『力を込めて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私は書くことが好きだ。
絵を描く、文を書く、話を書く、何でも好きだ。
そんな私は描き続けてここまでやってきた。
きっと日本という括りでも私という人物を知っている人は本当に数少ないだろう。
だがそれでもいい、ただ私が書いたものを見て、読んで、素敵だと思ってくれる人がいるなら。
一瞬目に止まるだけでもいい、思い出されなくてもいいからその人の人生にチラッと写りたい。
そんなことを思って力を込めてここに書く。
小さい頃、私は服に降ってきた雪の結晶を眺めるのが好きだった。結晶は徐々に形が崩れていって水滴を結び、やがてじんわりと服に吸い込まれて消えてしまう。あの全く力の込められていないような一連の変化に妙な爽快感を感じて、心を惹きつけられた。
『力を込めて』
力を込めて殴ってやったんだ!
元の形が分からなくなるまで殴ってやったんだ!
だって君が悪かったから。
僕を怒らせた君が悪かったから
だから殺意を持って君を殴った。
悪かったとは思ってるよ。
そんなに殴るつもりはなかったんだ。本当さ
でも一度込めたら中々消えなくて
殺意はきっと愛を含んでいて
それが心地良かったんだ。
それでもね、
僕は別に君を傷つけたかったわけではないし
君に嫌われたかったわけでもない。
信じられないかもしれないけれど、
君のことを愛しているんだ。本当に
込めた力は愛なんだ。
受け取ってくれてありがとう
大好きだよ。
どんなに辛いことがあっても、何度消えたいって思っても、この心臓は動いてる。
今日もまた朝が来る。
大丈夫。夜は必ず明けるんだよ。
進む足に力を込め今日も自分になりに生きるのみ。
『力を込めて』
差し出された優しい手。
触れてもないけど、多分、温かい手。
戸惑いと恐怖と恥ずかしさとで、
力強く指で塞いで断った。
ただ構ってくれる事に、甘えていたいだけ。
消費期限があるとも知らずに。
力を込めて
「俺の力込めといた。」
ぶっきらぼうに言い放ち、俺は少しぬるくなったスポーツドリンクを差し出した。
その子は同じ学校で同学年だが、クラスは一度も一緒になった事がなかった。部活の時間に顔を合わせるくらい。更に思春期真っ盛りの俺たちは、女子と必要最低限しか会話をしなかったので、正直彼女とはあまり話した事もなかった。
ただ、知っているのは、走る事が好きなんだろうなって事だけ。
ひたすら前を見据えて走る姿は、俺の目にはいつも輝いて見えていた。
中学最後の大会。
この3年間の集大成を表す最後の100メートル。
決勝まで進んだ彼女の背中には、予選で敗退した俺なんかには分からないほどの重圧が乗っているんだろう。
ひたすらにトラックを見つめている彼女を何となく眺めていたら、その身体が震えているのに気がついた。
いつもならそこで終わっていたが、その日は何となく声をかけてみようと思った。
「緊張してんの?」
彼女は突然の問いかけにびくりと肩を震わして、こちらを向いた。こんなにしっかりと目が合うのは、初めてかもしれない。
「山田君か…びっくりした。」
「驚かせてごめん。なんか緊張してんのかと思って。」
「そりゃ緊張しまくりだよ〜!最後なんだから。」
彼女はいまだに震える手を俺に見せると、ほら、と笑って見せた。
「カッコ悪いよね。今までこんなのなった事なかったのに…」
少し泣きそうな声で呟く彼女を励ましたくて、咄嗟に持っていたスポーツドリンクを差し出した。
「俺の力込めといた。」
「へ?」
「お、俺の力込めといたから、これで緊張なんて吹っ飛ぶはず!」
今思えば我ながら恥ずかしい。
けれど、この時は目の前の彼女をどうにか勇気付けようと必死だった。
「だって俺この3年間緊張したことねぇし!」
決め台詞を言った所で、限界に達したのは彼女だった。
「ぷっ、あははは!」
「な、なんだよ!」
「うんん、ごめん、面白くてっ」
中3男子の健気な心遣いを笑うなんてとも思ったが、そんな事より、彼女の笑顔に釘付けになった。
走っている姿と同じ、いや、それ以上に輝いて見えたからだ。
「…、そんだけ笑えりゃ大丈夫だろ。」
「うん、ありがとね!」
ちょうどそのタイミングで、女子100メートル決勝の選手を招集する放送が流れた。
彼女は受け取ったドリンクを大事そうに抱えると、軽やかな足取りで俺の横を通り過ぎた。
「あ、ねぇ、山田君!」
少し離れた場所で振り返って俺の名前を呼ぶと、彼女は先程のドリンクを掲げて、悪戯っぽく笑う。
「飲みかけ、いいの?」
思春期真っ盛りの男子に対して酷いからかいだ。
俺は急激に顔が赤くなるのを感じた。
「う、うるせぇバカ!!早く行けよ!!」
小学生並みの語彙力で対抗する俺を、彼女はもう一度おかしそうに笑うと、そのまま今度は振り返らずにトラックへとかけていった。
ーーーーー
ーーー
ーー
「そんな事もあったよね。」
「俺は知らんそんなの。捏造すんな。」
「え、ひどーい。私たちの大切な出会いなのに…」
真っ白のドレスに身を包んだ彼女が、頬を膨らませて睨んできた。
「準備できたか?俺は先に行くぞ。」
「もう!どーぞお先にっ!」
「あ、」
「?」
「忘れてた。これ、俺の力込めといたから。やるよ。」
あの頃と同じドリンクをポンと投げ渡した。
「!!」
見事キャッチした彼女は、みるみるうちに目を潤ませる。
「なに?」
「……っ、飲みかけ、いいの?」
あの時と同じ問いかけ。少し胸の奥が熱くなるのを感じた。
「うるせぇバカ。…早く来い」
今回もうまく返せなかった。
けど、それでも君は、あのキラキラとした笑顔で、俺の手を力強く握った。
END.
❒wing「力を込めて」
良いことをすると自分に返ってくると
子供の頃両親によく聞かされた
子供の頃は両親の言う事を真に受けて
どんな時でも人に優しく接していた
だけど中学に進学した頃にはいつの間にか
「優しく」と言う言葉に疑問を持ち始めた
人に優しくするとはなんだろう?
嫌なことをされてもその人を許す事なのだろうか?
それだったら僕は優しくしたくない
だって誰しも喧嘩や嫌なこと嫌いな人苦手な人が居る
それが普通だから…
優しくは別に嫌いな言葉ではないけれど
それじゃ僕はずっと人に優しく接しないと親には
優しくない人として見られるのではないのかと
不安になる…とそう思っていた
だって…
僕はヒーローみたいに全員を救える力はないし
沢山の人に注目される人でもない
もっと力があれば…とかたまに思ったりするけど
だけど結局今のままで良いことを思い知らされる
だって物語ヒーローは必ずしも
「幸せ」じゃない
物語ヒーロー「主役」はからなず力の代わりに悲劇が
起こる自分では耐えられないくらいの「悲劇」
そんなの僕には無理だ
だけどそんなヒーローをみて自分も少しでいいから
人に優しく接して
今あるこの時間を大切にしなきゃな~
と何時も思ってしまう
人一人一人に何かしらはあるけど
確かに嫌ってしまったり
苦手になってしまうけど
それでも僕はその人に優しく接してあげようと思う
だってきっと
「それが僕の中にある優しさだと思うから」
そうやって今日も胸に手を当て力を込めて意気込む
「今日はね、背中から翼が生えてきたんだよ」
彼女は何の邪気も含まぬ顔でそう言った。
浜辺の白い光が彼女の体を包み込み、本当に天使になったんじゃないかと錯覚させる。きっと彼女は何も嘘偽りなく僕を愛していたんだろう。
異形症なんてものがこの世になければ僕たちはとっくに幸せに慣れていたはずだった。
心臓が炎で包まれた僕と、体から万物が生えてくる彼女。昨日までは枯れた枝が生えていた。
この街でのみ発現した、謎の病。人工的なものなのか、はたまた本当に突然変異なのか。真相を知ってるはずの父と母はどこかへ消えてしまった。
その中でも病状が深刻だったのが僕と彼女だった。世間が僕らを蔑み、逃げ場を失って辿り着いたこの浜辺で、僕たちは出会った。
もう数え切れないほど君と沢山遊んだ
でもこれからは増えることは無い
最後のお別れ
僕は涙を流しながら君の手を強く握った
「またねっ!」
もう会えないとわかっているのに心の中では
また会えることを願ってる
君との最後僕はどんな顔をしてたかな
考えてみれば難しかった。
缶の開け方も戸の閉め方も。
自分が持ってる最大限の力を込めても。
人との付き合い方もそうだ。
相手が考えてることにも気づけず気づかず自分が言いたいことだけ言って話を聞かない聞けない。
よく間違えるしよくケガするし。
考えてみればヒントはあったのに生きづらいのは病気が原因だったんだって小さい頃から人よりできないことが多くてイライラしてたし不甲斐なかった。でも理由が分かって安心した。
治療薬はないけれど、自分を責める事を辞めれた。何もかも病気のせいだって責任転換できる。それだけでも大丈夫だ。
この先も悩みは絶えないしイライラすることもあるだろう。それでも理由が必ずあってそれが見つかるまで生きておこう。これが私が見つけた治療薬。
私は昔から握力が無い。
例えばペットボトルを開けようとして、
キャップに力を込めて思いっきり捻ったとする。
………びくともしない。
こんな経験を何度もしてきた。
だから当然、体力テストでの握力の値も
クラスの中でもドベかブービーが定位置であった。
と言うか、握力計が想定している手の大きさより
私の手のほうが明らかに小さいので、
握力計がジャストフィットした試しがない。
そのため、握力計に全力を注ぎ込めたことがない。
理不尽である。
それはともかく、冒頭の話を踏まえれば
どちらにしろ握力が無いのは疑いようがない。
今はキャップに輪ゴムを巻きつけて
摩擦力を上げることでなんとか開封にこぎつけている。
しかし、もっと歳をとったらどうなるのだろうか。
そう思うと、今のうちに握力ボールで
トレーニングしておくべきなのかもしれない。
力を込めて背いっぱい叫ぶ。
暗闇に包まれた洞窟を裸足で走りながら精一杯に叫ぶ、暗闇の出口がない。
街もないし、ここがどこなのかさえわからない。
行末知らず走り続ける。
力を込めすぎた拳から赤いものが垂れた。
力を込めて
力を入れてミスをする
力を抜いて遅くなる
果たしてどちらがいいのだろう
深呼吸をして
扉の前へ立つ
大丈夫大丈夫
浮いてはいない
事前に下調べはしたんだし
そう 自分に言い聞かせて
ずっと来てみたかった
この喫茶店
寡黙な店主は 優しいらしく
珈琲とサンドイッチが
美味しいらしい
大丈夫 大丈夫
初見でも
もう一度 息を深く吸って
吐いたと同時に
ドアノブを握り
扉を開いた
【力を込めて】
涙なく泣いているあなたの
その両手を私の両手でそっと
そっと力を込めて包んだ
駅の入口で
街を見回す
多くの人々が
行き来してる
今日は寒くて
雪が舞い始めた
人混みに紛れて
ホームに向かう
もうすぐクリスマス
街も華やかになる
もうすぐ電車が
出発する
私は電車の入口で
ホームを見回した
来るはずのない
貴方を探して
「力を込めて」
私は筆圧が強い
絵を描くこともあり小学生の時には既に利き手の中指に大きなタコができていた
というか今だにある。最近はペンを執る事も減ったのに一向になくなる気配はない
僕は、拳にぐっと力を込めて思い切り叫んだ
「ふざけるのも大概にしろ!!!」
彼が何をしたいのか僕は理解ができなかった。
彼がこの界隈から目を覚ますにはこの方法しかないと思った。
だから、右頬に1発かましてやった。
「力を込めて」
私は力を込めて刃を振るった。
私達は国を守るため戦争をする決意をした。
だが、敵軍には私の好きな人がいた。
どうしよう、私はあの人を殺めることは出来ない。
と思い誰かが殺めるのを待った。
でも、私と好きな人は最後まで残った、
2人で見つめ合った、殺さなければならない。
その時好きな人は言った、
「いいよ。でもこれだけは言わせて、好きだよ。」
私は泣きながら、君に思いを伝え
力を込めて刃を振った。
力を込めて、伝えてみて。
何度も何度も、縁のある人はいつか
必ず受け取ってくれるから。