『刹那』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
朝焼けの色濃く燃ゆる紅は
時の狭間で揺れた愛の色
『刹那』
爽やかな気持ちでフェンスを乗り越え、向こう側から屋上をみた。空を見上げた。空は青い。深呼吸をして後ろに倒れた。近づいてるはずなのに確実に遠くなる空。全力で中指を立てた刹那、意識が消えた。
お題 刹那
あの頃好きだった彼は
今どこで生きているのだろう
彼との想い出は刹那の時の中で
何度も別れ話をしたけれど
あなたに逢えて良かった
あなたに逢えた偶然が奇跡だから
目を開けると、いつもの場所なのになぜか毎回「ちがうよな、これ」という気持ちになる。自分の服は変わらず、外に見える光景も同じなのに。
なあ、と空に声をかけると「はい」と女の声が聞こえた。静かに襖が開いて女が頭を下げて入ってきた。
いつも起きたあとに世話をするのは少年のはずだったのに。お前誰、と聞くと「わたしは127代目の『世話係』です」と返事が来た。
「……前にいたのは、何代目?」
「記録によれば、完全に覚醒されたのは68代目だったようです。寝言を聞いたものはほかにもおりますが」
今回の眠りはだいぶ深かったらしい。おれが会いたかった男は転生したのか、と聞くと「まだでございます」と言われた。
初代世話係となった男は短命だというのにおれに一生を幸せにすると言った。最初の方はおれも馬鹿だったので彼のことを突っぱねてしまったのだった。彼と一緒にいることが楽しい、と気づいた瞬間には彼はもう人間で言うところの中年期とかいうやつで、彼の残りの人生はおれにはあまりにも一瞬で時間が過ぎるのはとてもはやかった。
彼はまたおれに会いに来ると言った。子孫たちにあなたを世話させる、と。おれにはそんなものいらなかった。ただ彼と一緒にいたかった。本当は彼の番になって彼のことをすべてもらっていきたかったけれど、彼には人間の女の妻がいて、おれは割って入れば彼にもう会えないだろうと思った。
妻になった女はおれの世話係をすると言ったが、おれは悲しくて悲しくてとてもじゃないがこの女の顔を見ていられないと眠りについた。次に起きた時、世話係だと名乗る子どもがいた。初代の彼のやしゃ孫という少年はほんの少し彼の面影があった。
おれは起きたほんのつかの間に彼らの面倒を見た。人間はすぐに死ぬのでおれにとっては刹那のようなものだったが、彼らとの時間はそれなりに楽しかった。その時に出会った世話係が亡くなると悲しくってまたどうしようもなくなって寝ることにしていた。
そうやって続けていたら、とうとう127代目になったらしい。初代の彼はまだおれに会いにこない。
「なあ、おれは彼に会えると思うか」
女の世話係は初めてで、動揺していた。思わず漏れた言葉に「いや、」と否定しようとして女がじっとこちらを見ていることに気がつき何も言えなくなった。
「眠っておられるあいだ、初代と思われるような方がいらっしゃいました」
「は」
「ですが、彼は眠るあなた様を見て『起こすのはしのびない』と笑っておられました」
あなたが起きる前、つい昨日、墓に骨を埋めてまいりました。
それから何をしたのかよくは覚えていない。ただ気づいたら墓場にいた。墓をのぞけば幾多もの人の骨がある。自分は今度はそこで眠ることにした。今度こそ、手放さないと思った。
まばたきの数だけ
私の知らない世界が
そこに広がっていた。
まばたきの間にあいつは
俺の額に優しいキスを落として羽ばたいていった。
「刹那」
刹那輝き流れた星
願い事なんてできなかった
目を奪われた…
そう…あなたのように
目を奪われたんだ…
楽しい時、幸せな時ほど、
刹那に過ぎる。
悲しまなくていい。
残念に思わなくていい。
必ず、また別の、刹那の時がやってくる。
#刹那
息を飲む。
知人がいた。
私の知らない人と寄り添いながら信号を待っている。
実はこの人のことを知っている。
風の噂と言っていいのだろうか。
友人のリツイートで、ウエディングドレス姿の知人の写真が回ってきた。タキシードを着て寄り添う男性とともに。
顔はスタンプで隠されていたけど、私にはわかる。小さい頃から何年も隣にいたのは私だから。
あぁ。まだ同じ町に住んでいたんだ。
もう話すことはないからせめて後ろ姿を。そう視線を前に向けたが、もうそこには2人の姿はなかった。
信号は青になっていた。
#刹那
一瞬を感じるなら──
苦いより
甘い方がいい
悲しいより
嬉しい方がいい
切ないより
楽しくて
苦しいより
穏やかで
重いより
軽やかで
辛いより
幸せな方がいい
同じ一瞬、自分で選ぶんだ──!
(2023.04.28/刹那)
瞬き、 一瞬。
目があって、 一瞬。
声かけひとつ、 一瞬。
花が散って、 一瞬。
花火上がって、 一瞬。
名前も知らない貴方に、 一瞬。
心も 時も 奪われた。
すれ違って、 一瞬。
さよならして、 一瞬。
もう会わない、一瞬は
一生続く、 刹那。
–刹那–
「刹那」は「永遠」
だって 今もまた 「刹那」が幾重にも繋がって
「今」を形作っている
「今」が連なって
「永遠」を彩る
だけど どうして
「刹那」と聞くと
物悲しく感じるのだろうね
「今」も「永遠」も 悲しくなんかないのにね
僕が煙草を咥えると
君はいつも
外で吸って
と言ったね
その通りに僕は君のそばで一度も吸わなかった
僕がお酒を飲むと
君はいつも
すぐ酔うんだから飲まなきゃいいのに
と言ったね
でもお酒は辞められなかった
ごめんね
僕が疲れていると
君はいつも
頑張りすぎなんだよ。私を見習ってもうちょっとサボれば?
と言ったね
君のことを考えたら僕はスーパーマンになれるのさ
僕が還暦を迎えた頃
君は何故か
僕を置いて逝ってしまったね
君には42年間迷惑しかかけていないと思う
最期にもうひとつ迷惑をかけさせて
いつか会いに行くから、あと何年か待っててくれるかい?
貴方は言った「来世でも夫婦になりたいね」とだが叶わなかった 私は分かる。この人は前の主人ではないと そんな
都合のいい話は無いか、、、残念 そこに1匹の虫
何故かしみじみして逃がしてあげた またね
瞬きの間に、人間の生は終わる。つまり、オレとおまえの結び付きも、すぐにほどけてしまうもの。
永遠が欲しい。おまえを、永遠に呪っていたい。
オレは、愛してるが、いつまでも言えないままでいる。
「おまえのこと、祟ってる」
そんな風に嘯くばかりで、オレは愛を紡げない。
オレたちを結び付けているものは、赤い糸ではないのかもしれないな。重たい鎖か、禍々しい髪の毛の束か、はたまた冷たくて痛みを伴う氷か。
オレは、祟りだ。厄災だ。例え死んでも、おまえを想う。
飛び出してからは一瞬だった、これが『刹那』と言われるものだと思った。
嫌いなことも、怖いものも、最初の一歩はすごく踏み出すことを躊躇する。
バンジージャンプのようなアトラクションも、受験や会議のような場面も、注射や手術のような治療も、謝罪や報告のようなことも。
行うまではハラハラで怖くて逃げ出したくて。
でも、いざやってしまうと、それは一瞬の出来事で過ぎ去ってしまう。
もう終わってしまった、という呆気なさと達成感。または、やってしまった、という罪悪感と虚無感。
どちらに転ぶかは内容次第だが、一瞬その瞬間、刹那、決まってしまう。
真剣を振りかざしたその刹那、などと時代小説ではよく聞くが、それと比べたら時間的には長いものの、長々と悩み苦しんでいた時間と比べると、最初の一歩を踏み出したあとは、刹那のように感じるのではないだろうか。
【刹那】
刹那に生きる人だと思っていたのに
まさかこんなに過去に囚われ
未来を怯えているとは知らなかった
君と居る時は楽しい
ありのままの自分でいられる
僕はどれだけ君に救われただろう…
でも、今君はここにいない…
楽しい時間は刹那に過ぎて行くのに
苦痛な時間は永遠に続く…
刹那と聞くと厨二が好きそうな言葉で、
刹那主義を貫く己なイメージしかない。
、、、このように言葉のイメージを
固定するのは私の良くないところだ。
すぐ毒に走ろうとしてしまう。
刹那に生きることは悪いことではない。
むしろその瞬間があったから
未来が開けることのほうが多い。
我々は瞬間を生きている。
瞬間が繋がり未来へと続く。
へとへとに疲れない程度で
今この瞬間を全力込めて生きていきたい。
テーマ「刹那」
アッこれ刹那だ。
思った刹那、その刹那は
とっくの昔にどこかに
去って行ってしまうのだから
本当に寂しい存在だねぇ刹那。
⚪︎刹那