『冬のはじまり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題 ☞ 冬のはじまり
通学路に、大きな公園があるんです。
大きなといっても、あんまり人足の多い場所ではないんですがね。
原っぱが中央にどーんとあって、周りに2人がけのベンチがいくつかと、ちょっと錆びたちっぽけな遊具がぽつぽつとある感じ。
外側が木々に囲われてる上に住宅街の端にあるんで、夕方になっちゃうと人さらいでも出るんじゃないかって思っちゃう。
でも、この寂れた感じがほんとにいいんですよ。
春。入り口から入ってすぐ左に、この公園唯一の桜の木があるんです。とんでもなく年寄りな木で、結構な量の根っこが地面から出てます。お陰で椅子代わりに座ると、結構いいお花見場になるんですよ。時々イモムシが降ってきますが、そこはご愛嬌ってことで。
夏。この公園、緑だけは本当に多いから、真夏日でも結構涼しいんです。特に、木陰にあるブランコで遊ぶと一際風を感じられて、それはもう最高です。クーラーなんていらないってくらい。まあ、時々後ろの木の枝に突っ込みますけど。
秋。紅葉や欅なんかの木が本領を発揮してきます。清掃の頻度が少ないんだか、よく落ち葉が積もりっぱなしになってますけど、栞の材料に困らないです。銀杏爆弾も、塩で炒って美味しく食べられるので結構気に入ってます。
そしてなにより、冬。さっきから木の話ばかりしてましたが、中央は平地なので雪がとっても綺麗に積もります。大して誰も利用しない公園なので、初めの頃に作った雪だるまが雪解けが始まるまで残ってる、なんてことがよくあるんです。なんというか、公園全体が私だけの庭になった気がして、充足感に満たされる感じがするんですよね。
近ごろは冬でも雪があんまり降らなくなってしまいましたが、今年はどうなんでしょうか。気温はもうだいぶ下がってきていますけどね。
暫くはただ寒いのも我慢して、年百年中一緒にいてくれる、私の大切な友人の変化を見守っていくつもりです。
冬の始まり
白い街の風景、
クリスマスで賑わう街中、
肌寒くなる冷気
この冬らしい風景や気温が
私にとってはなんだか
冬の訪れを感じれて好きなんだよなぁ
冷たい風が私を押してくる
追い詰められて
苦しくなって
自分の温もりに頼ろうとしても
もう冷めていた
より所を無くした私は
きっともう冷めきっていた
より所が
温かさが
心に染みる
もう
苦しく感じてしまうのだから
冬のはじまり
君がいなくなって一年が経った。
冬だ。
冷たい風に吹かれながら、私はひとり家路を辿る。
冬の始まりは冷たさだと思う。頬や足等の肌から伝わって来るそれは、私に暖かさを求めさせる。
朝起きて、口の中が渇いてると、冬が始まったと思う。
押し入れから、コートを出すのもそうだ。
布団が出るのも、億劫になる冬は、早く終われと思うが、花粉が控えている。
自分に魔法が使えたら、
気温が完璧な秋の日を300日にしたい。
残りを春夏冬で、三等分にすれば、
日本は、平和になる。
生きて会おうねと小突き合い手をつなぐ花温かく光るまで午後
『冬のはじまり』
思わず身震いした。
「ううっ、寒っ」
家を出て、最初に吐き出したため息が白かったから、沈んでいた気持ちが少しだけ浄化された気がした。
冬のはじまりは、いつも透き通った尊さと澄んだ空気を連れてやってくる。
"冬のはじまり"
「う〜寒っ…」
食材の買い出しから帰って、台所の流し台に買ってきた物を置き、自身の手を見る。
指先は赤く、氷のように冷たい。指の関節も、何かに制限されているかのように軋んで動かしづらい。
暖かな息をかけながら、少しでも指がスムーズに動かせるように両手を擦り合わせる。
「う〜…」
ふと、窓の外を見る。白い綿が灰色の曇り空からフワフワと舞い降りている。
「あ…」
初雪だ。
──俺が中に入った時に降り始めたんか?
一旦台所を出て、台所よりも大きな窓がある処置室に行き、窓に近付いて外を見上げる。
雪が舞い踊りながら降ってくる様子はとても幻想的だった。
──まるで、スノードームの中にいるみたい。
ほう、と息を吐く。そして時間を忘れてしばらく、窓の外に見蕩れていた。
「……っ、駄目だ駄目だ。早く買ってきた物仕舞わなきゃ」
頭を振り、いそいそと台所に戻った。その頃にはもう指先は十分に暖まり、関節も思い通りに動かせるようになっていた。
君が「彼女できたんだ」って
嬉しそうに報告してくれた時期が
もう一度やってきた
君のことは
恋愛としてじゃなくて
友人としての好きだけど
周りからは理解されないから
彼女ができてからは疎遠になった
久々に君からきたラインに浮ついて
わざとハートの絵文字送ってごめんね
次の彼女はさ、
女友達に会える彼女にしてよ
【冬のはじまり】
#冬のはじまり
通学路を歩く帰り道、
隣で歩くあなたとの距離が少しだけ近くなる。
「ん?どうした?」
「んー、ちょっと寒かったから…」
「そっか」
照れ隠しで誤魔化したけれど、きっとあなたは
手を繋ぎたい私に気付いている。
だって私の右手はあたたかくなったから。
春の終わりに付き合い出した私達。
夏は恥ずかしくて、誤魔化す事もできなくて、
あなたと手を繋ぎたいって言えなかった。
優しい彼は先に手を繋いでくれたけれど、
私から言いたかったから。
それでも恥ずかしくて誤魔化してしまう私だけれど、
やっぱりあなたは優しかった。
寒い日が増えてきたから、寒さに誤魔化して
あなたと距離が近づいてもいいよね?
あ、お揃いのマフラーも付けたいんだ。
それから、クリスマスに一緒に過ごしたいの。
冬はまだはじまったばかりだけれど、
あなたとしたい事がたくさんあるの。
誤魔化さずに伝えられるように頑張るから、
冬の終わりまで…
ううん、来年の冬もそのまた来年も
私の隣で歩いていてほしいな。
うだるほどの暑さから早く開放されたいなどと安価なアイスをかじりながら考えていた今年の夏。だのに、季節はあっという間に過ぎ去り、寒さが押し寄せれば逆にあの暑ささえ恋しくなってしまうのだから不思議だ。
だからといって、ここで早く春よ来い、と宣ってしまえばそれは何だか季節に翻弄されているようでくやしい。
どうせなら楽しんでしまわなければ。幸いにも冬を楽しむ先人の知恵があるのだから。
2023.11.29『冬のはじまり』
【124,お題:冬のはじまり】
朝起きた時に、布団から全く出れなかったこと
すぐに手が凍えて、動かしにくくなること
やけに温かい飲み物や、食べ物が食べたくなること
夜、星を見に行った時
フッと長く息を吐いて、それが白く広がるのを見たこと
あぁ、そっか
「もう冬かぁ...」
冬のはじまり
あぁ〜やってもた(-_-;)
ホットカーペットの上でうたた寝zzz
肌も喉もカッピカピ
木枯らしとか、空気の冷たさとか。
そんなことを言えたら、本当はいいのかもしれないけれど。
私にとって”冬のはじまり”は。
期間限定のジャンクフードだったりする。
冬のはじまり
息が白くなる
手がかじかむ
厚着のコートを羽織り
手袋をはめる
めんどくさい時期
だけど嬉しい時期
だってあなたと一緒に居られるのだから
お題『冬のはじまり』
冬の始まりは朝チャリ通をすると手が真っ赤になって感覚がなくなり始めた時です。
お題を見て、J-POPの歌詞を思い出すことがけっこうある
冬のはじまりと言えば、ずばりマッキーの「冬がはじまるよ」
幸せそうなカップルを歌った曲は、率直に言ってうらやましいw
あーあ、今年もまた孤独な冬がやって来る…
【冬のはじまり】
寒さの匂いがする。
そう言っても、誰も信じてくれない。シズクは目を閉じて鼻をひくつかせた。ついこの間まで、後輩のレイくんに誘われてファッションショーに参加し、忙しくしていたのが嘘みたいだ。初めて、誰かの依頼でイラストを描き、キャッチコピーを書いた。シズクがデザインしたポスターが何枚も校内の至る所に貼られた。
一つ年下の、男の子だか女の子だか分からない後輩。ただそう思っていたのに、彼の内側にあんな情熱が秘められていたとは驚きだった。
あの、妥協を許さない目。言葉はキツくなかったが、いつでもピリリとした緊張感が漂っていた。
思わず背筋をしゃんと伸ばし、指先を空中に漂わせた。
空気が冷たい。あの張り詰めた空気は、冬の空気に似ている。
「何してるの?」
穏やかな低い声に振り向くと、そこにシュンが立っていた。ベンチに座っているシズクを覆い隠すような影ができている。
「あ、特に何も。寒くなってきたな、と思って」
ほんの少し、シズクの声がうわずった。
シュンが来た途端、気温が1℃くらい上がったんじゃないだろうか。
(さすがにそんなわけないか)
シズクは立ち上がってシュンに微笑みかけた。女子生徒の中では長身な方のシズクでも、シュンと並ぶと小柄に見える。
「じゃ、行こっか」
シュンがさっと右手を差し出した。シズクも手を出してそれをにぎる。
じんわりと、胸に暖かいものが広がる。
冬が、はじまる。
消えていく
あんなに鳴いていたのに
あんなに飛び跳ねていたのに
まるで家に帰るように
備えて、じっとまっている
あの匂いもあの音も美しい白がさらっていった。
あぁ、冬がはじまる
#冬のはじまり