『ルール』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ルールは人を人たらしめるもの。
しかし、必要のないルールも存在する。
常に、本当に必要か疑うのだ。
そして、なぜ必要かを考えよう。
一見必要のなさそうなルールにも、意味はあるはずだ。
それでも無かったら、無くしてしまえ。
継いできたから、前からあったからなどという
考えることをやめた、生ける屍の意見ならば戦うのだ。
我々は生きている。少しずつ、進化していく。
進化を妨げるなら、変えなくてはならない。
だからこそ意味があり、
変わらないで継がれていくものは素晴らしいのだ。
お題《ルール》
誰かに優しさの種を撒きましょう。
小さくても大きくてもいい。
その優しさは繋がって、見知らぬ誰かを幸せにする――。
そんな夢物語を綴ってみませんか?
この日常で。
『ルール』
ずっと希望していた研究室に入る事が出来て、よーし研究頑張っちゃうぞーと浮かれていた私ですが、只今絶賛班長に怒られ中です。
「冷蔵庫内の食品は、名前の書いてあるものは勝手に食べちゃ駄目って、初日に教わりませんでしたか?」
「教わりました……」
「なんで食べちゃったの」
「プリンに浮かれて……よく見てなくて……」
私、プリン大好きなんで……。
プリン狂が増えたなぁって、室長どういう事ですか。
ため息をついた班長は、半分ほど食べたプリンを前に小さくなっている私を見下ろした。
「ごめんね、私もこんな事で怒りたくないんだけど、プリンについてはほんと面倒くさい奴がいるから気をつけてほしい。プリン以外は、全然大丈夫なんだけど、プリンは駄目」
「え、プリンが駄目なんです? 人の食べちゃったのが駄目なんじゃなくて?」
「間違える事は誰にでもあるから、反省してもらえればいいわ。私も徹夜明けでぼーっとしてて室長のお昼ご飯と取り違えたことあるし」
「色々佳境に入るとみんな研究以外に頭働かなくなってくるからねぇ。そこら辺はほら、わざとじゃなければお互い様でね」
班長と室長はうなずき合う。
「でもプリンは駄目」
「なぜ」
「俺のプリン!!!!!!!!」
理由を尋ねようとした私の声に被さる大音声。
声の主は部屋の入口で絶望に顔を青ざめさせている先輩。
「あ、あの、すみません、私がうっかり食べちゃって」
「何故だ!!!! 俺の唯一の楽しみが!!!! こんな酷いことがあっていいのか!!!! いや、良くない!!!!」
「うるさ」
班長が顔を顰めてつぶやいている声がかろうじて聞こえる。先輩は、まるで舞台上でスポットライトを浴びているかのように大仰な身振りでプリンを私に食べられた悲しみを表現している。たぶん。
「彼、プリンさえ関わらなければいい研究者なんだけどねぇ」
しみじみと室長が言って、お茶をすする。班長と室長はもう慣れっこなのか、平然としている。いや、班長はとてもうるさがっているけども。
「しばらくプリンに対する愛とプリンを食べられない悲しみの語りが続くから、今のうちに同じの買ってきな。坂の上のケーキ屋さんのやつだから、それ」
「あ、はい」
班長が裏口を示して教えてくれたので、私は財布を持ってケーキ屋さんに急ぐ。
「相手を責めないのはえらいんだけど、声がでかいからひたすらにうるさいのよね」
私を見送ってくれた班長の言葉に、『プリンは駄目』の理由を理解した。
冷蔵庫のプリンには触るべからず。班長と室長の分も買ったプリン片手に、私は研究室のルールを心に刻みつけるのだった。
2023.04.24
ルール、と聞いてすぐに思い出すのは両親のことだ。
父母どちらもルールを守ることについてはかなり厳しかったように思う。当時こそ甘い躾の友達のことを羨ましく思ったりして不満たらたらだったものの、今となってはその躾に感謝してもしきれない。
箸の持ち方、秋刀魚の食べ方、必ず宿題をすること、約束を守ること、あいさつを欠かさないこと、人に迷惑をかけないこと。 それらはすべて、親が教えてくれた「ルール」だ。
大人になって、その「ルール」はわたしの「常識」になって、わたしがある程度「普通」の人間であるとまわりに示してくれて、「信頼」としてわたしを守ってくれている。
貧乏で大変な思いをさせてごめんね、と謝られるけれど、お金に変えられないものをもらえたと思っている。
ルール
私の中のルールがあって
それは誰にも言わないって
心に決めているの
傍から見たら馬鹿げたルール
それでも
私にはとても大切なルール
だから
誰にも言えない
誰にも言わない
でもきっといつか教えてあげる
たった1人あなただけに
そう心に決めているの
ルール
あの人と私の間には、何となくルールがある。お互いに干渉しない、束縛しない等々。自由で対等だけれど、満たされない何ががある。ほんとは、もっと深くふれあいたいけれど、この関係も壊したくない。
お題 ルール
ルールとは規則や決まりの事
規則とは、人の従うべき準則であり、主に文章によって規定されたものをいう。 なお、規則に定められたものを原則、または本則とも呼ばれ、規則に規定されていない事項については例外と称される。 個別の名称には様々なものがあり、規則のほかに規制、規程、規定、規約、基準、規準などがある。 byウィキペディア
ルールは大きく三つに分ける事が出来る
一つ目は憲法や法律、会社の就業規則や学校の校則などの守らなければ罰則がある公的ルール
二つ目は明示的ルール
法律では決められていないものの多くの人が暮らしやすいように行政やサービス提供者が明示的に示すルールの事で、社会に参加する人たちとして推奨される行動を提示している
三つ目は暗黙のルール
どこにも書かれていないが何となく多くの人が従っているルール。
Weblio辞書より引用すれば、
『口に出して明言しないものの、当事者間の理解や納得が得られているさま。 言葉にしなくても皆が了承しているさま。』らしい。
『言わなくても分かるでしょ?』的なあれ。
昔付き合っていた相手が別れ際に必ずキスをしてくるのが嫌だった。
彼の事が好きじゃなかったわけじゃない。
問題は私の家の前で『舌も出して』と長くながくキスをされる事だった。
恥ずかしいを通り越して、怒りに近い感情で、本当にやめて欲しかった。
それでも目が合ってしまえば、やめて、とは言えなかった。
大丈夫、誰も見ていない。
願掛けのような気持ちで自分に言い聞かせながら、おずおずと口から舌を出す。
後ろめたさと恥ずかしさで一秒一秒が長く感じる。
二階で洗濯物を取り込もうとした母に見られるんじゃないか、
斜め前の家の、よく近所の人とお茶飲みをしてるおばさんに見られてるんじゃないか、不安しかない。
全く集中出来ない。
なんでもいい、早く彼の気がすんで欲しい。
この『別れ際にキスをしなければいけない』という暗黙のルールは
1年後に存外あっさり終わる事になる。
べつの男を好きになったからだ。
それ以来、どれだけ相手が変わろうが
家の前まで送って貰う事を避けるようになったし
実家を出て、県外での一人暮らしを始めたのだった。
「ルール」
例え不利益
受けるとしても
己が決め事
通したい
覚悟決まれば
貫くだけと
言うは易しで
追いつかぬ
従うな。縛られるな。抗え。
その全てに。身勝手な全てに。
君もそうだ。
泣いたっていいんだ。
今、辛いと思うのなら、逃げたっていい。
投げ出してしまったっていいんだ。
なぁ。分かっていてくれよ。
心が壊れる方向に進まないでくれ。
ルール
どう頑張っても見つからない
あなたの心のルール
ルールガイドが必要ね、
じゃなきゃわからないから
そうやって味わうドキドキが
いつしか別のものに変わってく
《ルール》
告白して、OKしてもらって、大好きな彼とつきあえることになった。
「ルールを決めよう」
「ルール? たとえばどんな?」
「約束はなるべく守る」
「絶対じゃないんだ」
「守るつもりでも守れない時とかあるじゃん」
待ち合わせの時間に電車の遅延で間に合わなかったり。
デートの予定が体調悪くなって駄目になったり。
一緒に帰る約束してたのに、急に先生から居残りさせられることになったり。
「いや、最後のはどうなん? そんなことある?」
「ある。昨日とかレポートの提出忘れて終わるまで居残りさせられた」
言われて思い出した。うちのクラスもそんな宿題出てた。
明日は絶対忘れないようにしないと。
「あと、なるべく嘘はつかないこととか」
「それもなるべくなんだ」
「できれば嘘なんかつきたくないけど、絶対とは言い切れないじゃん」
「そうかもしれないけど、なるべくなら嘘はつかれたくないしつきたくもないな」
「うん、だからなるべく。絶対、って縛ったら窮屈になるし」
言いたいことは分かる気がする。
でも、それなら最初からルールなんか決めなきゃ済むのでは?
疑問が顔に出ていたらしい。
彼はちょっとだけ困ったように笑う。
「せっかくつきあうんだし、どうせなら長続きしたいじゃん。それにはお互いを尊重するために分かりやすく最低限のルールを決めた方がいいんじゃないかと思って」
「長続き、したいと思ってくれてるんだ」
ずっと片想いだった。
一方的に気持ちを向けてるだけだった。
告白してもOKもらえるなんて思ってなくて玉砕覚悟だった。
だから、そんな風に思ってもらえるなんて考えてもみなくて。
その気持ちだけで拝んでしまいたくなるくらい。
なのに。
「そんな当たり前だよ。だって、俺だってずっと好きだったんだから」
「えっ」
「本当は俺から告白したかったんだけど、チキンでグズグズしてる間に先越されちゃって」
「えっ……えっ!?」
「だから、ずっと一緒にいられるように、無理しないで思ったことはなるべく伝え合うようにしよう。これが最後のルール。いい?」
照れくさそうな笑顔に撃ち抜かれて、私は首がもげるくらい何度も何度も頷いた。
お互いを尊重し合って、なるべく正直に、なるべく無理をしないで。
そうして私達はずっとずっと結婚するまで……結婚してからも、末永く仲睦まじく過ごしたのでした。
聞こえし羽搏きこそ 福音である
穢れこそ悪と 断罪の鐘は鳴る
芽吹く命は 与えられし祝福
新緑の如き産声に 喇叭の音が響く
玲瓏たる声は告げる
希うは足掻き それこそ運命
這いながらも生きることが命と
天より降りしきる 階よあれ
地に満ち足りて栄光と為す
人はそこに約束の最果てを見出すだろう
称えよ 讃えよ 其は偉大なる父である
幼馴染で小さい頃からいつも一緒
勉強するときも遊ぶときも
学校でもそれ以外でも
一緒に笑って泣いてそんな毎日が
ずっとずっと続いていく
私にとってのあなたも、あなたにとっての私も
かけがえのない特別な存在
"ずっと一緒にいようね"
ねぇ、どうして?
どうしてあなたはここを出てゆくの?
大人になってもずっと一緒にいようって言ってたよね?
私のこと嫌いになったの?
あれは私を騙す嘘だったの?
私達のルールは1つだけ
すごく簡単なことだったはずなのに
あなたはそれを破ると私に言った
ルールは絶対 だから"ずっと一緒"
一緒ならシアワセだよね
あなたは虚ろに目を開いたまま
あなたの心臓は動いてないけれど
これであなたは嘘をつかない
「ずっとずーっと 一緒だよ」
二人のルールはずっと一緒にいること
(ひぐらしのなく頃に 卒 のイメージ)
ルール
色々な人がいる社会で
嫌な思いをすることを
最低限に抑えるために必要なもの
けれども、縛りすぎも良くない
あれも駄目これも駄目では
何も出来ない
校則とか
ツーブロックは駄目とか
理由が分からないもの、現在に沿わないものは
無くすか、変えるべきだと思う
現在のルールを全て守ったら社会は
もっと良くなるかというと
そうでも無い
無くてもいいルールや
変えるべきルールはなおして
進化させていくことが大切
#ルール
「覚悟はできた?」
「望むところだ」
「やべえ笑う」
「背縮まるよ」
「俺がパリピ」
「義母を褒め続けて」
「ポン酢」
「土下座」
「治具」
「ばぶみ」
「ナビ」
「銭」
「紐」
「船」
「犬」
「へそ」
「朝湯」
「寿司」
「……」
敗者は叫ぶ。「ぷぺーーー」
ルール
4日目ー
何をやっても、どうにも空しい。
そういう日を過ごすこともある。
今日、私の行ったことが後の日の何につながってくるのか。
そんなことは私にはわからない。
今できることをやるだけだ。
良いか悪いか、それだけを考えて生きることなんてやめて、
大事なことを行えるものになるために、
生きる。
しなやかに柔らかく
伸ばしてひろげて
じゃないと
しがらみにしかならない
自分に課すルールのたいていは。
ルール
自分のルールは自分だけのもの誰にも邪魔はさせない
自由を求める人には、大きな壁。
大きな大砲をドカンと撃ち放てども、ビクともしない。
自由を求めるのもまた、人の有り方らしくて最高にイイ。
ただし、ルールという最低限の規則を守ってこそ、得られる自由もある。
自由には自分のなりたいと思う標と、世に通じる最低限のルールは必要不可欠なものだと思わざるを得なくなってしまった。
……この考えは汚いのだろうか。
ルールが人を守るのか
人がルールを守るのか。
弾丸を吐き出した銃口から白煙が上る様子をぼんやりと見つめる。"人を傷つけてはいけません"と教わったのはいつだっただろうか。
「ひ、人殺しっ!」
背後から聞こえてきた声にゆっくりと振り向く。返り血で塗れた君が恐怖と嫌悪の瞳で私を見上げていた。
私がコイツを殺さなければ今頃君が死んでいたのに。
喉まで迫り上がってきた言葉を飲み込み君へ一歩近づく。君の震えが強くなった。
「そうだね」
赤色に濡れた君の頬に手を伸ばし指で拭う。掠れた色の下から真っ白な肌色が現れた。私が大好きな君の色だ。
「それで構わないよ」
君を守れないくらいならルールなんて守る必要ないんだよ。