何もいらない』の作文集

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何もいらない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

4/21/2023, 8:17:44 AM

『何もいらない』



⚠閲覧注意⚠
( 鬱、病み etc )



「あの方、心を病んでしまったそうよ」

「お仕事にも行けずに引きこもっているそうね……」

「あの2人、とても仲の良い夫婦でしたものね」

「えぇ。 可哀想に……」


みんなは僕を可哀想だと言う。
ご近所さんや友人、家族。様々な人が、そう口にする。
僕にはその意味が理解出来ない。


だって、僕には優しくて可愛い妻がいるから。


妻がいるから、毎日毎日笑顔でいられる。

妻がいるから、毎日が幸せで溢れている。

妻がいるから、どんなに苦しくても頑張れる。


こんなに幸せなのだから、可哀想なわけがない。
妻がいれば他に何もいらない。美しい光を放つダイアモンドも、高級な布を使った洋服も、何もいらない。
僕は妻がいるならそれでいい。
妻だけが僕の生き甲斐だから。



#生き地獄か天国か_④

  ──── END ────

4/21/2023, 8:13:56 AM

皆が安心して生きられる世界を下さい。

皆が安心して笑顔になれる世界を下さい。


どうか、この願いが神様へ届きます樣に。

4/21/2023, 8:04:27 AM

自分で放った言葉が身に響いて
苦しくて息が出来ない。
何をしてもかき消せない。
振りまく笑顔はまるでジョーカー。
ブンブンうるさい蜂から逃げている。
いつか針で刺されてしまうのではないかと。
だから足も腕も切り捨てた。
私には何もない。
逃げられない。

4/21/2023, 7:49:49 AM

突き刺さるような熱い太陽光に曝されて、湿ったハンカチを扇子代わりにしながら、陽炎揺らめく交差点に歩を進める。

車道との境界に植えられたツツジの白い花に元気を貰いながら、あと少しあと少しと、人通りの少ない歩道を歩く。

 舗装が簡素なものに変わり、少ししたところ、木々の合間に石の鳥居が見えてきた。

手前の自販機でメロンソーダを買って、プシっとキャップを開けて呷る。いきかえる。

 鳥居の前で一礼、石畳の端を歩く。

ひんやりと涼しい空気に、まるで別世界のようだとググーっと背を伸ばす、ついでに欠伸も一つ。

誰もいない、静かな神社の境内をのんびりと回る。

 本坪鈴をカランカランと鳴らして、一礼二拍手一礼。

 お願いごとは、特にない。

テーマ「何もいらない」

4/21/2023, 7:38:49 AM

何もいらない






もう何もいらない

親友も恋人も、素敵な家族でさえ



もういらない




どんなに大勢で写真を撮ろうと、

いつだってレンズにうつるのはただ1人



人生は孤独

気づかずに生きていられたら



どうしてこんなに早く気づいてしまったのか

もう少し幻想の中を歌いながら駆け回りたかった



神様、どうして私に目を与えたの?

どうして耳を与えたの?

どうして口を与えたの?



私にはどれひとつ必要なかった

何もいらなかった



見たくなかったあの景色

聞きたくなかったあの叫び

言いたくなかったあの言葉たち




全てを無くしてしまえば

きっと傷つかない






きっと、それには遅すぎた









もうこれ以上、






何もいらない

4/21/2023, 7:25:32 AM

欲にまみれている。
欲しいものは次々と浮かび、
欲しい体験を心が渇望する。

クレジットカードは真っ赤に塗り重なっていく。

何をすれば空虚が埋まるのか
誰がいればほしいものはなにもないと言い切れるのか

何かを全て無くした時にそれはやってくるのか
それとも満たされて溢れかえった時にくるのか

好奇心が枯れ切るのを今はただ待つしかないのか

今、後味は苦しみだけ。

4/21/2023, 7:04:00 AM

もう何もいらないわ。

 そう言った彼女の周りには絢爛豪華な品々の数々が所狭しと並べられていた。

 高級な調度品。
 きらびやかなドレスにアクセサリー。
 美味しいお菓子やジュースに、愛玩用の子犬や子猫まで。

 あらゆる物が彼女のために用意された。
 あらゆる物が彼女の望みのままにあった。
 それなのに。

 だって、何を並べてもつまらないんだもの。

 何もいらなくなるほど満たされても。
 彼女の欲は満足しない。



【何もいらない】

4/21/2023, 6:50:25 AM

『何もいらない』


「愛も友達もいらない。」

「何もかも離れていくから。」


そう呟いた君は寂しそうな顔をした。

4/21/2023, 6:25:14 AM

何もいらない

「君さえ居れば何も要らない」
幼い頃はそんな台詞に憧れた。
そんな台詞を言われてみたいと思ってた。
でも、そんなのは体のいい子供騙しで
いつかに観たドラマの純愛とはほど遠かった。
王子様、おうじさま、
いつか白馬に乗って迎えに来てくれるんだと
信じてやまなかった頃に戻りたい。
初めて好きになったあの子のこと
あれはまさに純情だった。
あの頃に戻れたら
好きな気持ちを伝えられてたら
なにか変わったのかもな。
「君さえ居れば何も要らない」
そんな気持ちが自分の中にもあったこと
それは紛れもない事実だった。

4/21/2023, 5:58:32 AM

【何もいらない】

万年筆さえあれば、他の筆記具はいらない。

手書きの原稿を書く機会が多かった私は、割と本気でそう思っていた。鉛筆やシャープペンシル、ボールペンなどなど、一般的によく使われている筆記用具を用いておっそろしく筆圧が弱々な私が書いたものは、かすれていたり薄かったりしていることが多く、見返した時に非常に読みづらくて嫌だった。

そんな私にとって、万年筆は 「(筆圧的)弱者の味方」だった。どんなに少ない力でも一定量のインクが出るので、書くことそのものがとても楽しくなった。

私が万年筆にハマったきっかけは、あるCDのジャケット写真に写っていたアーティスト直筆の手書き歌詞だった。リリース後のラジオ番組で、アーティスト自身がその写真に関するエピソードを披露してたと知人が教えてくれた。机の引き出しに眠っていた万年筆を取り出し、一文字に5分くらい時間をかけて丁寧に書いたものだったそうだ。

憧れの人で同じものを使ってみたいという、とても単純かつ純粋な乙女心(自分で言うのもアレですけど)から私は万年筆と巡り会うこととなる。最初に手にしたのは定価1,000円と安価なものだったが、とても書きやすく相性がよかった。たまたま近くに万年筆を多く扱う店があったこともあり、詳しい使い方やより深い楽しみ方を知ってしまってからは驚くほどのハイペースでペンとインクが増えていった。

で、冒頭のような思いに達したのであったが最近になって少しだけ変わり始めている。というのも、この春から新しい仕事で4Bの書写鉛筆なるものを使ったところ、これが大変使い心地がよくて。以前使っていた鉛筆はHBやBあたりで、初めて使った4Bは力を入れなくても濃い黒色の文字が浮かび上がってきてとても新鮮だった。しかも、間違えたら消しゴムが使えるというのも重要なポイントだった。万年筆で書き間違えると修正テープを貼るので「あ、ここ間違えたのね」というのが明白になってしまう。どんなに濃くても、鉛筆ならコソコソっと消しゴムで証拠隠滅できてしまうのはある意味魅力的だった。

というわけで、あらためてお伝えしたい。

万年筆と4Bより濃い鉛筆があれば何もいらない。










いつか、10Bの鉛筆使ってみたいなぁ〜

4/21/2023, 5:52:37 AM

皆さまは神仏を信じますでしょうか?
言い換えますと、神社を訪れたり、一回でもお祈りを捧げたことがあるでしょうか?
ええ、まあまあ、そういう定義であれば、だ
いたいの人は当てはまるものです。

日本には古くから多神教ー自然であれ物であれ神様が宿るーという考えがございます。

言霊に付喪神、お天道様にお米の神様、神仏習合と、仏すらも祈りの対象としてしまうのはなんとも面白い。

つまり、今日の我々には、モノに神が宿るという考えが深く染みついているわけです。

さて、前置きはこのくらいにしておきましょう。

今回私が話すのは、一つの付喪神。ある仏像についてございます。

その仏像は、チベットの密教が、瞑想か何かで使っていたというもので、平安時代に日本に伝わりました。

この仏像、いわゆる修行僧を模した観音菩薩なのですが、変わったところがありまして、

何もつけていないのです。

普通、仏像というのは、芸術品の一種ですから、多くの装飾が施され、法冠や蓮華、光輪などをつけているものです。

しかし、この仏像は、腰布をつけた仏が坐禅を組んでいるだけの造形で、その上、
身体は骨が浮きでるほどに痩せ細っていて、遠目で見れば死骸と見間違えかねないほどのものでした。

ですが、表情は笑顔なのです。

そんなものでも、当時は随分と大事にされたようで、戦後になるまでは、修行僧の見習うべきさまと、本尊として祀られていたそうです。

ですが、時代も移り変わり、寺の老朽化や後継者問題もあって、住職は寺を引き払い、法具等も、ほとんど博物館へ寄贈してしまいました。

一応、あの仏像だけはどうしてもということで、住職の死後、古物商に売られるまでは、家においてあったそうです。

(男は咳き込む、痰混じりの苦しげな声)

おっと、これは失礼しました。
どうも最近、体調がすぐれなくて、
続けましょう。

さて、この仏像ですが、ある資産家が購入することになりました。

彼は筋金入りのけちん坊で、
それで財を成したような男でして。

冠婚葬祭も安く済ませ、飛行機はエコノミークラス。タクシーは絶対使わず、電車か車で取引に向かう。

教育費は最低限、子供たちには奨学金をとらせ、国公立に通わせても、留学は許さない。

格好も質素でした。

ですが、そんな彼にも趣味がありました。
それは、骨董品を集めることです。

なぜそんなことをしていたのかは、今になってはわかりません。
骨董品が何億で売れたとかの儲け話を聞いて、いつしか趣味になっていったのか。
それとも、数少ない人情だったのか。

ともかく、彼はあの仏像を購入しました。

鑑定士に価値を観てもらい、歴史のあるものだとわかると、和室にずっと置いていたそうです。

それからというもの、彼の様子は変わっていきました。

最初は、小さなことでした。
電車に乗るのを頑なに拒否し、車で移動するようになりました。

他にも瞑想をはじめたり、ランニングしたりと、前の彼ならば無駄と嫌っていた物事に前向きに取り組むようになったのです。

一番の驚きは子供の留学を認めたことでした。

世界は広いのだから、いろんな考えを知るために行ったほうがいいと言って、資産の約一割を譲渡したそうです。

他にも、慈善団体への寄付、アフリカ寄金への参加もして、かつてのケチだった彼は何処にいったのか。

ですが、おかげで交友関係も増えて家に人を呼んだり、家族での外出も多くなったので、
この変化に妻や友人の多くは喜んでおりました。

無論、あまりの変わりように不気味に思う人もいたことは確かです。

話しかけると、いつも顔をしかめた彼が、
食事に誘うと頷いて、”世話になっているのだから、奢らせてくれ”と、笑顔で言ってくるのです。しかも、自分は食事を少ししか取らず、友人にたっぷり食べさせるなんて、てんでおかしいですから。

それから数ヶ月経った頃のことです。
彼の旧友ーここでは仮にAとしておきますーが久しく、彼の家を訪ねました。

庭にあった家財は消えていて、雑草がボーボーと茂り、なくなった窓から、線香のような匂いが漂っていました。

Aがベルを鳴らすと、すぐに扉は開きました。

現れたのは、
腰の曲がった痩せぎすの老人で、服の代わりにボロ切れを腰に纏い、肌は焼けたように黒く染まっていました。口角が高く吊り上がった、張りついたような笑顔をAにむけていました。

二度三度と咳き込んだ後、それは言いました。

久しぶり

その声で、老人が変わり果てた友人であるとAは気づきました。

少し話した後、和室まで案内すると言われ、
Aは迷いつつも、従うことにしました。

中には、家具は一つとして、置いておらず、廊下に残る泥臭い足跡を除けば、まるで新築のようででした。電球は全て取り外され、音といえば廊下の軋む音くらいでした。

和室に入って、ようやくAは家具を発見しました。張りついたような笑顔をした、骨張った真鍮製の仏の像。それが和室の中心から、Aを見つめるように鎮座していました。

Aは身体の震えが止まらなくなり、酷く動揺しました。

それは、案内してくれた友人と、
何ひとつ違いないものだったからです。

Aあまりの恐ろしさにそこから逃げ出し、もうその家には行きませんでした。

その後、資産家は失踪し、山奥で座禅を組んで、飢え死にしているところを発見されました。笑顔だったそうです。

家財整理の話となり、仏像もその中にありましたが、あまりに不気味だということで博物館に寄付されました。
ですが、数日後に倉庫から姿を消していたそうです。

これにて、この話は終わりでございます。
長きに渡り、ご清聴ありがとうございました。

どうぞ気をつけてお帰りください。

ああ、もしよければ交通費くらいなら差し上げます。悪銭身につかずともいいますので、遠慮なく

『何もいらない』

4/21/2023, 4:11:47 AM

どうしても欲しいモノが1つだけある
それが手に入るなら何もいらない

どうあがいても手に入らない
そんな事は百も承知

埋まらない穴を代わりのモノで
埋めようとする

代わりのモノは代わりであって
決して埋まらない事も知ってるのに

お題: 何もいらない

4/21/2023, 4:07:49 AM

お腹いっぱい。何もいらない。けどたった一つだけ必要なものがある。それは愛。どんなに愛情を注がれても愛が一杯になることはない。あぁいつになったら私の愛は一杯になるんだろう。

4/21/2023, 4:07:40 AM

『速達郵便』
私は名前がまだなくて 速達郵便届かない 丸くて茶色いのテーブルにカフェオレ意外何も無い カレンダーに印しをつけてとある日を待ち望む 他人のSNSを覗くたびにカフェオレを少しこぼす ローマは一日にして成らず スマホの通知は今日も鳴らず

4/21/2023, 3:52:18 AM

【何もいらない】

私はずっと、何かが欲しかった。
それがそこにあるという実感だけで満ち足りる何かが。

気ままに綴れる言葉?
溢れ出る尊い感情?
胸踊るような歌声?
舌先の痺れる鋭い皮肉?
自由に使える時間やお金?
本当に心から話せる友?
よく理解し愛してくれる家族?

中には既にもっているような感じのものもあった。
でも何か物足りないような、
そんな心地がして仕方がなかった。
似たようなものを拾い上げては、違うと叫んで
放り投げて捨てていった。
背後でパリンと割れた音が聞こえても他人事だ。

ある日、またパリンと鳴った。
普段と変わらないはずの、無機質なはずの音は
そのとき何故か痛みを伴って耳に届いた。
振り向いてみると何かが割れていて、
遠くの方にはいろんなものが積み上がった山があった。
美しく青いその何かは粉々になって、
たくさんの目に私をうつしていた。
ふと顔を上げると、大小様々な美しい欠片たちが
同じようにじっとこちらを見ていた。

ふと私はそれを友の名で呼んだ。
あちらのは母、そちらのは父の名で呼んだ。
ガラス細工も、砂時計も、貯金箱も、
みんなみんな割れていたけど、
私は何かの名前でそれらを呼んだ。

痛いほど静かだった。
さびしい場所だった。
そんな光景の中にいるのに、何故だか満ちていた。
きっと私は、とうの昔に、もう。

悔しいなぁ、悔しいなぁ。
そう絞り出した私の声はカラスよりもずっと酷い
嗄れた声で、ぽたぽた泣きながら笑った。
もう満足だ、もうたくさんだ。
私一人で築き上げたなんて思えないガラスの山。
どうしようも無い私の、かけがえのない、
もう取り戻せない宝の山。
ごめんなさい。
ありがとう。
こんなことが贖罪になるなんて
自惚れたことは言わない。
それでも私は歩み寄り、腕を精一杯伸ばして
傷だらけになるのも厭わずにそれを抱きしめた。

「もう、――――――。」

ああどうか、これを「満ち足りる」と呼ぶのを
許してほしい。

4/21/2023, 3:47:55 AM

何もいらない/2023.04.21

君がいれば他の何もいらないなんて
絶対に戯言だって分かってるのに、

なんでこんなにも、心が騒々しくなるんだろう
なんでこんなにも、喉の渇きを感じるのだろう

罪な人
そんな貴方を愛した私も
罪な人

4/21/2023, 3:39:42 AM

#何もいらない


最近何もいらない気がする、

ミニマリストってやつかな

大事な手紙も写真のデータにしてゴミ箱へ

手で触れる物に価値を感じないわけではないけど

視界に入ると気が散る

本屋やレンタルショップもなくなってく

触れることのない恋人、ペット、家族

時代の変化かもしれないけどなんだか寂しい

4/21/2023, 3:31:16 AM

君がいれば何もいらない。
なんて言葉言ってみたいな。
それを臆面なく言う年齢はとうに過ぎてしまってて、すっかり恋愛なんぞとは疎遠になってしまった。
でも、必要として、必要とされる関係は、なんだか憧れちゃうな。

4/21/2023, 3:27:56 AM

モンブラコン*
~~~~~~~~~~~~~『何もいらない』

「…ネイさんの中が…テイちゃんで…一杯だよ
…もぅ…テイちゃん以外…何もいらないっ…」
「…何で寝言は標準言語なんだよ」
 まだ日が昇ってない、早い時間に目が覚めた
オレ、モンスター姉弟、末っ子です。
 姉さんの年齢制限必須寝言に起こされた訳じゃなく、悪夢をみて、うなされて起きたのだが、内容が思い出せない…。まぁ良いか…。
 下の階から、テイちゃん(兄)が朝御飯の支度をしてる音が聴こえてきた。
 その音を辿って、階段を下りる。
 余程嫌な夢だったのかな…気分が沈んでる。
その沈んだ姿勢から、すがる様に、テイちゃんの腰に抱き付いて、背中に顔をうずめる。
 テイちゃんは何も言わない、のではなく、発声能力を失っている為、喋れない。その代わり、
いや、その分、莫大な優しさを行動で表す人だ。
 両手は料理、長い尻尾でオレの背中を擦ったり、ポンポンしたりしてくれた…。
 調理の音と、何も言わなくても察してくれる
テイちゃんが醸し出す安心感の、空気が流れる。
 窓の外が明るくなってきた。
 調理が一段落したのか、テイちゃんが左手をオレの肩に添えて、ロボット風にゆっくり振り返り、ほんのり温かいタオルでオレの顔を拭いてくれた…。テイちゃんの中でオレは子供のまんまなんだね…、子供だけど。
 ぬるま湯が入ったコップを手渡され、うがいを促されるオレ。
「うがいしたら…チューしてくれる?」
 ロクでもないことを言うオレ。自分で言っておきながら恥ずかしくなって反応を確認出来ない。
 うがいをして、口を拭こうとタオルを探す前に、テイちゃんが再び拭いてくれた、けど、ん?待って、左手が頬と耳を包む様に…、テイちゃんの顔が近い様な…、え♡、え、こゆ時って口少し開けた方が良いですか!?誰か教えてぇ…。
 モサっとした感触、これは…姉さんの尻尾。
「を…をまぃら、朝っぺらがら…、ぬぃさんば…ぬけもんぬすで…なぬすてるがぁっっ」
 テイちゃんが、甘いお菓子で姉さんの機嫌を直そうとしている…。
 姉さんは叫んだ、
「なぬもいらねぇ!!!」

4/21/2023, 3:26:14 AM

目の前に並ぶ仲間達の目を一通り見て、わたしは息を吸う。
「長い……永い、戦いだった。
 みんな、ありがとう……」
仲間達はそれぞれ、喜んだり、泣いたり、笑ったり、安堵、感慨、万感、感無量――今まで抱えてきた分だけの、表情を浮かべていた。

そう、この表情。心の枷が砕かれて、解き放たれる様、これが――、これだけが、あればわたしは――。
「……本当に、ありがとう」
わたしの足先から、透けてゆく。ああ、時が来てしまった。
役目を無事終えたわたしは消えるのだ、だって、わたしは――。

気付いた仲間の一人が声をあげる。動揺は波及し、全員から驚きと嘆きの声が投げかけられる。
"ごめんなさい"、言葉にできない謝罪を心の中で唱えて、笑みを浮かべる。
どうか、どうか笑っていてくれ。それだけがあれば、わたしは——、さみしくない。


みんなとの思い出と、笑顔とを、心の中に満たして。
「さようなら。」


———————
何もいらない

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