『入道雲』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夏を連想するなー。
いつでも続いてほしいと思った夏休み。
夏休み中なんか自分が学生ってことを忘れてさえいた。
夏休みが永遠に続くと錯覚してしまう。
気づいたら学校まであと1週間もなくて去年と何ら変わらない夏休みだったなーって名残惜しくも振り返る。
今年の夏休みこそは超充実した夏休みにしてやる。
首を洗って待ってろ入道雲!!
「何があるのかな?」
そう言って目を輝かせる彼女。彼女の後ろには、入道雲があった。
「見て!でっかい雲!」
彼女は、宝物を見つけたような笑顔で言った。
「あれは入道雲って言う、雷雲だよ。」
僕が言うと、彼女は不満そうにに口を尖らせた。
「君は本当に、雲が好きなんだね。」
「うん!だって雲の中に何があるのかなって考えると楽しくなるもん!」
こんなくだらない話が、ずっと続くと思っていた。続いて欲しかったのに。
「起きてよ。」
彼女は何も言わない。その事がより僕を絶望に陥れた。
「お願いだから、笑ってよ。」
出てきた声は、弱々しかった。何で彼女が事故に遭ってしまったのだろうか。僕は神を恨んだ。そして何も出来なかった自分を呪った。もういっその事、死んでしまおう。
屋上に来た。フェンスを越えた。あと一歩で君に会える。空は惨めな僕への当てつけのように、晴れていた。
「でっかい雲。」
雨が降るのだろう。空には入道雲が鎮座していた。
「君が雲の中に居たって、探し出すよ。」
僕の意志が、入道雲に、雨に消されぬように。
《入道雲》
地表の薄青から頂に行くに連れ瑠璃へと色濃くなる空。
その瑠璃へと届かんばかりに背を伸ばす真っ白な入道雲。
そんな光景は遠くに在りて思うもの。
今日は休暇がてら見晴らしのよい広場のある郊外へ遊びに来ていた。
ところが風に煽られこちらに向かった入道雲が降らせる強い雨によって、私達は足止めされていた。
何とか広場の四阿に入れたけれど、それなりに雨を浴びてしまった。
雲行きから夕方以降に降るだろうと思っていたので、傘はいらないかなと外出間際に話をしたところにこれ。思ったより上空の風が強かったんだな。油断した。
「ごめんね。まさかこんなに早く降ってくるとは思わなかった。」
予想を外してしまった悔しさと彼を雨に濡らしてしまったことが申し訳ない。
「貴女のせいではありませんよ。天気の正確な予測は難しいですから。僕も気を付けていればよかった。」
と、彼はすかさずフォローを入れてくれた。
こんな風に逆に気を使ってくれるところが好きだなぁ。
今日の彼は、外出用の薄い青のカッターシャツに黒のスラックスというシンプルな服装。それが逆に彼の魅力を存分に引き出している。
彼は自分の顔に雫で張り付く髪の毛を長い指でかき上げながら、雨を降らせ続ける雲の底を見つめていた。
たったひとつの仕草を取っても、どれだけ私の心を揺さぶっていくのか。
「あ、ちょっと待ってて。タオル出すから。」
甘やかな緊張を誤魔化しながら荷物を開ける為に背を向ける。
私は髪をアップスタイルにまとめてあるから、まずは彼の髪の水分をどうにかしよう。
「すみません。ありがとうござ…」
入道雲の底から意識を戻した彼の言葉が、何故かそこで途切れた。
不思議に思いながら振り向けば、そこにはこちらを見ながら目を見開き固まっている彼がいた。
え?どうしたの?何かあった?
また振り向き後ろを確かめるけれど、何もない。何の変哲もない広場が、ぱたぱた雨に打たれているだけ。
首を傾げながらタオルを手渡そうと彼に向き直ったところ、私はとんでもないものを見てしまった。
え?嘘でしょう?
私はそれまで全然知らなかった。
雨に濡れた男の人ってこんなに色っぽいの?
彼は軍人として鍛えているため、細身に見えてもしっかりと筋肉は付いている。
普段は隠れて見えない部分を見てしまったショックで、私は軽くパニックを起こした。
「これ!早く!身体!拭いて!!」
目線を地面に外してグラグラする意識を無理にでも引き戻しながら、私は彼の胸にタオルを押し付けた。
赤い!多分今の私、顔赤い!
と、その瞬間、固まっていた彼が起動した。
「何を言ってるんですか!!このタオルは貴女が使って下さい!!」
そう叫ぶと同時に、そのタオルは私の肩にバサリと掛けられた。
私もつい叫んでしまったけれど、周りに人がいたら間違いなく注目されそうな音量。うん、人の事は言えないけれど。
そんな彼を見れば、今にも爆発しそうなほどに首まで赤く染まっていて。
少し濡れたくらいだよ?大丈夫なのに。
「私よりもあなたが先に拭いて!」
「いや僕は濡れてても大丈夫ですから!まずは貴女が!」
もうお互いがパニックでまさに混乱の極み。
この調子でしばらく争うも、それでも掛けられたタオルごと肩を掴まれて濡れたシャツの胸板を無意識で目の前に晒され続けていた私に勝ち目はなく。
渋々私はそのタオルを掛けたまま雨宿りすることになった。
「入道雲」
例えば、サモエドのようなふわふわな毛並みとか、マットレスのようなふかふかさとか、そんな入道雲
雲なのにずっしりと重そうな圧を感じさせる入道雲
私はまだ実際に入道雲を見たことがないけれど、きっとこちらに迫ってきたら少しの恐怖を感じて半歩程、後退りしてしまうんだろうな
夏の空の如く、穏やかで大らかな貴方
そんな貴方が
私の心に突然、激しい雨音と雷鳴を轟かせました
勿論、貴方が変わった訳じゃないんです
いつもと変わらない、ほのぼのとした貴方なんですよ
それなのに、私の心は
豪雨の様に、荒々しく騒めいて
稲妻の様に、一瞬だけ時を止められる
いっつも雨傘要らずで眩しい空模様だったのに
油断してたんですけど…
入道雲
夏なんて迷惑なだけ
暑くて溶けそうで
大粒の雨に足を取られて
本当はそれだけじゃない
入道雲は私を見ている
逃げ場のない私を見下ろしている
その白は私の夏の空白か
この心を突き刺す日差しがいたい
(入道雲)
入道雲
入道雲に思いを乗せる
旅の思い出
巡り合った人
聞いた言葉
触れた文化
雲は様々な形に変化しながら
大きくなって
時に自然の脅威を見せて
恵みの雨をもたらしてくれる
入道雲
空高く湧き上がる白雲…
何処迄も続く青海原と、眩しい夏陽が輝やく空…
青と白のコントラストに、火傷しそうな砂浜に、あなたと二人で、足跡をつけて行く…振り返ると、二人の足跡は、波で所々消えている…クネクネ曲がっていたり、よろけて重なったり…去年の夏は、独りぼっちの夏の海だったけど、今年は、素敵なあなたと二人で遊ぶ波打ち際は、迚も楽しくて、永遠に続いて欲しいって、神様にお願いする…私達と、この時間を優しく見守って欲しい、あの夏雲に…
作品No.90【2024/06/29 テーマ:入道雲】
大きくそびえるような
入道雲に心惹かれる
見下ろされているようで
少しこわいけれど
夏の雲だなと思う
入道雲を背景にこっちを見て笑うあなた
……結局は妄想にすぎない…けど
近い将来そういう日が来ると
大きな期待を膨らませている
#24「入道雲」
私は入道雲がとても好き。
ただ、理由を聞かれると「綺麗だなとwww」
そんなシンプルな言葉じゃだめかな?
それこそ「空の境界線がくっきりとしていて、あれだけの存在感と、あの大きさの立体感と、一番いいのは白と青のコントラストが本当に凄いと思う。それこそ、有名なジブリアニメに出てくる、ラピュタの雲みたいな…。
あんな雲がみられたら、本当に嬉しい。
それに入道雲って夏の雲だからね、特別だよね。
その時にしか見られない美しさって本当に。
蒸し暑い体育館から這い出るようにして外に出てみたが、期待するほどの風はなく、遠くの方でもうすぐすれば『入道雲』になりそうな雲を見つけた。
そろそろ長雨もどこかへ行ってしまうのだろう。
濡れたグラウンドの湿り気の匂いもきっとそのうち忘れてしまうように。
少しばかり過ぎていく日々に感傷的に浸っていても、ポケットで震える振動はいつだって現実へ戻していく。
表示された名前に僅かばかりの動揺と、小さく芽生えた心。
ひとつ、ふたつ。
深呼吸して、平常心。
遠くにいる恋人の声はそばにいないのに、近くで見ているような気にさせる。
過剰なくらいの気遣いと賛辞はひとを少しなら良薬、多ければ堕落させていく毒のよう。
そんな彼にも悩みはあるようで。
ぽつぽつと紡がれる言葉の端に、漠然とみえる、未来。
将来どうしようか、なんてまだ先のこと。
そうは思いつつも。
「まあ、まだはっきりとは決めてませんが、あなたならどっちも選ぶんでしょう?」
好きな道も人を導く道も。
そうやって僕もあなたの夢に自分の未来を重ねたのだから。
【入道雲】
真っ青な空
むくむくと勢いの良い曲線で描かれた入道雲
青と白のコントラストは美しいと思った
どことなく現実感がない気がして
いつも偽物なのではないかと暑さの中ぼんやりと思う
美しいと思うのは、気持ち次第なのだろう
今日は気持ちが沈んでない気がする
多少気だるいのは暑さのせいだろう
今日は薬を飲まずに寝てみよう
昔は雲に触れると思ってた。
ふわふわして柔らかいと思ってた。
特に入道雲を見た時は、「あれで寝たい…!」
なんて考えてた。
…でももう入道雲は嫌い。
あの子を連れてった入道雲はもう、大っ嫌い…!
お題「入道雲」
入道雲
真夏のエネルギーの象徴的な空模様
強烈な日射しに焼かれた海の大爆発
仕事なんてやってる場合じゃない!
さあみんな遊び行こうぜヤッホー!
《今日のタイトル》《入道雲》
入道雲はな雷様が来るんだよ。ほらあっちの天気をみてごらん。よくおばが畑仕事をしながら言ってた。
真っ黒な雲できれいな青い空が暗くくすんで見えた。
叔母は雷様が鳴る!!すぐさま椿の木の下に鎌を置き
絶対にらいさまがおさまるまで出すな!!!あとから聞いた話おばの友達が雷だー!!!!と言って鎌の
刃を上に出していたらしくモロに電気ショックをうけて死亡したらしい。それ以来私は光るものは隠して歩いている。入道雲が来ると聞く度に今日散歩行きたくなぃーーーやすみたいーー!とお母さんに言っている。けどお母さんはお前が行かないと犬どーすんだよ
と笑いながら怒る。だから仕方なく抱っこするか傘をさしてあるく。じゃないといつか…ね。
らいさまの光を身体にうけてしまうから。
でも入道雲って怖い。今も苦手だし
なんなら雷も花火も大嫌い
こんないいとしした女が何言ってんだ?って
思うかもだけどまじで嫌いなの。
雷も花火も大嫌い
だから人間終わってる、、、はぁあ、自分の地域に
本格的な雷雨とか来ませんように。。。
まじで泣いちゃうからね!?!?
大雑把な時系列で書いてみた
2024/06/29㈯日記
昨夜、興奮して眠れず
5:30 起床
7:00 地元駅を出る
8:30 友達Aと合流
11:00 目的地到着 友達Bと合流
有名ラーメン店へ
13:00 友達Cと合流 ポケセン、パン屋へ
16:00 お土産店巡り、母に頼まれていたお菓子も購入 友達Bと別れる
17:00 帰路へ
18:30 友達Cと別れる、車内で駅弁、お団子を食す
20:00 友達Aと別れる
21:30 往路と違う路線で帰宅、往路より疲れた
楽しかった!
おやすみなさい。
入道雲
君とみる入道雲は夏すぎてなんだか目を逸らしたくなった。だって、こんなの忘れられない夏になるから。今日の思い出を抱えたら、多分ずっと君を忘れられない気がするから。
入道雲って積乱雲の俗称でね。
そう語る姿を見ながら、私はうんうんと首を縦にふった。
その反応に気を良くした彼女はニコニコと解説を続ける。
別にその話に興味があるわけじゃないんだけどな。ってちょっとだけ申し訳ない気持ちになって。
でも話は続けてほしくて。
だって、好きなことを語る彼女の顔は何時も以上に可愛いんだ。
彼女いわく入道雲が出たあとは激しい雨や雷が落ちるらしい。
興味ない話にあるふりをしてるってバレたら、私にも雷が落ちてしまうだろうか。
なんてふと考えてみる。
それとも、彼女の瞳から雨がこぼれたり、とか。
ぶるり。
ちょっとだけ背中が冷たくなった。
一旦考えるのはよそう。
そう、思っていたのに……。
陽気に語る彼女が急に話を止めてどうしたのって視線を向けてきた。
ほんと、こういうときだけ勘がいいの、勘弁してよ。
何でもないよ。って言いたかったけど、このまま隠し続けてバレてしまうことがちょっとだけ怖かったから。
「ほら、空模様怪しくなってきたから!雨大丈夫かなって思って。そろそろ帰らない?」って窓の外を指しお茶を濁してみる。
彼女の顔を曇らせたくなくて。いつも太陽のように輝いてる顔でいてほしくて。そんな彼女が大好きで。大好きだって言いたくて。でも言えなくて。
心にモヤモヤと雲がかかる。
私は実らない気持ちを抱えて今日も彼女の隣にいるのだった。
ビルの間に、狭苦しそうに入道雲が肩をすくめている。
ただ汗が、淡々と私の首筋を流れていく。
ヒートアイランド現象か、この街は年々暑くなるような気がする。
蝉の声より、人の話し声の方がよく聞こえる。
こんな場所では、夏の熱帯気圧を積み重ねた、堂々たる夏の風物詩の入道雲も、肩身が狭いのだろう。
今日も退屈な一日だった。
眠い目を擦る。
昨夜も、世間一般から見れば、刺激的で破滅的なことをしたはずなのに。
いざ罪を犯そうと入った時に、ただ部屋が異常に蒸し暑かったことしか感じなかった。
室外機の熱風が鬱陶しい。
罪悪感を感じない自分の心と、纏わりつくしつこい湿った空気に、若干の苛立ちが募る。
捕まるかもしれないのよ。
私は、冷え切った自分の心と脳に語りかける。
捕まったら、今まで築いてきた地位も努力も、それこそ雲のように、霧散してあっという間に消えてしまうのよ。
しかし、私の脳は相変わらず、ドライアイスが当てられているかのように冷めきって、心は雪の中の氷像のように、1ミリも動かなかった。
私は罪悪感を感じたい。
自分が他の人とは違うと気づいたのは、小学校に入ってからのことだった。
カワイソウ
ゴメンナサイ
ヒドイ
モウシワケナイ
アワレミ
ゼンアク
コウカイ
カナシイ
喧嘩や揉め事があるたび、道徳の授業があるたび、先生がホームルームでお説教をするたび、飛び交うその言葉は、実感も意味も理解できず、ただの記号にしか聞こえなかった。
どうやら、それらを理解できないことは、異常なことらしい。
ぽかんとした私を先生も親も叱った。
相談したこともあった。
友達、カウンセラー、親戚…。
でもどんな人も、困ったように眉根を寄せて、「もっと人の立場に立ってみると良い」とか、「道徳を頑張ろう」とか、「けしからん!」とか、「いずれ分かるようになるよ、周りの人を大切に、愛を持ちなさい」とか、訳の分からないことを言った。
そして、それが分からないということは、どうやら人としておかしいらしい。
自分の知らぬ間に、この問題は急速に肥大化していった。いつの間にか現れて、下からむくむくと肥大化する入道雲のように。
これが理由で友達が減り、これが理由で同級生やその保護者らから嫌がらせを受け、これが理由で先生には目をつけられた。
いつしか、私は罪悪感を感じない自分の心を隠すようになった。
人というのは、他の人の思考を覗けない。
馬鹿正直に自分の感じていることを言わなければ、態度でどうとでも嘘がつける。
他の人が神妙な顔をしている時は、合わせて神妙な顔をしていれば、浮かずに済む。
道徳の教科書を予め読んでおき、この場合に先生ウケをする回答パターンを予測しておけば、成績は問題ない。
そうやって嘘をつき始めた私を見て、周りの人たちは安心したように、満足そうに頷いた。
「ほら、分かったろう?」
「こういうのは自然に分かるようになるものなんだ。」
私の心の中はなんにも変わっていないのに、現金な人たちだ。
そういうわけで、今でも私は罪悪感を掴めずにいる。
あの時、私は密かに自分に誓った。
大人になったら、いろんなことを試して、人なら誰でも持つというあの噂の、憐憫と罪悪感という感情を探すんだ。
そして、それを見つけて、立派な大人になってみんなの仲間入りをするんだ!と。
それを見つけるためならなんだってするんだ!と。
しかし、まだ分かりそうにない。
私の罪悪感は、まるで雲のように実態なく、私の手の中をすり抜けて行く。
ある人の大切な人を傷つけ、最悪の裏切り行為をしてみても。
仲が良かった友人を、ボロ切れのように扱ってみても。
何も知らない無垢な子どもを躓かせてみても。
誰かに憎まれてみても。
ハンドバックに、べったりと血の付いた手袋を押し込んで昼の街を歩いてみても。
入道雲のように、只々、分からないというモヤモヤが、蓄積していくだけ。
もし、似たような人間のいる世界_いや、いっそ獣として生まれたら、私もこんな風に自分の感情を肩をすくめて隠しながら、生きていかなくても良かったのだろうか。
私は目の前の入道雲に心底、同情する。
私たち、もう少し違うところに、違う形で生まれれば良かったのにね。
入道雲が肩をすくめている。
人工物の中で、狭苦しそうに。