『冬のはじまり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ふゆのはじまり
寒い 時期に突入したと思えばあたたかく
こんなふゆのはじまりは今までなかったと思う
薄氷に手を添えて、浅い水たまりの中を覗く。
私の体温で溶けていく氷と、冷たい水の塊に温度を奪われていく指先。じわじわと手の形に溶けていって、静かに水底に沈むのをじっとみていた。
もう誰も、私の行動を諌めてくれる人はみんな、いなくなってしまった。
一緒にいると煩わしいのに、いなくても心をぐちゃぐちゃにかき乱して煩わせるなんて。勝手な人たちだ。
じんじんと痛む手を水底から引き抜く。たった1分も経たない間にすっかり冷えきって感覚が鈍っている。
ゆっくりと握ったり開いたりして動きを確かめ、今度は少し力をいれて握り込む。
――かしゃん
薄っぺらな氷が小さな音を立てて割れ、浅く溜まった水が飛び散る。まだ完全には明けきらない冬の朝日を反射してきらきらと光るのはきれいだ。その後は地面に落ちて吸い込まれていく儚い宝石のようだった。
こんな私にも朝がくるのだろうか。
一生、明けてほしくない夜があってもいいじゃないか。
思い出になって風化していくなんて許せない。
「…寂しい」
【題:冬のはじまり】
ふゆのはじまり
「お嬢様、襟巻きをどうぞ。体を冷やすといけませんので」
「寒くないので大丈夫ですわ」
「お嬢様、脚の防寒具をどうぞ、足の冷えは大敵ですので」
「寒くないので大丈夫ですわ」
「お嬢様、衣類に貼るホッカイロをどうぞ」
「いりませんってば」
石蕗さんとお嬢、朝の攻防である。
俺は全部装備したけどお嬢本当強いな。寒さに。
女子ってなんであんな寒さに強いんだ。
「石蕗がつければいいじゃないですか!」
「お嬢様、私は既に装備済みでございますので」
「じゃあ倍つけててください!私は寒くないので!」
「万が一ということもあります」
「本当に寒くないんですって」
「いいじゃんつけとけば」
「熱いんですのよ!!」
「おしゃれとかじゃないんだ」
側からみると寒そうですらあるが、お嬢は本当に寒くないと言う。
熱でもあるのか。既に風邪引いてるんじゃないのか。
「尾上君、考えが全て口から出ていますわよ」
「馬鹿は風邪引いてる事に気が付かないってこう言うことか…」
「どつきます」
「もうどついてる!!事後報告じゃん!」
「どつきました」
「健康ですね、何よりですお嬢様」
「俺への拳で健康診断すんのやめてくれない!?」
拳の衰えは無し。まぁお嬢俺相手に全力どつきまわしとかしないけど。した日には死ぬ。体が100に弾け飛んでしぬと思う。
「タイツとカーディガンで十分です」
「じゃあ俺にブレザーちょうだい、2枚着てくわ」
「流石にダサいですわよ隣歩きたくないので却下です」
「というか知らない方が見たら女子からブレザー剥ぎ取って羽織ってるようにしか見えませんからやめた方が」
「なんだよ2人して!!寒いのは寒いの!」
「筋肉に見放された少年……」
「脂肪すらつかない…」
「前よりはついとるわ!!みるかァ!?」
「見てるだけで寒いですやめてください」
「遅刻しますよお二方」
「元はと言えば石蕗が厚着させようとしたからですけど!?」
「俺帰ってきたらコート変えよ…明日は中にもこもこしたやつ着る…」
「12月までは防寒具つけない宣言してたのに…」
「気温1度でつけなきゃ流石に死ぬ」
「臨機応変に対応できて偉いですね」
「なんか腹立つ…」
「褒めてますのに…」
お嬢はタイツとカーディガンとブレザーの組み合わせが好きなので着ているが本当はカーディガンもいらないくらいである
タイツは完全に趣味
冬のはじまり(来たるクリスマスに浮かれてる)
外の空気がだんだん冷たくなってきた。
落葉樹の葉っぱが地面に落ちて、風に吹かれてころころと転がっている。
暗くなるのが早くなってきた。
色鮮やかなイルミネーションや、赤と白がトレードマークのみんな大好きサンタクロースをあちらこちらで見かけるようになってきた。
以上、思いつく限りの、
「「冬がやってくる」」
「言われなくてもわかる」
後輩は今日も季節に塩対応!!
「クリスマス楽しみじゃねーのかよ」
「別にはしゃぐ歳じゃないし」
「あたしたちより碌に祝ってない奴がなーに言ってんだか! あんたまだまだガキンチョでしょ!」
「それ言ったら、1歳違いのあんたたちだってガキンチョじゃないの?」
「「そうだよ」」
「いつもは子供扱いされると怒るくせに……」
そんなに呆れなくてもよくない? あんな賑やかなイルミネーション見たら、テンション上がるでしょうが。
超余談だけど、欧州は日本よりも暗い時間がずっと長いから、陰鬱になりそうな気分と雰囲気を吹き飛ばすためにクリスマスを全力で楽しむよ! オレンジ飾ったりとか、ちょっとずつ切り分けて食べるシュトーレンとかいろいろなお菓子を家で用意して、あとはホットワインとかあれば最高! あ、ちゃんとアルコールは飛ばして飲んでるよ! まだ未成年だからね、私たち。
「ちなみに、ふたりとも、サンタクロースって信じてるの?」
「なに言ってんだよお前。サンタはいるに決まってんだろ」
「サンタは小さいおっさんよりも昔から信じられてる妖精だから」
「え、宗教?」
「そうだよ。聖ニコラウスが起源だからね」
「オレが言ったのそういう意味じゃなかったんだけど。……あれ、待って。ふたりともさ、実家は日本の神様を祀ってるんだよね? なのにクリスマス祝うの?」
「「そうだよ」」
舐めたらあかんよ、うちの祖国の闇鍋宗教観を。八百万も神様がいるんだぞ? そりゃあ、いまさら新しい神様が増えたって誰も気にしないのよ。サンタクロースは神様じゃないけどね。
まあ、でも、日本のクリスマスって、「祝う」っていうより「はしゃいでる」のほうが正しい気がしなくもないけどね。
(いつもの3人シリーズ)
お題「冬の始まり」(雑記・途中投稿)
もうすぐ十一月も終わるからね。
でも冬の始まりはやっぱり雪が欲しい!
韓国でもう記録的な大雪ですってよ羨ましい。
ちょっとその雪日本に分けて。びわ湖バレイとか久々に行きたい。
そのニュースで紹介されていたのが、元国家代表(アジア大会とか世界大会とかか?)のスキー代表で現体育教師って人が、一時間半掛けてスキーで通勤って話。
平地を滑るスケーティング技術がめっちゃ必要そうだけど、上り坂はなかったんだろうかと疑問。
冬のはじまり
吸いこんだ澄んだ空気が
冬のはじまりを教えてくれる
あ、そっか
もうホットコーヒーかな
冬のはじまり。
冬のはじまりは
今年が終わりに
近づいてく。
冬のはじまりは
お引越しがあるから
本当に
大変。
『冬のはじまり』
季節の変わり目はかぜをひきやすい。毎年のようにこの時期は多くの人が体調を崩す。今年も例に漏れず、学園に通う学生の多くが今月に入って何人もかぜでダウンしていた。
「千夏ちゃんが体調を崩すなんて、珍しいこともあるんだね。」
「だね。1番身体強そうなのに。」
「私はじめ、紗菜ちゃんに聞いた時一瞬冗談かなと思ったもん。」
「あぁ……。まぁ紗菜ならそういう冗談言いそうっていうのもあるしね。私もちょっと疑っちゃった。」
「いや私だって体調の一つや二つ崩すよ。おんなじ人間なんだからさ。」
そして、今日は体調を崩した千夏のお見舞いに2人で来ているのであった。
「あと普通に寒さ耐性ないから。冬のはじまりとか体調崩しやすいんだよ。」
「なるほどねぇ。まぁ早く体調治してね。なんやかんや紗菜も日向も寂しがってるから。」
「蘭ちゃんも態度に出さないようにはしてるみたいだけど、寂しいオーラダダ漏れだもんね。」
「まじ?体調治ったらすぐいじりに行こ。」
「さすがにやめてあげて……。蘭がかわいそう。」
「あんまり長居してもだし、私たちはとりあえずお暇するね。ゆっくり休んでね。」
「うん。ありがと。すぐにでも治して蘭いじりに行くから安心して。」
「ほどほどにね。じゃあ千夏またね。」
そう言って冬のはじまりの寒空の下に2人は乗り出す。早くその背中に追いつけるように、いまできることはただ休むことだけだから。
暖かい手と
冷たい雨
涙のようなソレは
地面にじんわりと溶けていく
が
すぐそこまで来ている
オリオン座が
東の方にある
太陽が
早くに沈んでしまう
冬のはじまりは
貴方とのさよならの時間
その速さで
気づく
冬のはじまりを告げる冷たい雨
冬があまり好きではないので
気持ちが落ち込んでいく
出かけるにも積雪のせいで普段の2倍以上時間がかかる
雪かきをしなければ出かけることも出来ない
スキー場など、雪を必要としている所にだけ降って欲しい
春。
同じクラスになった人に一目惚れして告白した。
普通に振られた。
その代わり、友達になった。
私の春は終わった。
夏。
部活の先輩に告白した。
が、彼女がいると言われた。
春に告白した友達に慰められた。
私の夏は終わった。
秋。
出会いがなくて落ち込んでいた。
誰にも興味が湧かなかった。
花を咲かせていた恋バナも、季節の移ろいとともに枯れていった。
そのまま、私の秋は過ぎていった。
そして冬。
春に告白した人に告白された。
会話の中に混ぜられた、さらりとした告白だった。
驚いて、考えて、悩んだ。
その末、私は付き合ってみることにした。
なんだかぎこちないけれど、穏やかな空気。
冬はまだ、はじまったばかりだ。
【冬のはじまり】
#冬のはじまり
乾燥 ヒビ割れ ささくれ
あぁ 冬がきたねって身をもって知る
冷たくて乾きがちな冬風に打たれながら
かじかんで縮こまりながら
それでも綺麗でいたいから
ましてやインフルもコロナも御免だから
食べて動いてよく寝ます
冬のはじまり
冬って、いつからからなのか。季節の上では、12月から2月とされている。しかし、ここ最近は年中が冬のように感じられる。一年中、ニュースや新聞で物価の上昇が報じられている。むしろ、何も値段が変わっていない商品を探す方が難しいくらいだ。そして、今年は一年のはじまりというおめでたい日に石川を大震災がおそった。その後も、石川県では災害が起こりやっとの思いで復興の道を歩む県民に絶望をもたらした。暦の上では、12月は明日からとされている。しかし、物価高、「能登半島地震」や「令和6年能登半島豪雨」のせいで今年はもう冬が始まっているように思えてならない。
冬のはじまり
腹が立つなと、そう思う。
必要な事だから聞いたのに、とも思う。
わたし、まだ、何も知らないのよ、と全力で主張したい。
やだな、と思いながら起きる朝が、
寒くて起きられないに変わった時、
もう冬なんだなと、そう思う。
ローソンやセブンで肉まんやあん饅
オデンが売られると冬の始まりを感じる。
私は人見知りだ。クラスに馴染むのに、友達だと自信を持って言えるようになるまで半年以上かかる。だから、学校楽しみだな、明日はあの子とあの話をしよう、とか思い始めたら冬の始まり。せっかく仲良くなったのにもうお別れか。もう今年が終わるのか。寂しさ、上手に生きられない自分への落胆、未来への不安、それに反する期待。冬は私の頭の中が忙しい季節。
冬のはじまり
寒いです。
私の主人は毎日働く格好して出ていく。
だが、行く先は、、、?
何十年も飽きもせず繰り返している。
凄いなと思って見ている。
暑い日も寒い日もそうでない日も仕事着を纏って出ていく。
乙です。
end
自分の冬の始まりは、とにかく肌の乾燥から。
手のひらと手の甲が白くカサつき、ひび割れる(泣)。
唇や目なんかも秋頃から乾燥するが、この手のカサつきだけは、春が来るまで治らない。
ただし、冬にしか反応しないこのハンド、ある意味天気予報より正確だと思っている。
桜の開花には標本木というのがあるが、自分のこれも冬の始まりを決定する標本木ならぬ標本手にならないかな。
誰得かは知らんけど。
冬のはじまり、
こたつにみかん、
ベタたけど、
きらいじゃないよ。
朝の澄み切った空気、
熱いココアをすするの、
布団にもぐりこむ
猫のぬくもり、
あー、冬だね。
冬のはじまり
いつの間にか。
境目が夕焼けと夜がにじんでいるかのように
曖昧で
はじまりは、まるで黄昏
緩やかに訪れているが確実に進んでいる。
ゆるやかな毒のように
気が付かない間にその時は来ている