れいおう

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『バレンタインデーにチョコを貰える人って本当にいるんでしょうか?』

バレンタインにチョコがもらえるほど女子と人間関係を築いて来たわけでもないのでもらえることはないだろうと思いながらも、朝は少し期待を持ってしまう。もしかしたら誰かがくれるかもと淡い期待を抱きながら下駄箱を確認する。まあもちろんだが入っていることはない。そもそも下駄箱にいれるなんて漫画とかの世界だろう。気を取り直して教室へ、当然机の中にはなにも入ってないし、女子が声をかけてくることはない。代わりに声をかけてきたのは男友達。
「チョコなかったわ」と言うと、
「え、今日なんかの日だっけ?」
とすっとぼけた様子で返事をしてくる。忘れているわけがないのだろうが、気にしてないふりをして精神を保つことでなんとか一日を過ごしていくのだろう。
もしかしたら昼休みに貰えるかもと希望を託しながら、午前中をダラダラ過ごす。そして昼休み、四十分間期待を抱いていたものの当然貰えることはなかった。
そしてそのまま放課後になり、帰路に着く。この時間まで決心がつかずにギリギリで渡してくるなんていうこともなくバレンタインデーは普通の平日として終わりを迎えた。
唯一の救いは、当日見た限りでは女子が友達同士であげていることはあったものの、女子が男子にあげているということはなかったようだったことだ。
バレンタインデーに異性にチョコを渡すのはオカルトだったんだ、チョコを貰える男子なんていないんだと、納得の結果を導き出し、気持ちよく眠りについた。
後日何組か新しくカップルができたなんて言う情報が耳に入ってきたような気がしたが、考えないことにする。

2/14/2024, 9:34:35 PM