『ジャングルジム』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「ジャングルジム」
ジャングルジムで伸ばせる運動能力は
「身体認識力」「空間認知能力」「バランス感覚」を鍛え、
登る、潜る、降りる、渡るを知ることで達成感を感じさせる遊具とのこと。
日本には大正時代後半に来たらしい。
大正時代のジャングルジム…?大正時代にジャングルジム…?
・ジャングルジム
呟き。
頭はぶつけるし上から落ちるし何でアレが遊具にあったんだ。
配色と整った形以外でいい事無いぞ。
秘密基地っぽくて好きだったけど喧嘩の種になるしでもう最悪だぞ。
アレは大人になって初めてちゃんと遊べる気がする。
子供の頃、近所の公園のジャングルジムのてっぺんへ登ることは、どこかステイタスを感じることだった
自分より年上の子たちが当たり前のようにサッサと上に登り、実に気持ち良さげな顔で持って上がった紙ヒコーキを飛ばしたり、ピーピーと音の鳴るラムネをそこで食べたりしていた
同じ歳の子が次々と登る中でも、臆病な私はなかなか挑戦する気持ちさえ準備しきれずに、ただただ羨望をそのてっぺんに向けていた
「早く登って来ればいいのに」
という視線が、皆が見ている…と余計に私を躊躇させた
ある日、ようやく決心しててっぺんへ上がる事が出来た日、とても大人になった気分がしたことを良く覚えている
「こんな景色だったんだぁ…
こんなに高かったんだぁ…」
と達成感でいっぱいな気持ちでそこで感じた風は特別心地が良かった
あれだけ怖かった気持ちは、登ることに精一杯ですっかりどこかへ行ってしまっていたが、てっぺんの心地よさをゆっくり味わい、いざ降りようとした時、降りるための勇気を使い果たしてしまったことに気が付いた
どうやって降りて良いか分からない
下を見下ろすと改めてその高さを実感した
「ここにまず足を置きな」
と、友達が教えてくれる
ジャングルジムのバーにしがみつくように腕を絡めながら、足を降ろしていく
「目を瞑っちゃダメだよ」
と友達が叫ぶように下から声を掛けてくれた
登るより降りる方が数倍怖いことを、その時初めて知った
さっきまでの心地よい風は、ただ恐怖心を煽る冷たい風に感じられた
そんな記憶が鮮明に思い出される
あの時も臆病だったけれど、大人になって益々臆病になった
経験が増えた分、何かをやる前に起こるだろう数々のことが脳裏を過る
だから益々臆病になるのだ
子供の頃、何かを成し遂げた先のことまで想像出来なかったから挑戦出来たように、
もう少し心が無防備であれば、今からでも何かに挑戦出来るだろうか…
ジャングルジムに挑戦した勇気
とても良いことを思い出した
『ジャングルジム』
ジャングルジム
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いつも昼休みに
一緒に遊んでたのに
明日も会えるって
楽しみにしてたのに
キミと遊んだジャングルジム
てっぺんまで登れなくて
悔しがってたっけ
キミへの気持ちを書いた手紙を
そっと刻んで下りる
もう遊ばない……
キミに会えるまで
公園の遊具は昔から沢山あるけど、無くなった遊具も多い。
危険だからとか怪我をするからとかで。
公園なんて怪我をしてなんぼ! みたいな感じだと思ってたけど、時代が変わると怪我はしない事が1番になるんだね。
もちろん怪我をしないことに越したことはないけれど、怪我をして気づくこともあるから危ないから排除は勿体ないと思ってしまった。
そんな中であり続けるジャングルジム。
比較的そんなに怪我をすることがないからなのから回る地球儀とかコーヒーカップとか無くなっても、ジャングルジムだけはあり続けた。
小学生だと1年生は危ないから使っちゃダメとかあったなぁとたまに思い出す。
思い出の遊具が無くなるのは悲しいけれど、ジャングルジムだけでも残り続けて欲しい。
ジャングルジム……小学校低学年の頃まであったけど、4年生くらいになったらなくなっちゃったな。意外と楽しいんだよね。
【 ジャングルジム 】
いつも冒険してる気分になれる場所。
だって、通り抜ける度に、見える景色が変わるから。
迷路のような構造を、正規の通り道に沿って行くもよし。
外側を、ランダムに登っていくもよし。
中から抜け出してみるのも面白い。
どう通ってみても、同じ景色になることは無い。
上を見上げてごらん?
さっき見た時と、雲の形も空の色も、全部違うよ。
横を見て?
草や木の見える角度が変わってるでしょ。
ねぇ、今キミは困ってない?
目線変えてみるために、一緒に登ろう!
まるで迷路みたい。
ぐるぐると絡まる。
ぐるぐると迷路になる。
ぐるぐると廻る。
みんなの視線。
みんなの気持ち。
みんなの影。
わたしの思うことすべて
みんなの思うことみたい。
とめどなく。
お前は気持ち悪い。
お前は醜い。
お前は嫌い。
わたしは
なにかした?
わたしは
何か悪い事をした?
わたしじゃ
何もかもわからない。
ツタのようにほどけない。
ツタのように離してはくれない。
悪夢なのか現実なのか
わたしには何もわからない。
助けてほしい。
わたしは此処にいるよ。
声になるなら
叫んでもいいのかな
ジャングルジム
これは公園にある四角いやつか。調べたらやっぱり想像してたのと同じやつだった。
それにしてもジャングルジムとは懐かしい。子どもの頃はよく公園で遊んだから覚えている。
あの頃はまだスマホもネットも一般的じゃなかったから遊ぶとなると公園くらいだったな。ブランコをこいでからジャンプしたりと今考えたら結構危ないことしてたな。
でもジャングルジムは公園で見た記憶はあるんだけどそれで遊んだ記憶はないな。
俺が遊んでいた公園は広くてこう、なんというか一階と二階があるというか、階段と登れる壁みたいのがあった記憶がある。
だから登るのはその壁とかあとは木登りがメインでジャングルジムは使わなかった。
しかしずいぶんと懐かしい記憶を思い出させてくれる。今はもう公園とか見かけないしなくなっているって聞くけど。時代の流れだな。
それにしても昨日の深夜から一気に涼しくなったな。昨日バイトの行き帰りは寒いくらいだった。
夏は気休めかもしれないけど接触冷感のシャツを着てたけどもう普通のシャツでいいな。それとバイトにいく時は薄手のパーカーが必要だな。
掴み損ねたり足を滑らせたり。
普段とは違う高さから景色を見たいという好奇心より、ドジして落ちる想像ばかりしていたから苦手だった。
特に、降りようとして棒に足を引っ掛けて顔から着地する想像ばかりしていた。
一度も経験してないし、周りの子もそんな落ち方しなかったのに。
なんで想像できたのか不思議だ。
『ジャングルジム』
ジャングルジムに夜君と登る
君と夜空を見上げると
星空が広がっていた
君とみた星空はどこまでも高い
まわりが夜に包まれると
宇宙とつながっているような
感覚になるね
君はこれから夜の集会
私のことみんなにも伝えてね
『少年イカロス』
「てっぺんまで登ると、太陽に手がとどくんだ」
俺のとなりで、ジャングルジムに登っていく遊歩が言った。
「そうなの?すごいね」
そう答えるも、俺は信じてなどいなかった。
でも、遊歩は真剣だった。
「うん。だから、登るんだ。登って世界ではじめての太陽にふれた人間になるんだ」
それからは、二人して黙々と登った。
てっぺんから見える景色はいつもの公園でしかなかった。
当然、太陽だってはるか頭のうえだ。
「イカロスにならずにすんだね」
ちょうど音楽の時間に習ったばかりの歌を思いだす。
所詮、人間は太陽にはさわれない。
わかっていたことなのに、なぜかひどく落ち込んできた。
「遊歩?」
ずっと黙ったままの親友が気になり、横目で彼を見た。
遊歩は器用に腰かけながら、両手をめいっぱい空へとのばしている。
キラキラと瞳をかがやかせながら、「あったかいな」とつぶやいた。
「え?」
「すげぇ。な?そう思うだろ?」
遊歩はニッと笑顔を浮かべながら、俺に同意を求めてくる。
彼と空とを交互に見るも、太陽の位置はかわらないままだし、俺は遊歩のようなかがやきも持っていない。
キラキラな心を持ってジャングルジムに登ったら、感じ方もかわるとでもいうのだろうか。
遊歩、おまえは太陽にさわれたのか?
結局、真偽を確かめることもできないまま、その日はサヨナラした。
俺はまだ子どもで、頭のなかの世界はすごく狭くて、自分のまわりのことだけが全てだった。
大人になれば、世界は拡がっていくのだろうか。
だといいな。
そう思っていたのは、昔のことでーーー。
上司からのチクチク言葉を反芻しながら、公園のベンチに座り空を見上げる。
太陽に手をのばしつつ、かつての親友でもあった遊歩を思いだしていた。
彼とは中学にあがり、少しずつ疎遠になっていった。
なあ、遊歩。
今もかがやきを忘れていないか?
今も心にイカロスを宿しているか?
そのイカロスは、大人になった傲慢さで太陽に焼かれていないか?
どうか、かがやいたままのおまえでいてくれ。
できうるならば、いつまでもそうであって欲しい。
それがひどく一方的な願いと知りながらも、強く思わずにはいられなかった。
完
2024.9.24
あれ……ここのジャングルジムなくなったの?
不意に友人が指さした方向を見ると、そこには小さな公園があった。
……そういえば、この公園自体なつかしい。小さい頃はよく遊んでいたが、近くに大きなショッピングモールができてからはめっきり来なくなってしまっていた。
この公園は、小さくて遊具も少なかったけど、大きなジャングルジムと静かな立地にあるということで気に入り、私たちはよくここへ来ていた。
高校生にもなればその事実もすっかりわすれていたけど、平日も休日もほとんど毎日来ていたなと思い出す。
……形あるものはいつか壊れるって言うけど、意識してなかったものが急になくなると驚くもんだな。
物は大切に、ね。
ジャングルジム
人は、努力して協力して成功を積んでいく
ジャングルジムのように
遊ぶ時つみきをつむ
ジャングルジムのように
人は、色に満ちあふれている
ジャングルジムのように
人は、ジャングルジムのように高く色鮮やかで才能に満ち溢れてる
ジャングルジムのように
ジャングルジムのてっぺんに
どっちが登るか揉めた小学生の夏。
結局2人で一緒に登って仲直りしたね。
でもいつからだろう。
私と君との間に距離が生まれたのは。
素直になれたらまた一緒に登れるかな。
今更だけどね
(権力者が下の方だとバレたあと)
ある日突然、鉄格子の四角い明るい単色の何かができた。
偉い人たちができた原因知ってるかと、報告書提出ついでに尋ねようとしたら、全く分からず調査中だからと、そもそも会えなかった。
これだけの大きさが自然発生するわけもなく、ついでにボクの管轄にあるせいで原因が一人に絞れてしまった。
溜息をつきながら犯人を探せば、できた何かの上に座っていた。
「…………演奏者くん」
「やぁ、権力者」
いつもの調子で彼はそう応じた。
「登っておいでよ」
「…………なんでこんなの作ったの」
「登ってきたら教えてあげるよ」
頑なに言ってくる。ひとつため息をついて、正方形のとこに足をかけながら、一段ずつ登ってどうにか彼の方まで行く。下を見ると格子状なせいで下が見えて、少しだけ怖気付いてしまうけど、どうにか平静を装って彼の隣に座った。
「……来たよ」
「きみが『ジャングルジム』知らないかと思って」
「………………それだけ?」
「あとは……高いとこからユートピアを見渡したかったのもある。やっぱり端までは見えないけど」
「…………ボクの管轄くらいなら見渡せるよ」
「……なんで、僕が犯人だと分かったんだい?」
「………………他の人の管轄の住人は別の管轄の場所までいけないの」
偉い人はどういう根拠か分からないけれど、自然発生を軸に調査してるらしい。…………こんなものが自然発生なんてするわけもないのに。
「……きみのこと、もう少し知りたいよ」
「………………ボクは君の方が気になるけどね」
寂しそうに言った彼に、若干冷たく返すと彼は笑った。
テーマパークのガイドというのは長くやるものではない。決まった光景で決まった台詞を決まったタイミングで話さなければならない。客もそのことは承知の上で、決まり切った展開をただ楽しんでいる。安全で変化がなく、それでいて客に逸脱しないようにさりげなく求めることも重要だ。
ガイドになりたての頃は、仕事を覚えるのにのが精一杯で、それなりに充実していたんだと思う。だが5年も続けると仕事も覚えて新人に教えられるまでになり、多少のトラブルにも余裕で対応できる。トラブルも多少で済まないものなんて起こりようがなかった。
俺は冒険がしたかった。子供の頃から知らない場所で迷うことが好きだったし、新しいことを一つずつ理解していくことが楽しかった。
大人になって仕事をするならば冒険者ではいられないことは理解していた。だが少しでも冒険者に近いことをしたくて、この仕事に就いた。
だがどうだ、今や求められるのは決まり切った環境と人間関係の中で上手くやっていく能力だ。
こんなの冒険じゃない。
すっかり倦んでしまい、このごろせめて休憩時間は施設の外に出ている。客に見えない部分の、粗雑で始末の悪い配線などに心を休ませられるとは。
などと荒んだ気持ちでいると、急に強く風が吹いた。
帽子が煽られ、あ、と思う間もなく飛んでいってしまった。
飛んでいった先を見ると、蔦が絡まったフェンスの上に引っ掛かっている。
あれ、無くすと仕事にならないんだよな、と仕様がなくフェンスを登り始めた。
複雑に絡まった枝に手や足をかけて登っていく。
まるでジャングルジムだな、と独り言ちた。
登りきり、帽子を手にして、ふと前を見ると、眼前に山裾の紅葉が広がっていた。
職場の近くに低い山があることは流石に知ってはいたのだが、紅葉がこんなに見事だったとは、5年間気が付かなかった。
最初の頃は余裕がなかったとはいえ、ここ3年くらい、俺は何を見ていたのか。こんな近くの美しさにさえ気づけなかったことに、衝撃を受けた。
その足で辞表を出し、今は山岳ガイドをやっている。
鉄棒はジャングルジムの氷山の一角バージョンだと勘違いしてわくわくしていた頃の自分は無敵に近かったと思う
「ジャングルジム」
公園の
ジャングルジムの
てっぺんは
あどけない眼で
仰ぎ見た場所