『バレンタイン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
学生時代、バレンタインというと、それは色めきだつイベントだった。
普段は使わない台所を占領して、遅くまでオーブンと睨めっこした。近所のチョコレート売り場をひたすら巡回した年もあった。
友チョコも盛んな時代だったので、名簿がいるほどお菓子を交換したものだ。
そんな思い出も今は昔。気がつけば、社会人4年目が終わろうとしている。
今の会社は、義理チョコ文化が廃れているそう。定休日もあって、一人チョコレート菓子を口に放り込んでいる。
片手にはスマートフォン、中身はTwitter。好きなキャラクター達が、渾身のチョコレートを受け取っている。
そういえば、ハロウィンも、クリスマスも、同じように過ごしたかな。節分は恵方巻きだけコンビニで調達した。
年々、画面越しに楽しむイベントが増えている。続けば寂しくなるのかもしれないが、少なくともまだ嫌じゃない。
今は他人の感性を借り、季節を満喫している。
バレンタイン…
Would you please be my valentine?
君を見てると優しくなれる
バレンタイン(2月14日)
最後に渡したのはいつだろう
1年前?2年前?
いや、もっと前だと思う
しかも本命チョコなんて渡したことさえ
ないんじゃないかな
好きだった人に渡しとけばよかったな
いまさら後悔したって遅いけど
僕はバレンタインになにか特別なことを
するわけじゃないから
今日がバレンタインということを忘れかけてた
いつか本命チョコ 渡してみたいな
どうでもいい(?)僕のことについて教えます!
自分のこと僕って言ってるけど実際女子です
リアルでは僕って言ってないんですけど僕のほうが言いやすいので僕を使ってます
以上、僕のどうでもいいお話でした!!
読んでくれてありがとうございます!!
あれ、今日って「バレンタイン」?
お菓子を手にした君が口にした言葉。
まさか私が渡すまで気づかなかったなんて。
昨日の夜から、どれだけ緊張してると思ってるんだ。
君に渡すだけで精一杯で、授業だって集中できなかったのに。
それなのに、忘れてたなんて。
「どうせ貰えないだろうから」
「はぁ?何それー、まぁ嬉しいけど」
と言ってさっそく袋から取り出そうとしている。
別に告白する予定はなかったからいいけど。
遠回しには伝えてみよう、とは思ってた。
でも、無理そうだ。これだけでもう頭がいっぱいだ。
「で、一応聞いておくわ」
「何?」
「これ、何チョコ?」
「へ?」
「ほら、あるじゃん。義理とか友とか」
意外にも、向こうから聞いてきた。これは痛い。
義理や友と答えてもこの後がない。
正直に答えても後が怖い。どっちにいっても無理。
でもせっかくのバレンタインだ。
この日はこの時のためにあるんだから。
「義理でも友でもない、かな」
ひと粒の勇気で叶う恋なんて
ひと口の間に溶けてしまうわ
/お題「バレンタイン」より
キノコ型ジャンドゥーヤ。
華やかベルギー産。
白ワインの生チョコ。
発酵クリームの黄金の円盤。
キラキラの半球。
何層にも重なる美味しさを
味わって食べるチョコのお祭り。
題「バレンタイン」
récit œuvre originals
「バレンタイン」
どうしてこんなイベントがあるんだろう
めんどくさい
いつだって告白するチャンスはあるのに
まあいいか
たまには高級チョコを差し上げましょ
それなりに、ありがと
お父さん
おひとつ分けてよね
ついに何もないバレンタインとなった。
旦那の会社の義理チョコも今となっては有り難かったな
鞄の中から出せず
本命チョコは渡す相手をなくした
(仕方ないや。自分で食べよう…)
こっそり校舎の裏で取り出した
本命チョコ
ミルクスイート味のトリュフは
「あ、わーーー!すげぇ美味しそうでいいなぁぁあ!
せ……先輩、義理チョコひとつくれませんか?」
顔を真っ赤にして全力疾走!?
後を追い掛けて来た
気遣い上手な後輩にあげた
-2nd story-
鞄の中に
間違えられて入れられていた
バレンタインチョコ
「代理で"お前が好きだ"と言いに来たぜ!」
「何だと!?代理するかよ、ふつー…
俺はなぁ、そんなてめぇが大好きだんだよっ」
「なに、マジか!?」
「本気を疑るな!」
「あの子もお前に本気だぞ!」
本命と義理は、ボーダーライン
#バレンタイン
初めて好きな人にチョコを渡した昨年度の今日。
彼は意味に気づいてなく、ホワイトデーにクッキーをお返しで渡してきた。
一応意味を調べて見たけど彼がそれを気にしていたかは分からない。
今年度もクラスが違い、LINEで話したことで彼女持ちだとわかった。
私はそのままLINEで告り、連絡先も全部消して視界にも入れないようにした。
その直後、彼が浮気人だということを知り気持ち悪くなったのは今年度の5月。
「昨日一睡もできなかった」
って友達に言ったら笑われた。
仕方ないじゃないか!だって今日は、彼女ができた年の初めてのバレンタインだ。
「そんなに心配しなくても、貰えるだろ」
うるさい。お前は実際に彼女ができたことがないからそんな事が言えるんだ。
心の中でぼやき、俺は空を見上げた。
晴天。絶好のバレンタイン日和だ!
大丈夫!もらえる!もらえるさ!!
震える拳を握りしめて、大きく深呼吸してから、学校への敷地へと踏み込もうとしたその時だった。
「おはよう」
彼女の明るい声が背中から飛んでくる。
俺が何か言う前に、彼女が口を開いた。
「これ、バレンタインのチョコ。家に帰ってからあけてね」
ちょっと上擦った声と、早口。
駆け足で去っていた彼女の耳は真っ赤だった。
「よかったな」
「……おう」
赤いハート型の箱に丁寧な包装。ピンク色のメッセージカードには『これからもよろしく』の文字が彼女の筆跡で踊っている。
俺の口角がいやがおうにも釣り上がる。
これが、あぁこれが、幸せなのだな。
バレンタイン
今日は愛を伝える日だそうだ。
街中に飛び交う、赤、ピンクのハート。
カラフルなラッピングに包まれた箱。
もらった人、渡した人の笑顔が溢れている。
ーまぁ、僕には関係ないか・・・。
そう思っていたのに、学校から帰る途中、
「待って!」と声をかけられ、少し強引に渡される。
小さめの、個包装のチョコレート。
「・・・友チョコだけど、あげる」
そう言った彼女の顔は少し赤かった。
もらえるはずないと思っていた。
関係ないと思っていた。
それが今、手の中にある。
「・・・ありがとう」
HAPPY VALENTINE’S DAY!
この世界の全ての人に今日は愛を伝える日。
バレンタインと言えば女の子が男の子へチョコを贈る日
人生歴15年の私、男の子にあげた記憶ないや
今年のバレンタインは何もありませんでした!
HA☆HA☆HA☆HA☆HA
あげもせずもらいもせず
ほんとにいつもどーーりの1日でした!
私にとっては特別でもなんでもない行事です!
うぅ……
バレンタイン嫌いになりそう……
非リアの独り言なんてどうでもいいですよね!
すみませんでしたあああ!
リア充お幸せに!
ツイデニバクハツシロ
「バレンタイン」
今年も旦那にチョコをあげた
ゴリラのチョコ…(笑)
はい、これ♡
ありがとう(〃ω〃)
2月14日って…
こんなに呆気ない1日だったっけ?
昔はドキドキしすぎて
死にそうな1日だった気がする
でも、今となっては
ピンと来ない…
ここ何十年かは
穏やかなバレンタインを過ごしている
俺の名前は夏桜ショウ。
俺は今日、大好きな恋人にチョコをプレゼントする。
いつも、ありがとう。の気持をこめて。
最近なんだか冷たくて、あまり話していない。
でも、あいつは俺と恋人だし、俺はあいつのこと
好きだし、なんだか複雑だ。
俺は、バレンタインチョコを渡そうと、
恋人の谷津トウヤの部屋に向かった。
でも、ドアを開けると、そこには最悪の光景があった。
知らない女とイチャイチャしてるトウヤ。
それもキスしようとしている。
だし、女の方は服のボタンが外されている。
トウヤも、シャツを脱ぎかけていた。
『え…?トウヤ…?』
「は!?ショウ?なんで…!」
『こっちが、なんでって言いたいんだけど』
「……っ」
『やっぱ、俺のことどうでもいいんだ。
そりゃ、そうだよな。お前だって、普通の女の子がいい
もんなぁ…!なぁっ!!!』
「違…俺は…っ」
『言い訳なんていらないよ。
ばいばい。もう、別れようか』
正直、別れたくなかった。
俺のことを認めてくれた、唯一の人だから。
でも、俺は絶望に耐えきれず、
外に飛び出した。
「…っ」
女「…トウヤくん…?」
「…うるさい。出てけ」
女「え…?で、でも…!」
「…でてけって言ってるんだ!!!」
女「…はい」
最悪だ。俺は。
ショウを裏切ってしまった。
ショウは、俺がいないと生きていけない。
そんなこと、俺が一番わかってた。
わかって…たんだ。
リビングにいくと
テーブルには、一つのチョコがあった。
それを開けてみると、手紙が入っていた。
〘トウヤへ
いつもありがとう。優しくしてくれて。
俺を認めてくれて。
こんなダメダメな俺だけど、
これからもよろしくね!
大好きだよ、トウヤ!〙
…きっと、俺のことなんて嫌いになったよな。
ごめん、ごめん。
俺は、ひとり、リビングで
ずっと泣いていた。
【バレンタイン】
End
#いつかのバレンタイン
渡そうとドキドキの女子
もらえるかなってそわそわの男子
四方八方に飛び交う視線
所狭しと繰り広げられる囁き
それを傍観するモブキャラ 私
家路を辿ればシチューの香り
リビングにはおこぼれのチョコレート
『バレンタイン』
盆暮れ正月、クリスマス、
彼岸、誕生日に至るまで、
わが家のイベントは、ささやかなご馳走を手作りして、家族で楽しむという風にパターンが決まっている。
それは例に漏れず、
バレンタインも同(おんな)じだ。
しかし、ちょっと思うのだ。
盆暮れ正月、クリスマス、
彼岸、バレンタインはわかるけど、
みんなの誕生日もわかるけど、
ホワイトデーと私の誕生日まで、
私がご馳走を手作りするってどうゆうこと?
そんな疑問を抱きつつも、
不格好な料理を美味しそうに食べてくれる我が家の男どものために、
今日もせっせとチョコレートケーキを焼くのであった。
数年前から、バレンタインチョコは家族と親友と自分の為だけに買っている。
この時限定のチョコレート、この時限定のパッケージ。要は期間限定を楽しみたいだけなのだ。
特設会場に並ぶたくさんのチョコも、普段から店に並んでいたら多分買わなかっただろう。
数日前から煽るマスコミ、購買意欲をそそる会場のディスプレイ、甘い香りに、ポップなBGM。
そう言えば、特設会場で「バレンタイン・キッス」が流れることもいつの間にか無くなった気がする。
本命チョコに友チョコ、義理チョコ、ご褒美チョコ。
次から次へとトレンドが現れて、毎年買わなきゃ、という気にさせる。
乗せられやすいのだろう。
でもまぁ、年に一度くらい流行りに乗って、みんなと同じ事をするのも楽しいものだ。
こうして我が家にまた、可愛いけれど使い道の無い缶や箱が増えていく。
END
「バレンタイン」
【バレンタイン】
小学生4年生のバレンタイン、1度だけ2歳からの幼馴染みに渡したことがあるのを鮮明に覚えている。
小学校時代お菓子作りにハマっていた私は、所謂「平成女児チョコ」ではなく1から生チョコを作ったり、リキュール入りのダイスチョコを作ったり、紅茶のパウンドケーキを焼いたりと、バレンタインで無双しまくっていた。バレンタインの時期に恋した経験がまだ無かったため、友達に配り歩いて同性からの支持を総ナメしていたからだ。
しかしその年、2歳からの関係である幼馴染みの男の子に今まで1度もバレンタインをあげたことが無いことに気が付いた。幼馴染みはその前の年にひいおばあちゃんが亡くなってしまったため年賀状のやり取りが出来なかった。なら年も明けたことだし年賀状の代わりにバレンタインチョコを作って渡そうと決め、生チョコとバナナマフィンを作った。徒歩10分圏内の幼馴染みの家に行き、実際に渡した時は特にリアクションは貰えなかったものの、翌月のお返しが約10000円相当のお高いミニタルトの詰め合わせだった。これだけはずっと覚えている。