『セーター』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ちくちくしているから、あまり好きではない「セーター」
私はスウェット派、タオル的な感じが良いんだよね
最近は、ちくちくが、あまり気にならないものもあるけれど
やっぱりセーターのイメージは、暖かくて、ちくちく
【セーターを着れない君】
彼は未だ半袖だ。
「寒くないの?」と私が訊くと、
「別に。恒温動物じゃん。大丈夫だよ」と
返された。
いつもと変わらない返事に呆れた。
私はホットコーヒーを一口嗜み、雑誌に目を落とした。
彼はカーペットの上でゴロゴロしている。
月に1回、私達はこうやっておうち時間を過ごしている。
場所は決まって私の家、
外には決して出ない。
別に外に出てもいいんだけど……
「ねえ、」
私は再び訊いてみた。
「ほんとに寒くないの?」
「別に、寒くないよ。
僕はそういう、暑いとか寒いとか無いんだって。
五感が無いんだよ」
「でも私の言う事聴こえるじゃん」
「あ、それは別」
私は暫く躊躇ったが、意を決して言った。
「1ヶ月後、一緒に出かけない?」
すると彼は急に固まってしまった。
「いきなり、何?」
「私も、寒くないから。
寒さなんて平気だからさ、一緒にどこか出かけようよ。
ショッピングとか、映画とか。」
彼は暫く考え、こう答えた。
「無理」
「だめ?」
「いや、考えてみなよ。
僕たちにとっては普通のデートなのかもしれないけど、
他の人からしたら『なんかあの人、一人でぶつぶつ言ってるなー』って思われるんだよ?
変人扱いされるよ?」
「そんなのどうだっていいよ。
私は、二人で色々楽しみたいだけ…」
「あ、12時来るわ。」
彼は私の話を遮って立ち上がり、ベランダに出た。
「今日はベランダから出るわ〜。
じゃ、また1ヶ月後。」
そう言って、彼はベランダから飛び降りた。
私もベランダに出て、下を見た。
もう彼は消えている。
私ははあっと溜息をついた。
もう冬だ。息が白い。
君が死んで1年半か、と考えながら、私は冬の街を眺めている。
「セーター」
だんだんと寒くなってきた。
セーターを出した。
この冬は、セーターが大活躍しそうだと私は思った。
セーター
もこふわ服
暖かそうではある
だけど買わない
乾燥機がない
自然乾燥には不向き
と、理由を付け足すけど
寒さに耐えれなくなればワンチャンス
コインランドリーはなくはないですからね
なんとなく買う時に選ばないだけですが
しいて理由をあげるなら窮屈そう?
セーター
モヘアニットに萌え袖の
ロングヘアのあの子
モヘアはかゆくなるし
袖は邪魔だからまくっちゃう
何年も前にロングは卒業した
私
『セーター』
AZUL BY MOUSSYのセーターをプレゼントしたことがあって、その彼によく似合っていたっけ。
あまり思い出したくない憎々しいほど大嫌いな過去。
母からセーターをもらった
黄色い綺麗なセーター
私は袖を通すと
改めて母の暖かさを感じた
大切な人が出来たよ
そう話しに
今度出かける
セーター
セーターを編んだ。
あの人にプレゼントする為に。
我ながら上出来だ。
サイズも問題ない。
早速渡した。
恋人でもなく祝うような事もないのに貰えないと言われた。
遠慮しないでいいと言ったが、断られた。
私の恋は終わりだろうか。
いや、まただ。
セーターがダメなら夏服を作ってプレゼントしよう。
セーターという物を僕は持っていない。小学生の頃は冬の制服がセーターだったので、持っていたが、今となっては、Tシャツ or Tシャツ。すなわち、セーターについての思い出など語ろうと思っても語れないのだ。
しかしまあ、今年は持っていても使わなかったと思う。一気に冬が来たからだ。今日はぽかぽか陽気でセーターが丁度良かっただろう。でも、多分すぐに寒くなる。ニュースでは東京が40年ぶりの寒さとあった。本当だろうか。本当なら、すっごい寒いぞ。
やはり今の地球は異常だと思う。半袖で過ごしていた1週間後にウインドブレーカーとは。Tシャツ orT シャツの時代は終わったのかもしれない。
『セーター』
「もうすぐクリスマスだね」
隣に並ぶ君が、息を白く凍らせながらそう呟く。
そうだね、なんてマフラーに包まれた口をもごもごと動かしながら答えた。
「一緒に過ごす人いるの?」
「いないかなー。お前は?」
「私もいないけど」
「なんだ一緒じゃん」
くす、と笑った瞬間に漏れ出た息が白く濁ってすぐに消える。
冷たい風が君の髪を揺らして吹き抜けた。
「一緒に過ごしてあげてもいいけど」
「お前が俺と過ごしたいだけだろ」
いつもの軽口の応酬のつもりだったけど、君の雰囲気が違うことに気づいた。
緊張してますオーラが溢れでている。
なに、どしたの、なんて言葉を投げ掛ける前に、君が口を開いた。
「そうだよ」
世界が止まった。
夢だと思わざるを得ないような状況で、それでも君だけはそれが現実だと感じさせる。
え、とかあ、とか言葉にもならないような声が溢れた。
不思議と、嫌悪感はなくて、むしろ嬉しいとさえ思える。
はやく気づいてよ、と君が唇を尖らせた。
「私はあんたと一緒がいいんだけど」
セーターにから覗くその頬がいつもより赤いことに気づいてしまって、それと同時に自分の気持ちを自覚した。
ツンデレかわいいですね。タイプです。
思い出す一着がある。
実家で着ていた手編みのセーターだ。
縄編等、色々な手法が取り入れてあり、ゴワゴワしていた。
愛情というより節約の度合いが高い印象のセーターだった。
#セーター
この紺色のセーターを着ると匂う甘い香り
懐かしさとともに胸がぎゅっとなる
今はもうこの世に居ない、大親友の形見だった
私はこのセーターがお気に入りだ
このセーターを着ていると、あの子が隣を歩いてくれているような気がしたから。
制服のセーターがよく似合ってた君を今でも思い返すよ
あみあみセーター
夫へ、愛情こめて
あみあみセーター
作るのだ
あみあみセーター
あと少し
あみあみセーター出来上がり
不器用なりに作ってみたの
どう?
お前にしちゃあ上出来
セーター
灰色の
編み目に込めた
この恋が
木枯らしに急く
貴方を抱いて
しゅる
しゅるしゅるしゅる
しゅっ
「なが~い!」
「セーター」とかけまして
「みんなでエアコンのリモコンを探す」と解きます。
その心はどちらも「あったかい/あったかい?」です。
お気に入りのセーターを着た
まだそんなに着ていないから
ほつれたり毛玉は出来ていないけど
お気に入りだから着ると幸せになる
それだけで心もあったかくなる
冬とセーターが好きだ
菫は大学の講堂前のベンチに座って、空を仰いでいた。
辺りを焼き尽くすのではないかと思うほどの熱波を放つ太陽が、燦々と輝く長い長い夏が、ようやく終わって秋が来た。それで喜べたのもほんの束の間で、あっという間に冬がやってきた。
今日の朝は特に寒かった。だから、ヒートテックのシャツを着て、もこもこのセーターを着て、ニットのスカートに裏起毛のタイツもばっちり。手触りのいいフリースの上着も着ている。昼間になると却って暑いかもしれないが、そのときは脱げばいいだけのこと。
実際に昼になって、こうやって外にいると、日向にずっといれば確かに暑いかもしれない。でも、日陰にあるベンチに座る菫にとっては、時折、冷たい風も吹くから丁度よかったと思っている。
空は北の方向は真っ青で、南の方向が灰色になっている。家に帰る頃には、もしかすると雨が降っているかもしれない。折り畳み傘を持ってくるのを忘れてしまった。最寄り駅から家までの短い時間、雨に濡れることになるかもしれない。――そんなとりとめのないことを考えながら、菫は彼を待っていた。
ふと視界に影が差した。菫、と名前を呼ばれたので、彼女は振り向いた。
「待たせて済まない」
彼女の顔がぱっと明るく輝いた。
「伸くん!」彼女はぽんぽんと自分の隣に座るよう彼に促した。「さっき来たところだから大丈夫だよ」
彼は菫の隣に座りながら、掌を彼女の頬にあてた。彼女の頬はひんやりとしていて、到底数分前に来たとは思えない。彼女の顔をよく見ると、鼻先や頬骨の辺りが赤くなっている。
「……の、伸くん?」
自分を見つめる彼の真剣な眼差しにどぎまぎして、菫は恐る恐る声をかけた。彼が寡黙で思索に耽る性質だということはわかっているものの、ずっと凝視されるのは気恥ずかしいというもの。
「ああ、いや……寒かっただろう」
彼は控えめな笑みを口許に浮かべると、自分のマフラーを彼女に巻いた。ふわふわのマフラーに菫の顔が埋もれてしまう。何とか顔を出した菫は彼に向かって大丈夫だとでも言いたげに、にっこり笑った。それにしても、この肌触り、憶えがあるぞ。
「伸くん……これって、もしかして」
ちらりと彼を見やると、彼は頷いた。
「ああ。お前に貰ったものだ。愛用している」
彼の率直な言葉は弾丸のようで、菫の心を撃ち抜いていく。嬉しさと気恥ずかしさで菫は顔を赤くした。
「気に入ってくれてるなら……嬉しい」
彼女はそう言うと、はにかんだ。
セーター
セーターはチクチクして、毛玉になって嫌だけど、母は編み物が得意でよく編んでくれた。
私が大きくなって、セーターが縮むと、セーターを解いてその毛糸でぬいぐるみを作ってくれた。
お金がない私達家族は、友達の誕生日にそのぬいぐるみをプレゼントした。なかなかの好評で、私は誕生日会にたくさん呼ばれた。
母の思い出である。