『ハッピーエンド』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#3 ハッピーエンド
ハッピーエンドというワードが、いつの頃からかずっと好きではない。好きではない、というよりは。引っかかっているような、違和感に似た感覚だ。
「ハッピーエンド」を「終わりよければすべて良し」のように捉えてしまうからだろうか。それは裏を返せば「報われなければ無意味」であり、「どんな過程を踏んでも結果を示さなければ虚無に終わる」のように捉えてしまうからだろうか。
そうしたら、転機転機で何の結果も残していない私は、バッドエンドの積み重ねの人生を歩んでいることになる。
恐らく私は、その延長線上に立ったまま動こうともせず、ハッピーエンドを迎えないだろう。でも、そんな最期を受け入れるつもりだ。
ハッピーエンドなどという――そしてバッドエンドなんてものも――そんな平凡で派手なものは、私には似合わないし、要らない。
ハッピーエンド
人生最後の時を
ハッピーエンドで迎えられるのなら、
「私は幸せだった。」
と言えるのだろう。
ハッピーエンド
人生の最後にありがとうが言えれば
ハッピーエンド
『ハッピーエンド』
「ハッピーエンドなら、エンドマークがついた瞬間に隕石を降らせたい」と、私の好きな作家は作中で書いた。
ハッピーエンドのその先が幸せなんて、誰もわからない。だから、ハッピーが確約されているその瞬間に、すべてを終わらせたい、と。
私も今、この瞬間に隕石を降らせたい。
ライスシャワーの中、幸福に満ち溢れた笑顔で歩く二人を前に、そう思う。
けれどそれは「幸せなまま終わって欲しい」なんて願いではなく。
かといって、「幸せの絶頂から転落してほしい」なんて呪いでもなく。
ただただ、二人の……私の大切な大切な親友のルミを奪った男のに脂下がった顔を見たくないから、今この瞬間に隕石でも降ってきて私の頭に当たってくれはしないかと願っている。
この想いは、恋ではない。
彼女に向けるこの想いは、恋ではない。それは、自分でもよく考えて、結論を出した。
恋ではない。でも、愛ではある。
生まれたときから、それこそ産院で母親同士が隣の分娩台で産んだくらいに生まれたときから一緒にいた彼女は、私の友であり姉であり妹であり、そしてもうひとりの私でもあった。
彼女のことは、私が一番良くわかっている。
だから、本当に本当に不本意だけれど、あの男が彼女を幸せにするだろう事もわかる。だって、あの子は彼と一緒ならば幸せなのだ。それが、わかってしまったから。
私は、泣いた。そりゃぁもう、子供のように泣いた。
彼女は、ずっとずっと、私の背中を撫でてくれた。
彼女のことを一番わかっているのが私なら、私のことを一番わかっているのも彼女なのだ。私がどうして泣いているのか、彼女はわかっていた。
「クミちゃんが結婚するときは、私も大泣きするんだろうなぁ」
そんなふうにつぶやきながら、私の背を撫で続けた。
彼女のウェディングドレスは私が選んだ。そうしてほしいと彼女が言ったから。
今日、教会の十字架の前に立った彼女はとてもとてもきれいで、私が選んだドレスがよく似合っていた。私はまた泣いた。今も泣いている。
「クミちゃん、私、今隕石が落ちてきそうなくらい幸せ」
幸せな泣き顔をしたルミは、ブーケの影でこっそりと私に囁いた。
隣の男は不思議そうな顔をしているけれど、同じことを考えていた私にはわかる。
「まだまだ、エンドマークなんてつけさせないよ」
ここはまだ、ハッピーエンドじゃない。今はまだ途中の途中で、ルミはもっともっと幸せになるんだから。
だからやっぱり、隕石にはちょっとまっててほしい。
幸せなルミの隣には、この男だけじゃなく、私だって必要なんだから。
2023.03.29
ちょっととっ散らかりました。
ハッピーエンド
わたしは、職を探しているが見つからない。働くことは義務だと親から聞いた。義務だから、みんな一生懸命に働くのだと思う。わたしも周りの社会人のように、当たり前の生活をしたいと思う。結婚もしたいし、子供もほしい。美味しいものも食べたいし、いい家に住みたい。法律は何のためにあるのか、わたしには分からない。法文は主観的に解釈されているのかもしれない。わたしにはとても理解が出来ない。
小さなしあわせ 見つけましょ
ひとつ
ひとつ
幸せは
悲しみの影に
隠れていることもある
悲しみが癒えた後に
やってくることもあるらしい
痛みも祝福だとしたら??
もう
全ての出来事が…
『ハッピーエンド』
………やっぱり痛いのは苦手です
大抵の人間は、お約束やハッピーエンドが好きらしい。
私も例外なくその1人だ。
映画や小説で予想通りの展開に安心した覚えもあるし、
話を書こうとすれば、登場人物たちをどうにか幸せにしてあげたくなる。
でもちょっとだけ、意地悪な終わり方を期待していることもある。
幸せや希望を期待しながら、どこかで人生はそんなに甘くない、と殴っても欲しいらしい。
幸せかどうかは本人が決めること、とはよく言ったものである。
どうか悔いのない毎日を。
美味しいフルーツタルトを食べて幸せな私の、
これから書くお話はどう終わるかしら。
『ハッピーエンド』
「ハッピーエンド」
桜は咲いたのに僕は土の中だ。
死んだわけじゃない。埋まってるだけだ。
少しパーツが壊れただけで、あと数日もすれば機能が停止する。
人間がいるなら、問いたい。
僕は機能が停止したら、あなた方に会えるでしょうか。
いつかこの恋がハッピーエンドで終わるといいな。
好きな人とまた付き合って、電話して、会ったり
遊んだり、同棲したり、幸せな家庭を築いて結婚して
いつまでも好きな人と一緒にいたいな。幸せになりたいな
神様へ この恋がハッピーエンドで終わりますように.....
この恋が実りますように.....
ハッピーエンドを迎えたならば、きっと他の誰かはバットエンドを迎えているのだろう。みんながハッピーな世界は、なんというか宗教的な禍々しさを感じてしまう。
「そんな訳ないじゃない。禍々しくなんてないわ、みんなが笑顔で最後を迎えるなら、それが一番幸せでしょう?」
世界に突如として現れた笑顔をこよなく愛する宗教。
「幸福正義協会」皆がハッピーエンドを迎え、常に笑顔でいることを正義とするその考え方に、僕は反対した。
「…確かに、人は楽しかったりすると笑顔になります。でも、それを正義という概念で縛っていいってもんじゃない。それに、人が人として成長するには、楽しい以外の感情を、ハッピーエンド以外の結末を知ることも必要なんです」
「分からないわ。楽しい事、好きな事を永遠にしていたい。笑顔の絶えない未来を築きたい。そう願ったのは、紛れもない私たちでしょう?」
「そう…ですね。楽しい時は一瞬で過ぎ去ってしまうことに苦言を呈したこともあります。でも、その時に留まっていては、一向に前に進めませんよ。家族と、恋人と、友達と、ライバルと、苦楽を共にして、成長するのが人生ってものの醍醐味じゃないんですか」
「…矛盾してるわ。」
その言葉を待っていた。思わず、僕の口角が上がる。
「分かっているじゃありませんか、あなたも。そうです、矛盾だらけなのです。人なんてそんなものです」
背中に隠したナイフを構える。
「僕は言いました。人は楽しいと笑うと」
「…ねぇ、あなた今、何が楽しくて 笑ってるの? 」
「知っていますか。人は、悲しくても、笑うんですよ」
構えたナイフで、死角から女の腹を突き刺す。こんな宗教、広まってたまるか。人が笑顔になるのが正義だと?
違う、間違っている。人は悲しい時だって、例えば心配かけまいと、例えば誰かの為に、笑顔を尽くす。
「悪役として、バットエンドを迎えるのは、僕だけでいい」
誰かの、ハッピーエンドを守るために。
#ハッピーエンド
私とアナタは、10年間付き合っていた。
初めての出会いは、駅前で。
初めての外食は、ハンバーグ。
初めての旅行は、難波
いろんな初めて、いろんなアナタを知ってきた。
でも、10年目、将来性の問題でアナタから別れを告げられ
た。 3日、4日経つ度に終わったのか。何とも言えない苦心
、 ハッピーエンドが好きな私。 告げられたのは、バットエ
ンド。 アナタに会いたい。ハッピーエンドじゃないの?
#ハッピーエンド
夢が
恋が
人生が
あなたにとってかけがえのないものが
ハッピーエンドを迎えれますように
創作はいい。現実と違ってハッピーエンドに出来るから。
ご都合主義?
幸せならいいじゃない。
ハッピーエンドって日本語で直訳したら
幸せな終わりって訳される。
幸せな終わり。
物語で例えたら
ヒロインが苦難の道を乗り越えて幸せになれば
ハッピーエンドだ。
けど、僕たち人は現実を生きてる。
物語は結婚や目標を達成すれば終わるけど、
僕たちは、この現実に生きていて
怪我をすれば痛いし、美味しいものを食べれば
美味しいと感じられる現実に生きている。
じゃぁ、現実で生きている
僕たちの終わり
エンドはいつだろう…って考えた時
思いつくのはみんな一緒
たぶん、命尽きる時
その時に幸せな終わり方ができたら
きっとそれが現実でのハッピーエンドだ。
たがら、命尽きる時
幸せだっただと感じれる人生を
僕は歩んでいきたい。
綺麗事だとは思うがこういう場でしか
綺麗事なんて言えない。
現実で言えば、
きっと、コイツお花畑、草、とかなんとか
マイナスな言葉が返ってくるから
だから、ここでは綺麗事や矛盾なことばかり
のことばを並べていきたい
大きい声で幸せな人生が送れた嬉しかったと
叫びながら僕はしんでいきたい。
ハッピーエンド
オタマジャクシだった私は
田んぼにいたの。
目が見えなかったから
雨がずっと降らなかったことにも
気付けなかった。
苦しい
体が熱い
もうだめだってなったとき
誰かわからないけれど
私に水をくれたのよ。
私が生きてるのは
必然ばかりではないわ
きっと奇跡の繰り返しね。
【ハッピーエンド】
ハッピーエンド。終わりよければすべてよし。
泣き笑いの表情のまま、
私は地面にコーラを少し注いで、
地球とちょっと乾杯したよ
この土地にも、もうバイバイ
生きるのがつらくてたまらない夜に、
河原を泣きながら散歩してたら
黒塗りの川面にキラキラと散った町の光が、
私をそっとなぐさめてくれたよね
大雪の夜に川辺へ様子を見に行ったら、
あまりの静けさに私の耳が
おかしくなったのかと思ったよ
私がこの場所を選んだわけじゃなかったから、
最初はすごく戸惑ったし、
なんて寂しい町なんだと思ってた
多分二度と戻ってくることのない町だし、
楽しい記憶より辛い記憶のが多いけど、
荷物を引き払って、
もう塵ひとつない部屋を背にして、
今私がこうして夜空にひとり川辺を歩いて、
寂しいって思えてるこれが、
ハッピーエンド
どんなに終わりが綺麗でも過程の苦しさが全部消えるわけじゃないだろ
ハッピーエンドを迎えたかった
最後に世界は平和になって
世界の誰もが笑っている
でも、何故だろう
君が見当たらない
どうしても君が僕の前に居ない
世界は平和になった
それは正しく、ハッピーエンドだ
でも、それでも
僕はそう思えない
そんな世界の、ハッピーエンド
私の元を去る先輩。
私に気がなくなったような幼馴染くん。
私のそばにいたお兄ちゃん。
先輩も幼馴染くんもお兄ちゃんも…みんな私を置いて行くんだ。サヨナラも言わずに…
先輩。県内の高校に留まるんですね!でも、遠いんですね、高校。出来れば隣町のあの偏差値の高い高校にして欲しかったです。先輩なら入れたのに…そ、そうですよね、陸上、続けるんですよね。そっか、行ってしまうんですね。私、先輩のこと、まだ諦めてもいないのに。
君!…君。あ、君。ねぇ。…き…。私が呼んでも答えてくれない。そんなに私の事嫌いになったんだね。いつもいつも私の元に来るくせに。今度は私が近寄るのも嫌だって言いたいの?なんでずっと私たちの距離が縮まらないの?君、私の事、諦めたんだね。私も君にそんな気は一切なかったよ。君が言えば私の気持ちは動いたのかもしれないのに。ずっと待ってたよ、君のこと。私に会うことさえも引け目を感じているんだね。そう…なんだね。
おにぃ…お兄ちゃん!行かないで、お願い。ここに居て。そんなことは聞きもせずにお兄ちゃんの大学は県外に決まった。生まれてからずっと私のそばにいたお兄ちゃん。引越しの準備をたんたんと進めている。
県内に留まれば良かったのに。
将来の就職が確実になるかもしれないんだ。
いつ帰ってくるの?ゴールデンウィーク?
んー。ゴールデンウィークは難しいな。
いつ帰ってくるの?
わかんないな。帰ってこないかも笑
時には大好きで、時には大嫌いで。それでも、私たちは毎日毎日一緒にいて。他の兄弟とは比べ物にならないくらいの仲良しで。私はお兄ちゃんが大好きだ。ブラコンなんだ!そんなお兄ちゃんも4月にはこの家を旅立つ。私も見送りについて行くけれど。お兄ちゃんも私のことを置いて行くんだ。ずっとここにいればいいのに。それじゃあダメなんだよと笑うお兄ちゃんに私は泣きたくなった。いつもワガママ言っては怒られた。でも、今回だけは聞いてほしい。それもまた、ダメだった。お兄ちゃんは私の一番の宝物なのに。自慢の兄なのに。
先輩も幼馴染くんもお兄ちゃんも。みんな私の元から去っていく。それでもなお、私はハッピーエンドを追い続ける。私の本当のハッピーエンドはもう…存在しないのかもしれない。
…サヨナラくらい言ってくれてもいいじゃない
『ハッピーエンド』
オレ 猫
名前は…
オレを拾った小さな人間が
「ニャーさん」と呼んでいる
以前は…
母ちゃんと兄弟と一緒にいた
ある日
母ちゃんが兄弟たちを
くわえてどこかに行った
「すぐに迎えに来るからね」
母ちゃんはそう言っていたけど…
二度と戻って来なかった
代わりに来たのは
小さな人間
オレが腹をすかせて
あまりにも大きな声で
ニャーニャーと
鳴き叫ぶ声を聞いて
かわいそうに思ったのか
汚れて寒さに震えているオレを
自分の家に連れて帰った
温かいベッドは独り占め
美味しいご飯は横取りされない
こういうのを快適と言うのか
小さな人間は女の子と言うらしい
オレはここで人生いや猫生を
送ることにした
幸せな結末と言えるかどうかわからないが
とりあえず今は
人間たちに可愛がられ
幸せに暮らしている
これまでの猫生を語れば
まぁ ハッピーエンドと言えるかもな