンカチを差し出せば、目元をゴシゴシ拭い、ついでに鼻をかんでいる。
「やだ、大袈裟なのは私の方だわ。ごめんね、フェネスとお母さん。私、今猛烈に嬉しさと嫉妬でぐちゃぐちゃになってるの」
「嫉妬、ですか?」
「そうよ、嫉妬よ。私より先にフェネスとウェディングドレス着て幸せそうに笑ってるのがこの上なく悔しいの! でも……」
主様の人差し指が、前の主様の輪郭をやさしく撫でた。
「お母さん、ちゃんと幸せだったのね。……よかった」
後ろを振り返った。
向かい合わせになる、、顔がどんどん熱っていくのがわかった。自分でもわかるくらい。
なぜなら、そこには君がいたから。
理科の授業だけは向かい合わせの好きな人。
大好きすぎて、ひとつひとつの行動が可愛すぎる。
昨日から学校始まったんだけど、好きな人が髪切ってて、バチくそ可愛くなっててもう気絶寸前w
シャーペン貸して、欲しいって言ってくれたからシャーペン貸したら、いつも机の上に置かれてるか、お辞儀だけだったのに、昨日は俺のこと探してまで「シャーペンありがとう」って言ってくれたの。マジ可愛すぎかよ。昨日は「バイバイ」って言ってくれたし、最高だった。友達居ない俺からすると、学校行く意味よくわからないから、毎回好きな人に会うために学校行ってる。夏休みは夏休みで満喫してたけどね。
席替えで右斜め前だったの!最高すぎかて。
先生神。でもさ、なんか可愛くもない女の子が3人でよく固まってて俺のこと「邪魔」とか言ってくるからこの3人組嫌いなんだけど、俺の好きな人とずっと一方的だけど喋ってるしさ、授業中はうるせぇしさ、でも今日トイレに溜まってたら怒られてたからざまぁみろw
とか思ってたw他の子に好きな人バレたし、まぁ取られる心配ないけどね。学校が楽しいわけじゃ無いけど俺を学校に連れてきてくれてありがとう。
もう本当に大好き、愛してます。
この気持ちに気づいて欲しいです。
うちは田舎の方なので
電車はローカル
関西からの払い下げ
向かいあわせタイプの席がまだある
この席割と気まずい
他人と膝が着くくらいのポジション
なかなか息が詰まる思いです
でもその席に座って
海岸線をずっと眺めると
変わらない海に癒されます
子供の頃から眺めていた景色
乗れば行先への希望が湧いてくる
そんなローカル鉄道が
わたしは好きです
向かい合わせ
正面より横顔が可愛い
半分こしやすい
くっつきやすい
同じ景色が見える
だから、向かい合わせより隣がいい
向かい合わせ。 自 |向かい合わせ。
向かい合わせ。 家 |向かい合わせ。
向かい合わせ。 他 |向かい合わせ。
息が詰まる。結局。
何がしたいのか自分でも分からない。
もう、何も分からない。
いや、分かりたくもないね笑。
自| もう、辞めたいね。
家| 安心?不安心?
他| ???。
向かい合わせ
久しぶりだね…こうして向かい合うなんて…あの頃は、向かい合うのが当たり前で、たまに間が開くと、何か落ち着かないくらいだったね…それが今、こうして向かい合うと、ドキドキと言うか、ソワソワと言うか…以前とは違う、この感情…
向かい合わせ
祝福の音が鳴り響く中、向かい合わせに立つ二人はとても幸せそうな笑みを浮かべる。
互いを愛しそうに見つめ合い、想い合って、永遠を誓うキスをした。
歓声があがり、拍手が鳴り響く中、二人はやっぱり笑った。少しだけ瞳を潤ませ、照れくさそうにする二人に、なぜだかこちらまで感極まってしまって。
どうか、二人の最後がめでたし、めでたしで終わりますように。
そんな、らしくないことを思った。