『カーテン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
カーテン
今日、カーテンを替える。
『晴れた日にカーテンが揺れるのを見るとさ、穏やかな気持ちにならない?』
そう言って微笑む男の姿が脳裏に浮かんだ。
私は込み上げてくる涙を堪えもせず、フックを一つ一つレールから外して行く。
一緒に選んだ家具達は、全て処分した。
あとはこのカーテンだけだ。
白いレースのシンプルなカーテンは、彼が選んだ。
光が適度に入り込むカーテンを、彼はとても気に入っていた。
でも、もう必要ない。
あの日、些細な言い合いから始まったすれ違いは、彼が出て行く事で終わった。同時にお互い共に歩んできた時間も思い出も、全てが終わってしまった。更新される事はない。もう帰ってこない。連絡を取る事もない。
このカーテンを穏やかな顔で見つめる彼を見ることも、もう、ない。
一気に溢れ出した涙は、止まる事を知らず流れ続けた。
散々泣いたのに、まだ彼を思って流れる涙がこんなにあるなんて。
いい加減忘れなきゃ。
もうこのカーテンを捨てたら、彼との思い出は記憶の中だけになる。
それも時間が経てば色褪せてくるだろう。きっと思い出しても、こんなふうに泣く事は無くなるだろう。
あー、そういばそんな事もあったよね。なんて軽く笑いながら友達と語れる日が来るだろう。
だから、この涙で終わりにするんだ。
取り外したカーテンを抱きしめると、全てを出し切るように、私は泣いた。
END.
『カーテン』
カーテンをお開けになって、朝日に照らされ、焼かれるのも良いことでございます。
なにぶん、私の朝食はパン派でして、焦げる寸前のトーストを好んでおります。ええ、火の扱いというのは、まったく充分なものでございます。耳に響く、目覚まし時計のピピピという音が、小鳥のさえずりのようで、ああ、わたし、来世は鳥になって、喉が焼き切れるほど鳴いてみたいのです。そして、自分の炎に包まれて、焼き鳥になってしまいましたら、あなたの飲み会のつまみにでもなってしまいたいですわ。
さあ、焼かれてしまいましょう、天からの恵みを全身で受け止めてみましょう、そうして、この生をしまいにしてしまいたいのです。
ああ、なんということでしょう。
今日は雨でございましたか。
No.146『カーテン』
カーテンを開ければ光が部屋に差し込んでくる。
その光に私はまた顔を顰めた。
『カーテン』
カーテンを閉める派と、
わりとカーテンを閉めなくても気にしない派と、
どちらも過去にいた。
あの頃は若かったし、
電気も消さずに、カーテンもそのままで、
みたいな日々も、今となっては懐かしい。
カーテンを開けて
今日の怒りを浄化する。
常に笑っていなくちゃ。
怒りなんて見せてはいけない。
#カーテン
『起床時』
起きぬけに カーテンふわりと よい知らせ
聞こえるよ 植物たちの話し声 フライパンが熱帯びて 卵と逢うのを 待ちわびている 髪の毛が伸びてきた 今日は一日晴れるらしい
カーテンを開けた
眩しい光が差し込む
私は思わず
目を閉じた
いつもひとりぼっち
窓から見える楽しそうな家族
私も家族とお出かけしてみたかった
カーテンを閉めた
真っ暗になった
視界が揺れて
目を閉じた
涙と血が止まらない
生きててごめんなさい
カーテンを開け1日がはじまり、カーテンをしめ1日が終わる。私の小さな部屋を明るく色どってくれる。いつもありがとう。
散りばめられた
スパンコールが
深い海にする夜
あの美しい光が
心を擽るのです
少しだけ開く扉
大切にしている
宝石箱は永遠に
さあ涙を拭いて
幾千もの物語を
繋いでひとつに
朝は新しい光が
心に宿るのです
どんなときにも
『カーテン』
白いレースのカーテンに
緑の絨毯
昼下がりの午後
窓辺に寝転んでみて
カーテンが風で揺れて
ふわ~っと膨らんでくる
風に癒され
眠りに落ちるよ
✴️177✴️カーテン
→短編・闇一夜
真夜中、カーテンを下ろすようにまぶたを閉じる。
眠ろうと思った。
でも、眠れない。
そんな心当たりのない不眠が続いている。
理由があれば、楽なのだろうか?
たぶん、それはそれで苦しいだろう。
まぶたの裏、眼球は暇を持て余す。
仕方なくまぶたを開ける。
闇の中、あっという間に目が慣れて、「黒は300色あんねんで」なみに家具や置物の陰影を浮き立たせる。
駄目だと解っていて、スマートフォンに手を伸ばす。
闇に馴染んでいた目を瞬かせる。
昔は時計の音で過ぎていく時間を感じていたものだが、今では手元の小さな機器がその役割を果たす。
そんなことをしていたら、空が白み始める。
鳥の声がし始める。車の走る音が増え始める。
マンションならではの音の伝播で、何処か家のカーテンが開いたことを知る。
のろのろ立ち上がって私もカーテンを開ける。
一日が始まる。
テーマ; カーテン
ひらり。 風に撫でられ、靡くカーテンに覆われる。
私達から 周りを隠す様に靡いたカーテンは、その場から私達を 乖離させる様な感覚に陥れ、2人だけの世界にいる様な、そんな感覚になる。
……それがどうしようも無く幸せで満たされたのに、今は隣に貴方がいない。こうして1人カーテンにおおわれていると、1人この世界から乖離させられる感覚には、孤独と虚しさを感じてしまう。
嗚呼、神様。どうか、次に貴方に逢う時は。あの時と同じ様に、風に靡いた
: カーテン
に覆われ、また2人だけの世界を作りたい。
「カーテン」(詩/一行詩)
カーテン裏に入り込み日向ぼっこする飼い猫は雄でありながら
カーテンを天蓋に見立てお姫様ごっこをしている
◆
カーテンの裾が横型の本棚に掛かってるのはカーテン裏に潜り込んだ証拠
◆
カーテンの隙間から外を眺めるニャルソックは朝方と夜に発動
カーテン
この部屋と
外の世界
私の大切な世界を包み
新しい風を
揺れながら
揺れながら
色や柄
雰囲気で、この大切世界は、
ガラリと変わる
でも、
そんなにカーテン
変えないな
そうだ、
新しいカーテン
買いに行こ
私の部屋のカーテンを悩んで2年。
緑色のカーテンが欲しい。
寒くなってきたから、そろそろ買わないと。
今月中には絶対買うぞw
風になびいて波立つ布は
光をゆらゆらと部屋へ誘う
月夜に浮かぶ白波が
ゆらゆらと
私を眠りへと誘う
『カーテン』
カーテンは常時閉めきっている。開けることはない。
朝日を取り込むことでの気分だの縁起だのには興味はない。換気なんぞは風呂場と換気扇をフルに稼働させればこの狭い部屋では充分だった。
闇に包まれていたいわけではない。ただ、少しばかりカーテンが陽を透かすだけの仄暗さが好きなだけだ。
カーテン
カーテンに覆われている
私はベッドの上
カーテンの隙間から
私を呼ぶ声がする
「明日退院ですね」
私は先生が大好きだ
先生は私と笑顔で話す
泣きそうになる私は
なんとか涙を堪える
先生は話し終えると言ってしまう
心の中で叫ぶ
行かないで
行かないで
行かないで
先生の背中がカーテンに消える
「カーテン」
あなたと過ごした部屋
カーテンの隙間から朝日が射す
起きたらいつも抱きしめてくれたあなた
温もりがなくて1人を実感する
今日はゴミの日
あなたとのたくさんの思い出をビニール袋につめて
固く結ぶ
もう溢れ出てくることがないように
今日は家具を買いに行こう
「カーテン」
一人暮らしになると、カーテンっていつ洗えばいいのかわからない。
結構汚れてると思うのだけど、物が大きいのでつい忘れてしまう。
というよりも、ちょっと面倒と思ってしまう。
乾かすのは大変だし。
やはり今度、コインランドリーに駆け込んだ方がいいかもしれない。