『冬のはじまり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
[冬のはじまり]#02
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日が少し顔を出した頃の朝
道に落ちていた小枝を拾って
人差し指と中指で挟む
『ふぅー…』
柔らかく息を吐き出すと
冷たい空気へ白い煙が口から出てくる
『…たばこみたい』
"冬のはじまり"は
少し大人になった気分になれるのです
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(ランドセルを背負ってた時の私より)
〜冬のはじまり〜
前よりよく目が合う
日に日に美しいと感じる
横目で見てくる横顔も
少し目にかかる前髪も
まるで冬の月のように 僕に光を与えてくれる
「ああ、今年も冬が来たんだな」
冬の始まり
寒くて
乾燥してて
晴れ間もあまりなくて
気温が10度以下で
そんな感じ
寒いよね
、
部屋に石油ストーブの匂いがある
冬の始まりだ
2024/11/29『冬の始まり』
#冬のはじまり
隠していた言葉が
白い息になり
あなたの空から舞い落ちて
私のキモチに触れてくれたら
いいなぁ
冷えた指先そっと
あなたの手で包んで欲しい
そんなこと願ってしまう
冬のはじまり
雪が降る頃には同じ歩幅で並ぶ
足跡を見てみたい
凍てつく夜の中で
隠れてた白い言葉が溢れて
あなたの全てを埋め尽くしてしまいたい
冬のはじまり
雷雨、波浪、霰
それからしばらくして雪
毛布から布団へ
布団と毛布になって
それに追加で電気毛布
順番があるから
いきなり冬は来ない
はじまりは徐々に確実が迫る
いきなりに見えるなら何かを見逃してるはず
【冬のはじまり】
去年の冬失恋した。
あの人が好きだったの。
大好きだった。愛してた。
なのに、やっぱり、
想いは届かないものです。
冬が好きだったのに、
冬が嫌いになりました。
丁度このくらいの冬のはじまりの時期。
あの日のことを思い出すだけで、
また涙が溢れてくる。
私は、あなたに抱きしめてもらいたかった。
落ち葉は赤や黄色に色づき
始めて
風はすっかり冷たくなって朝起きるのが
辛く感じる、
あぁ、もうすぐ
そこまで冬が来てるんだな…
あの人と別れてから迎える2度目の冬
冬のはじまり/夜凪
今日は三者懇談があった。冬がはじまったというより、受験がはじまった感じがする。あまり悪い話はされなかった。いい話もされなかった。
受験は春にあるけれど、本格的にはじまったと思えるのは冬。まあ、もうかなり追い込まなきゃいけないからなあ。この3年間で習ったことを完璧にマスターしたとは言い難い。でも、仕上げはこれから。頑張らなければと思う自分もいれば、その裏でまあ、いけるっしょと楽観視している自分もいる。そういうところは気を引き締めなければなと自分を戒める。
11月中に今の参考書を終わらせて、12月に学校のワーク。1月からは過去問。よし、冬の計画は立った。
さあ、冬のはじまりだ。
あなたのその優しい目が好きです。
あなたのその柔らかい声が好きです。
あなたのその手が好きです。
あなたが、好きです。
告げた言葉は夏に置き去りなのに。
私の想いは引き摺られている。
諦めなんてつくはずがない。
つくはずなかったんだ。
春の温かさ程ではないけれど、今もなお残る暖かさは。
来年まで大事に持っておく。そう、決めていたのに。
時が経つにつれ失われていく温度。
色鮮やかに見えた世界から、失われていく色。
紅葉の木には葉がなくて。
流石に気づいてしまった。
あぁ、これが冬のはじまりなんだな。と。
冬のはじまりは
いつも喉に少しの痛みを感じて
温かい飲み物が欲しくなる
最近は友人が勧めてくれた
とうもろこしのお茶にハマっていて
お湯を沸かす時間
ティーポットに入れて色が変わるのを待つ時間
本を読むのが日課になっている
小さな幸せが積み重なって
気づけば11月も終わるんだね
大好きだったよ
それは少し嘘
11月末はいつも苦手
だけど幸せは確かにあって
もう12月がくるのだと不意に泣きそうになった
「冬のはじまり」とかけまして
「島の集まり」と解きます。
その心はどちらも「初冬/諸島」です。
『冬のはじまり』#98
冬のはじまりを予感させる冷たい風が吹いた。
息が白く凍って、そのまま静かに空気と混じる。
寒いねって笑う君がやけに愛おしくて、好きだよ、なんて呟いた声すらも甘やかに凍ってしまいそうだった。
はじめて君と感じた冬のはじまりはいつもより少し暖かいような気がして、他の季節も君と巡るのが楽しみになった。
寒いですね。
わりと雪降る地方なんですけど寒がりすぎて着ぐるみパジャマに毛布にエアコンにストーブ使ってます。好きな着ぐるみはセイウチです。
みなさんも風邪にはお気をつけください。
※冬のはじまり
富士山の積雪。
なんというか季節の変わり目となる目印が
当てにならなくなってしまっているので
とりあえず設置した先が、富士山の積雪。
【冬のはじまり】
冬のはじまりはいつも曖昧な気がする。いつの間にか秋が終わって、気付いたら冷え込みが半端なくなり、着るものも厚着を増す。
今日の天気予報だって、夜には雪が降るとか告げている。
今からでも遅くはないのでこれ以上寒くならないで下さい。切に!
「冬のはじまり」
雪積もったよ! あの時みたいに一緒に雪だるま作ろー!約束ね!
「狂気の山脈」
テーマ「終わらせないで」
ショートショート ホラーファンタジー
「こちらの方が温まりますよ」
私は無我夢中でペンを走らせていた、暖を取ることなどどうでも良いと感じるほどに。
「どうも」
私は指し示された位置へ移動した。そこにも机はある、言われてみればたしかに寒かった。
私はことの始まりから、こと細かに自分が見たことを手紙にしなくてはならない。そして、伝えなくてはならない。次の研究活動の計画を中止する必要性を根拠を持って説明しなくてはならない。未知なるものの研究は非常に重要なことなのは分かっている。だが、どうしてガーヴァがこの狂った峰々で行方不明になったのか私は知っている。他の仲間も知ったようだが、私のいる避難所を見回しても仲間たちの姿はない。無事に帰ってこれたのは私だけなのだろうか。
この山脈は甘くない場所だった、特に今日は荒れていたから、不思議ではないのかもしれない。あの未知の存在から逃げ切れただけましなのだろう。
私はペンを進めた。何があったのか忘れてしまわないうちに、気がどうにかなる前に紙に残したい。世界中の研究者に向けて。
•••手紙•••
目の前が見えなかったし早く戻らないと、と思った。もうガーヴァが見つかる気がしなかった。ただただ吹雪の荒れる雪山に狂気のオーラを感じ続けていた。私は捜索のことなど考えられないほどに嵐に翻弄されていた。だが、問題は嵐だけでもない。古代の不可思議な生物がどこにいるのかわからないこと、いつ襲われてもおかしくないことだ。おそらく、ガーヴァは中身を取られたのだろう。ガーヴァの内側はキャンプで発見されたが、不思議なことに外側は無かった。奇妙な形状をした切先の鋭いものでガーヴァは開かれたようだ。おそらく、あの腕のようなものの先端を使ったのだろう。
私たちが研究対象として見ていたものは、私たちを上回る存在だったのだ。あれをネクロノミコンに登場する古代の生き物、旧支配者と呼ぶことにした。
旧支配者は最初、私たち研究チームによって凍結された状態で発見された。発見場所はこの山脈の地層のはるか深く。未だ発見されたことのない大きな空洞のある地層で旧支配者は保存されていた。私たちは近くの石灰岩によってカルシウムが骨や硬組織に取り込まれ結晶化したのだろうと思い、貴重な研究サンプルとしてキャンプに持ち帰ることにしたのだ。
だが、キャンプに持ち帰るやいなや、私たちを乗せるソリを引く役目を担う犬達の様子がおかしくなったのだ。
吠え続け、騒がしく動き回り、檻から逃げようとする犬が出始めた。私たちはそれを、嵐の予兆だと思った。だが、今になって違かったのではないかと思う。
私たち研究チームは研究サンプルを山の麓のキャンプ場に持ち帰った後、それぞれ持ち場のキャンプへ戻ることになった。
冬のはじまり
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.11.30 藍
冬のはじまり
冬のはじまりは結露である。うちのマンションは窓だけでなく、壁も濡れてカビが生える。
拭いても拭いても効果はなく、壁紙の下に生えるから、どうしようもできない。
そして私は、結露に悩まされるのが嫌で、エコカラットにした。
そうしたら、効果覿面。結露なんか全くなくなった。
やっぱりお金さえあれば何とかなるもんだ。ボーナス飛んだけど、、涙
ーテレテテテテ、テレテテテ
無意識に手を伸ばし、音の方向を向くこともなく、スマホの画面を適当に押す。
喧しい音は一旦は収まるが、再びやかましくなった。もう一度止めようと試みたが、
もう学校行く時間よーと、母の声が聞こえたので、仕方なく、居心地の良いものを手放した。
「寒い」
寒気に堪えつつ、制服に着替える。
ふと、目に入るゴミ箱には、くしゃくしゃになった十二月という紙があった。
なんだか眼元にじりじりという感覚がやってきたので、洗面所で必死になって顔を洗った。頬から落ちる水滴が、目元の腫れを洗いながし、少しマシな顔になった。
ついでに床にそのままにしておいたルージュをとって、元の場所に戻した。
いつも忙しいのに今日は朝ご飯を作ってくれたみたいだ。母は、いつものスーツに着替え、そろそろ出かけるというところだった。
「おはよう、昨日よりは落ち着いた?」
「また何かあれば、お母さんに言ってちょうだい。私はあなたの味方だから」
「うん大丈夫、ありがとう」
母は靴を履いたところで、思い出したかのように振り返り、一言付け加えた。
「次はきっと良い出会いがあると思うわ」
幼稚園児にでもかけるような優しい声、
ほんの少しだけ、胸にあった重いものがとれたような気がした。
「じゃあ、いってきます」
「いってらっしゃい」
机の上の目玉焼きとご飯を黙々と食べ、
昨日こっぴどく振られたことを思い出す。
私というものがありながら、別の女を作った男。
本当に、ありえないくらい好きだったけど、今思えば、何が良かったのかわからない。
強引なところ?優しいところ?スポーツ抜群なところ?全部そう見えているだけで、
よくよく考えれば、他の人と大差ない。
優しさなんて、うわべだけで、いつも私は彼に従っていたような気がする。
まだもやっとする。
再びアラームが鳴り響く。
もう学校に行かないと。
「いってきます」
誰もいないけれど、まるで強がるみたいに声を張って、私は走った。
吹く風はとても冷たくて、だけど陽射しはさしていた。
『冬のはじまり』