『ベルの音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
この鐘の音が、幸せの福音なら
良かったのに。
赤くも黒くも見える
ただれた空と
悲鳴と、焼け落ちる何かと。
街を見守る時計塔は無惨に崩れ
鐘は、真っ逆さまに落ちた。
日常のシンボルが奪われ、潰され
初めて、現実を見る。
平和な日時は、あまりにも脆弱で
誰もが皆、明日も同じように
ベルが鳴ると信じて疑わない。
それが、普通だとしたら。
この光景は、夢なのだろうか。
いや違う。
私の街の鐘は、もう鳴らない。
【お題:ベル】
カランコロンと錆びれたベルの音がする。
ドアの方を見るとそこには彼がいた。ほんの些細な出来事ですれ違い別れてしまった彼が。
このカフェはあまり有名でもないし、お客さんの年齢層も高めで高校生が来るのは珍しい。
彼は誰かを探すように店内に視線を巡らせ私のところで止める。どうしても目を逸らせない。どう対応するべきか決めかねていた時店長に声をかけられた。
「行っておいで。知り合いなんだろ。もうラストオーダー終わから大丈夫だよ」
「でも...」
なかなか気は乗らなかったが早めに話をつけて帰ってもらうのが1番だろう。店長が入れてくれたコーヒーを持って彼のそばに行く。
「久しぶり」
彼は素っ気なく「おぉ」とだけ返した。1番端のテーブルにコーヒーを置いて座るように促した。
しばらく沈黙が続く。
沈黙に耐えられずに口を開いた時だった。
彼はまっすぐに私を見つめて言った。
「もう1度、俺と付き合ってくれませんか」
予想通りの言葉がやってきた。
私たちは別に仲が悪い訳でも無かった。
それでも徐々に一緒にいるのが苦しくなった。
よく話し、反応が欲しい私と。
静かに人の話を聞き自分の話はなかなかしない彼。
一見合うように見えるが何かがはまらなかった。
「ごめんなさい」
私はただ一言そう言った。
彼は初めから想定済みだったのか体勢を崩して苦笑いを浮かべた。
「そっか....そうだよな。わかってた。ごめんな」
何も言えなかった。ただ手を握りしめて俯くことしかできなかった。
こんなに弱気な彼を見るのは初めてで、こんなにも自分を見せてくれるのも初めてで。
なんでもうちょっと早く自分を見せてくれなかったんだろう。なんでもう少し待てなかったんだろう。
「悪い。いきなり。帰るわ。ごめんなさいって店長さんに言っておいて」
「じゃあな」
テーブルの上に千円札を置いて去っていった。
結局彼の顔は見れなかった。涙で滲む世界の中で彼の後ろ姿はドアの方へと吸い込まれる。
彼はもう「またね」とは言わなかった。
「ごめんね」という掠れた声はからに届いただろうか。
視界の端で小さく彼が頷いた気がした。
錆びれたベルの音がしてバタンとドアが閉まった。
私はきっとこのドアベルの音を一生忘れない。
朝、カーテンの隙間から差し込む陽の光とともにけたたましい目覚まし時計のベルの音が響き渡る。
「ん‥‥うぅん」
寝ていた男は鳴り響く目覚まし時計を止め、ベットから起き上がった。
大きなあくびをしながら頭を掻きむしり時計を見た。
朝の6時半、男はベットから降りるとのそりのそりと洗面所まで行き、顔を洗い歯も磨き、寝間着から着替え自身の仕事場である喫茶店のエプロンを着用した。
一階に降り、自身の店である『喰魔カフェ』の食事の下準備と自分の朝ご飯を作り始める。
あと少ししたら探偵事務所の面々やお客様がやってくる。
デジモンであり、七大魔王である自分がこんなことをやっているなど、昔の自分からしたら思いもよらなかったのだろう。それでも今の自分は七大魔王『ベルゼブモン』であり、このカフェのマスター、そして探偵事務所の仲間である『喰魔 ゼブル』なのだ。
俺はこの生活が案外気に入ってるみたいだ。
首にかけていた恋人であった『ベルスターモン』の写真を入れたロケットを見ながらそう思った。
時刻は8時、もうすぐ探偵達がやってくる。
すると
チリン チリン
お店のドアにつけていた鈴の音が聞こえ、そちらに目をやるとまだ眠そうな探偵と元気な声で「おはよう!」と言ってくる赤い恐竜デジモン、そして探偵の助手。
「ああ、おはよう。何時ものでいいよな」
今日もまた、何時もの平和な時間がやってくる。
なんでもない、幸せな時間が。
たった一つのベルが此のイエ(施設)を支配し
怯え、苦しみ
救いのない生活を続ける
タスケテ何て言えない
ベルが僕達ヲ支配シテるカら
# 26
恒例行事だ。職場の忘年会での、演奏は。
クリスマスソングを二曲ほど、大体10名前後で演奏する。
私はいつも、若いからとか、遠い昔にピアノを習っていたとか(うっかり口を滑らせてしまった)そんな理由で、二つから四つ担当することになっている。
年配の人や楽譜が読めない人は一つ。それ以外の人は二つ。足りない音があれば、私がなんとか補っている状態。
今年はきよしこの夜と、ペチカ。子どもでもできるような簡単な楽譜で、短い構成になっている。
そのたった数分のために、仕事終わりや休みの日に二時間ほど練習する。
非常に面倒だし億劫だし……やりたくないのだが、毎回出されるちょっとお高いお菓子と、特別手当の誘惑に負けて律儀に参加しているのだ。
本番は来週末。あとわずか。
今日も白い手袋をはめて、ハンドベルを鳴らす。
毎年恒例、忙しい中での、唯一のクリスマスらしさ。
まだ少女だった頃…
携帯電話なんて夢のようだった頃
電話の前で待っていたね
鳴らないベルの音を
ずっと待っていたね
わかっていたけど
わかっているけど
待っている夜を過ごしていたね
少女だった頃の
切ない思い出
【ベルの音】#44
#2
『ベルの音』
からんからん、と今年も扉のベルの音が鳴る
子供たちのきゃらきゃらとした声とそれを見守る大人達。
どうか今年も、素敵な日になりますように。
一足早いメリークリスマス。
ベルの音
クリスマス
結婚式
電車とかかな
気をてらって
火災のサイレン
警告
祝福
印
祈願など
ベルによって違う
違うけどベルではある
これってのはない
いまからクリスマスがくる
ジングルベルが有力
これが鐘だと除夜でお祓いに
神社なら初詣の鈴となる
鈴と言えば熊よけも思いついた
なにかしらのサインになってる
状況や事情によるはず
だけど周囲に伝わることが目的
それとなく何かがあったとは判る
その何かとは
基本的に
ベルの鳴らし方が表している
そんな気がする
電話の呼び出し音(特に固定電話)にはどきっとするし、インターホン恐怖症だし、緊急地震速報にいたっては揺れよりも音に度肝を抜かれる。
基本的に外部から予告なしにもたらされる音は苦手である。
ベルの音というと時節柄ジングルベルやサンタクロースを連想するが、クリスマスの夜にシャンシャンシャンシャン……と音がだんだん近づいてきたら恐怖体験に違いない。
冗談はさておき、最近、LINE通話の呼び出し音が聞こえず、不在着信で気づくことが増えた。
年齢が上がると高音域が聞き取りづらくなるといわれるが、モスキート音より低いはずの呼び出し音が聞こえない。ゆゆしき事態である。
『ベルの音』
ベルの音
クリスマスの時期は、街は浮かれモードだ。スーパーの店内ではクリスマス仕様のBGMがかかり、いつものケーキ屋さんも、なぜかクリスマス時期は一段と美味しそうにみえる。クリスマスとは無縁でも、ベルの音を聞けばサンタさんがクリスマスプレゼントを持ってきてくれそうな予感がして、そわそわする。
結局サンタさんは現れなくて、自分用に自分のお金でプレゼントを買うのだけれど、それでもいいと甘くなれるのはクリスマスだからだろうか。
ベルの音
重厚で格式高い華やかな劇場
広い空間に開幕5分前のベルが鳴り響く
それは観客を夢の世界へと誘う合図
いよいよ待ちに待ったその時が訪れる
舞台上と客席が一体となって
唯一無二のひと時を創り出す夢の世界へ
皆様準備はよろしいですか?
さあ一緒に旅に出よう
ベルの音が鳴り響く
幸せな二人に祝福を
末長く共にあることを
困難な道に追い込まれそうになっても
きっと二人なら乗り越えられる
そんなことを思いながら
ほら今も
リーンゴーン
朝突然ベルの音に叩き起こされ、眠い目を
擦りながら寒さに震えながら厚着をし、
ケトルに湯を沸かしコーヒーを眠気覚まし
に飲む。
ベルの音‥といえば
私は最近、ハンドベルをYouTubeで
よく聞くんだけど凄い癒やしてくれるんだよね。
寝る前に聞いて、1日の癒しになってたりします。
癒し‥といえば、ハープもお勧めですよ!!
ポロロンって感じが凄く良くて‥!!
あ、ベルの話ですね。
‥あと、ベルといえばお店の出入りのベルとか。
たまに、路地裏にあるお洒落な喫茶店とかがあると
ついつい吸い込まれるようにお店に入っちゃいて
‥その出入りのベルの音を聞きながら
喫茶店で本を読みながらゆっくりするのも
私の好きなことです。
‥最近は忙しくていけてないんですけどね(笑)
帰り道 金色の穂のわきを抜け
君に届けと 鳴らすベルの音
お題【ベルの音】短歌
高校の時、秋の田んぼの中の道を自転車で帰っていた。憧れていた先輩が先の方に見えるから追いついて一緒に帰りたいけれど、早くてなかなか追いつけない。必死で漕いで近付いたあと、偶然〜みたいな装いで後ろからベルを鳴らしてみたりして。「せんぱーい!一緒に帰りましょ〜!」って。
【145,お題:ベルの音】
「ただいまー」
トタトタとリズミカルな足音、リンリンと揺れる首の鈴音
「わふっ!」
ぴょんと飛び込んでくる、茶色と白のもふもふの毛
「ベルー!ただいまー!」
ぎゅーっと抱きしめて、わしゃわしゃとお腹を撫で回す
もふもふのお腹に顔を埋めると、さっきまで昼寝でもしてたのか
お日様のいい匂いがした
「ベルちゃんといい子してたー?」
「わう!わふっわふっ」
よーしよしよしと滅茶苦茶に撫で回し、ようやく玄関から奥にあがる
素早く手洗いを済ませて、こたつに滑り込みテレビを付ける
ベルはこたつが付いたと同時に中に入り込んでいる、お前は猫か
「温かいね~」
「わうふ!」
こたつの中をモゾモゾと動いて、ぴょこんと私の足の足元から顔を出すベル
そのもふもふをぎゅーっと抱きしめると、嬉しそうに目を細めた
「もうクリスマスシーズンだね~」
なんとなく付けたテレビのバラエティで、いろんな種類のクリスマスソングが流れている
ジングルベル、赤鼻のトナカイ、慌てん坊のサンタクロース......意外と分かるな私
リンゴンカンコンと近くの教会からベルの音がする
クリスマスだぁ~と誰にでもなく呟いてごろんと横になった
クリスマス1人、いわゆるクリぼっちだが私にはベルが居るもんね~
「くう?」
「んーベルかわいい~!」
わしゃわしゃと撫で回す、その手からスルリと抜けて部屋の隅に駆けていくベル
直後リード咥えて戻ってきた、その目は期待に輝いている
「あ~お散歩かぁ、外寒いんだよなぁ...」
「......(無言の圧力)」
「んんん行くかぁぁぁ」
「わううっ!」
リードを繋げて外に出る、クリスマスシーズンだからか
イルミネーションをしてる家が多くて、街がかなり賑やかに見える
「初雪ももうすぐかな~」
「わふ!」
ベルも居るし、今年はいい冬にしたいなぁ
喧しい電話のベルはちょっとしたおみくじ
君なら大吉 それ以外はハズレかな…?
祝福されつつ世界に在れる私たち
毎日をいわって
交わす言葉を 視線のまじわりを
笑みを 冗談を 慈しんで
生きていく道を過ごしやすいように整える事は 喜びを
活力を 幸福を すぐ隣に息づく苦痛をなだめる胆力を
私に辛抱強く それが全て唯一だとささやき続ける
寝ること 食べること 食べないこと
清潔と怠惰の宙ぶらりん
朝のはじまりを知る 夜をちゃんと終える
カードは順にめくられて
他人の心には入れず
毎日のサイコロは自分が握っていて
何の目が出ているのかは
かならず自分で見なくてはいけない
ホットケーキを焼けば
今の気配が知れる
背中にくっついているものの温度を感じて
なおかつそれに気をとられすぎない
こんがり焼けた地球は
湯気のあがった地平は
親指でへこまされて
香ばしさの穴をあけ
向こう側に覗く天国の足かせ
高らかに祝祭の音程となり
からーんころーん
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【20】ベルの音
合図。
美しい旋律で
あるいは耳障り。
音に洗脳され
脳が洗脳され
体が反応する
学校の時間
仕事の時間
帰る時間。
このベルの音は
冬の訪れ。
–ベルの音–
ベルの音
リンリン
リンリン。
ベルと言ったらクリスマスですかね?
ジングルベル ジングルベルー 鈴がなるー
歌詞忘れちゃいましたww
最後に、
クリスマスで少し悲しいことを一つ。
自分、誕生日がクリスマスイヴなのでプレゼント一個しか貰えないですww
でも盛大に祝ってくれるので嬉しいですww