『バレンタイン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
バレンタイン
子供の頃、バレンタインは嫌だった。毎年くれる女の子にどんな顔をして受け取ればいいのかわからなかった。好きではなかったから。
大人になると、クリスマスにはケーキ、みたいに、ただの儀礼的なものだと思うようになった。誰からでも笑顔で受け取れる。
だからといって、この日のわずらわしさが消えたわけではない。
帰り道で、細い脇道に入った。廃屋の側に寄り、周りに人影がないことを確認する。
受け取った箱から中身を取り出し、地面に投げた。すぐさま、僕の影が腕を伸ばす。拾ったチョコレートを大口を開けて影が飲み込んだ。
ふたつ、みっつ。池の鯉のように、僕が投げるのをまだかまだかと影が急かす。
今年はこれで終りだよ、と僕がいうと、影は名残惜しそうに僕の形に戻っていった。
帰宅した。夜。
真っ暗な部屋で、鞄を開けた。ラッピングされたひとつの小さな箱を取り出す。
明かりをつけずに、中身を食べ始めた。
ごめんな。これはお前にやるわけにはいかないんだ。
甘いものは苦手だ。影に気づかれる前に、ペットボトルの水で急いで流し込んだ。
『マウント』
登山するには備えが必要だね。
親のクロモソームの組み替えでしかないのに
身長や胸だのアソコのデカさで自分を大きく
見せたがる心の若者に伝えたい。
デカければ良いのは、学生までであれ。
過去の自慢をする時は
的外れな事柄は避けるべき
他人より突起した何かを話す時は
オブラートに包んでから世に出すべき
それらが面倒な時は、覚悟を持って言葉にね
幸か不幸かはあなた次第。
私はデカいよりも硬いほうが好きですが…
あとがき
現代の情報技術ではパソコンに取り付けた
周辺機器を正しくOSに認識させ、
利用できる状態にすることを指すみたい!
バレンタイン
男から女にチョコを渡す謎の風潮
男の人も困るやろ
学生時代で終わりにしてくれよ
今年はどうしようかな?
トリュフか
フロランタンか
フレークか
まんま板か
味は?
ブラック、ホワイト、イチゴ、抹茶、キャラメル
作る?買う?
それはそのときの気分次第
誰に?
恋人かな
うーん、どうするか…?
今時、義理チョコなんてしない
よし決めた!
恋人と自分自身にバレンタインチョコを。
バレンタインより大事な思い出の1日はない
だって、貴方が告白してくれた日だから
女の私からじゃなく貴方から受けるなんて
思ってもみなかったから
吃驚したのを今でも覚えてる…
ねぇ、あれから何年経ったかな…
未だにバレンタインには
貴方から花束を受け取ってるなんて
当時の私には想像もしてなかったよ
でも、あの日から毎年
受け取る花束をドライフラワーにしてる私も
なかなかに貴方が好きでたまらないの
未だに、ね?
これからもよろしくね
旦那様
小学校は田舎だったからクラスや全校生徒の数が少なかった。小1のバレンタインデーの日、クラスで唯一の男の子にバレンタインチョコをあげようとその子の家まで行ったが緊張と恥ずかしさのあまり結局渡せなかった。彼がチョコが苦手と知って安堵したのはまた別の話。
2/14
割りきれない想いは
伝えたいけど
勇気がなくて
ぐるぐる巡るだけ
バレンタイン
友チョコあげるの
今年少ないから少し助かった
【バレンタイン】kogi
『バレンタインデーにチョコを貰える人って本当にいるんでしょうか?』
バレンタインにチョコがもらえるほど女子と人間関係を築いて来たわけでもないのでもらえることはないだろうと思いながらも、朝は少し期待を持ってしまう。もしかしたら誰かがくれるかもと淡い期待を抱きながら下駄箱を確認する。まあもちろんだが入っていることはない。そもそも下駄箱にいれるなんて漫画とかの世界だろう。気を取り直して教室へ、当然机の中にはなにも入ってないし、女子が声をかけてくることはない。代わりに声をかけてきたのは男友達。
「チョコなかったわ」と言うと、
「え、今日なんかの日だっけ?」
とすっとぼけた様子で返事をしてくる。忘れているわけがないのだろうが、気にしてないふりをして精神を保つことでなんとか一日を過ごしていくのだろう。
もしかしたら昼休みに貰えるかもと希望を託しながら、午前中をダラダラ過ごす。そして昼休み、四十分間期待を抱いていたものの当然貰えることはなかった。
そしてそのまま放課後になり、帰路に着く。この時間まで決心がつかずにギリギリで渡してくるなんていうこともなくバレンタインデーは普通の平日として終わりを迎えた。
唯一の救いは、当日見た限りでは女子が友達同士であげていることはあったものの、女子が男子にあげているということはなかったようだったことだ。
バレンタインデーに異性にチョコを渡すのはオカルトだったんだ、チョコを貰える男子なんていないんだと、納得の結果を導き出し、気持ちよく眠りについた。
後日何組か新しくカップルができたなんて言う情報が耳に入ってきたような気がしたが、考えないことにする。
バレンタイン
YouTubeで見た材料4つで作る
チョコレートブラウニー
ホットケーキミックス使って
行程も少なくて
レンチンでできる
子どもは
ホットケーキミックス使ったら
ホットケーキの味になりそう
って言うけど
まぁ、まぁ、物は試しよ
あっという間に出来た
チョコレートブラウニー
冷蔵庫で冷やして
夕食後に実食
美味しい
全然、ホットケーキの味しない
夫も子どももニコニコ顔
甘く切ないバレンタインではないけれど
なんて幸せなバレンタインデーだろう
Theme.バレンタイン
本命さんには、まだあげられないなー。
2月14日、「バレンタイン」誰からも、貰えない俺からしたら、どうでもいい日。だけど、カップルや貰える人からしたら最高の日なのだろう。俺も、貰えるように自分を磨く。
今日はバレンタイン
一年に一度の日。
だから大切にしたかった。
けど、彼氏は習い事で忙しいから、今年はチョコを渡せそうにない。
当日に渡したかったなぁ、だから私彼氏くん以外は昨日までに全部配ったのに。
「傘貸して」
あぁ、彼に言えればよかったんだけどな。
初めて作ったトリュフチョコを6つ、ジャスコのバレンタイン催事場で買った少しシックな箱に詰めて、スクールバッグの底に忍ばせたまま、渡せなかった中学2年生の甘苦い想い出。
地方都市にあるささやかな駅ビルに、ある気高き婦人の名を冠した世界的チョコレートブランドが出店している。
いつもなら、値札だけを横目に見て、「お高~い」と胸の内で苦笑しながら通り過ぎる場所だった。
しかしわたしは今日、初めて立ち止まり、
「これください」
迷わず大箱を指さして、一万数千円を差し出した。
大切な私へ、愛を込めて。
いつもありがとう、がんばっているね。
とびきりの感謝は、わかりやすく値段に乗せた。
家路をたどる足取りがはずむ。
ひとりでこっそり箱を開けて、戸惑いながら選び、えいやっと頬張って、小さな背徳と手をつなぎ、陽気に小躍りしてみたい。
明日からは、どんな気持ちであの店の前を通るだろう。
お得意様気取りかな。
「また来年が楽しみ」かな。
「たいして違いがわかんなかった」かもしれない。
どちらにしろ、今までとは違うはず。
わたしは今日、このチョコレートを食べて、ほんの少しだけ世界を変えるのだから。
バレンタインとは、毎年2月14日に世界各地で行われる恋人や夫婦がお互いの愛を確かめ合う日。日本では、チョコレートを贈る習慣が定着している。海外では、男性から女性にプレゼントを贈るのが主流である。
カップケーキ・あなたは特別な人
バレンタイン、私の中ではもう何年も親友達とチョコを交換する日。
「バレンタイン」
好きな人にバレンタイン渡したいけど
自信無い.....。
そこで渡せなかったらモヤモヤするだけだよね..
頑張って渡してみる__!!
先輩!!
来てください!!
ちらちらと雪が降るなかを、2人で歩いた帰り道。
いつも2人で楽しく話しながら通るこの道も、今日はなんだかいつもと違っているように感じるのは、私と君との間に少しの緊張があるからなのか。
いつも隣を歩いているのに、少しだけ前を歩く君の背中はなんだか知らない人みたい。
自転車のペダルが無機質にからからとなっている。
どんな風に君の名前を呼んで、どんな会話をしていたのか、今日は何も分からなくなってしまう。
分からないから荷台を思い切り掴んで、強制的に進行を防いだ。
「プリン作った、から。食べる?」
目が泳ぐ。たどたどしく言葉を発するたびに、汗が吹き出して体が暑くなった。
「うん」
いつもよりぶっきらぼうな返事。交わらない視線。
今日はバレンタイン。
【バレンタイン】
チョコレートを女性から貰うという、男の一大イベント。
街を歩いたり、買い物をするだけで周りから白い目で見られる自分には縁のない話。
なんでだろうね?チョコをたくさんもらえるモテる人間になりたいなんて思った事はない。
ただ普通に街に出て、普通に買い物したり遊んだりしたいだけなのに、それすら叶わない。
太ってるから?目が小さいから?顔が大きいから?
髪型や服装が流行りのものではないから?
多様性だのルッキズムへの批判だの言ってるけど、人間は所詮見た目が全て。
見た目が普通以上で初めて多様性がと言える社会。
娘は太らせるわけにはいかない、整形してもいい、髪を染めてもいいし、勉強もそこそこで構わない。
見た目だけは良くしろ。でないと父親みたいに存在そのものが悪になってしまう。
全てにおいて後ろ向きになり、人間が嫌いになる。
まだ早いけど遺言の様に、父親との思い出はないけど見た目だけはよくしろとよく言っていたと言われる程、口が酸っぱくなる程言い続けよう。
自分の様な人生は歩んで欲しくないからね。