『何もいらない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
そう思う時はだいたい自暴自棄の時だ。なにかしらに失敗して、穴に入りたくなる。そして、全部捨ててしまいたくなるのだ。複雑な人間関係、溜まった家事、理解できない課題。何もいらない、なくてもいい。でも、それらがないと日々がつまらなくなるのだろう。それらはストレスの因子であるが、日常に刺激をあたえてくれるのである。何もいらないと思うのは、だいたい現実から逃げてしまいたい時だ。でもたまにはそういう瞬間があっても良い。そう思う一日も大切な一日である。
【何もいらない】
お前が居れば何もいらない
そう思えるほど好きになれた人に出会えたことは
俺にとっての幸せだ
何もしなくていいから
何もくれなくていいから
ただ俺の隣に居てくれ
『何もいらない』
クリスマスのプレゼント。
誕生日のプレゼント。
何もいらないと思ったのは、
私が本当に欲しいものを与えられるのは
あなたではないと分かっていたからだ。
私が本当に欲しいものは、
美味しいケーキでも推しのグッズでも、
ライブのチケットでもお洒落な服でも、
ふわふわのぬいぐるみでもない。
私が本当に欲しいものは、
それらを楽しむための
『時間』と『余裕』と『お金』。
どれか一つでは駄目だ。
三つ全て、欲しいのだ。
でもそんなもの頼めない。
あなたが与えられるものではない。
『お金』くらいなら貰えるかもね。
けど、プレゼントに現金を頼むのは良くないって、
流石にそれくらいは分かってるの。
だから、何もいらない。
あなたじゃ私を満足させられない。
気持ちだけ貰っておくね。
そんなもの欲しくないけれど。
何もいらない
なんでもできる自由と
それを実現できるお金があれば
それ以外何もいらない
ただ隣に居たかっただけ。
子供の時分は彼の後ろについて行くのに精一杯の
なんの取り柄もないただのガキだった。
強いて言うなら人見知りしなかったことだけだ。
まぁそれが当時ただのヤンキーにしか見えなかった
金髪の少年に気に入られた理由なのだろうが。
背中を追いかけていた。時々彼が振り返って、切れ長の双眸をふっと弛めておれがちゃんと着いてこれているかを確認してくれる。それが嬉しかった。それだけで十分だったのに。
俺は頑張ってしまったのだ、それを励みに。
彼に追いつこうとしてしまったのだ。
彼の横に行きたいと、願ってしまった。
いつからか、彼はこちらを確認しなくなってしまった。
見なくても着いてこれると思われているから、だと信じたい。
隣に並べるようになった。でも何故だろうか、あの頃の距離の方が近かったと思ってしまうのは。
他者から賞賛を得る度に、あの頃が遠ざかっていく。
望んでお前と対等になったはずなのに。
きみに守られるだけの存在だったあの頃のなんの取り柄もないガキが心底妬ましい。きみに振り向いてもらえるおれが。
(『何もいらない』とすら、もう言えない)
作者の自我コーナー
いつもの。ないものねだりしてしまう全て持ってる彼の話。
でも本当に『ないもの』なんです。だってあの人の中では彼はいつも対等な存在だから。今更後ろに下がろうとしたら許さないですし、引っ張って同じラインに立たせますし、おすし。
僕には彼女がいる。
いつもふわふわしている優しい彼女だ。
でも彼女は甘えてきたりワガママを言ったりしない。
「何か欲しい物はある?」
って聞いても
「何もいらない」
と、彼女はニコニコ笑って答えてくれるんだ。
僕ばかりが選んでしまっていてなんだか申し訳ないな。
最近は服とかアクセサリーとかも彼女にお願いされるし……
彼女がそれでいいならいいのだけれど。
「何もいらないの。貴方の愛以外は、貴方が心を込めて選んでくれたものを身につけられて私とっっっても幸せ♩」
何を持っていなくても
何をすることができなくても
大勢の人間に嫌われたって
僕はこの地球で生きていることができてる。
時間はどんな人にも同じように与えられていて
その時間をどう使おうが無駄にしようが
僕たちは100年生きる。
生きてさえいればいい。
平凡に存在できることがどれだけ幸せか。
別れは突然だ。元カノと喧嘩別れをした。snsブロックされてもう話せないし会うこともできない。わがままを聞くこともできない。あの時、自分がもう少しで大人で君のこと受け入れていたら今頃別れずに済んだかな、、
もしも君にもう一度話せるならもう何もいらないからまた話したい。
【267,お題:何もいらない】
何もいらないので、消して下さい。
無が欲しい。それをおまえたちは「何もいらない」と言い換えるので思わず口を噤む。ドライアイスのかけらをコップに落とし、煙が床を這っていく。その煙の動きのような緩さと忙しなさが合わさったちぐはぐの欲求がここにある。空気の入れ替えをしなければ、と思う。途端に息苦しくなっていく。無を望む難しさに挫けそうになる。何もいらない、と言い換えてしまいたくなるばかりである。
何もいらない
私は辛いことが忘れられないし素直に笑うことが出来ない。素直に笑えた日に戻りたい
何もいらない。(十七日目)
何もいらないから、地獄から俺を救い出して。
何もいらないから、命でも捧げるから。
何もいらないから、この生き地獄から抜け出さして。
何もいらないから、目の前で死なせて。
何もいらないから、アンタらの心の中で微笑ませて。
何もいらないから、アンタらは後悔とか知らないと思うけど、その後悔の中で生きさせて。
何もいらないから、普通になりたい。
何もいらないから、やり直したい。
何もいらないから、アンタ以外の腹から生まれたかった
何も本当に、いらないから。
🍐
人は強欲だ。
「何もいらないからさぁ?飯奢ってよ?笑」
「何もいらないからさぁ?"コレ"やっといてよ笑」
「何もいらないからさぁ?"ココ"直しといて?笑」
『……そうですか、分かりました。ですが"ナニカ"はやってあげてるので今度食べる時、奢って下さいよね。』
『…私は善意でコレをしたくありません。なので私にも好条件でコレをします。』
『ココを直すという事をしてあげているということになるので貴方の何もいらないというのは少し無理ですねぇ……』
……なんて言えたらいいのに。
パッと見遠慮してるように見えるが結局はナニカはしてあげているからただの戯言にしか過ぎないんだよなぁ。
人間は言葉を作りすぎだ。だから"虚言"等の言葉が生まれ、人間は人間不信とかになってしまうんだろう。
知らんけど。
🍐
お題:何もいらない
心から湧き出た旋律
僕たちの原動力だ
この喉で音色を奏でる
心に誘われるまま動く身体
きっとあれが感情なのだろう
どうして、こんなに静かなんだろう
みんなの心の音色
君の心は何色?
色とりどりな君の心
鮮やかに変わっていく色を眺める
ああ、綺麗だな
僕の音色は見えないや
誰もがいつかは自分だけの音色を見つける
自分だけの旋律を奏でるようになる
将来の夢、人生設計
それぞれの生き方を見つけて進んでいく
旋律の奏で方も知らない
音色も見えない僕はどうすりゃいいんだよ
何者になるのかが当たり前
必死に自分だけの旋律を探す世界
別に何にもならなくなって、いいじゃないか
僕の音色は見えないけれど
僕は白くありたい
何にも染まらずに
色鮮やかな人の営みの中で
美しいこの世界を
ただ淡々と眺めていたい
感情なんて探すのはやめた
人の感情の真似っこもやめた
僕には必要ないから
美しいこの世界を
眺め生きてることが最高の幸せなんだ
感情なんてなくたっていい
ただ人の中で生きられるのなら
それ以上はなにも望まないよ
何もいらない...はずだった。
欲なんて産まれた時から持っていなかった。
何が欲しいかなんて分からない。
危険な目にあったとしても未来が欲しいなんて思わない。
自分の命すらいらなかった...はずだったのに。
君は余計なことをしてくれた。
君といたらゆっくりと深くまで欲に溺れて行った。
君との思い出
君からのプレゼント
君の笑顔
君からの愛
君の全てが欲しくてたまらない。
いなくならないでね。
君の余命はあと少しだね。
君が生きてくれるなら、私の命をあげるよ。
君が生きていてくれるなら、私は何もいらない。
それが無欲からくる言葉ではないことは、声で分かりました。
朝、「おはよう」と言うのと同じくらいの何でもなさで、会話の続きはもう無いのだと言わんばかりの素っ気なさで、それでも彼は笑うのです。
それは暗に、「本当に欲しいものは君から与えられるものじゃない」と言われているかのようでした。
――いえ、彼は本当に「何もいらない」のかも知れません。
彼の心の中には今も確かにあの方がいるのです。
私がもう顔を思い出す事すら出来ないあの方を、彼は今も胸に住まわせているのです。そんな彼に、私が与えられるものなどありはしないのだと、私自身がよく分かっていました。
「何もいらない」
そう言いながら、彼は今日も優しく笑って私の隣を歩くのです。彼が隣にいるという幸福を、共に肩を並べて歩ける喜びを、与えられているのは私の方でした。
自らが与えられないことを悔やみながら、彼から剥がれ落ちていく小さな欠片を拾い集めて浅ましく貪っている私という獣は、もう彼無くしては生きられないほどに、その味の虜となってしまっているのでした。
――あぁ、なんて、羨ましい。
彼の胸に住むあの方へ向けた感情は、醜くも愚かしい、決して彼に知られてはならないものでした。
END
「何もいらない」
「なにもいらない」
若いうちは、欲しいものがいっぱいあって、あれもこれもと、色々取り入れていく。
年を取るにつれて色々なことがわかって、洗練されてくると、一つ一つそぎおとしていき、最後には何もいらなくなる。
君は私に別れを告げた。
贅沢させてやれる金もない。
二人で広々と住める家もない。
共に居れる時間も余裕もない。
お前を幸せにはできないと、私の手を離したんだ。
君は何も分かっていないらしい。
私は君にケーキを買うようなお金が無いことも、
二人で住むには窮屈な家だということも、
共に思い出を作ることが難しいことも、
全てわかっていたよ。
それでも君を選んだんだよ。
ケーキよりも君のただいまが何より嬉しい。
窮屈ならばもっと寄り添えばいい。
どこかへ出掛けなくとも、
君と手を握れていればそれでいいんだ。
何もいらないの。君だけでよかったんだよ。
何もいらないなんて嘘だ。
何もいらないって言うのは、決まって本当に欲しいものが手には入らないときだ。
あれさえ手に入るなら何もいらないって。
結局ひとは何かを欲しがらずにはいられない。
私はまだ子供なのかもしれない。
私は15年も生きていない。
生きてきたのは14年と4ヶ月と12日。
これまで無くしてきたものは思い出せるほど少ない。
大切にしていたシール帳。
お気に入りのクレヨン。
転校した友達。
離任、退任した先生。
私は嬉しいことにまだ人が大切ということを習っていない。
これまでお別れで泣いたことはない。
悲しいと思ったこともない。
たとえ容姿をいじられ親友をなくしても。
好きな人を寝盗られても。
親に子供が出来ても。
たとえ1人になろうと。
私には私がいる。
そう私がいるの。
私が居ればいい。
そういうせかい。
それがしあわせ。
それがかんぺき。
そういうりそう。
あぁ。。。
きょう、くうそう、ひたる。
あした、げんじつ、もどる。
わたし、いきする、あるく。
わたし、いらない、なにも。
【何もいらない】
「何もいらない」
そう答える母の瞳に
欲しいもの探す
母の日の少し前。