『優しくしないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
[優しくしないで]
優しくしないで。私はそんなことされるような存在じゃない。
貴方はそんなことないって言うけれど。
その優しさが私に降りかけられる度に、私の心が柔らかくなって、吐き続けてきた呪詛が弱くなっていくの。
呪いを吐くことが辛くなってきてしまうの。
それは、すごく困るから。
私に優しくしないで。
優しくしないで…
それを言うのは簡単かもしれない
でも、言われた側はどうだろう
その一言で
どうすればいいかワカラナクナル
かもしれない
優しくしないで
9日目ー
わがままに振る舞うこと。
その時の感情だけで動いたり、話したりしない。
昨日を信じなくてもいい。
確実に日々がつながっていくことがわかるようになる。
優しくしないで
荷物持とうか?とか
体育見学する?とか
エレベーター先に乗っていいよとか
そんなことを言っているけれど
あれは私のためじゃなくて
優越感に浸りたいだけなんでしょ
私の足が治ったら
なにもしなくなるんでしょ
そういうやつ
好きじゃないんだよね
優しくされるとか
同情されるくらいだったら
まだ無視されていた方がいいね
もう優しくしないでよ!
そう言い残してわたしは走った。
大粒の涙をこぼしながら。
困り果てたきみが少し遅れて追いかけてくる。
手には大きなハンカチ。
泣いているわたしより悲しそうな顔をしている。
胸が締め付けられる。
こんなに好きなのに、愛をもらっているのに、
わたしは…。
ごめんなさいをちゃんと言うと心に決めて、
大きく息を吸い込んだ。
わたしに、優しくしないで。
だって、優しくされたぶん優しくしなきゃならないじゃない。
それに、わたしは可愛くもないし何もできない。
こんな人に優しくするぶんだけ時間の無駄よ。
そう言って長い人生を過ごしてきた。
ほんとうは優しくされたかった。
だから、わたしのような人を増やさないためにこれからは人に優しくしていこうと思った。
別に好きでもない人に優しくしないで。
匂わせたりしないで。
女の子は、単純な生き物なんだから。
『優しくしないで』
空が優しい日 上を向いて 涙を堪えた
お願い 優しくしないで 堪えきれないよ
流した涙の分 強くなろう
「じゃあ優しくすんな!!」
そうぶっきらぼうには言い放たれたのは何時だったか。覚えていないくらい幼い頃なのだと思う。
弟は幼さ特有のまろい頬に大粒の涙を流しながら、裾の長いシャツを翻して部屋から出て行った。
あの時何故喧嘩をしたのか、理由は思い出せない。
ただ、弟が「じゃあ」という言葉を使ったということは何か弟について言及するような言葉を僕が言ったのだろう。その言葉に弟は傷つき、家族を大切にしている弟が優しくしないでほしいと思うくらい僕は拒絶されていた。
今考えると心臓を握りつぶされたような衝撃を受けるが、当時の僕は弟をそこまで大切に思っていない、それはもう素晴らしい大馬鹿だったのだ。
故に泣いている弟がいたという事実に興味すらなくなって仲直りに長い時間をかけたものだ。
「兄さん大丈夫?」
随分長い間上の空だったらしい。出かけていた弟が帰ってくるまで本でも読んで待っていようと考えていたが、本を読むという行動に移るまでに彼は帰ってきていた。ただいまと声をかけて、何時までも玄関まで来ない僕に疑問に思ったとはにかみながら言う弟。
天使だろうか。確かに仕事が忙しかったり他に用事があったりする時以外は弟が帰ってきた瞬間におかえりを言うためだけに普段使わない脚力を使ったりしていた。それを見た僕の友は顔を顰めて「うわキモイ。」と声を漏らしていたが、そんなこと知らん。
「あ、今日兄さんの友達に会ったよ。彼女さんとデートしてた。」
買い物先は街だと言っていたが、アイツもそこにいたのか。毎日陽気な友の顔を思い出して、やめた。なんかめっちゃくちゃウザイ顔してるな。思い出すだけで胸糞悪い。
それはそうと、弟の両手に持たれている買い物袋に目を移す。重たそうなそれは珍しく食材が入っていた。
「何か物足りなかったか?何かあれば執事に頼め。」
「これは僕が独自にやりたいことだし大丈夫だよ。それに執事さんも兄さんの案件で忙しいだろ?」
「そうだったか?」
「この間パーティすっぽかしただろ。それの埋め合わせで執事さん今駆け回ってるんだから反省しなよ。」
「善処はする。」
「いつからそんな日本人風な言い回しするようになったんだよ。」
あのパーティの日は確か弟がディナーに誘ってきた日だったか。パーティのことを言ってなかったとは思いながらもふざけた建前上のパーティと弟なら確実に弟を僕は取る。まぁあの後執事から電話が来た弟が鬼の形相で僕を叱りつけてきたのは怖かったが。
ビニール袋に入っていたものをキッチンに置きに行くと言うので、とりあえず僕は冷めきった紅茶を持ってリビングに移動した。大型のテレビの前に座ると、先程読もうと思っていた本を開く。
これは日本の書物だ。弟が離別していた時に住んでいた国なのだが、難しい言語でまだ理解はできない。少しでも弟のことが知りたいと読み始めて長く経つが、日本語とは複雑な言語らしい。
そういえば、昔の話に戻るがどうして弟は僕に優しくすんなと叫んだのだろう。正直当時の僕は弟に優しく接した覚えがない。それどころかいつも付き纏ってくる弟に嫌気がさしていたような気もする。
どうして僕がこんな奴の面倒を見ないといけないんだと文句を言った覚えもある。本当に最低のクズ野郎だったとは自覚しているが、そんな僕に何故彼は…。
そこまで考えたところで、弟が自分用のマグカップを持ってリビングに来た。iPadと教科書を持っているところを見るに今から勉強をするらしい。
「…昔のことは覚えてるか?」
勉強をする時にこんな質問をするべきではないとわかっているが、疑問は解消しなければ気持ちが悪い。首を傾げる弟に、昔のちょっとした喧嘩を話してみた。
「あぁ、覚えてるよ。」
苦笑してマグカップに入っているものを一口のみこんでから弟は昔を思い出すように目を瞑った。
「あの時はまだ、この家に来たばっかりだったから。知らないことばかりで戸惑ってて、でも歳の近い兄さんになら話しかけられるかもって思ってた。」
語り出した弟の話に静かに聞き入る。じっと見つめていると穴が開くよと笑われた。
「さっき兄さんは優しくしてないって言ってたけど、僕からしたらついてまわってる間に転んだりして、その時に毎回呆れながらも手を差し伸べてくれたりするのがとてつもなく暖かかったんだ。」
「そうか。」
「兄さんこそ覚えていないかもしれないけど、何度転んでも文句を言いながら手を引いてくれてたんだよ?」
幼い頃の弟とは違う、凛とした顔立ちにふわりとした笑顔。手を引くとか、転んだら起こすとか、そんな当たり前のことで幸せを感じていた当時の弟の話は僕の心臓を鷲掴みするには十分だった。
「あの時は初めての喧嘩に気が動転してさ。優しくすんなって言ったのは、優しくされたら自分が愛されてるって勘違いしそうだったから。初めての家族で、嫌われたくなかったって言うのもある。」
「…嫌わないだろ。絶対。君を嫌ってるやつは頭がおかしいんじゃないか?というか愛されてるって勘違いじゃないぞ。君はこの家全体から愛されてるんだ。」
「はは、それはもう兄さんが僕に再度会いに来た時にわかってるよ。」
小さく笑い声をあげる弟に安堵する。離別中はずっと手紙のみのやり取りで本当に弟が元気なのかよく疑ったものだ。あの時から着いている執事にはよく「坊ちゃん達がまた一緒に住まわれて嬉しゅうございます。」と泣かれる。冷めきった紅茶を一口のみ、じわっと広がった苦味に何故か無性に泣きたくなった。
あぁ、今幸せだな。と改めて実感した日。
【優しくしないで】
ねぇ
優しくしないで。
お願いだから今は自分を大切にしてよ。
自分に優しくしてよ。
他人を気遣うのはそれからにしてよ。
お願いだから。
「ねぇinkかまってクレメンスゥ」
「おー、後頭部ハゲたくなかったら散れっ!僕は絵かいとるんじゃ、邪魔せんといて!」
友達になって6ヵ月くらいの時、あの時の君は私に優しくて、私のことをずっと警戒していて、今の君とは大違い。今の君は私に冷たくて、私のことをまったく警戒していない。警戒しなくなったのはうれしい。けどさ、優しくあって欲しかった。冷たい、冷たいのも大好物だけどさ、優しさください。
「あーあ!なーんでinkは私にだけ冷たいんだろなー!あーあ!」
「なんや、優しくして欲しいん?」
私がわざと大声で言うと、inkは本を閉じこちらをに顔を向けた。inkは少し考えるような顔をすると、すぐにまーいっかともらした。
「ヨウさん、今さっきは遊びのお誘い断ってしまい申し訳ございませんでした。今からでは少し、遅いでしょうか?」
inkは今さっきまでの冷たい態度をポイと捨てると、昔のような喋り方をし始めた。
「え、やだ、やだなにそれ、やっ、あ、あの、え?まっ、て?は?いや、は?」
急に態度を変えられて、少しパニックになる。
私のことをまったく信用していない、あの時のイヤな感じ。いつでも他人になれるような距離の取り方。相手の望む返事を必ずするというような雰囲気。
「っ!やっっだ!それ!やだ!めっっちゃキライ!優しくすんな?!いや、言い出したのは私だけども!優しくすんな?!」
「なんや、面倒くさいなぁ。優しくして欲しいん?して欲しくないん?」
「inkの冷たさは信頼と愛情の証なので優しくしないで欲しいです!!」
素直にそういうと、ラスだけ特別やと今の私の呼び名を言う。うん、幸せ。
「ところで、特別やって仰いましたけども昨日別の子にも同じこと言ってませんでした?愛しのmyGot」
「阿呆、僕の特別は口癖やけん沢山おるんやよ」
「このたらしめ!」
「痛いっ!なんでぇ?!」
*inkの優しさは他人の証!冷たいのは、信頼と愛情の証!リアルツンデレは体に良いのだ!ガッハッハッ!!
私になんか、優しくしないで。
私なんか優しくないし、可愛くもない。
私なんか、私なんか、、、
「なんでこんな私に優しくしてくれるの?なんでそんなに優しいの?分からないよ、私には。」
そう聞いてみたんだ。その返事は意外なものだった。
「自分がそうしたいだけだよ」
そう言っていた。なんで優しくなんかしたいんだろう。
「その理由は?」
「もっと大きくなったらきっとわかるよ」
それを聞いて私はその日、その言葉を頭にやきつけた。
やめて、やめてよ、
私に優しくしないで、
...私は、皆とは違う。
人が困っていても、助けられないし、
言葉を選ぶことが苦手で、ぶっちゃけいうと、
ほんとに性格が悪い。
なのに、周りは話しかけてくれたりしてくれる
優しくされると、優しさを返さないといけない。
恩を仇で返してはいけない。
わかっているけど、それができない。
心に溜まって困るから、私は皆より劣ってるから、優しくしないで、いっそのこと放っておいて...なんておもったら、優しくなろうとも思えなくなった気がした。
大丈夫、もう、泣かないで。自分を責めないで。
私は日々の努力のこと知っているし、それが実っていくのを見るのが私のこれまでの生きがいだった。
だけど、
ごめんね、私はいつか、あなたを引き止める。きっと、邪魔したくなるの。あなたが私には見えないところに行ってしまう、もうあなたと会えなくなってしまうのが怖い。
これは、私の弱さなの。
大好き。心から愛せる唯一の人。大きく羽ばたいて。
そして私の見るこの空を大きく照らして。
そして我儘を、言ってもいいなら。
長い時が過ぎて、少しでもいいから、その日に小さく照らされている私を思い出して。
ああちっぽけな存在だった、と思うでしょう。
でもね、それだけで私は救われるわれてしまうの。
立派なあなたが愛してくれた、健気な女のままなんですから。
たまに自分に優しくして欲しくない事がある。
傷付きたい。貶して欲しい。そうなるぐらい辛くて優しくされたくない。
【優しくしないで】
今日もつらい学校が始まる
昔は仲良しだったのにな…。沢山遊んだのにな…
それなのに、私が変わってしまったからでしょうか?
移動は独りだ
教室に入ったら、一人…誰も声はかけてはくれない
私だけ教室から欠けているみたいで…
辛くて、トイレに行っては、過呼吸を抑えて
机に顔を伏せては、泣いた
それなのに、それなのに
お前が犯人なのに
「最近、大丈夫?」
声をかけるな
優しい言葉を使って話しかけるな
どうして?
まさかお前が犯人じゃないのか?
嗚呼、私が一人でいて寂しいから、
命懸けの優しささえ受け取ってしまう
もう、お願いだ
私にこれ以上
優しい弾丸をあてないでくれ
疑心暗鬼になってしまう
また信じてしまう
また裏切られることに恐怖を抱いてしまう
だから頼む
優しくしないでくれ
満たされることが怖かった。
一度でも満たされてしまえば、後は枯れていく様に怯えるしかないって思ったから。
半端なままでいい。全力で、満たさなくていい。
俺にそんな価値があるとも思えないし、お前は、まだまだこれからじゃんか。
いつかは、手を離さないといけないんだって解ってる。
解ってる、はずなのに、解りたくないってワガママ言ってる自分が嫌いだ。
ーーーなぁ。お前はどうして俺を選んだの?
お前なら、俺なんかよりお似合いの奴は幾らでもいたはずなのに。
それなのに、なんで俺を隣に置こうって思ったの?
こんな、取り柄もないどうしようもない奴なんて、お前には相応しくないのに。
幾ら考えても解らなくて、余計に怖くて仕方ないんだ。
手を離さなきゃいけないのに、手を離される恐怖に怯えるなんて情けないのに。
だから、だから、もう”優しくしないで”
いつか手を離されるなら、その優しささえ凶器でしかないんだから。
優しくしないで
【優しくしないで】
だって優しくなるぶん
それを失うのが怖い
僕は君に優しさを返せる気がしないから
優しくしないで。
きっと、縋りついてあなたを駄目にしてしまう。
縋りついてたよりきりになって、拒絶された時、ただただ自分が惨めになるのよ。だったらはじめから優しくしてくれなくてよかった、と思ってしまう私が、私は嫌い。
その優しさは、確かなあなたの思いやりなのにね。思いやりの範疇に収まりきれない、私が嫌い。
香水で
思い出しちゃう
僕だから
優しくしないで
もう好きだから
【優しくしないで】