『半袖』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
“半袖”
私はもう十年以上半袖は着ていなかった
なぜなら、私の腕には
大きな火傷の跡が残っているから
私が半袖を着なくなったのは
小学生の時プールの時間に
ある一人の男の子が私の腕を見て
”わっ!お前の腕エイリアンみたい“
と笑いながら言われた
そんな一言から私は半袖を
一切着れなくなった
人を好きになっても
人に告白されても
ずっと自分の心に蓋をして
今まで一人で生きてきた
毎年一つ歳を重ねる度に思う事がある
“今年は半袖を着よう”
”ありのままの自分でいよう“と
そして毎年
袖の通されないままの
半袖のシャツが
クロゼットの引出しに
しまわれていく
30歳になった今日
今までの臆病な自分と
さよならする為に
一番華やかな花柄の半袖のシャツに
袖を通して
玄関の扉を開けよう
“さよなら、今までの自分”!
失敗した、と私は思った。
日中はあれほど暑かったのに、
夜になると嘘のように冷え込んできてしまった。
いや、全く予想してなかったわけではない。
天気予報も確認はしていたが、
まさかここまで体感温度が違うとは思わなかったのだ。
半袖に一枚、薄めのカーディガンを羽織っただけでは
まだまだ心許ない気温に、思わず身を縮こめる。
温かいミルクティーが飲みたい。
そう思って覗き込んだ自販機には無情にも
「つめた〜い」の文字しか並んでいない。
そうだよな、もう5月も下旬だもんな。
とにもかくにも、早く帰ろう。
それでミルクティーを入れて、タバコを吸おう。
隣の旦那をみれば、長袖のカッターシャツ一枚である。
寒くないんかお前。
お題:半袖
半袖では、少し肌寒い日になった。
心も、一人だから寒い
誰かと、繋がりたい
さてさて、今日はどの服を着て行こうか。
最高気温が二十六度で、最低気温が十六度?
ええ~。昼と夜で十度も差があるの?
悩ましいなあ。最近の一日で夏と冬が一度に来るような気温差はどうにかならないものか。
毎日服装に迷って仕方がない。
と言っても、元は人間が原因の異常気象なのだから、我々の自業自得なんですけれどね。
それはさておき、本当に何を着ようかしら。
二十五度を超えるなら、やっぱりここは半袖のブラウスか。
帰りが夜の九時は過ぎる予定だから、そちらに合わせるならば薄い長袖でも良いところ。
けれども、近頃は職場のエアコンの調子もまた当てにならないしなあ。
うーん。ここは昼間の快適さを優先して半袖かな?
上から白衣も着ることだしね、そうしよう。
一応帰りの気温に合わせてカーディガンも持って行くとするか。
荷物が増えるけど、少しの重みくらい我慢だ我慢。
健康第一。風邪でも引いたら面倒だもの。
温度調整出来るようにしないとね。
よし、これで今日の服装も完成だな。
時間も頃合いだし、そろそろ仕事へ出かけるとしよう。
外へ出れば、昨日の悪天候が嘘のような晴れ模様。
うん。やっぱり半袖で正解だ。
日差しもギラリ。暑い一日になりそうだ。
それではいよいよ、行ってきます!
(2024/05/28 title:037 半袖)
花が咲けば季節を思う
窓を開ければ服が決まる
外を歩いて答え合わせをしても
建物に入ると感覚は消えていく
半袖だけで出かけることは
もうなくなってしまった
帰って真っ先に
冷凍庫に頭を突っ込んだ夏の感覚は
どれほど尖っていたんだろう
嫌なものを見た。
目を逸らしたいのに逸らせなくて
考えたくないのに考えてしまう。
こんなのあんまりじゃないか。
じわりじわりと視界が歪んでいくのを
私は必死に我慢したけれどそれでも
あふれでていくそれはどうしようもなく。
なんとか抗おうとぬぐってみたが
吸い込んでくれる袖はなく
ただただ濡れていくだけの腕は
なんの助けにもならなかった。
「半袖」
最近は気温も高くなり半袖で外出する人も多い。
「半袖か。もう夏だなぁ。」
街を縦横無尽に縫って歩く人群を眺めながら、
気だるそうな声で女は言った。
「これさえなければなぁ。」
そう言った女の腕には無数の傷跡が咲いていた。
女の腕を見れば誰でも眉をひそめる事は明らかだった。不必要に視線を集めたくはない。
自身に咲いた傷跡を愛おしそうに眺めながら、女は逃げ惑う人々の様子を思い出していた。
「ふふ、次はどうしてやろうか。」
夏は厄介な季節だ
暑いから半袖を着る
半袖を着るから肌が露出する
肌が露出するから蚊に刺される
蚊に刺されるからとってもかゆい
ああかゆいかゆい
さて、今年はどうしたものか…
半袖
半袖を着る人が増えるこの時期になると思い出す。
学生時代、夏服を着た君の腕。
特に好みと言う訳ではなかったとは思うのだけど、何故か見つめてしまっていた。
当時の教室の香りや窓から差し込む光の記憶まで同時に蘇っては一瞬で消えて行く。
今年の夏も暑そうだ。
虫つかぬ マリーゴルド ナメクジが
健常 あと20年 このままで
犬も服を着る今の時代だから未来の人型ロボットも夏は半袖とか着るのだろうか SF映画で薄着のアンドロイドを見た記憶は一度もないがロボットに季節感を与えるのも人に近づく良い方法に思える
一番ロボットから遠い言い換えれば人間らしい服装はなんだろう やはりフォーマルよりカジュアルだろうか タンクトップにステテコを着たアンドロイドとか良い線だと思う
麦わら帽子とかも味が出る 冠婚葬祭にいなさそうな格好が良さそうだ 靴はなんだろう クロックス 便所サンダル辺りが妥当そうだ もはやとことんダサくすることが人間らしい気がしてきた
待てよ もしかしたら夏に現れるダサい人達はわざと人間に擬態する為にそうしているアンドロイドなのでは?流行を追えない人間ではなく本当は最先端のロボットなのでは?実は何かのプロジェクトが既に動き始めているのでは?
いややっぱりその線はやめとこう 僕もアンドロイドになる
まだ
暑かったり
肌寒かったり。
衣服の調整が
難しい。
今日は
その服
暑いよねー
と思って
着替えさせようとしても
―――イヤイヤ!
〇〇の服がいい!!
ですよねー。
お気に入りの
いつものやつ。
仕方なく
いつもの長袖にして
袖をまくっておく。
見てるほうが
暑いんだけど、、
早く
そのこだわりが
無くなるか
半袖の時期が
終わるか。
どっちかな?
#半袖
そろそろ半袖を出す季節か
朝すれ違う 高校生たちの半袖シャツをみて
帰ったらひっぱりださなきゃなぁと考えて
結局忘れてる
そんな事を繰り返す日々
だって仕事終わりは帰ることに必死だし
帰ったらくたくたの身体を休めることに必死なのだ
大人は毎日必死なのよ
学生も毎日大変だよね
皆さまお疲れ様です
「半袖」
「あぁ、そういえば
今日から衣替えだっけ」
「そうだね、たぶん」
君との会話から始まる1日
僕はこの時が1番好きだ。
理由を問われたとしたら
きっと答えられないけど。
だけど僕はこの時間が
どんな事よりも大好きだ。
上手く説明は出来ないけど。
「暑いね、今日」
「ほんとだね、信じられない位に」
最近は季節の変わり目だからか
蒸し暑い日が続いている
熱中症になってはいけないと
今年はいつもより早めに
衣替えをする事になったらしい。
めんどくさい。と呟く君を横目に
僕は、眠っていた半袖に袖を通した。
「早くしないと遅刻になっちゃう」
「ゆっくりし過ぎたね、急ごっか」
もうすぐ夏が始まる。
文章投稿アプリに表示された『半袖』というお題に、もうさすがに七分袖から半袖にする時季なのかなぁと思ったので、今日から半袖にします。
『半袖』と君が言ったから今日は半袖記念日。
『半袖』
「半袖」(一行詩)
半袖に切り替えて飼い犬を洗う明朝かな
◆
赤と緑のストライプ柄の半袖に昼飯は冷やし中華
◆
半袖一枚に悩む初夏の虫
―追記―
ポロシャツに大門字サングラスの初夏よ
覚醒
君の言葉が僕を目覚めさせた
君の言葉が僕を奮い起たせたんだ
僕は勇気を得た
神様は知っているだろうか?
僕は地獄の日々の中に楽園を見つけたことを
そしてそこでノートの切れ端に愛の言葉を綴っていたことを
すべてが心地よい
すべてが新しく、爽やかだ
僕は風の中で、朝日を浴びて立っている
工事現場のそばのアパート
子供たちのはしゃぎ声が聞こえる校庭
水平線の彼方にぽつんと見える貨物船
すべてが心地よい
すべてが新しく、爽やかだ
僕は抗鬱薬が全身の血管に行き渡るのを感じる
学生の頃...夏になったと同時に夏服が届き
みんな一斉に着替えるあの時の感じ、風景、何もかもが
懐かしい
まだ5月というのに日差しは夏そのものだ
「そう言えば、5月が一番紫外線が強いのよね」
と響子は慌てて日除けのサンバイザーを被った
まだ朝の早い時間だったが、洗濯物を干す額にはうっすらと汗も滲み始めた
そんな日でも響子は半袖を着ない
物心ついた時から半袖の服を持たなかった
響子の左腕には肘から手首にかけて、長いこと共に生きてきた自分でさえ目を背けたくなるような醜いケロイドがあった
それは響子が幼い頃に、母親の不注意で負った火傷の痕だった
響子の母親は子供には全く興味の無い人間だった
どんな時も自分が最優先、友人との長電話に興じたり、テレビに夢中になっている間に響子が怪我を負うことは日常茶飯事だった
だから、虐待を疑われたことも一度や二度では無かった
そんな母親の態度が、体に負った数々の傷よりも深く鮮明に響子の心に傷みを刻み続けた
そんな響子が半袖を身に付けないのは当然のことにも思われたが、醜い腕を晒したくないという思い以上に、頑なに半袖を着ないことで自分の負った体と心の傷の深さを母親に見せつけ続ける思いの方が圧倒的だった
そんな母がこの春先、呆気なく世を去った
その傷についての謝罪や母としての思いはついに一度も聞くことはないままで…
ところが不思議なことに、長年響子の心に執拗に付きまとっていた母への怨念に近いような憎しみは、母の体の存在の喪失とともに潮が退くように消えていた
母もまた私に負わせていた傷の数々に苦しんでいたのではなかったのか、とその時初めて気がついた
だからこそ、あえてその話には触れず、むしろ触れることが出来なかったのではなかったのかと
今までは憎しみのあまり母の気持ちなど考えようともしなかった…
この夏はほぼ半世紀ぶりに半袖の洋服を買おう
そして、その姿で母の墓参りに行こうと響子は初夏のような日差しを感じながら、久しぶりに爽やかな風が心に吹いていることを感じた
『半袖』
半袖を着る季節がもうすぐだね。
君は夏が好きかい?
僕は好きだ。
僕は暑いのは苦手だが
好きなものが多くあるんだ。
風鈴の音に
蝉の声
氷が解けてカランと音が鳴る音
他にも夏を感じたり涼しい音が欲しくなる季節が
好きだ。
暑いのは勘弁して欲しいけどね。
─────『半袖』